片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

ライフライン系のシステムでは、データを複雑化させないのが常識、という言葉に、はっとした。

2010年11月14日 | 私の正論
テキスト形式のままデータ処理する技術が進歩している。

デジタルで保存されたデータで最もシンプルなのがテキスト形式だ。
テキスト形式なら、どんなソフトでも読める。
ワープロやEXCELでも読める。
パニック状態になっても、データさえあればなんとかなる。
だから、電力、瓦斯、水道、通信などのライフラインを支える会社は、できれば、いわゆる「データベースソフト」を使わずにシステムを作る方法を考えたがるという。
また、データが一箇所にしかないと、それが壊れたらおしまいだが、必要なだけいくつも複製すれば、バックアップをとらなくても心配はないという発想にもなる。
データも永久保存を前提にすれば、更新という「異質な処理」も必要なくなる。
ハードウェアの劇的な進歩が、RDBMSを「貧乏時代の四畳半ソフト」という位置づけに追いやってしまうかもしれないと思う今日この頃ではある。


<私の経験>
データとプログラムの分離を夢見てデータベースソフトは進化してきた。
階層型、ネットワーク型、RDBと。
私は、そのすべてと格闘してきた。
RDBMSは40年も前にIBMのコッド博士が提唱していたにもかかわらず、使い物になるまで15年くらいかかっている。ハードウェアが非力で性能が出なかったからだ。
私の最初のRDBMSとの出会いは、informixだった。
1983年のことだ。
アスキーの社内システムの設計をしていたとき、当時システム部長だった深瀬さんが、アメリカから探してきた。それを使って社内システムを設計した。
もちろん日本で最初のユーザだ。
しかし、思った以上にパフォーマンスが出ず往生した。
結局サーバを次々とグレードアップして現場のニーズに応えるしかなかった。
それはinformixのせいではない、RDBMSの持つ宿命なのだ。

プレーンなテキストデータのままコンピュータが自在に処理できる時代を迎えて、まったく感慨深いものがある。
磁気テープ装置しかない時代からハードディスクができてランダムアクセスができるようになり、夢を見ているような時代を経て、データベースと格闘する長い時代があった。
それが、時々刻々発生するデータをテキスト形式で整理保存しておくだけで済むような時代が来た。
私にはうまく説明できないのが、この記事を読まれている方に申し訳ないと思うのだが、今RDBMSが安泰なのは、それしか知らない人がITビジネスの中枢にいるからに過ぎないと思っている。
RDBMSは長い歴史があり信頼できる。しかし欠点は明白だ。RDBMSの悪口を言わなくても済むように、テキスト形式でデータを処理する方式も一緒に考えたらいいのにと思う。


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