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加計学園問題について語る 前川喜平氏(前文部科学省事務次官)記者会見全録 2017(H29).5.25. 文字化

2017-06-01 22:44:03 | Weblog

2017-05-21
<安倍親友 加計学園> あなたは安倍首相がクリーンであると信用できますか? 「総理のご意向」文書 リーク全文文字起こし
2017-05-24
<安倍親友 加計学園> 「総理の意向」文書が裏付ける「加計」の流れ 「広域的に」「限り」の語句追加で京産大離脱
2017-0525
(全録)加計学園問題 前川前文科次官が会見1
2017-0525
(全録)加計学園問題 前川前文科次官が会見2
2017-05-26
<安倍親友 加計学園> 前川ショック(前文科省事務次官) 官邸側のネガティブキャンペーンは捨て置け
2017-05-27
「あったものをなかったものにできない。」からもらった勇気  ※他サイト 前川氏の真実の姿
2017-05-28
<安倍親友 加計学園>「前川ショック」官房長官 記者会見 5/17~5/26 文字起こし
2017-06-19
<加計学園> NHK新入手文書 「10/21 萩生田副長官ご発言概要」文書画像テキスト化(NHKクロ現 6.19.夜放送)



加計学園をめぐる問題で、渦中の人となっている前川前文科事務次官が5月25日夕方、記者会見を開きました。その記者会見、上記リンク表示のユーチューブ会見動画をもとにして全文書き起こしをしました。



(注)「○○」は聞き取りできなかったところです

前川前事務次官記者会見 2017(H29).5.25.


 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画で、文部科学省が内閣府から「総理のご意向」と早期開学を促されていたとする文書を巡り、文科省の前川喜平前事務次官は5月25日、三竿弁護士を伴って、東京都内で記者会見を開いた。


前川氏 (立ち上がって)文部科学省の前事務次官の前川喜平でございます。きょうはわざわざお越しいただきましてありがとうございます。座ってお話をさせていただきます。

 国家戦略特区における今治市の獣医学部の新設についてですね、私は文部科学省の側の事務方のトップとして関わってきました。その間における行政のあり方においては、私は当事者の立場の中で、疑問を感じながら仕事をしていたと申し上げざるをえません。

 今般、国会において、この間の経緯を示す文書が議論され、野党からこの問題についてくり返し政府に対し問いただすということが行われ、その文書8枚について、それが本物であるかどうか、真正なものであるかどうか、存在するかどうかについて文部科学省の中で調査が行われたと聞いていますが、その結果、これらの文書については確認できなかったという結論になったと聞いています。

 これについてわたくしは、たいへん残念な思いを抱いたわけでありまして、これらの文書につきましては、わたくしが在籍中に実際に共有していた文書でありますから、これは確実に存在をしていたわけであります。そのことについて、まず申し上げたい。

 もちろん、今回の文書を巡っては、ええ、こういう発言をわたくしがすることによって、非常にあの、文部科学省の中にもいろいろと混乱が生じるであろうと思っております。文部科学省としては「調査はしたけれども確認はできなかった」と言っているわけですから、わたくしが出てきて「いや、それはありますよ」と言うことによって、非常にあの、文部科学省としても困った事態になることだろうと思っておりまして、わたくしの後輩たちや、お世話になった大臣、副大臣といった三役の方々にこの件でご迷惑をおかけすることになるかもしれません。その点についてはわたくしは、たいへん申し訳ないと思いますが、

 しかし、あったものをなかったことにすることはできないということでですね、申し上げたいと思っているわけです。

 それから、もう一つ、わたくしは今治市における国家戦略特区の獣医学部の新設の経緯につきまして、この当事者であったわけでありまして、少なくとも昨年から今年1月21日、わたくしが辞職するまでの期間はですね、当事者として業務に携わってきたわけですから、その間に十分に、まっとうな行政に戻すということができなかった、結局押し切られてしまったということにつきましては、わたくし自身が負わなければならない責任は大きいと思っています。これは、わたくしが事務方のトップとして、また大臣を支える事務次官としてですね、十分な仕事ができなかったというわけでありますのでですね、その点については、わたくしの口からこの場を借りてですね、文部科学省に対してもおわびを申し上げたいと思う次第でございます。

 そういった思いから今回、この文書の真正性ということ、信ぴょう性ということ、それからこの、国家戦略特区において今治市の提案が認められ、規制改革が行われ、獣医学部の新設が行われる運びになった、この経緯についてですね、私が思うところを述べたいと思ったわけでございます。以上です。


 三竿(みさお)弁護士 ま、この前にですね、いろいろと、天下り問題があったりした中で辞職されて、それでその後、何でここに出てきたのかということに対する説明です。 

次に今朝、わたしも買いましたけれど、週刊文春、朝日新聞などの記事、そういったところで引用されている文書が、怪文書のようないいかげんなものなのか、それとも文科省で職務遂行の中で作られたものなのか、本人から説明させてもらいたいと思います。

 前川氏 国会において提示され、それに基づいて、野党からの要求に基づいてですね、文部科学省で調査した対象となっている文書が8種類あったと承知しております。ですから、これはもう真正なものである。文部科学省の中で、専門教育課で作成され、また、幹部の間で、ま、幹部の間でといっても範囲は多少違います、文書によってですね、ま、幹部の間で共有された文書であると。これは間違いない、ということであります。従って、文部科学省においてもですね、改めて調査すれば明らかになる、存在は明らかになるはずのものであると考えております。

 いくつかの資料があるわけですけども、最初の資料としてですね、あのお文春の中でもしょうかいされてますけれども、ええ、「平成30年4月開学を大前提に逆算して、最短のスケジュールを作成し、共有していただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」という、そういうペーパーがございますけども、これは、このペーパーは、わたくしの手元にあるスケジュールとですね、(昨年)9月28日に、わたくしが専門教育課から説明を受けた際にスケジュールと一緒に受け取ったものと同じものである、ということですね。ええ、ま、ここがそのう、内閣府から文科省に強い要請が来た、まあ、最初に強い要請が来た、この要請が文部科学大臣までとにかく上げて、文科学省が対応を求められた、そういったきっかけになった文章だと言えます。

 で、この文章に対して、文科省としてはこの文章にたいへん苦慮していたわけでございますけども、それ含めてですね、大臣からも懸念点が示されたわけですね。「なぜ30年4月開学でなければならないのか」という点とかですね、それからですね「やはりこれは与党の中にもいろいろ意見があるから、与党の中でも議論が必要じゃないか」と、こういった指示も大臣からあった。で、この指示を受け、内閣府でまた再確認するという作業を担当課はしていたわけです。その間、文部科学省としても、農水省でありますとか、厚生労働省でありますとか、関係する省庁に「コミットメント(関与)してほしい」と幾度も繰り返していたと。そういう状況がございます。

 そのう、週刊文春の中ではですね、大臣指示以降の後ですね、あのお10月4日の日付がついている義家(弘介)副大臣レク概要というのがありますけれども、これは、義家副大臣はその当時、その時点でですね、農林水産省にコミットを求め、また、そのために内閣府の萩生田(光一)官房副長官にお願いをして、文部科学省だけではなくて、獣医師の養成、あるいはライフサイエンス等の分野に責任を持つ、農林水産省、厚生労働省の両省に参加を求めると、ま、こういう作業をしてくださっていたのですね。

 ええ、さらに、このう、「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」という文書もございます。この文書は、わたくしの手控えである日程からいきますとですね、あのう、10月の17日に専門教育課からわたくしが説明を受けた際に受け取った資料であります。ええ、この内閣府からの回答というのはですね、いわば、内閣府からの最後通告に近いものでですね。ええ、党での、「与党での議論はいらない」というようなことが書いてございますし、「30年4月開学ということは決まったことだ」と。そこに「総理のご意向」という言葉も出てくるわけですけれども、ええ、30年4月でなく、31年以降になるんであれば、それは文部科学省の設置認可で遅れるならかまわないが、そうでなければ30年4月が、あのう、決まったことである、大前提であるということも言われている。

 また、農林水産省であれ、厚生労働省であれ、参加を求めることはできないと。会議に呼ぶことはできるけれども、内閣府として2省の実質的な参画は求めないと。そういうことが記された資料でございます。いずれもこれは真正なるもの、本物であると、わたくしはここで申し上げることができる、ということでございます。

 三竿弁護士 今の説明が、今ちまたに出回っている書面が、いわれのないものではなくて、確かに文科省の中で作成されて、当時の(事務次官の)前川氏に受け渡されたものであるという発言です。

 前川氏 これらの文書は、私が担当課から説明を受けた時点、つまり昨年の9月から10月にかけてですね、作成され、わたくしが受け取ったということに間違いありません。それが現在もあるかどうか、確認していませんので分かりませんが、少なくとも(文書を)作成した者、共有した者は今でもそこにおります。あるいはパソコンの中、サーバーの中にあるのかもしれません。そこは、わたくしはなんとも申し上げられない。少なくとも、わたくしが在職中に作成され、共有された文書であるということは間違いありません。

 三竿弁護士 それでは次にですね、あのう、今回の一連の、そのう、問題について、当時、内部の事務方の責任者であった前川氏が知っていることであるとか、問題であると考えていることについて、話してもらいたいと思います。


獣医学部設置の四つの条件 「根拠ある説明ない」

 前川氏 はい。あのう、この、今治市、広島県の国家戦略特区において、その今治市における新しい獣医学部の新設に向けてですね、新たな追加規制改革を行うかどうかということについては、これはもう、一昨年、2015年からすでに検討課題にはなっていたわけであります。ただ、そのう、検討するにあたってはですね、閣議決定で「日本再興戦略改訂2015」というものがございます。この2015年6月に閣議決定された、この日本再興戦略の中でですね、新たな獣医学部の新設を認めるかどうかを検討するに当たっては、四つの条件があると、閣議決定で示したわけであります。

 それは、現在の提案主体による獣医師養成でない構想が具体化するということが一つ。二つ目はライフサイエンスなどの、獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること。さらに、それらの需要についてですね、既存の大学・学部では対応が困難であること。これが三つ目ですね。さらに四つ目として、近年の獣医師の需給の動向を考慮しつつ、全国的な見地から検討すると。こういう四つの条件のもとで検討するということが、閣議決定で決まっていたわけであります。

   ➡参照クリック 「日本再興戦略 改訂 2015」(2015.6.)121ページ
    (地方主導による大胆な規制改革の実現)
    ⑭獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討
    現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなど
    の獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の
    大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国
    的見地から本年度内に検討を行う。


 ですから、この獣医師養成の大学の新設を、もし追加規制改革で認めるということであれば、この四つの条件に合致しているということが説明されなければならないわけでありますけれども、わたくしはこの四つの条件に合致しているということが、実質的な根拠を持って説明されているとは思えません。

 また、文部科学省は大学の設置認可の権限を法律上持っておりますが、それはきちんと国民に説明できる形で行使しないといけないわけであります。また、いったん設置認可された大学については、国民から預かっている税金から私学助成も行わなければならないということとなります。従ってあのう、大学設置認可はやはり、きちんと根拠のある形で慎重に行わなければならないわけであります。特に医師、獣医師、船舶職員などのですね、特定の分野については、文部科学省の告示である認可基準において、将来の人材需要が見込めないということでですね、原則的に禁止というか、新設をしないという考え方に立っております。ええ、獣医師、獣医学部についてもですよ。そのうえ、新設は行わないという基準が既にあるわけでありまして、それは獣医師の将来需要が見込まれないという前提があるからであります。

 で、獣医師の将来需要はどこが責任をもって見通しを立てるのかといえば、これは農林水産省であります。
農林水産省は獣医師国家試験も所管しておりますし、獣医師という業そのものを所管しているわけでありますから、その獣医師の将来の需要ということについてはですね、農林水産省がどんな分野でどういう獣医師が必要であるかということについて、きちんとした見通しを立ててくれなければいけない。

 あるいは、獣医師ではない別の分野で獣医学部で要請する人材であって、新たな分野、まあ、日本再興戦略で言われているようなライフサイエンスなどの分野でですね、新たな需要があるというのであればですね、その分野における、新しい分野の人材の需要というものが、それぞれ責任ある省庁で明らかにされなければいけないと。たとえば新しい薬を作る新薬の開発ということについて、獣医学部で養成すべき人材がいるというのであればですね、それは厚生労働省で人材需要について見通しをたててくれなければいけない。文部科学省としては、そういう責任ある省庁が将来の人材需要をはっきりと見通してくれない限りはですね、現在、告示で一律新設しないと言っている分野で新たな学部を新設するということに踏み切るということは、できないわけであります。従って、わたくしども文部科学省としては、農林水産省や厚生労働省の実質的な参加がなければこの問題について結論が出せないと、まあ、言い続けてきたわけですね。ところが結局ですね、農林水産省も厚生労働省も、将来の人材需要についての明確な見通しは示してくれませんでした。

 そのままで特区での規制改革が行われてしまったということでありまして、獣医学部の新設についてですね、これまでの特例を認めるべきだという結論が出てしまったわけであります。ですからわたくしどもとしては、文部科学省としては負いかねる責任を負わされたというふうに思っておりましたし、現在でもわたくしはそう思っておりますが、改めて申し上げれば、もともと検討に当たって四つの条件があった。この四つの条件に合致しているかどうかを判断すべき責任がある内閣府は、そこの判断を、十分根拠のある形でしていないと、わたくしは思っております。

 また、将来の獣医学部で養成すべき人材について、その人材需要の見通しを明確に示すべきですね、農林水産省、あるいは厚生労働省は人材需要について見通しを示していない。従って、責任あるそれぞれの主務省庁がですね、その役割を果たしていない中でですね、ええ、文部科学省において設置認可の審査するところまで来てしまっている、ということであります。これは非常に、あのう、行政のあり方として問題がある。極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われたと。また、そのことによって、公正公平であるべき行政のあり方がゆがめられたと、いう風にわたくしは認識しているわけであります。

 ただ、経緯がそういうことであってもですね、今の状況は、文部科学省がこの3月に加計学園から獣医学部新設の申請を受け取り、それを大学設置・学校法人審議会の審議に付託してですね、そこで、審議会がもう審査を行っているという段階であります。で、少なくとも文部科学省においては、そのう、きちんと基準にのっとってですね、公平公正な審査をして、確かにこの、獣医学部はきちんと審査した結果だという形で結論を出してほしい、という風に願っているわけでありまして、ええ、これ以上、行政のあり方をゆがめることがないようにしてほしいと、ま、そのように願っているわけであります。わたくしはその過程で、責任ある立場にいたのは事実です。努力不足があったというのは認めざるを得ないと思っておりますので、その点は最初に述べたとおりであります。

 しかし、少なくとも文部科学省が、これからは、この先はですね、大学の設置認可という文部科学省の専権事項の部分で、仕事をしなければならないので、その部分においてはきちんとした審査をしてほしいと思っているわけです。

 三竿弁護士 それではですね、今度は皆さまの方から質疑を受けまして、応答したいと思います。

 --フリーランスの田中と申します。30年4月の開学の件についておうかがいたします。内閣府が文科省に30年4月の開学を通告したよりも早くですね、それよりも時系列で早く今治市の担当課は市議会議員に4月30日だよと言ってるんですよ。で、ことほどさように、内閣府と今治市が直接、連絡し合っていたというのを前次官、当時、お感じになられましたでしょうか?

 前川氏 わたくし自身は、内閣府と今治市の交渉の経緯はまったく承知しておりません。内閣府から言われたことだけしか、わたくしは承知していません。

 --頭越しにやられたことを今、どうお思いになられるでしょうか?

 前川氏 いずれにしても、あのう、文部科学省で設置認可の審査をしないかぎりは大学はできませんのでですね、あらかじめいついつに大学を作ると言うことは、本当は言えないはずなんですよ。審査の結果、これは落ちてしまうこともあり得るのですから。これはあのう、許認可なしに勝手にできることであれば、できるのかもしれませんし、国が自らやることであれば言えるのかもしれませんが、民間が行い、国が許認可を行う事業ですから、本来は、いついつまでに必ずやりますということはできない類いの問題だと思っております。

 --赤旗の社会部の○○と申します。大前提としてこのやりとりは加計学園ありき、今治ありきだったということでよろしいんでしょうか?

 前川氏 あのう、関係者の間の暗黙の共通理解としてあったのは確かだと思います。口に出して加計学園という言葉を使ったかどうかと、そこはですね、使っていない場合が多いと思います。しかし、内閣府においても、文部科学省においてもですね、この、国家戦略特区で議論している対象は、今治市で設置しようとしている加計学園の獣医学部だと、そういう共通認識のもとで仕事をしていたという風に認識しております。

 --国会では8文書以外にですね、共産党の小池晃参院議員が提出した、11月9日の諮問会議の原案、そしてそれに対する文科省の反論、で、きょう明らかになった松野文科大臣のメモ、そしてあのう内閣府の求めに応じて文科省が作ったスケジュールが出ています。これはあのう、ご承知になっておられますでしょうか?

 前川氏 ま、今、ちょっと今、拝見した限りでは、確たることは申し上げられませんけれども、わたくしが担当課から受け取ったものと同一のものでないかと思われます。

 --証人喚問を小池氏が求めました。証人喚問に出ることはありますか?

 前川氏 証人喚問があれば参ります。

 前川喜平・前文部科学事務次官はさらに、報道陣の質問に辞職の経緯について「誰に恨みをもつようなものではない」などと説明した。

 --TBS報道の○○と申します。ええと、TBS報道のインタビューを受けていただきまして、今朝から大々的な報道が始まっていますけれども、ええ、それを受けてですね、政府、官房長官、それから文科省、文科大臣はですね、「今までのところ、文科省の調査で文書の存在が確認できなかった」。再調査するつもりも今のところ言明されていない。ええ、もう一つはですね、文科大臣は「お辞めになった人のことについてコメントしない」と。前川さんは、いわば捨て身の告発をされたわけですが、それに対してきょうの段階で、このようなコメントが出されたっていうことについて、何かご感想はありますでしょうか? もひとつだけ、きょうの官房長官の会見で、前川さんが文科省をお辞めになる経緯について、「文科事務次官という地位に恋々としがみついていた」という、ある種、人格攻撃的な発言をされてるんですが、これについては名誉毀損等のですね、ある種法的な措置を取るというお考えはありますでしょうか?

 前川氏 はい、まず、文部科学省の調査に関してですね、ええ、まああの、問題になっている文書が確認できなかったという調査結果でありましたけれども、まあ、わたくしが思うに、もう少しちゃんと調査をすれば確認できるのではないかと思いますし、また、あの松野大臣がですね、わたくしの言動にコメントしないとおっしゃるのは、それはそれで結構だとは思うんですが、わたくしの偽らざる気持ちを申し上げればですね、大臣も含め文部科学省の皆さん、わたくしの後輩たちも含め、本当に、あのう、気の毒だと思っているんですね。あるものをないと言わざる得ないとかですね。できないことをできると言わざるを得ないとかですね。そういう状況に追い込まれていると、そうわたくしは受け止めておりましてですね。

 --(前川氏の発言を遮って)その大臣の直接のですね、懸念の言葉を、前川さんは直接お聞きになったんですか?

 前川氏 いや、いま伺った限りの印象ですけどね。ええ、松野大臣には在職中大変お世話になりまして、わたくしは本当に尊敬もし、敬愛もする政治家なんです。ですから、あのう、わたくしの偽らざる気持ちとしては、本当にお気の毒であると。わたくしはまた、十分にサポートできなかったことは申し訳ないと、そういう気持ちが先に立ちます。

 それからわたくしの辞職の経緯はですね、誰に恨みをもつようなものでもなく、あのう、わたくしは文部科学省のいわゆる天下り問題、再就職規制違反の問題について責任ある立場におりましたから、これはあのう、再就職監視委員会からも違法行為を指摘されましたし、わたくし自身も自分自身が行った違法行為、それから違法行為を行った職員に対する監督責任、そういったものが問われたわけでありまして、わたくしが引責辞任したのは、わたくしの自らの意思であります。経緯を申し上げれば、わたくしが、1月5日だったと覚えておりますが、1月5日の日に、わたくしの方から松野文部科学大臣にこの監視委員会の調査の状況、文部科学省としての対応などをご報告した際に「かなり多くの処分が不可避です。こういった事態に到ったことについては、わたくしが責任を取らざるを得ないと思います」と。従って「責任を取るという形でわたくしが辞任するということにさせてもらいたい」と申し出た記憶がございます。わたくしの方から大臣にですね。あのう、事務次官の辞職というのは勝手にできないわけで、辞職を承認するという辞令をいただかなければなりませんので、承認していただきたいと、私の方から大臣に申し上げたんです。大臣は慰留してくださいました。しかし、わたくしはまあ、これは辞めるしかないと考えているということで、このことについて、官邸にもご相談したいということで、大臣のお許しを得てご相談に参りました。

 ご相談の相手は杉田官房副長官でした。
副長官に、これから起こるであろう文部科学省職員への処分がどのようなものになるかということを説明しながら、わたくし自身の引責辞職についてもお許しをいただきたいと申し上げ、「それがいいだろう」との了承を得て、それを持ち帰って大臣に官邸の方からもご了解いただきました。ということで、事実上、私の辞職がそこで決まったということであります。また、わたくしの自身の処分に関しては、わたくし自身のお手盛りでやっているわけではありません。わたくしはもう、省内で処分を受ける側に回るということがはっきりしていましたので、どのような処分するかということについては、文科省の中に独立チームを設けて、わたくしはそこに入らずにですね、そのチームで監視委員会との調整を行い、大臣との調整も行い、決めていった。わたくしはそのう、結果として減給2カ月という処分を受けたのですね。ですから、そのう、何かその地位に恋々としたとか、じたばたしたということは、わたくしはなかったと思っております。
 ➡参照クリック 文字起こし「官房長官記者会見5月25日午前」

 --週刊○○編集部の野田と申します。一連の文書にある「総理のご意向」、それから「官邸の最高レベル」、という言葉についてお聞きしたいと思います。これはあのう、あくまでも内閣府の藤原審議官の言葉ということですが、もしこれが勝手に審議官が使っていたとしたら大変なことだと思うんですね。これまでの長い官僚生活、経験とかで、審議官が総理の意向とうそつくとか、つかれたとか、そういう経験はおありになりますでしょうか?

 前川氏 わたくし自身は、経験ないです。


 --こういう役所の文書っていうのは、ある程度やっぱりあのう、信頼して、文言があったとしたら、実際にそれは真実相当性があるという前提で読まれるという、そういう理解でよろしいでしょうか?

 前川氏 あの、このう、わたくしが目にした文書というのは、文科省の専門教育課がつくった文書でありまして、専門教育課の職員が内閣府の藤原審議官のもとを訪れて、藤原さんがおっしゃったことを書き留めたと。そういう性格の文書であります。わたくしは、わたくしの部下だった職員がやはり書いてあるようなことを聞いてきたのだと。これは100%信じられると思っておりますので、藤原さんがそういうことをご発言になったということは、わたくしは確かなことであろうと思っております。

 --藤原さんがそういうことを、うそをつく可能性というのは?

 三竿弁護士 ……ちょっと待って、それは藤原さんしかわからないんで。

 --テレビ朝日の報道ステーションの平石と申します。獣医学部新設をめぐる基準についてですけれども、当初なかった「広域的に獣医学部がない地域に限る」、「広域的に」「限る」というこの基準を具体的に指示したのは誰なんでしょうか?

 前川氏 このプロセスはですね、文部科学省が実質的に責任を負えないプロセスなんですね。内閣府が主務官庁である国家戦略特区の枠組みの中でそういった判断が行われていますので、文部科学省がそうしてくれとお願いをしたことはないと言えます。ですから、どうしてこういった形の文言になったのかということについては、文部科学省としては説明できない。これは、内閣府から説明していただかないと、わたくしどもとしては説明できない問題です。

 --この一連の文書については、前川さんがその報告を受けるときに作られたということでしたけれども、そこに「総理のご意向」という言葉があって。前川さんは直接、安倍総理とやりとりされてないんでしょうか? 経緯の中で。

 前川氏 あのう、この問題について、わたくしが安倍総理とお会いしたことはございません。

 --その必要性はないと、お感じになったのですか?

 前川氏 わたくしのレベルで、この問題で安倍総理にお会いするということは考えられないですね。

 --この一連の問題について安倍総理はコメントしていないんですが、そのことについてはいかがお考えでしょうか?

 前川氏 そのことについてわたくしはコメントする立場にはございません。

 --○○の○○です。身の危険を感じたこと、あるいは権力側から嫌がらせを受けたことはありますか?

 前川氏 あのう、まあ嫌なことが起きることはございますが、それが権力側の嫌がらせかどうか分かりません。

 --聖教新聞の○○です。9月28日付文書で、最高レベルが言っているのを目にしたということなんですが、どのようにお感じになったか? それと、この文書を見た前日に松野大臣と2人で安倍首相にお会いになってると思うんですけれども、その時にはこの文書についてのお話ではなかったんでしょうか。

 三竿弁護士 どの書面を見たときって言いました?

 前川氏 「30年開学を前提に」という文書ですね?

 --はい。首相動静をみると、この前日に松野大臣とともに首相に会っていると思うんですけれども、その際、当然この時期ですから、その話題が出たのではないのかなと。

 前川氏 まず2番目の質問について。総理のところに私が大臣に同行することはございましたが、それは記憶する限りすべて、教育再生実行会議の進め方についてなんです。わたくしが大臣とともに、総理のもとを訪れるという日程があったとすれば、それは直近の、すぐ後に行われる教育再生実行会議について、その議事内容とか、段取りとか、そういったことの説明に伺ったはずです。この段階で、この国家戦略特区のことについてご相談があると考えにくいですし、私の記憶としてはそんなことはしておりません。(前の質問の)受け止め方ですか? 「官邸の最高レベル」と言っていることをどう受け止めたかということですか? わたくし、あのう、「官邸の最高レベル」というのは誰のことだかよく分かりませんし、一番上と言えば総理だし、その次と言えば官房長官でしょうから、そのお二方のどちらかのことなのかな、と言う風に思ったということですし、もし本当にそうであるとすれば、それはやはり気になるところではありましたですね。

 --(質問者所属氏名聴取できず) 文書を見て、官邸の意向だと伝えられて、文科省としてどういう風に対応されたんでしょうか?

 前川氏 文部科学省のスタンスというのは一貫しておりましてですね、規制改革を行い、設置認可が申請できるようにするためには、まず一つは、人材需要があることが明確に示されなきゃいけない。で、それを示すのは、これは農林水産省、あるいは厚生労働省、やはり獣医師ですから、メーンはやはり農林水産省なんですよ。農林水産省が責任を持って、将来の人材需給について見通しを立ててくれなきゃいけないんで、そこで「現在よりも多くの獣医師が必要です」ということを明確に言ってくれなければですね、獣医学部の新設に門戸を開くということはできないと。これはもう一貫した立場だったんですね。

 それから、もう一つ、国家戦略特区で獣医学部を認めるかどうかの検討にあたっては、四つの条件があるというのは閣議決定されてましたから、この2015年6月の閣議決定の条件に合っているかどうかと。これは内閣府において、つまり、国家戦略特区を担当している内閣府において、責任を持って判断してもらわないと困る。その上でですね、獣医学部の新設申請を解禁するということになってくれないと困る、というのが文科省の一貫した立場でした。
   ➡参照クリック 「日本再興戦略 改訂 2015」(2015.6.)121ページ
    (地方主導による大胆な規制改革の実現)
    ⑭獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討
    現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなど
    の獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の
    大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国
    的見地から本年度内に検討を行う。


 その責任ある関係省庁の責任ある対応をずうっと求めていたわけですね。どんなに急いだとしても、それがなければできませんと。ということで、4条件はちゃんとクリアしているんですねと。それはちゃんと実質的な根拠を持って内閣府で判断してほしい。将来の獣医師の需要について、農水省、あるいは、場合によっては、厚労省がですね、こういった人材が必要ですと明確に示して欲しい。その上でなければ、獣医学部の設置を解禁することはできないと。…ということをずっと訴えていた。ですから、どんなに急ぐと言われても、その条件を満たさなければいけないということはですね、ずうっと言い続けていたというのが、文部科学省の一貫した立場でした。

 --でも「官邸の最高レベル」というのが出てきたわけですね。結果的には急いだわけじゃないですか。やっぱりこの言葉が急がせたと?

 前川氏 ま、あのう、最終的にはもう、内閣府に押し切られたと、わたくしは思っていますが、国家戦略特区で規制改革をするかどうかということについては、主務官庁は内閣府ですから。内閣府がもう最終的にそのように判断したのであればですね、わたくしどもは、それはもう、わたくしどもの手の及ばないところであると。致し方ないと。それを受け止めるしかないと。そういう事態に立ち至ったということですね。

 --「官邸の最高レベルが」ということはですね、松野大臣とはそういう話をされたことはない?

 前川氏 私は松野大臣への説明の場には居合わせておりませんが、担当である高等教育局からは、松野大臣にそのことはご説明しただろうと。

 --官邸から来てるよ、という意味でですか?

 前川氏 内閣府の審議官の言葉として上げたんではないか、と思います。

 --(所属・氏名聞き取りできず) 読売新聞に出た、出会い系バーの記事について、どういう思いでしょうか? 今回の記者会見を決断した背景には、そういう記事による何か権力の脅しがあるのでしょうか?

 前川氏 はい、ええ、そういう出会い系バーと言われるものがありましてですね、読売新聞で報じられたわけですけれども、そういったバーにわたくしが行ったことは事実でございます。えー、経緯を申し上げれば、わたくし、テレビで報道番組と言いますか、ドキュメント番組があってですね、いつどの局のどの番組だったかというのは覚えていないんですが、女性の貧困を扱った番組ということは覚えているんですけどね。そういった番組の中で、えー、そういったバーの中でですね、あのう、デートの相手を見つけたり、場合によっては援助交際の相手を見つけたりしてですね、お金をもらうという、そういう女性たちがいるんだという、ま、そういう女性の姿を紹介する番組だったんですね。

 で、これ、普通の役人であれば、実際に見に行こうなんてことは思わないかもしれませんが、わたくしはですね、ちょっと実際にその人たちに会って話を聞いてみたいと言う風に思って、ま、そういう関心からですね、ええ、そういったお店を探しあてて行ってみたわけですね。そこで、その場でお話もをし、場合によっては食事をしたり、食事に伴って一定のお小遣いをあげたりという、こういうことをしながらですね、お話を聞いたということがございます。まあ、その話を聞きながらですね、子供の貧困と女性の貧困とは本当はつながっているなということもわかりましたしですね。

 そこで出会った女性の中には、例えば小学生の子供2人を抱えていて、水商売で暮らしている。生活保護はもらっていないが生活は苦しいし、就学援助で何とか子供は学校に行っているとかですね。ええ、あるいは、高校を中退して以来、そのう、ちゃんとした仕事につけていないとかですね。あるいは通信制高校に行っているが、その通信制高校の実態が非常に、そのう、非常にいいかげんなものだということもわかったりですね。いろんなことが実際、実地の話の中から、そのう、学べたんですよね。

 その中から、多くの人たちが親の離婚というものをを経験しているなっていうこととか、それから中学高校の段階で不登校とか中退を経験している人が非常に多いということがですね、ま、そういった共通点を見出したわけで、ある意味、実地の視察、調査という意味合いもあったわけですけども。

 そこから、わたくし自身が私が文部科学行政、特に教育行政をやる上で、そこから課題だなと思うものを見いだせたんですね。そういう意味では、ああいうところに出入りしたことは、役に立ったという風に思ってますし、意義があったと思っているんですけどね。あと、そのう、読売新聞がこの問題をどうして報じたのか、わたくしの極めて個人的な行動ですから、それをどうして読売新聞、あの時点で報じたのか、わたくしにはまったく分かりません。
  (1)5/22読売新聞出会い系バー報道について、読売記者が官房長官記者会見で、5/25午
     後、5/26午前、5/26午後と3回続けて質問をしました。これは5/25午後の前川前文
     部科学省事務次官の記者会見に符節を合わせて官房長官の前川バッシングに向けた
     八百長質問と見られます。
   (2)前川氏の出会い系バー買春を暗示する読売と官邸の、悪質なキャンペーンを否定す
     る前川氏の真実を知るために、下をクリックしてお確かめください。
     ➡参照クリック 「あったものをなかったものにできない。」からもらった勇気
     ➡参照クリック リテラ記事「官邸の謀略失敗?」


 --あのう、それは権力の脅しだというところもあったのでは?

 前川氏 まあ、わたくしは、そのう、そんな国だとは思いたくないですね。

 三竿弁護士 ま、その点はあきらかな証拠がないので、何とも答えようがない、ということです。…それでは時間が押してきましたので、同じところにかぶるとまずいので、まず、どこかっていうのをおっしゃっていただけますか?

 --日本テレビの森と申します。よろしくお願いします。あのう、文書を示されて説明を受けたということでしたけれども、特に1枚目の内閣府からの伝達事項、ま、「官邸の最高レベル」という言葉が出てくるんですが、説明を受けた際にですね、口頭で、これに関して、さらに追加で、こういうことを言われたとか、聞いたとか、そういうことを覚えている限りで結構ですので、教えて下さい。

 前川氏 まあ、あのう、このペーパーに則して内閣府の意向を聞いたわけなのでですね、このペーパーに書いてある以上のことは聞いていないと思いますけども、その際に併せて、文部科学省としてのこれまでのスタンスですね、なぜこれまで構造改革特区で15回にわたって、この規制緩和をお断わりしてきたのかと。その経緯については、担当課から説明はうけた記憶がございます。わたくしも昨年の6月下旬に次官になったばかりで、それ以前の経緯は十分了知しておりませんでしたから、その辺の経緯についての説明も受けた記憶はございます。

 --前川さんの方から、その辺の経緯一般について、これはどういう意味なんだ?と聞いたということはありませんでしょうか?

 前川氏 いや、あのう、そこは詳しいことは覚えておりません。

 --○○、あのう…

 三竿弁護士 え? え? あのう、どこのでレビ局ですか?

 --デモクラシー・タイムズです。ええ、あのですね、先ほど問題の文書は幹部で共有したと言われてましたけども、具体的にお持ちになっているのは、どなたとどなたとどなたでしょうか?

 前川氏 ものによって違うと思います。共有といってもですね、担当課が個別に説明に行って、その場で渡していると。そういう意味で共有しているということなので、どの資料をどの人のとこへ持って行って渡しているかというのは、わたくしもわかりません。担当課でなければわかりません。あのう、一連の資料はいわゆるレク資料といわれるもので、部下が上司に説明するときに使う。あのう、ま、複雑な課題を要領よく要点で並べてですね、わかりやすく整理したペーパーで、通常こういうものには日付もつけませんし、担当課の名前もつけませんし、保存用ではありませんので、その場でレク、つまり説明するために使うもので、どの資料をどの人の説明に使ったかというのは、これは、担当課でないとわからないですしね。

 --しかし松野大臣が、そのうちのいくつかは、お読みになっているとか、説明を受けているとか、あるいは、お読みになっているとか、考えられますか?

 前川氏 松野大臣への説明にも使った可能性はあります。ただその場合、大臣は自分では保管されませんから。あのう秘書官なり、別の人なり、担当課が持っているものであれば、必ずしも大臣が、いつも保管する必要はないんですね。

 --しかし、大臣が知らないっていうのは、おかしくはありませんか?

 前川氏 そこはちょっとわたくしにはコメントできません。

 三竿弁護士 ちょっとあのう、評価を聞く質問は無しにしてください。事実についてお願いします。

 --はい。それから、朝日新聞に、そのう、出会い系に行ったという話は、昨年の秋に官邸の幹部から指摘を受けたという風にお答えになったと思いますけれども、それは昨年のいつごろですか? それで、相手はどなたでしょうか? 幹部の。

 前川氏 あのう、日付は覚えていません。ご指摘をいただいたのは杉田官房副長官です。

 --ちょうどそれは加計学園の問題で、押したり引いたりする時期と重なるように思うんですが、時期的にはどうなんですか? 9月ですか?

 前川氏 あのう、ある意味、時期的には重なっているかもしれませんが、わたくし、あの、言葉として何か関連あるとは、まったく思っておりません。

 --その時には、先ほど言ったように社会的な探訪的なである、というご説明はされたんですか?

 前川氏 いや、そこはもう、全く言い訳しておりません。

 --共同通信の○○です。まず、文書のあるなしについては、ええ若干、水掛け論というか、調査はしないという政府に対して、みんなが知っているなどで、手元にもあるとおっしゃっていましたが、真実と証明するもの、別のメールなり、手帳とか。そういう証拠のようなものはほかにないんでしょうか?

 三竿弁護士 今、当時ではなくて現在ですね、彼の手元に書面がある。で、それについて、現物を示すとか、その保管に至った経緯については、現段階では説明を控えさせてえいただきたい。

 --その理由についてもですか?

 三竿弁護士 ええ、その理由についてもですね。

 --それは(証人)喚問に備えて、ですか?

 三竿弁護士 それもあるかもしれません。次の質問をお願いします。

 --4条件に合っているとは思えないという発言があったと思いますが、具体的に、(4条件の)どこが一番合致していないと思いますか?

 前川氏 まあ、4条件すべてなんですけれども。特に新しい分野における具体的な需要が明らかになっているかと。例えば、新薬の開発や水際対策、事柄としては出てきてはおりますけれども、本当にそれは具体的な内実を伴うものなのかと。そこが極めて薄弱だと思っております。新しい分野の具体的な需要ということですね。人材需要ですね。それがまずまず確定していないのが問題なんですけれども、それがあったとして、それが既存の大学・学部では対応できないという条件もあるわけで、そこもその、検証されていない、と思います。あのう、既に16大学あるわけですけれども、その16大学ではできない、だから新しい大学を作ると。そういう理屈になっておりますが、そこも検証されていません。

 --加計学園の関係者と直接お会いになったことたりとか、陳情を受けたりとか、そういうことはないでしょうか?

 前川氏 あのう、ま、加計学園には文部科学省出身者がおりましてですね、わたくしも親しくしてきた方もいらっしゃるものでですね、そういう方とお会いする機会はございました。

 --それは具体的にいつ? この問題が、あの新設が決まる前後とか。

 前川氏 まあ、あのう、(昨年)9月、10月ではなかったですけども、その前にお会いしたケースはございます。

 --その時にはもう、内閣府から30年4月で行くぞとか、新学部ができるとか、そういう趣旨の……。

 前川氏 (質問の終わりを待たずに)ただ、わたくし、具体的なことを担当課から聞く前だったのではないかと思います。

 --そのとき会ったときに、何か加計学園について要望というか、そういうものは無いというか。

 前川氏 あのう、加計学園に再就職した人が来たわけなんで、ええ、獣医学部のことにも話題になった記憶はございます。

 --話題というのは具体的には、どういう?

 前川氏 獣医学部を新設したいので、まあ、よろしくみたいなね。あまり詳しいことの話じゃなかったんじゃなかったかと思いますけども。そういった話題が出たのではないか、と思います。

 --それに対しては、前川さんはどういう具合に受け止められたんですか?

 前川氏 それはただ受け止めただけで、聞いただけでですね、そえを聞いたうえで、それに対して何かアクションは起こすということはしませんでした。

 --あと最後に、そのう代理人弁護士をつけた理由についてお話しいただけますか?

 前川氏 ま、特に、あのう、一人では心細かった、ということですね。

 --前事務次官というポストから考えれば、堂々とお一人ですぐに出てこられてももおかしくないのかなと思うのですが。このタイミングで代理人弁護士といっしょに出られたという理由を、もうちょっとお聞きしたいんですが?

 前川氏 いや、そんなにその、確たる理由はございません。

三竿弁護士 はい、どうぞ。

 --読売新聞です。

三竿弁護士 あ、読売新聞。もう聞きましたよね。じゃあ、次の

 --ITメディアの○○です。ええと、内閣府からの「官邸の意向」という文書を見たときにですね、プレッシャーを感じたという風におっしゃっています。さきほどの会見でもですね、国家戦略特区の中で加計学園ありきの○○を感じたとおっしゃっていましたけれども、あのう、前川さんが直接ほかに、何かその、官邸なり、政権のプレッシャーを感じたようなことはありましたでしょうか?

 前川氏 ま、あのう、その点についてはですね、ちょっとあのう、現時点ではお答えを差し控えたいと思います。

 --あ、理由は何ですか?

 前川氏 ちょっと理由も含めてですね。

 --もう一点、もう一点いいですか? ええと、先ほどそのう、行政がゆがめられた、わたくし自身も責任を感じるとおっしゃっておられましたけれども、あのう、どうしてこの、事務次官在任中にですね、どうして前川さんの自身の力で行政のゆがみをただすことができなかったんでしょうか? 原因は何でしょうか?

 前川氏 まあ、わたくしの力不足が第一の、原因ということではないかと思いますが、やはりもうひとつは、極めて政治的な意味合いのある意思決定が必要だったんじゃないか、ということもあると思います。

 --それは、どこから感じられましたか?

 前川氏 まあ全体からですね、行政的に積み上げることがなかなか難しい事情が感じられた、ということですね。

 --NHKの○○です。文科省は十分な調査をやらないまま、文書を確認できないと言っています。やらないまま、そんな回答を出さざるを得ない状況は、どういうパワーバランスにあるのでしょうか? もう一つ、あのう、今、省内がですね、相当混乱している状況なんですけれども、前事務次官としてですね、省内の方々にどういう言葉を掛けたいかですね?

 前川氏 まあ、あの先ほども申し上げましたけれども、文部科学省の、特に国家戦略特区に関わっている職員の人たちはですね、本当に気の毒だという風に思っているんですね。もともと十分な根拠なく、規制緩和が行われてですね、本来、赤信号のところを、とにかく赤い信号を青い信号だと考えろといわれ、赤を青にさせられてですね、。さらにその経緯について示すような文書についてですね、これがあのう、なかったことにすると。知らないことにすると。実際にある、あった文書をなかったことにするということで、いわば黒を白にすると言われているようなもんですから。あのう、まあ本意ではない、意に反することをさせられている。言わされている。そういう状況がずっと続いているわけですね。ま、そのことについては、本当にそのう、気の毒だと思ってましてですね、これはまあ、わたくし先ほど申し上げましたけれども、大臣も含めて本当に気の毒だと思っております。

 ええ、わたくしはもう辞めた立場なので、自由に発言できますしですね、ええ、あのう、政権全体のことを考える必要もないという立場なので、こういった形で出てきて自由に話すことができるわけですけども、現在の文部科学省についてはですね、やはりなかなか、あのう官邸、内閣官房、内閣府といった政権中枢からの意向、要請といったものにですね、逆らえない。ま、そういった状況にあると思います。そういった中で本来は、その司司(つかさつかさ)で、それぞれの責任ある判断をすべきところがですね、できなくなっている。そういう状況があるんじゃないかなと思います。これは、あのう、農林水産省や厚労省が実質的な人材需要の判断をせずにいわば逃げているのですけども、ま、逃げざるを得ない。彼らが本当に人材需要について検討すればですね、人材需要がないとの結論になるかもしれないわけで。そういう結論を出すわけにはいかないから逃げているという風に見ることもできるわけですね。ですから、そういった関係が政権の中枢と各省との間に出来てしまっているということは、非常に問題があるんじゃないかなという風に思っています。

 --もう一点、すみません。規制緩和についてですね、そういう官邸に言葉がいいにくいことがあって省内が混乱しているんですけども、文部科学省の職員に対してどんな言葉を掛けたいか?

 前川氏 文部科学省はですね、わたくしがやりきれなかったことをやってくれというわけですから、無理な注文をしているという部分があると思いますけれども、文部科学省においては、公正、公平さ、客観性、それから根拠のある行政。これを心掛けて、国民から批判されることがないよう、まっとうな仕事をしてほしいということなんですね。

三竿弁護士 そろそろ時間ですけれども、よろしいですか? 

 --すみません、すみません。

三竿弁護士 どこですか、どこですか? 東京新聞?

 --東京新聞です。もう少しお聞きしたいんですけども、これだけ人材需給についてさまざまな意思決定を無視してでも、なんとしても加計学園を通そうとの力学は、今回の安倍政権下になってからなのか? それ以前にもこういうことを経験したことがあるのか? もう一点なんですけど、去年の12月22日に3大臣合意の中で、1校だけに限定するとの合意が成されているという風に報道ニュース等に出ていますが、これ1校だけについて事務次官当時に何か事前に根回しはあったのか、どういうことでこの1校に決めるのか、その辺の話を何か聞かれていたのかどうか、聞かせていただきたいんですが?

 前川氏 あのう、政治主導とか官邸主導とかいうことは、小泉政権の頃から強まってきていると思いますので、あのう、これは徐々にそういう力関係が形成されてきているという風には思います。ええ、政と官の関係、あるいは政府と党の関係、あるいは官邸と各省との関係。これはかなり、ここ20年くらいの間に変化してきていると思うんで、ま、その変化の結果として、現在の関係があるんだろうなと思います。ですから、今、政権中枢の力が非常に強まっているというのは事実だな、という風に思っております。それから12月22日のことについてはですね、わたくしは、実はその状況をフォローしておりません。残念ながら、その時点では、わたくしは、あのう、天下り問題の方に忙殺されておりましてですね、他の案件の報告を受けている時間がなかなかなかったもんですから。このう、12月22日の合意というものがあるという風に、今わたくしは報道で聞きましたけれども、その時点では報告を受けたかどうかも、記憶も定かでございません。

 --TBSですが、よろしいですか? 文書があるのではないかとおっしゃいましたけれども、具体的にどのような確認手段があるかということと、再調査に関して文科省がどのようにすると思われますか?

 前川氏 わたくしが、確実にある、あったと言っております資料というのは、わたくしは現に見て受け取ったからなんですけれども、どういう調査をするかというのは、わたくしも、どこの何を見ればいいのかは具体的には申し上げられませんが、これはあのう、見つけるつもりあれば、すぐ見つかるものだと思います。何かこう、複雑な調査方法を用いる必要はない。…と思いますね。

 --今回、個人のパソコンを調べてないんですけれども、そのあたりを調べたりすることも検討した方がいいと思いますか?

 前川氏 それはあのう、再調査するとなれば、文部科学省で考えられると思いますよ。

 --日経新聞です。お持ちの資料を調査のために、提出であるとか、開示したり、国会の証人喚問時に提出するとか、そういういことはお考えですか?

 三竿弁護士 ま、それは今、検討中です。

 --すみません。読売新聞です。こういった在職中に知り得たものを使うのは、守秘義務違反に当たらないのか、と思うんですけれども。

 三竿弁護士 その点は、ノーコメントです。よろしいでしょうか。では、終わります。

 --あのう、警察庁出身の杉田官房副長官に呼びつけられたことと、弁護士をつけたのはご関係ありますか?

 三竿弁護士 そういう…、質問がよく分からないので、お答えしません。終わります。ありがとうございました。



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