くじら缶食べたい

ポケパ時々まーじゃん

だうんろーど犯罪化

2012年07月01日 | その他
馬鹿発見器ことデマッターさんを見てると相変わらずだなあという感想しかないのだが、まあ真に受けてる人がいても可哀想なので少し。

結論から述べてしまうと、

・そもそも現時点で違法ダウンロードは違法である
・今回の改正は、民事違法化に次いで、刑事罰規定を追加しようとするもの
・つまり、相当に悪質、かつ、違法性が立証可能な相手なら、すでに民事賠償請求訴訟が起こされている
・というわけで、今までと状況が変わることはない
・年に10件も立件されないレベルだろう


民事だけでなく刑事罰になるんだから警察が公然と捜査できるようになるというのは、まあ建前上としてはそうなのだが、そんな人的リソースが今のご時世あるわけねえだろということで話は終わる。
そもそも現在の民事訴訟において、「違法行為の認識」があることを立証しなければならないという、凄まじい高さのハードルが存在するのだが、刑事においても、当然これを立証しなければならない(むしろ一般的には、国家が関与する刑事事件のほうが民事事件よりも立証水準は高いものを求められるのでハードルは更に上がる)。

実際の運用としてありそうなのは、別件で家宅捜索したときに「ついでに違法ダウンロードの形跡を見つけたので」とか、あるいは逆に、この件を名目として別件捜査するとか(こう聞くと危険なように思われるかもしれないが現時点でも捜査名目として使えるものはいくらでもある)、アップロード側のデータから悪質なものを威嚇目的で立件するとか、まあその程度。

実際、P2Pソフト利用者に対する立件が、ユーザー総数に対してほんの一握りにも満たなかったことを念頭に置けば、「実質的な被害が発生しておらず」「金にもならなくて」「人的リソースのみがかかり」「立証が非常に困難」な犯罪に対しての警察の熱意なんてのはそんなものであることがよく分かる。

じゃあなんでそんなものが法改正されるのって、そりゃあ権利者団体が口うるさく頑張ったから、というただそれだけでしょ。
彼等にしたって、刑事で有罪になったら民事訴訟でも勝ちやすいって程度の効果はあるだろうけど、元々訴訟は起こせるんだから、大して得しないと思うけどね。

おわり。