カタスミ

『マリアビートル』伊坂幸太郎著

ブラピのハリウッド映画の原作って事で興味持ちました。
東北新幹線で繰り広げられる裏社会に生きる人間の駆け引き。
以下ネタバレあり。



























正直長いわ…(;´Д`)

登場人物としては
●超絶不運が重なる七尾
●とある任務中の機関車トーマス大好き檸檬と冷静沈着な蜜柑
●息子をビルから突き落とした犯人を殺しに来た木村
●悪意の塊王子
この4人がメインですかね。
檸檬と蜜柑が運ぶ闇社会の大物峰岸の息子とお金の入ったトランク、
息子は殺され、トランクは奪われてしまう。
トランクを奪ったのは七尾、しかしその後トランクを見失う。
王子を殺しに来た木村は逆に王子に捕まり
盛岡まで連れて行かれる最中。
檸檬と蜜柑は峰岸に失敗がばれるとまずいので
七尾を全ての犯人に仕立て上げようとし、
七尾は不運故にいろいろな災いに見舞われ、
王子は大人達を翻弄し、木村は全然役に立たない。

こんがらがって絡まって、てんやわんやって感じでしたが
とにかくこの王子ってのが本当にむかつくのですわ。
中学生で、ぱっと見優等生なのですが
自分は他者より優れ、他人をコントロールする力があり
幸運だと鷹をくくっている。
悪意を持って人を掻き乱す人物。
正直世間を舐めている。

まぁ、こいつがラスボスなので最後は多分形成逆転なんだろうが
とにかくイライラしまくった。
七尾が死ぬほど運が悪いのだが、その運の悪さで王子を何とかするのか
と思ったら、そこまで大きな影響はなく、
檸檬と蜜柑も殺されちゃって
木村も全然手足も出せずに虫の息。
全部で570Pくらいあるのですが、490Pくらいまでイライラします。
直接活躍してくれるのは木村の父親でした。
木村がやられて、木村パートが木村父母になるのですが
そこからちょっと流れが変わります。

この両親、実は伝説の人で、
昔はめっちゃ危ない橋渡りまくっていたみたいです。
王子の仮面も早々に見破り、七尾の不運に王子の幸運が負けた結果、
恐らく王子は海の藻屑に消えたっぽいのですが
最後真莉亜と七尾の会話で多分死んだ、ってのがほのめかされるだけで
正直あんまりスカッとしないんだよなぁ…
木村父母に捕まった後の王子の心理描写を入れて欲しかった。
まぁ、あの流れだと相当ひどい目に合わされてる感じはするけど。
でも、実は最後の最後で生きてます、続編に登場、とか無くもないし。
これだけイライラしてこの程度のスカッと感では
ちょっと割に合わないかなあぁ~…

この人のお話でよくあるのが
以前どこかの話に出てきた人がまた出てくるってやつ。
今回も一応シリーズ物らしいので、前作登場人物や
エピソードがちりばめられていたみたい。
もちろん、今回の話だけでも十分意味は分かるけど
あれ?これって多分別の本でエピソードあるっぽいな…
という雰囲気が漂ってくると、なんか置いて行かれた感じになる。
モヤッとするんだよなぁ…ふわっとしか分からない感覚っての?
正直、完全なる続編以外は別の話関わらせるの辞めて欲しいわw

後、暴力シーンが割と軽い描写が多いので
なんかこう上手く話をつかめない、というか、
頭に入ってこないんだよなぁ…
全体的にふわっとしてるんだよ、ふわっと…
現実的でないからかなぁ…
上手く言えないが、このポイント抑えて欲しい!
って所を全部外している気がする…
話をきちんと理解出来てないのかなぁ…
伏線貼りまくって展開がクルクル変わるから
頭にふわっとしかエピソードが残って無くて
ああ、そういえばそんな事もあったっけ…?
って感覚で読み進めるからだんだん置いてかれるのかも…

長い割に面白い場面は少なく、
最後の爽快感も大して得られなかったので微妙だった。
王子というキャラをもう少し受け入れられたら
感じ方も変わるかもしれません。
話としては普通に読み進められたので
その辺はやはり、文章力のなせる技でしょうか。
星は3つです。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近の「小説感想」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事