◆神代の案内人ブログ

…日本の古代史についてのブログです。…他の時代もたまに取り上げる予定です。

◆天照大神とはどんな神様(その4)

2013-11-06 19:47:00 | ◆天照大神とはどんな神様
 日本書紀 神代上の巻に戻り、後述を追っていこう。
『伊奘諾・伊奘冉尊、天の浮橋の上に立たして共に計りて曰く、「底下に豈国無けんや」とのたまひて、廼(すなわ)ち天之瓊矛を以て、指し下ろして探る。是に滄溟(あおうなはら)を獲き。その矛の鋒より滴瀝る潮、凝りて一の島に成れり、名けてオノコロジマと曰ふ。二の神、是に彼の島に降り居して、因りて共為夫婦して、洲国を産生まんとす。便ちオノコロ島を以て国中の柱として、陽神は左より旋り、陰神は右より旋る。国の柱を分巡りて同じく一面に会ひき。時に陰神先ず唱えて曰はく「あなうれしや可美小男(うましおとこ)に遇ひぬること」とのたまふ。陽神悦びずして曰はく「吾は是男子なり。理当に先ず唱うべし、如何ぞ婦人にして反りて言先つや、事既に不祥(さがな)し、以て改め旋るべし」とのたまふ。是にこの神却りて更に相遇ひたまひぬ、この行は陽神先ず唱へて曰はく「あなうれしや可美少女に遇ひぬること」とのたまふ。因て陰神に問ひて曰はく「汝の身に何の成れるところ有る」とのたまふ。對へて曰はく「吾の身に一つの雌の元と言ふ処あり」とのたまふ。陽神の曰はく「吾の身に亦雄の元と言ふ処あり。吾の身の元の処を以て、汝の元の処に合わせむと思欲ふ」とのたまう。是に陰陽初めて溝合(みほとのまぐわい)して夫婦と為る。産む時に至るに及びて先ず淡路州を以って胞とす。廼ち大日本豊秋津洲を生む。次に伊予二名洲を生む。次に筑紫州を生む。次に億岐洲と佐渡洲とを雙生む。世人、或いは雙生むことあるは此に象りてなり。次に越洲を生む。次に大州を生む。次に吉備子洲を生む。是に由りて、初めて大八州国の號起れり。即ち対馬島、壹岐島、及び処處の小島は、皆是潮の沫の凝りて成れるものなり。亦は水の泡の凝りて成れるとも曰ふ。次に海を生む。次に川を生む。次に山を生む。次に木祖句句廼馳(くくのち)を生む。次に草の祖草野姫を生む。亦は野槌と名づく。既にして伊奘諾尊・伊奘冉尊共に議りて曰く「吾己に大八州国及び山川草木を生めり、何ぞ天下の主君を生さらむ」とのたまふ。是に共に日の神を生みまつります。大日孁貴と號す。一書に曰く天照大神といふ。此の子、光華明彩しくして、六合の内に照り徹る。故、二の神喜びて曰はく「吾が息多ありと雖も、未だ若此靈に異しき児有らず。久しく此の国に留めまつるべからず。自づから當に早に天に送りて、授くるに天上の事を以ですべし」とのたまふ。是の時に、天地, 相去ること未だ遠からず。故、天柱(長梯子)を以て、天上に擧ぐ。次に月の神を生みまつります。一書に曰く・・・月読尊といふ。其の光彩しきこと日に次げり。以て日に配べて治すべし。故に亦天に送りまつる。次に蛭子を生む。己に三歳になるまで脚猶し立たず。故、天磐櫲樟船に載せて、風の順に放ち棄つ。次に素戔鳴尊を生むまつります。此の神勇悍(いさみたけ)くして安忍(いぶり)なることあり。(残忍なことをして平気なこと)且常に哭き泣きつるを以て行とす。故、国内の人民をして多に以て夭折(あからさまにし)なしむ。複使、青山を枯に変す。故、その父母の二神、素戔鳴尊に勅したまはく。「汝甚だ無道(あづきな)し、以て宇宙に君臨たるべからず。固に當に遠く根国に適ね」とのたまひて遂に逐ひき。』
 日本書紀の傍録を省き、丹念に転記した。煩わしく難しい漢字であるが平易に述べれば、初めにオノコロ島が出来た。そこを根拠地としで次から次へと州を作り、山、川、草を生んで最後の仕上げに、君たるべき御子を生んだ。初めに天照大神、次に月読尊、この二名は尊い児に思えたので天に上げて立派な躾を受けさせた。次はヒルコで川に流した。末っ子の素戔鳴尊は何とも手に余る異端児で、人民に災害をもたらし示しが付かないので、遠い未開の国に追い払った。

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