俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

5月7日(火)

2024-05-07 22:17:56 | 日記
雨、風ときどき強し

二夜咲き真下に散りぬ活けし薔薇   正子
薔薇園を背にして港ヨコハマを    正子
薔薇の句を4B鉛筆もちて書く   正子 

●小雨を承知で「山下公園」と「港の見える丘公園」に末の妹と出かけた。山下公園は12日開催のトライアスロン会場の準備中。薔薇がきれいに咲いて噴水があがっている。氷川丸、赤い靴をはいた女の子、大さん橋を見てまわった。大さん橋はバリアフリーで、大きく波打つようなデザインは、デッキのような全面板張り。波にゆったり揺られているような、船にのっているような感覚になる。妹がこの桟橋のデザインは、オリンピック競技場のデザインで、没になった女性のデザインではないのかという。そうらしい。大さん橋では革製品を手作りしている店で横浜の水彩画の絵葉書を買った。この桟橋の中で氷川丸やベイブリッジをスケッチしている人が二人。

雨のなかを歩いてきたので、この辺りでバスに乗りたくなった。見れば大さん橋入口にバス停があって、「赤いくつ」のバスが止まる。ちょうどバス停から横浜三塔と言われる、神奈川県庁の和洋折衷のキングの塔、横浜税関の優美な緑青色の小さいドーム型のクイーンの塔、横浜開港記念館の赤白のコントラストのあるジャックの塔が、三塔一緒に見える。10分おきぐらいに来るバスに乗った。「港が見える丘公園」へ行くつもりだったが、桜木町が終点でそこで降ろされた。雨と風が強い。やむなく桜木町の駅前から路線バスに乗って、「港の見える丘公園」へ。公園前で下車すると、薔薇園も雨と風がかなり激しい。

目の前のKKRのホテルのレストランに駆け込んだ。港に向く席に案内されて、二時前、遅い昼食に黒カレーセットを注文した。ポテトサラダの前菜に甘くてピリッと辛いカレー。黒い色はなんだろう。ご飯に合わせて甘みのあるものを食べるのは苦手。隣の席の女性二人も、妹もこんなカレーは家では食べれないと美味しそうに口に運んでいる。最後のブラックコーヒーを飲んで落ち着く。食事をしている間は、靄が窓に押し寄せて、ベイブリッジはほとんど見えない。うすくそれらしく影が透いている。それでもコーヒーを飲んでいるうちに靄がはれてきた。雨も止んた。

レストランから出て薔薇園を少し歩き西洋館を見物。イギリス館に入るとコンサートをしているようで、扉から音楽が洩れる。帯をさまざま造形的にデザインしたものと、生け花が展示してあった。端午の節句をイメージしている。イギリス館を出るとまた雨と風。薔薇が吹き荒れている。荒れている薔薇はまたと見れない壮観な眺め。カスケードのある道を伝って111番館へ。ショップだけ見て出て、神奈川近代文学館へ。文学館付きの喫茶店がしまっているので、休館のような雰囲気。しかし、薄暗い中にも小さい明かりがついている。「帰って来た橋本治展」がある。試しにドアの前に立つとドアが開いて、受付に女性がいた。入館料を払い中へ。来館者は二人と私たち。橋本治の遺稿は神奈川近代文学館に寄贈されているとのこと。手書きの原稿用紙が、書き損じも含め積み重ねられている。25センチほどの高さのものが3つ。桃尻語の『枕の草子』や『源氏物語』、編み物をしていて浮世絵や沢田研二の顔などを編みこんだセーターなど、原稿を書くための細かい資料、駒場祭のポスターなどの展示。やりたいことは何でもやってみた人の印象。

出た時は閉館が迫る時間。帰りは雨が止んでいるので谷戸坂を歩いてくだり、フランス山の入口の栃の花はどうかと見て、元町中華街駅から東横線で帰宅。「赤いくつ」バスには初めて乗ったし、妹にも横浜らしいところを案内できた。しばらく、多分10年ぐらいこの辺りには来ていないので、久しぶりに面白かった。



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