五箇山のもり

五箇山の豊かな自然・文化を桂湖ビジターセンターより紹介

春を告げる棚田の灯り

2012年03月27日 | 日記
昨日・今日の日没とともに楮(こうず)の棚田は
あたたかい灯りに包まれました。



赤かぶモニターツアーを行った棚田です。
そのモニタツアーがきっかけでこの2日間限定のライトアップは実現しました。

天気も良くなってきたから、1時半こうずの棚田に集合。
スコップを持って、ライトアップコンビについて、
雪をホジホジして、夜に備えます。





午後6時ろうそくに灯を灯します。





日が落ち刻々と変わっていく棚田の風景。





星も遠くに輝きます。





そして闇に包まれた棚田。









寒さも少しずつ和らいで、
雪解けも進み、
やっと姿を見せてくれた棚田の石垣。
ようやく冬の眠りから覚めた棚田。
華やかさはないけれど、
自然そのまんまの素朴でほっとする暮らしの風景。
(残念ながら自分の写真の腕では伝えきれない・・・)

今日こうずの棚田に灯されたあたたかな光が
春の訪れを告げてくれたように思えます。

やったらどうなるんだろうとワクワクすることをすぐに形にする、
フットワークの軽さ、
そしてそれを柔軟に受け止めてくれる地域の人たち。
もしそれがほんの一部の人たちだとしても、
新しい何かを始めようとするときには、
果てしない力。

そんなことを思う穏やかでやわらかな夜でした。


2回目赤かぶ探しモニターツアー

2012年03月19日 | 日記
今日は2回目の赤かぶ探しモニターツアー。
3月もそろそろ終わりというのに軽~く雪の積もる朝。
まだまだでっかいこと残る雪を掘りに
今日は地元の方を含め15名近くの方に集まって頂きました。

とはいえ前回に比べて雪もだいぶ落ち着いて、
晴れ間も出てきて、絶好の赤かぶ掘り日和。
もう道路には雪はないので、
畑の入り口でかんじきをはきます。



そして赤かぶ掘りのはじまりはじまり。



今回は前回の棚田からちょっとだけ離れた場所です。



「ここに畝があるからこう進んでくといいぞ~」
と作戦を練る大人たち。



雪が少なくなったとはいえ、まだ1mくらいはあるので、
けっこう大変。



そしてようやく雪の下に眠る赤かぶとの対面です。



このちょっと楕円の形をしているのが五箇山かぶらの特徴です。
真っ白な雪の上に紅色の赤かぶがきらきらっ。
とってもかわいらしい赤かぶたちです。



掘りたてをそのまんま食べたり、



ちょっとあぶり赤かぶにしてみたり。



でもやっぱりそのまんま赤かぶの勝ち~。
本当にみずみずしい甘み。まるでフルーツです。
小さい頃おやつ代わりに食べていたという地元の方の言葉にうんうん。

そして今日は天気に恵まれたので、棚田をかんじき歩き。



棚田の石垣の風景が本当にステキです。



何やら見つけた模様。
アサツキが顔をだしていました。
雪の中にも春を感じられるとてもよい季節です。



20年前はここが休耕田だったなんて信じられない美しさです。







棚田からの眺めです。



そして帰りは棚田を肥料袋滑りです。



そしてここからがバージョンアップの2回目赤かぶモニター。
今回は昼食をプログラムの中にプラスしました。
事前に東田さんと雪の中からたくさんの赤かぶたちを掘りだし。
20名分近くの材料を掘り起こすのはけっこう大変でして・・・。



前日から地元のお母さんたちに協力していただいて、
赤かぶを中心とした郷土料理の御膳を作りました。
今回は雪の下の赤かぶを使っているというだけでも、
とってもプレミアなお食事。
プラスお母さんたちの愛もいっぱいです。





メニューは
左上から順番に
・「煮しめ」
  五箇山の郷土料理といえばのホンコサマにはかかせない煮しめ。
  (五箇山豆腐・里芋・人参・ごぼう・わらび・すすたけ・こんにゃく)、

・「赤かぶの蒸し物」
  赤かぶをくり抜いて、その中に五箇山豆腐、鶏肉、
  きのこを入れて、蒸して、あんをかけます。

・「赤かぶのポタージュ」
  (赤かぶ・玉ねぎ・豆乳)

左下から順番に
・「古代米」

・「いとこ煮」
  ホンコサマでもだされる、親鸞聖人の好物の小豆が入ったお味噌味のお汁です。
  (小豆・ずいき・豆腐・赤かぶ・ごぼう)

・「赤かぶの煮たて」  
  お水を使わず、醤油と砂糖でじっくりと時間をかけて柔らかくなるまで
  甘辛く炊いた赤かぶの煮もの

・赤かぶの酢の物・漬物

地元の人に赤かぶの料理は?と聞くと。
「煮たて」は絶対はずせないとのこと。



お母さんたちにお料理の説明をしてもらい、



みんなで昼食をいただきました。

やっぱり「煮たて」は大人気。
ちょっとピリ辛で味がしみて柔らかくなった赤かぶは絶品でした。
お母さんたちに作り方を聞いている方もいました。

みなさん赤かぶというと漬物をイメージされるそうで。
私も実際ここに来るまではたまに漬物としていただく程度。
でもここで暮らしている人たちには親しみのある野菜。
そして日常の野菜。
赤かぶの美味しい食べ方をたくさん知っています。

ここでずっと暮らしてきたお母さんたちが作ってくださった、
この味を通して、
ずっとこの地で守られてきた先人からの知恵や工夫、
ここにしかない暮らしを感じられることはとても幸せなことです。
そしてここで暮らす人々とのつながりが持てることも。

この赤かぶ探しを通して、
五箇山の雪深さや季節のうつろいなど
自然の営みを感じていただけたでしょうか?
そしてここにしかない暮らしの風景を見ることができたでしょうか?

みなさんにたくさんの意見をいただき、
赤かぶ探しのプログラムは一先ず終了します。
これを今後どのような形で進めていくか。
そして持続可能なものにしていくためにはどうすればよいのか。
まだまだ課題はたくさんありますが、
みなさんで大切に育て、
五箇山の体験プログラムの一つになってくれればと思います。

そして赤かぶを初めて雪の中から探し出した時の気持ちを
ずっと忘れないように・・・。
その気持ちはこのプログラムの軸の一つになると思うから。

今回協力してくださったたくさんの方々に感謝。
ありがとうございます。

それにしてもこの三カ月で一生分の赤かぶ食べたんじゃないかなぁ。
赤かぶが愛おしく思える冬でした。

ピザ教室

2012年03月17日 | 日記
今日は五箇山の子育てサークル「もりりん」でピザ教室してきました。
安心・安全な食にとても関心のあるお母さんたちなので、
ならば天然酵母のピザ。
一週間前から五箇山の三笑楽で酵母を起こしてもらい、
その状況を写メなどでやりとりしたり、
様子を見に行ったりしながら、
かなり元気な酵母ちゃんが育ちました。



そして昨日の夕方その酵母を使って、
お母さんたちと生地をこねて、それぞれのお家で発酵させてもらうことにしました。
こたつの中やカーペット、湯たんぽなどそれぞれの家にあるものを活用してもらって、
だいたい2倍くらいに膨らむまでお願いしました。
28度くらいで6時間くらいかけてゆっくり発酵させていきます。
みなさん昨日の夜はピザ生地が膨らむか心配だったようですが、
これが天然酵母の愛おしいところ。
ゆっく~りじっく~り自然の流れにまかせてのんびりと。

そして今日はその生地を使ってピザを焼いていきます。

その前に生地づくりもみんなでやりました。



酵母と水、粉、塩を混ぜて、



よくこねます。
この生地は家に持ち帰ってもらって、発酵させてもらいます。
「だいたい夕飯を食べるころには倍ぐらいになってるよ~」
自分たちがこねた生地が膨らむ様子も子供たちには楽しんでもらえたらなぁと思います。

そして生地をのばしていきます。



具材の玉ねぎの皮も真剣にむいていました。



そしてみんな好みの具をトッピング



たっぷりチーズをのせて、オーブンへ。



具だくさんの天然酵母ピザのできあがり。



みんなで美味しくいただきました。



みんなとっても楽しそうな顔してました。
やっぱり子供たちと作るって楽しい。
そしてそれが安心・安全な食べ物であればなお楽しい。
今日は材料もとっても良いものを用意してくださったので、
よりおいしいピザになりました。

講師として行ったものの、大して何も出来ていないような・・・。
呼んでくださった、ママさんたちに感謝。
山には子供たちが少なくなってきていますが、
こんな風に活動をしているママさんたちがいることは、
本当に頼もしいし、地域の元気の源だと思います。

また何かできたらいいなぁ~。
今度は桂湖の森にも子供たちを連れて遊びに来てください。

タカンボー山

2012年03月16日 | 日記
今日は山男たちについてタカンボー山に登ってきました。
今日を逃したらもう今シーズンは登れなさそうなので、
昨日急に登ることが決定。
山の近くに暮らしていると、
「天気いいから今日行こう」みたいなことができるから、
なんとも幸せ。

今日はけっこう冷え込んでいたので、
家の周りはシミシミバンバンになっていました。
山もなっているかなぁと思っていたら、
あれっ沈んでいく・・・。



真っ白な雪の上には動物の足跡だけ。
ここは野生動物のエリアなんだなぁと。



見渡す限りのブナ林。



こんなに近くでブナが見られるのは降り積もった雪のおかげです。



とってもよい天気なので、歩いていても暑いぐらい。



下って、奥に見える山をまた登って、



2時間ぐらいで頂上に到着。



ここからの眺めが最高~。



大笠山に笈ヶ岳、遠くには白山も見えました。
そしてこれを楽しみにしていた、冬の桂湖も見えました。
稜線も美しい。



湖面に山々が写って本当にきれい。
早く桂湖に戻りたいなぁと~。



そしてランチ。
山の上なら何を食べてもおいしい。
この景色と静けさが何よりのごちそうです。
あ~幸せ。



下りは1時間くらい。



白川方面も見渡せました。

往復で3時間ちょっと。
とっても気持ちのよい楽しめるコースです。
何より雪のある時にしか歩けない、
タカンボー山への道。
雪の落ち着いた3月頃からが良さそうです。

スキー場が近づくにつれて、流れる音楽。
さっきまで自然の空気・音・においに包まれていたのに・・・。
現実の世界に戻ってきてしまいました。

あ~でも何とも力の抜けた心地よい疲れ。
この感覚がとっても好きなんだなぁ~幸せな疲れ。

モニターツアーのお知らせ

2012年03月09日 | 日記
待ちに待った春が五箇山にもやってきました~。



帰り道にみつけたフキノトウ。
春の恵みをちょっとだけいただいて、
冬の間に体やこころに溜まったいろいろを毒だししようと思います。

真っ白だった五箇山が、
春の光を浴びて目を覚ましてきました。
何だか雪がなくなっちゃう寂しさも感じていますが、
久しぶりに見る土や草に、
これから待っている春にルンルン。
季節を体中で感じられるこの喜び。
五箇山の厳しい冬がありがたく思えたりもします。

ということで春を感じながら、冬も感じる、
2回目の「かんじきはいて赤かぶ探し」のモニターツアーを行います。

1回目と同じ楮集落の棚田で行います。



2月に行った時はそれはそれは大変な雪でしたが、
今回は季節の移ろいを感じながら、赤かぶだけではなくて、
春の宝物を見つけることができるかもしれません。



この赤かぶ探しからたくさんの伝えたいことがあります。

ここに植えられている赤かぶは「五箇山かぶら」であるということ。
一度は姿を消していった地元に伝わる在来種の「五箇山かぶら」を、
復活させ、守っています。
それは赤かぶだけではなくて、五箇山の文化を守っていくことにつながります。

そしてシンプルに五箇山かぶらのおいしさ。

そしてこの棚田を守り持続させていくこと。

郷土料理を通して、地域の人たちとつながること。

そして五箇山の雪。

そしてこの楮という人々が暮らす集落の棚田で行うこと。
そこには五箇山の暮らしの風景があるということです。
雪深いこの地で暮らし続けてきた人々の知恵や工夫。
ひととひととのつながり。
ここで暮らす人々には日常の風景。
それは宝物だと思います。

何だかいろいろ書きましたが、
ここに来て、みなさんがみなさんのこころで受け取ってください。

【五箇山エコツアー モニター募集】

今後のエコツアー事業化に向けて、
「具体的アドバイス」「送客」「PR」していただける観光事業者
(エコツー・グリンツー・地旅・着地型観光に興味のある方)の方を中心に10名募集します。

「かんじきはいて 赤かぶ探し」
■日時:2012年3月19日(月)10:00~13:30

■場所:楮(こうず)集落の棚田

■集合:道の駅上平 ささら館 (富山県南砺市西赤尾72-1)

■定員:10名

■参加費:今回はモニターツアーのため無料
     (赤かぶを中心とした郷土料理の昼食付)

■持ち物:長靴・手袋・カッパなど濡れてもよい作業しやすい服装
 
■お問い合わせ・参加申し込み
  ※参加申し込みは、お名前・ご住所・電話番号・メールアドレス・所属を
   ご記入の上、下記のメールまたはFAXにてお願いいたします。
  
  ※モニターツアーのため、定員オーバーした場合は事業主旨に合った方を
   優先させていただきますので、予めご了承ください。

  タカンボ―スキー場    〒939-1977富山県南砺市西赤尾町1767
  TEL:(0763)67-3766     FAX:(0763)67-3711   
   E-mail:sakaguti@p2.tst.ne.jp        担当:坂口