sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

避難区域の解除、示さず

2011-07-28 | 暮らし

前回の「移住でなく避難」のテーマを続けるなら政府と東電が
発表した工程表の改定にふれなければならない。しかし、
7/19日に発表した改訂版工程表では、住民避難区域の解除や縮小に
ついての明言を避けた。

今日(7/28)現在もこのことについての続報は知らない。
原発の状況、工程表などに示された事故収束に向けた
見通しは次々と修正されつづけてきていることはご存知の
とおり。

当初目標にしていた原子炉の安定的冷却とは「格納容器内に
水を満たして燃料を冠水させ、そのうえで本来原発に備わって
いる冷却装置を復旧させること」だった。

しかし、原子炉格納内は予想外に損傷が激しく水がたまらな
かった。そこで、7月の期限内に間に合わせるための代わりが
「循環注水冷却システム」だ。同システムは簡単にいえば
浄化した放射能汚染水を約4㌔の長い配管で引き回す間に冷却して
原発にもどすという前例のない方法。

 困難な作業はすべて後回し、現在稼動しているのは急場しのぎの
仮の装置。循環注水冷却システムも水漏れ、停止など1ヶ月で
10回を超えるトラブルが発生し、予定された初期稼働率も
約7割りと低く、地下室にたまった汚染水をなくすという目標の
達成も危ぶまれている。

事故収束に向けて作った工程表は第2段階に入った。
政府は「避難されている住民を元の生活にもどすことは最大の
使命」としていて、特に緊急時避難準備区域を「出来るだけ
早く解除したほうがいい」という考えを示しいる。

解除の条件としては、原子炉の安定的冷却、水素爆発の危険性の
ほぼなくなる状況を挙げていた。

7月までの第1段階で目標としてきた「原子炉の安定的な冷却」は
達成できた -としているが、くり返すが避難解除時期には
触れていない。

 

 

 


移住でなく避難

2011-07-16 | 暮らし

       (事故から25年後も立ち入りは制限されている)

打つべき手は避難しかないという最悪の状況のなか
政治は重苦しく停滞している。

時間をかければ事態は収束する。燃料はいずれ燃え尽きるの
だから。しかし、「避難」という言葉には危険を短期間逃れ
元の場所にもどるという
ニュアンスがある。

そして、社会機能がもとに戻るまでの時間をどう短くするか  
それは政治のやるべき仕事ではないのだろうか。

<第一原発事故 避難住民聞き取り調査>によると
原発災害によって9万人以上が避難指示などで住んでいた
地域を離れている。避難者は「戻りたい」と思えば思うほど
「戻れない」環境のとのギャップに戸惑う。

先行き不安が尽きない避難者には政治の弱さと見苦しさに
やり場のない気持ちが募る。


今年4月26日に事故から25年目を迎えたチェルノブイリ原発は
汚染がひどく立入りが制限されている(原発から半径約30㌔)

ウクライナ政府は半径約30㌔を廃村にして居住を禁止した。

政府は避難者に帰る時期は示していないが「移住」という言葉は
使っていない。元の場所に帰るという「避難」であると私は
理解している。現政府へあえて確認しておきたい、避難者が
元住んでいた町や村に帰れるということを。
 (*画像はイメージです)

 


展望はあるのか

2011-07-15 | 暮らし

       (薄明かりはみえるものの暗雲が消えたわけではない)

 

「国難といいながら個人批判や攻撃ばかり、国の選択とか
被災地の復興をどうするのか」といった議論はない。

超党派で緊急の課題に取り組むべき時期に政局を行うことが
必要なのだろうか、首相退陣を求め、大連立の名の下で権力闘争
と合従連衝を模索することが本当に国のためになると思って
いるのだろうか。

「被災者は怒るというより、諦め顔」という。
死者15,561人、行方不明者5,313人(警視庁発表 7/14日現在)
阪神大震災の災害3ヶ月後で不明者2人であつた。神戸の街は
すでに復興の途にあった。
数字だけで状況がつかめるとは思えないし、災害の広さ深さが
異なるので一概に比較はできないが、東日本大震災から
4ヶ月余になる。

それにしても、今回はなんとも遅い。被災者の生活再建の
メドはたたない。原発事故も確たる展望はない。

3・11,東電福島第一原発事故で私たちは原発の真の怖さを
知った。それ以前とは違う。

原発の是非は国内54基の原発だけでなく、世界にある436基の
存在の現実を考えよう。原発事故を起こした当事国の
日本は国際社会に対して責任があるのではないだろうか。
未来に何を渡すか。


落ちた偶像

2011-07-15 | 暮らし

 

3・11から4ヶ月余、東電福島第一原発はコントロール
できていない。今はまだ、非常時。

危機が続いている。政府も東電も今がどういう状況か、
それがいつまで続くのか、はっきりさせていない。
今の状況についてコメントできるのは、現状を詳しく
把握している政府と東電だけだ。

「不確なことはいえない」とメルトダウン(炉心溶融)を
隠し続けた東電と原子力安全・保安院はいまだに
「肝心なことは隠している」と誰もが思うように
なったことは残念なことである。

「事実を公表するとパニックになる」と
国民を信頼していない政府、
「本当のことは隠している」という政府不信の国民、
だが、国民は危機の実体を知る権利がある。

世界一安全な国としての日本は失われた。この国の科学技術も
東京電力という企業も ”落ちた偶像 ”と化した。
そして、国内だでなく世界からも大きく信頼を失ったのは
日本の政治ではないだろうか。

「日本の政治はもはや先進国の政治とは呼ぶに値しない有り様
 になった」と21世紀臨調(新しい日本をつくる国民会議)は
厳しく断じている。

(画像は「落日と送電線のある風景」です)

 


私事で恐縮ですが・・・

2011-05-13 | 暮らし

震災から2ヶ月を経ても福島第一原発は収束にてこずり続けて
います。周辺住民の避難は続き、放射能の拡散も止まりません。

私事で恐縮ですが、しばらくお休みをいただいておりました。
今回の大震災で自然の力の前では人はいかに非力かで、
いかに簡単に人の命が消えるかをリアリティをもって知りました。

被災地からから遠く離れているのですが心に矢がつきさったように
感じております。当地でも地震、といっても震度3程度ですが、
体に感じる程度の弱い余震も続いています。

しかし、地震大国、日本列島に住む限り、いつ被災者になるか
誰にもわかりません。誰もが被災者になりえるのです。
この国のどこに「ここは安全だ」、という場所があるのでしょうか。

そして、原発の安全神話は完全に崩壊しました。
原発は安全だといわれそれを信じこんでしまいました。
それは愚かなことでした。どこかで事故があっても
「自分は大丈夫」と思っていました。社会にリスクはあっても
自分は守られているという考えがどこかにあったようです。

「社会にとってのリスクは自分にとってもリスク」という考え方に
変わる人が、この震災以後多くなるのではないでしょうか。
原子力発電所での事故は起きる - と考えたほうがいい。
「幾重にも安全策が講じられている、事故は起きない」
というのは嘘でした。それでも・・・・、

これまでのように災害は人智で防げると引つづき思って暮らしますか、
それとも、尽くすべきは尽くすが人は常に危険と隣り合わせで生きる
しかないと諦めますか。

大切なものはなにか、何が本当に自分たちの生活に、そして子供たち
のために必要かを一人、一人が考えざるをえなくなりました。


森と川と海のつながり

2010-06-19 | 暮らし
森里海連環学は生まれてまだ5年、「森は海の恋人」の
世界を科学する学問です。森・川・海ではなく、
森・里・海・・。里は、川の流域に住む人々の生活空間
であり、考え方でもあります。
 
河川流域の都市化や、森林の伐採でこのつながりが脅か
されています。つながりをつぶすのも人間、再生するの
も人間です。
里に住む人々の考え方が大事です。

森づくりは、流域の生態系を修復すること、個々の場所
であるべき森の姿を見出して地域にあった森を育てる
ことがが大事―ということになるようです。



森と海のつながりを示すもう一つの事例は、延長100キロ
程度の中級河川で上流に広がるブナ林が、ヒラメの稚魚を
育てている例です。富山湾の後背地にあるブナ林の腐植土
を通った水は、栄養塩に富、富山湾に流れ込んで植物プラ
ンクトンを育てます。

それを餌に動物プランクトンのアミ類が育つ。ヒラメの
稚魚はアミ類だけを餌とする食性を持ち、ブナ林とヒラメ
の関係は明らかだといわれます。(写真はイメージです)


海の酸性化・・

2010-06-17 | 暮らし
海の酸性化が進むと貝類だけではなく、海の生態系が危機的
な状況になるだろう― という指摘がある。

大気中の二酸化炭素が増えると、温暖化だけではなく、海の
酸性化が起きる。その悪影響は、予想以上に幅広生物に及ぶ
ことがわかってきた。酸性化は将来、食用のウニや貝類の
減少を招くとともに、漁業への影響が心配されている。

酸性化が進むと、貝やサンゴなどの生物は、殻や骨格を作り
にくくなる。海洋酸性化の問題は70年代から指摘されてきた
が、研究が盛んになったのはここ10年ほどだ。
各地の研究機関が海洋生物への影響を調べはしめている。

液体は中性だとPH(水素イオン濃度指数)の値が7。海水(表面)
のPHは現在,8,1の「弱アルカリ性」だが、酸性濃度が進むに
つれてPHの値は小さくなってゆく。

将来のCO2(二酸化炭素)濃度を予測する気候変動に関する
政府間パネル(IPCC)のシナリオにもとづく国立環境研究所
の計算では、2010年ごろの海水のPHは7,8程度。最悪で
7,7まで酸性化する恐れがあるとーしている。

IPCCでは「過去に経験したことのない速さで酸性化する」と
指摘する。昨年1月、世界の150人を越す科学者が連名で、
「海の酸性化を防ぐにはCO2の排出削減を早急に進めるべきだ」
とする宣言を発表している。

生態系の危機

2010-06-12 | 暮らし
生態系の異常の原因を探れば、気候変動の影響を考えざる
を得なくなる。身近な森と水の循環から生態系の危機を
かんがえると・・・。

80年代の準備段階から生物多様性条約にかかわっている
国際自然保護連合主席研究員のジェフリー・マクニーリー
氏は、「生物多様性、水、気候変動と分けず、相互の関
連性の理解を広げることが急務」としている。

「5千種以上ある両生類の31%が絶滅の危機にある。アマ
ゾン川流域でさえ、渇水に陥る異常気象が背景にある。チ
ベット高原の氷河が過去40年間に7%減少し、アジアの水
供給を脅かしている」と生物多様性と水の危機、気候変動
の関係に言及。

多様性を守るための行動は気候変動の対策に直結すること
を強調した。

緑と人間

2010-06-05 | 暮らし
緑を植え、緑を育てるという。緑を支配し緑を養うのは
人間だと私たちは思い込んでいる。むしろ、緑のほうが
人間を養っているのではないだろうか?

植物生態学者であり、植樹指導や植生調査のため世界各
国を駆け巡る宮脇昭さんは「人間が消えても森は育つ。
しかし森が消えたら人間は生きていけない」と危機感を
訴えている。

緑は日かげをつくり、涼風を生み、水分を蒸散し、寒暑
をやわらげ、人に安心を与える。緑は土壌の生産力を高
めてくれる。緑は大気を浄化し、常に新鮮な酸素をはき
だしてくれる。

緑は大気中の汚染物質を吸い込み、酸素を供給してくれ
る。首都圏内の大気中の二酸化炭素を浄化するには、
圏内の35%を緑地帯にする必要があるという。浄化能力
の高いプラタナスを植えるーと仮定したうえでの話しだ。

この、35%を一つの基準にすると東京の緑は絶望的に
少ないといわれる。23区内の緑地面積はわずか2,8%
だという。

蜜蜂の受難は地球の病を映す

2010-06-02 | 暮らし

蜜蜂が鳴らす沈黙の警鐘 (2)

蜜蜂は連絡を取り合って花に赴き、蜜を蓄える。精緻な
分業だ。高等生物を恥ずかしくさせるほど高度で複雑な
仕事である。だが知性は個々の蜂にではなくコロニーに
宿る。その巣ごとの知性が脅かされている。

消えた蜂の仲間たちは「巣に戻る方向がわからなくなっ
たのかもしれない、農薬には蜂の方向感覚を狂わすもの
ある、だが、これが原因かどうかの断定はできていない。

他にも、ケータイの電波、遺伝子組み換え作物、ウィル
ス関与説なども広まるがこれが決定的という決め手はな
いようだ。

もし、蜜蜂がいなくなったら、毎日の食卓で食べている
果物も野菜も、自然には実らなくなってしまう。また、
人間が食べている農作物に限らず、地球上に大気を供給し、
気象を安定させている地球上の厖大な種類のかなりの部分
は蜜蜂たち、訪花昆虫の花粉媒介によって命の鎖をつない
でいるーといわれている。

中国では人海戦術による果樹の受粉作業が行われていると
いう。野生の花粉媒体役が失われれば、生態系にもほころ
びが生ずるだろう-との指摘がある。