一昨日発足した鳩山内閣について、まあ順当に党内の有力者をばらけさせたって感じか。
ただまあなんというか、この内閣は素人考え過ぎる人が多いというか、むしろ今のところそういう人しか目に付かないレベルであって、つまりはその、たった一言、誰か「合成の誤謬」って言葉を教えてやれよ。
個人感覚ではとても素晴らしいアイデアに思えても、それを個々の集合体として俯瞰すると、なんかこうとんでもないことが、意図していない悲劇が起きるっていう話ね。
公約に掲げていた政策のほとんどはそんな感じなんだけど、金融担当になった亀井がやらかそうとしてる、中小企業から銀行への支払猶予政策はその最たるもの一例として相応しい。
そりゃまあ不況下なので経営状況がきつい中小企業から見れば、借金返すの待ってくれるなんてありがたいことこの上ないし、ちょっといい政策じゃね?と頭の悪い人に錯覚が与えられる程度の魅力はある発想ではある。
ところが、視点をマクロにしてみると、つまり支払猶予というのは、銀行にお金を返してすぐまた借金をする、という行為となんら変わりがない。借りたお金を返さないのも、返してすぐまた同額借りるのも、お金が存在する場所と状況を見たときに差異が存在しない。
それが一体何を意味するかというと、銀行だって貸し出す量には限界がありますよね、という話であって、それはBIS規制だとかを持ち出すまでもなく(より興味のある人はぐぐると理解が一層深まる)、あまりにも当たり前すぎる話だ。
普段の銀行はどうやってお金を回してるのかといえば、貸してた金を返してもらって浮いたお金は、それはじゃあ他の会社に貸しましょうとか、新規事業のために投資しましょうとか、そういう風になっている。
ところが支払猶予政策がとられた場合は、上で時既に説明したように、それは今まで貸していた相手に優先的に銀行融資を割り振る政策となんら変わりがないわけで、裏を返せば、新規の融資が激減することを意味する。
それでは供給面も需要面も改善されることがないので、不況からの脱出は夢のまた夢。
とまあこんな具合に、たった一言誰かが教えてやれば頭の悪いこと言い出さないはずなのだが、次官会見を廃止したりする頭の悪さなのでもうどうしようもないか……。
ちなみにこれまた自明のことだが、彼等が掲げる”政治主導”ってのは、政治家が官僚や専門家よりその道について詳しいという前提があって初めて成功するわけで、そうじゃなければ素人が専門家の意見をガン無視してわけのわからないことをやり始める地獄絵図が展開されるだけである。
ところで、なんか党内勢力を鑑みた結果からか、門外漢が配置されてる箇所が結構あるんだが一体全体どういうことなの