意外なデータ:「正社員として働きたい」47.3%、「正社員以外の労働者として働きたい」 28.7%

2014-09-26 23:00:40 | 日記
いわゆる非正規労働者の割合は年々増加し、2013年度は36.7%となっている(資料1)。年齢別で見ても、全ての年齢階層において、非正規労働者の割合は年々増加してきている(資料2)。非正規労働者が増えつつあることは、社会問題として捉えられている色彩が濃い。

厚生労働省が昨日発表した『平成25年若年者雇用実態調査の概況』では、この非正規労働者に関して興味深いデータが出ている。正社員以外の在学していない若年労働者(15~34歳の労働者)の今後の働き方の希望に関して、次のような調査結果となった(資料3)。


・「正社員として働きたい」47.3%、「正社員以外の労働者として働きたい」 28.7%、「独立して事業を始めたい」 1.6%
・うち男:「正社員として働きたい」62.2%、「正社員以外の労働者として働きたい」 11.2%
・うち女:「正社員として働きたい」40.0%、「正社員以外の労働者として働きたい」 37.2

あくまでも若年労働者に限っての調査結果ではあるが、要するに、正規労働者として働きたいのは5割弱でしかなく、非正規労働者として働きたいのは3割弱もいるということになる。正規・非正規の違いは、実態上、年金・医療や雇用・労働条件面などで大きい。

若年労働者では、そうした社会保障システムの重要性を感じ切れていないのかもしれない。今の正規・非正規に係る区分の下での正規・非正規の比率が、上述のような推移を辿ってきていることからすると、非正規労働者から正規労働者への転換を促すことは徒労でしかないのではないだろうか。

むしろ、社会保障システムにおいて正規・非正規の差を極力なくしていくような施策を打っていく方が得策と思われる。正規から非正規への流れという今まで来た道を逆戻りさせるより、正規・非正規に関わらず同じ安全網を敷く努力をしていく方が時代の流れに沿うような気がする。



<資料1>

(出所:厚生労働省HP


<資料2>

(出所:厚生労働省HP


<資料3>

(出所:厚生労働省『平成25年若年者雇用実態調査の概況』)

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