中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

意外な誤解②・・・語学留学の本場は北京?

2011-08-22 17:14:58 | 中国語
漢和塾の現地法人が上海にあるからではありませんが、弊社のビジネスマン向け現地短期語学研修(≠留学)プランは、まずは上海を中心に実施しています。もちろん、基礎を学んだ後に北京に移動するコースもあります。あえて、研修と呼んでいるのは、単なる大学への留学斡旋ではなく、しかるべき老師と、研修会社のサポートがあってこそ成果も上がるわけで、キャンパスに放り込むだけの短期留学の弊害は以前にも述べました。

さらに、最近よくある意見が、「上海なんかで勉強したら、上海なまりの中国語になってしまう!やはり標準語の本場の北京で学ばないと意味がない!」との見解です。この前のブログで、北京の老百姓(一般の人)が話している言葉は、標準語(普通話)というより、北京語という一つの方言に過ぎないことは分析しましたが、実際、北京の年配の方の発音は、普通話しか勉強していない私にとっては、まさにチンプンカンプン(聴不憧看不憧)でした。北京出身の方が反論するかもしれませんが、実際に、いくらですか?「多少銭」は、正しいピンインでは、【duo shao qian】となりますが、現地の発音は明らかに【duo rao qian】と、「少」と言う発音が、「シャオ」から「ラオ」に変わっています。全体的に巻き舌が多く、中国人でさえ、聞き取れないことがあるとか・・・

もちろん、上海のベテランタクシー運転手の中国語も難しいものがあり、同じ「多少銭」なら【duo sao qian】、上海なら【san hai】と、「シャ」の音が「サ」に聞こえます。南方の人は巻き舌音が弱いと言われますが、北京の巻き舌は逆に巻き過ぎとも言えます。比較的、大連の方がより標準に近いとよく聞きますが、今や大連に限らず、中国の大都市には、様々なエリアの人が集まっているわけで、こと上海について言えば、上海語を話す人の率が明らかに少なくなっています。また、普通話と明らかに違う方言のエリアの人のほうが、まるで外国語でも習うように後から普通話を勉強することになりますので、教養・素養の高い人であれば、普通話とお相似率の高い北京の人より、遥かに綺麗な標準語を話す場合もあります。

北京を否定するつもりも、上海を推薦するつもりもありませんが、現地での語学研修、特に基礎の段階では、どこで学ぶかより、誰から学ぶかが最も重要です。中国人だというだけで、方言のチェックもせずに壇上に立っている講師も見かけますが、仮に大学の先生と言えども、標準語(普通話)の良し悪しに差は出るわけで、その見極めをするのが、研修をまかされた研修会社の担当者がすべき重要な仕事です。

先の、「中国語の標準語は北京語」と言うレベルの人に限って、「語学留学は北京でなければ!」との先入観が多いように感じられます。もちろん、最高学府のある場所が、ほかより劣っておるわけはないですが、大学まかせ、運まかせの老師選びでは、投資した費用が無駄になるのでは?と月曜日から熱くなってしまいました。

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