五箇山のもり

五箇山の豊かな自然・文化を桂湖ビジターセンターより紹介

雪の晴れ間に

2012年01月29日 | 日記
冬将軍もちょっとお休み。
今日はとってもいい天気。
2・3日前の雪も何のその、単純な自分は
もうそれだけでワクワク。気持ちもスッキリ晴れわたります。
こんな日は外でアクティブに動きたい。

ということでかんじきのトレッキングルートの下見に出発。
タカンボースキー場の周りにはかんじきで歩くのに、
とっても魅力的な場所がたくさんあるので、
少しづつ歩いて確認しています。

今日はスキー場を出発して、第一リフトの中腹まで登り、
林の中を下ってきてみました。



スキー場の中腹あたりはかなりの上り坂、
かんじきがなかったらきっと登れないでしょう。
かんじきのつめのパワー恐るべしです。
ここさえ登りきれば後はルンルン。



ブナやナラなどの森の中を下ってきます。



途中にはナラ枯れの木になめこを見ることができたり、



庄川が見下ろせたり



かわいらしいナツツバキに、



森の中の雪見窓があったり、



鳥の声が聞こえたり、
時にはうっかり木の根元で胸までズボッとはまったり、
冬の森はやっぱり素敵なのでありました。
今週末このコースを歩くかんじきツアーが楽しみです。

そして夜は岩瀬家でライトアップがあったので、
ちらっと寄ってみました。







凛とした寒さ、
雪の中に浮かび上がる、合掌造りとろうそくの暖かな灯りが、
とても幻想的な雰囲気です。

菅沼ではこんなに大きなかまくらが出現。



冬を楽しむ気持ちがいろんなところにあふれています。

このまま春に・・・

2012年01月26日 | 日記
ここ最近とってもよい天気で暖かい毎日。
こうずでフキノトウが芽吹いているのを、
見つけてしまったので、このまま春に・・・ワクワクッ。
なんて甘いことを思っていたら、そんなことあるわけもなく。



次の日には我が家はこんなことになりました。
ですよね、まだ1月末でした。

家があるのかよくわからなくなってきていますが、
ちゃんと暮らしております。

いつもどこからお家に入っているかというと、
左端の隙間からトンネルのように玄関に入っていくんです。
そして車まではかんじきをはいて、
踏み固めて道をつけたり、スノーダンプでかいたりしております。



しかし屋根雪が垂れ下がりすぎて危険な状態。
入るにもしゃがんで入らなければならないほどに。
いつ落ちてきてもおかしくないので、
下から突いていても怖いし。

もう自分ではちょっと無理~ってなったので、
屋根雪おろしは手伝っていただきました。
ありがとうございました。

そして再びあしながおじさん現る。





家の前の雪をゴッソリよけてくれました。

これでこの大寒波はのりきれるかなっ。

もう毎日雪かきしんどいーってなったりもするけど、
ここに住んでいる人たちは毎日やっているんだなぁと、
我に返りながら・・・
そして周りの人たちに支えてもらって、
私の暮らしも成り立っているんだとしみじみ思うのでした。

今日も一日感謝。
ありがとうございます。

おもてなしのこころ

2012年01月25日 | 日記
今日は五箇山自然文化研究会の集まりに参加させていただきました。
本当に自然文化の方たちには良くしていただいて、
いつも感謝の気持ちです。

というのも2月25・26日にとやま311ネットさんの主催で、
「ようこそ南砺ツアー」が実施されます。
東日本大震災で被災し、富山県内に避難されている方に
南砺市を満喫してもらおうというツアー。

25日は五箇山に来ていただくそうなんですが、
その合掌の里での雪遊び・かんじき体験と昼食を、
自然文化でおもてなしすることになりました。

私も昼食のお手伝いさせていただくことになったので打ち合わせに。

せっかく五箇山に来ていただくのだから、
五箇山のホンコサマなどの郷土料理を中心に、好きなものを選んでいただく、
ちょっとしたバイキングにできないかと考えています。

そして子供たちもたくさん来るので、
子供たちにも喜んでもらえるメニューを。

ということで五箇山の食材を使って何品か試作を作っていきました。



五箇山豆腐を使ったお豆腐キッシュ



赤かぶポタージュ
(こうずの棚田から掘り起こした越冬赤かぶを使ってます)



酒粕酵母のピザ
(五箇山のお酒三笑楽の酒粕で起こした酒粕酵母を使ったピザ生地)



おから里芋コロッケ

ホンコサマ料理に合わせてピザのチーズ以外は精進料理にしてみました。

自然文化のお母さんたちは郷土料理のプロなので、
とっても頼りになる存在。
この機会に私も郷土料理を勉強させていただくつもり。
地域の方たちともつながれる楽しい時間になりそうです。

70名分の料理を作るには、
作る場所や協力してくださる人たち、
材料の手配や段取りなどなど、
考えなければならないことも山盛り。
不安もちょっぴり。

でもみなさんに豊かな時間を過ごしていただくことを大切に考えて、
今の自分にできることを
地域の方たちとつながって協力していこうと。

五箇山のおもてなしのこころでステキな25日が迎えられるように。

赤かぶ発掘

2012年01月24日 | 日記
今日は天気も良いので、
すぐ近くのこうずの棚田に行ってきました。
小さな石が積み上げられた石垣の上の棚田は、
本当に美しい里山の風景です。





なぜこうずの棚田にやってきたかというと・・・。

雪に埋もれた赤かぶたちを発掘するため。

いろいろな所をリサーチしてみましたが、
すでに雪の積もっている1月。
赤かぶはすっかり掘り起こされたあとで。
やっと見つけた赤かぶが眠っているこうずの棚田。



こうずの東田さんに案内していただいて、
かんじきをはいて、スコップをかついで畑に向かいます。



降り積もった雪の上からも薄らとうねがわかるので、
そこをスコップでせっせと掘ります。



五箇山の重た~い雪をひしひしと感じながら、
ひたすら掘って掘って掘りまくります。
今年はまだ雪が少ないから、
あっという間だよとの声。



80cmくらい掘り起こしてようやく地面が見えてきました。
そして赤かぶとのご対面。



土の中でかわいらしい赤かぶたちが、
しっかりと暮らしていました。



真っ白な世界に赤かぶの鮮やかさが輝きます。

寒い冬の畑で汗だくになって掘り起こした赤かぶ。
その味といったら・・・。
今まで食べたどんな赤かぶよりもおいし~いわけで・・・。
もちろん冬の自然の恵みをいっぱいもらった赤かぶですから
甘みは抜群なんですが、

何といっても自分で見つけ出した感が、
美味しさをパワーアップさせています。

これを冬のモニターツアーでやってみたら
楽しそ~うとワクワクしてきたので。
やってみようと思ってます。

これからさらに降り積もるであろう五箇山の雪。
覚悟を決めて「かんじきはいて赤かぶ探し」一緒に出かけませんか?

悠久紙

2012年01月17日 | 日記
今日は東中江和紙加工生産組合さんで
ケーブルテレビの取材があるということで、
それに便乗して、宮本さんにお話をうかがってきました。
こちらでは和紙の原料となるこうぞ(楮)作りから紙漉きまで、
昔ながらのやり方を守り続け、現在、五箇山にただ一つ残る一貫した生産農家として、
こだわりの「悠久紙」を作っています。



悠久紙とは、こうぞ(楮)100%の和紙で、パルプを一切含みません。
耐久性が強く、優美。
1000年近く経ても墨の色も、紙の色も変わらないと言われているそうです。
そのため桂離宮や国指定重要文化財の古文書の修復などに使用されています。

そして今日は雪晒し(ゆきさらし)を行うということで見学させていただきました。



蒸したこうぞの原木から皮をはぎとったものを雪の上に広げて、
1週間~10日さらします。



むいたばかりのこうぞの皮は葉緑素がしっかりとついた緑色をしています。
それを雪の上で晒すことで、雪が紫外線を反射し、
雪が融けるときに、オゾンといううものが発生して、
植物性繊維を漂白します。
その自然の力を利用した、雪国ならではの昔からの知恵が雪晒しというもの。
そして漂白だけでなく、紙質が緊密になり損傷も少なくなるそうです。



ですがこの作業は天候を見ながらの作業。
雪が降り積もると、雪の中は暖かいのでこうぞが傷んだり腐ったりしてしまいます。
そのため雪の降る日はかけて干すそうです。





この写真の後ろの家の軒下に小さく見えている木の束は、
皮をはいだ後のこうぞの木です。
こうぞの皮を煮る時の薪の燃料として使われるそうです。
ちゃんと自然の循環が成り立っています!

本当に自然の恵みをいただて、
自然と向き合う地道な作業。
この昔から受け継いできた技術を
着実に守ってきたからこそ今もなお残る悠久紙です。

そして工場の中では雪晒しをし、煮上がったこうぞの皮を流水であく抜きし、
まずは大きなゴミを取り除き、





さらに小さなちりやゴミを取り除くちり取りの作業が行われていました。
こうぞの原木から和紙になるのはたった5%だそうです。



そしてそのこうぞをたたいて繊維を強くします。



そしてナギナタビーターという機械にかけて攪拌し、ほぐしてどろどろにします。



そしてアオイトロロの粘液を入れて、
漉き舟に入れて漉いていきます。



和紙の注文は重さでくるそうなので、
重さと厚みを感覚で漉く、まさに職人技です。

そしてプレス機で圧力をかけて水分を抜いて、
蒸気乾燥機で乾燥させます。



さらに天気の良い日に板に張り付けて、板干し乾燥も行うそうです。



こうして本当に一つ一つ手間暇かけて作られている悠久紙。
本当に気の遠くなるような作業の一つ一つ。
それを守り続ける志の高さ。
たくさんの人たちに伝えていきたい五箇山の宝物です。



私もくるみとキハダで染めた悠久紙を買わせていただきました。
本当にステキな色と紙の温もり。
そして人の温もりもいっぱいの悠久紙です。