カタスミ

『ジャンプ』佐藤正午著

付き合っている彼女がりんごを買いに行ったまま
行方不明になる、というあらすじが面白そうだったので購入。
以下ネタバレあり。



















う~ん、なんというか文章がまわりくどい。
1行で表現出来そうな事が10行くらい使われているような感覚。
特に最初の方はそういう表現が多い気がしました。

主人公の三谷は付き合って半年の彼女みはるの家に向かっていた。
次の日札幌への出張があり、みはるの家からだと飛行場に近い為
デートの後にお邪魔させてもらう事にしていたが、
三谷はお酒に相当酔っており、彼女の家に着く頃にはグロッキー状態。
そんな中、毎日欠かさず食べているりんごを買い忘れた事に気付いたみはるが
一人でコンビニに買いに行く事に。三谷は先にみはるの部屋で休んでいたが
気付けばぐっすり眠ってしまっていた。
起きたのは今すぐ出かければフライトに間に合う、というくらいギリギリの時間。
しかしどうもみはるが帰ってきた様子がない。連絡も付かない。
気になったものの、彼は出張に行く事を選び、部屋から出かける事に。

という導入です。
深夜に買い物に行った彼女が戻って来ていなかったら
何かあったのじゃないか?と思うのが通常ですが、
確かに重要な仕事があって、実際どうなっているのか分からなくて
通報したら出張に間に合わない、という状況なら
優柔不断な人なら決めかねずに仕事に行ってしまうかも…?
しかし何か事件に巻き込まれていたら大変だと思うので
せめて警察に連絡くらいはして欲しいところ…

一応出張から帰ってきてから本格的にみはるを探し始めるのですが
どうもこの男非常にいろいろとはぐらかす…
特にもう一人の彼女の存在は最初の方はほんと、あんまり情報が出てこないから
なんかこうモヤッとしながら読みましたよね…
もう一人の彼女、早苗は同じ会社の同僚で、一つ年上。
どうも早苗の方は三谷に好意があるようだが
三谷はあんまり気が無い模様…
しかし1回は体の関係があるみたいで、それはみはると付き合う前?
日曜に呼び出されるとほいほい出かけてお茶をして映画を見る。
現在はそういう関係ではないようなので、上記くらいの行動なら
二股とまでは行かないのか…?
しかし早苗の気持ちを考えると、非常に思わせぶりな行動をする男である。
こういう飼い殺しみたいな事する人、個人的には嫌いw

そんなこんなで、早苗とは時々お茶しつつ、みはるの行方を捜す三谷。
どうもみはるは事件などには巻き込まれておらず、自分で行方をくらましている。
なんでみはるは行方をくらましたのか…?その1点だけが気になって読み進める。

半年後、5年後…と章が別れており、5年後!?ってなりましたw
結局三谷はみはるを探す事が出来ず、早苗と結婚して子供もいる。
そんなある日たまたま出張先でみはるを見つけた三谷は
みはるに事の真相を問いただす。
みはるは最初はいろいろとアクシデントがあり帰るに帰れなかったが、
早苗から手紙をもらっており、手紙にあったとおりの場所で
早苗と三谷がデートをしているのを目撃して身を引こうと決意したよう。
しかし、身を引くにしても、もうちょっとやり方があるだろうに。
ちゃんと話あって別れるとかさぁ…
一切連絡せず、引っ越しもして行方をくらますのって
結局は二股かけてた三谷への復讐も入ってるのかなぁ…?と思った。
三谷もみはるを探し続けたのは、彼女を愛していたからとか、
心配だったから、とかではなくて、
自分のプライドが許さなかっただけっぽいので、
なんともなぁ…という気持ちになった。

結局おさまる所におさまって良かったのではないだろうか?
たかだか半年しか付き合っていない、大して気持ちもない同志、
別にさっさと別れて正解では?
早苗さんも想いを成就できたようですし、今は二股もかけてないようですしw
三谷にもみはるにもいまいち感情移入できないし、
何ならこの半分のページですみそうな話をダラダラ読まされたような気がします。
星は3つ。
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