中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

中国語学習・・・一声の高さを科学する!

2010-10-31 18:48:44 | 中国
中国語学習jの科学編とでも申しましょうか・・・勝手にシリーズにして悦に入っています。今回は、基本中の基本、声調についてです。これまでも再三、「声調なくして報酬なし!」「声調だけはちゃんと教えて!」と悲痛な叫びにも似たコメントをブログにぶつけてきました。声調が大事・・・当たり前のことじゃん!とおっしゃるかも知れませんが、現場では、特にネイティブ講師に至っては、声調の指導法は実は理解できていないと思うことがあります。

何よりも、日本人が中国語を習う場合の落とし穴、コツについて根本的に理解できていないからです。中国には、対外漢語教育水平考試と言う国家資格があることは以前にもふれましたが、全世界の外国人に中国語を教えるノウハウです。そこから日本人だけを何ゆえに区別するか・・・それは昔の韓国を除いて、漢字を使うのは日本人だけと言うことがあります。これがメリットのようで、実はデメリットにもなる・・・

欧米人は、漢字自体が象形文字にしか見えませんので、ピンインと声調記号がまずは頼りです。ゆえに、前回も述べたように、英語読み等で理解できないピンインを解決すれば、たかが4つの声調記号が気になります。が、日本人は下手に漢字があり、音読み・訓読み以外に別の音が発生する・・・これを覚えることに躍起になり、思わず声調記号を軽視してしまう傾向にあります。つまり、覚え知った漢字の新しい読み方をマスターした時点で理解したつもりになってしまう。もちろん、一部の人の例ではありますが、意外に一部でもありません。

特に重要なのは、日本人の、特に男性の音域と言うのは、一部の関西人を除いて、基本的に低く幅がないということです。特に女性と男性のキーは5度ほと違いますので、女性の講師が多少高い音を出したつもりでも、男性はかなり低い音域しかイメージできません。一声を高く!と教える意味は、それがないと「幅」が出ない、つまり四つの声調の差異が理解できないからです。よくネイティブ講師の中に、「私たちそんなに高い声で話してません!」と反論する人がいますが、異次元の「幅」を学習する日本人にとって、講師とは、根本的な言語特質の差異を理解させる見本でなくてはなりません。

まずは、「一声」を高く!講師自身が、受講生もびっくりするような高さで発声してこそ、受講生、特に男性は、「なるほど、中国語って高低の差があるんだ!」と気付き、さらに声調の違いで通じないどころか意味が変わってしまうことを理解することで、「声調が大事」の本当の意味を発見するのです。別にこれは、私の考えやノウハウではありません!教える相手が誰かを理解すれば必然的に工夫したくなる常識だと思います。

「声調なくして報酬なし!」と厳しいことを言うようですが、慣れではなく理解させること!それが教師では?

最強のグローバル人材は、大阪のおばちゃん?

2010-10-29 14:50:31 | 中国
知らぬ間に山積みになった新聞の切り抜き・・・相変わらず誌面には、グローバル化の文字が躍ります。ある大手英会話学校が、今や超大手の企業から、グローバル人材育成の研修を受注した・・・中国語学習の基本が抜け落ちた企業に、中国を軸にした世界経済での人材育成ができるのやら、甚だ疑問ではありますが、何事も拡大と競争があってこそ、本質が見えてくるわけで、規模や名声を追いかける前にすべきことは山積しています。

さて、大阪のおばちゃんには、失礼なタイトルで始めてしまいましたが、昨今、若手のグローバル化、英語の公用語化などが叫ばれていますが、以前にも書きましたが、グローバル人材とは単純に「仕事のできる人」です。仕事のできる人は、人や世界にまずは興味があり、誰とでも打ち解けて話すことができ、時には大きな声で主張し、基本的には前向きな人・・・なんとなく、これ、「大阪のおばちゃん」じゃないかと思いました。

私の妻は長野出身、東京が長いのですが、13年前に私の転勤で大阪に住んでいました。ある日、妻がスーパーから戻ると、少し憤慨気味に大阪のおばちゃんについて愚痴を言っていたことがあります。当時、まだ2歳にもならない次男を乳母車に乗せて買い物をしていた時、見知らぬおばちゃんが、「あれ~、この子、靴下履いてないわ、寒いやろ~、おかあさん、履かせたってな~」と笑顔で言われたそうです。妻は困惑の作り笑いをしたとか・・・それを聞いて、私も、梅田のすし屋で一人で入り、店内のテレビで阪神巨人戦を見ながら飲んでいた時、ふと気がつくと、隣のおっちゃんと、「バースがいたらな~」などと大盛り上がりをしたことを思い出しました。

大阪のおばちゃん、おっちゃんの距離感って、どこか中国人のそれに似ていると思いませんか?中国人に限らず、私の知る限りでは、イタリア人、アメリカ人、ブラジル人、どの国の人も根底には、明るく気さくな距離感があるような気がします。日本人、特に最近の若い人は、泊まり込みの研修でも相部屋だと眠れないとも聞きますし、よく知らない人と話をしたくない人は増えているとのこと・・・かくいう私もどちらかと言うと、そのような性格ではあります。(関西人とは言え、和歌山なので・・・・言い訳にならないですね?)

グローバル人材の理論を振りかざす前に、そもそも、社内で、どのようなコミュニケーションがとれているか、何事にも興味を持っているか、相手のことを理解しつつも自分のことを主張できるか・・・日本人同士でさえ距離感のある人に、語学やらノウハウを教えたとしても意味がないと思います。そういえば、異文化とは、目の前の出来事を「おもろいな~」と思えるかどうかだ!と教えてくれたのも、50代の関西人でした。性格はそう変えることはできませんが、興味を持ち、気さくで明るく、理解し主張し合うことを「意識」できるかどうか?グローバル人材の鍵は、方法論を学ぶことではなく、「意識を変えること」なのかも知れません。


雨中のジョギング・・・雨降ってフォーム固まる!

2010-10-24 21:14:52 | 中国
貴重な日曜日、昼間から発音について講釈をたれていましたが、曇り空が濃くなっていたので、早めにジョギングに出かけました。今日の目標は15㎞と決めていましたので、先週12km走った時の折り返し地点を通り過ぎた頃、大粒の雨が降ってきたものの、気にせずに走り続けました。

ところが今日は気温がかなり低く、びしょ濡れになったシャツはベトッと体に冷たく張り付き、髪も顔もびしょ濡れ・・・ふと気がつくと帰巣本能が働くのか、急ぎ足になっていました。犬を連れて散歩していた人、釣りをしていた人、行く手からはどんどん人影が消えていき、まだ午後の4時半だと言うのにあたりは真っ暗、さっきの折り返し地点で戻っておけば・・・と後悔の思いもちらつき始めました。

その時ふと中学時代のことを思い出しました。私の母校、和歌山の城東中学校では、野球部の選手は長距離が強く、国本先輩、同級生の赤松くんは「鉄の心臓」と呼ばれていました。駅伝の県大会も優勝間違いなしと言われていましたが、エース国本先輩が、雨の鉄板に足を滑らせ骨折、棄権敗退になったことを思い出したのです。自分の足元の濡れた鉄板を見た時、思わず背筋を伸ばして腰を落とし、体制を立て直してみました。

雨のせいでフォームが崩れていたのです。雨でも風でも本来は、安定したフォームが必要なはず。早く帰りたい一心で前かがみに走っていたのです。もしやこれは人生やビジネスにも関係するかな~と、ゴールまでの少し長い道のりで思いを巡らせてみました。例えば、私が経営している漢和塾の基本は、講師品質の客観化と向上、さらにビジネスにおいて実用的な提案をすることです。提供価格も品質に応じて適性なものにしたい!と言う信念があります。が、不況だ!競争社会だ!と言って、巷の英会話学校、研修会社、さらには大手資本の進学塾までもが、価格競争、あるいは大量の広告を使って、暴風雨を巻き起こしかねないのが現状です。思わずこちらも早足になってしまいそうですが、その時の対応がビジネスの成否を左右するポイントになると思います。

正しいフォームで基本に忠実に走ること。それは晴れている時だけではなく、雨の日にこそ崩れないことが重要です。もちろん、雨の日の対策や準備、経験は必要で、今日は1ヶ月前に買ったシューズの濡れ具合も把握することができました。雨中の15㎞ジョギングは、走ること以外の大切なものを教えてくれたような気がします。

週末の千葉~東京往復の後のジョギング・・・さすがに夜になって疲れが出てきました。が、明日から始まる1週間、まずは基本に忠実に、そして様々な刺激、障害、変化に対応しながら生きていきたいものです。

中国語学習・・・無気音・有気音を科学する!

2010-10-24 21:12:44 | 中国
この週末は、法事(母親の納骨や仏壇の移動)があり、千葉から実家の和歌山を車で往復しました。1,300㎞以上の運転は、腰、腕、目にかなりな疲労を残します。初めて装着したETC、あれは確かに便利ですが、時速20㎞まで減速しなくても通過できるサービスは、技術的には絶対できると思いましたし、逆にスピード違反の車も自動監視できてしまうと不気味な想像も膨らませてしまいました。往復16時間強の車の運転中は、新幹線と違い、まったく仕事のことが片付きません。が、京都は長岡京・光明寺の荘厳で落ち着いた佇まいや、海の上を走る伊勢湾岸道路のスケールの大きさ、レインボーブリッヂから見る華麗かつ整然とした東京の夜景など、久々に日本の自然、技術、美しさに感銘を受けました。

そんな中で、いきなり中国語の話です。中国語の発音で、有気音と無気音と言うのをけっこう早い段階に習いました。ご存知のように、b⇔p/d⇔t/g⇔k/j⇔q/zh⇔ch/z⇔cの二つの音が、それぞれ無気音⇔有気音の対比になるわけです。ba⇔paを例にとって見ると、日本語的には「バ」⇔「パ」と理解する方も多いかと思います。が、私が勉強し始めた頃に疑問に思ったのは、無気音とは、気が無い音と書きますが、気=息を出さずに音が出せるわけがないじゃないか!という屁理屈です。薄い紙を顔の前にもってきて、有気音は、紙が勢いよく吹き飛ばされる、無気音は紙が動かない・・・と言った訓練をしてきたのは私だけではないと思います。

ここで問題になるのは、息の強さの問題にしてしまうと、有気音ほど気合いれて大きな声になり、無気音は紙を動かさないようにしようとすると、どうしても控え目な音になってしまいます。一般的に声が大きくなるはずの中国語にも関わらず、無気音が出てきたら、声を控えめに押さえる意識になってしまい、どうもうまくいきません。いくら発音のバリエーションの多い中国人だからと言って、こんな不自然な発生方法はおかしいと思っていました。

そんなわだかまりを解決してくれたのは、日下恒夫先生が中国語雑誌に執筆されたある一言でした。

有気音と無気音の違いは「息が先か、音が先か!」・・・・つまり、「p」を発音する時の破裂音(息)を先に出して、後から母音を声にするのが有気音、pあるいはbの口の構えのまま、いきなり母音を発生するのが無気音と言う説明でした。後者は確かに息は出てしまいますが、構えを崩すと同時に音を出すのがコツ、破裂音は極小になります。実は、無気音のほうが大きな声で話すことができます。逆に有気音のほうが、息だけでもコミュニケーションがとれてしまう・・・有気無気と言う漢字に惑わされていた疑問は、先生の一言ですっきり解決しました。

またもや説明能力に乏しい文章を長々と書きましたが、対面で実践して見せることができれば、非常にわかりやすい理論です。ある誰かの教えやアドバイスで開眼する・・そんな体験をしてもらうために「先生」は存在します。

憶測から確信へ!二つの中国、二つの日本!

2010-10-24 21:07:55 | 中国
10月3日のブログで、今回の漁船衝突事故から始まる日中の揉め事の遠因を、中国の次期政権争いに向けた熾烈な権力闘争があることを指摘しましたが、変に間をおいた今回の反中反日デモの不自然さからも、事の起こりも途中の仕掛けも、すべては、現政権とは別の、もう一つの中国と、影で糸引くアメリカの存在があることが明確になってきました。って、私ごときの確信など、大新聞は相手にしないかも知れませんが、このような見方がないかどうか、新聞、テレビ報道や、有識者と呼ばれる著名人の発言以外に興味を持ってみるのも価値があるとは思いますし、私自身もできるだけ多くの意見や少数派の異論も聞いて、自分の見解を表明してみました。

ご存知のように、毛沢東時代、そして文化大革命と言う悲惨な歴史を跨いで、今の中国の発展のデザインを描き続けてきたのは、小平氏です。彼が掲げた現実主義、一見矛盾とも思える「社会主義資本経済」は、共産保守からは資本主義への傾倒だ!西側諸国からは自由のない独裁だ!といずれからでも批判の的ではありました。党内や国内を理解させるのに苦労しているにも関わらず、天安門事件と言うアメリカの揺さぶりで、後継者がことごとく失脚、江沢民政権と言う玉虫色の冠を立てるしかなかったわけです。江氏が反日教育に力を入れたのは、取り立てて国内での影響力が薄かったことから、国外に仮想敵国を作らざるを得なかったからでしょう。

そんな時代の裏側でも、志の高い共青団出身の胡主席や温首相が満を持して登場、政権基盤を固め、上海閥を封じ込めたわけです。志の高いと言うのも曖昧ですが、彼らは海外も経験していますし、文革の最中の人民の苦悩も理解しています。共産(共に産み出す)の原点に忠実な考えは、結果的にはその計画経済の成功で金持ちになった人にとっては、逆に疎ましいわけで、上海閥を中心として成金主義の勢力が、高級官僚の子弟の太子党、習近平氏を担いで、巻き返しを図っている・・・これは私だけの分析ではないですが、おおよそこのような流れでしょう。台湾でも別の意味で様々な駆け引きがありますが、そこにはいつも米国が存在しています。

今回の日中問題、日本国もアメリカが育てた人材と、それに歯向かう勢力の構図の中、マスコミを使って、アメリカ閥の政権を作り上げたわけですが、中国の漁船の事故のタイミングは、シナリオライターがいたとするならかなりの傑作です。漁船の船長ごときが体当たりをして国家の大問題を引き起こすか?と疑問を投げましたが、彼が中国の工作員だとすれば・・・誰がバックにいるかは明白です。現政権にとって、反日問題は対抗勢力の格好の標的になります。日本側のデモも、一般市民感覚と言うよりは、一部の勢力とマスコミで盛り上げているようなもの、仕掛けが仕掛けを呼んで、中国次期政権を占う大事な時期に重なったのは、決して偶然とは言えません。

80後や90後が騒いでいる?就職難のガス抜きだ!と言った稚拙な報道よりも、アメリカも大いに関与する、二つの中国、二つの日本が存在していることを軸に、物事を判断すべきだと思います。