俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

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2017-11-05 20:35:44 | ネット句会
★山茶花にこぼるる目白の声ばかり   正子
とても嬉しい光景です。目白が山茶花に群がっていて鳴いています。こぼるる声って、新鮮な句です。(祝恵子)

○今日の俳句
大根の白さを今日もまな板に/祝恵子
冬の間の食材として欠かせない大根の白が、目にみずみずしい。また今日の新しい白となって刻まれる。日々の新しさがさわやか。(高橋正子)

●今日は、亜浪忌でした。そのことを、今年は夜も更けて思い出しました。これまで、亜浪忌を忘れることはなかったと思うけれど。
亜浪の50年忌の法要に出席した日のことを思い出しました。もう、15、6年前になるだろうか。長男の元が大学生で、初めて車の免許をとって、喜んで中野の宝仙寺の法要に車で送ってくれた。法要の後、また車で迎えに来てくれてそのまま箱根までドライブ。箱根に着いたのは渋滞で夜になり、箱根の山に大きな満月がが昇っていた。後にも先にもあんなに大きな素晴らしい満月は見たことがない。帰りは、仙石原の薄の中を走ったのだが、薄を観賞するどろこではなく、スピードが出て怖かったこと。運転にひやひやしながらも、無事、湘南台の間借りしているマンションに着いたときはほっとした。長男も今や一児の父。相変わらずの車好きだが。

○木賊

[木賊/横浜日吉本町]

★ものいはぬ男なりけり木賊刈り/大島蓼太
★笠一ッ動いて行くや木賊刈/正岡子規
★子を負ふて木賊刈る里の女哉/正岡子規
★木の国は義仲育て木賊刈る/坂内康花
★深淵は空にありけり木賊刈る/八田木枯
★悪声の鳥来る木賊刈り頃に/三浦照子
★木賊刈るや雪のにほひの絶縁状/塚本邦雄
★こもれびを受けて木賊の青眩し/大津留公彦

木賊を見るときは、いつも、世の中には、面白い植物もあるものだなと思う。そして、いつも「けんけんぱ」の遊びを思い出す。庭の踏み石の端などに木賊が生えている。その踏み石の配置が、子供には、「けんけんぱ」の遊びに都合よいように思えた。正式の遊びは、地面にロウセキで丸を描いて遊ぶ。時には、薬缶に水を汲んできて、土に水で丸く輪を描いた。水が乾けば、また描きなおすのだ。

★木賊生う秋の日差しは斜めから/高橋正子

 トクサ(砥草、木賊、学名:Equisetum hyemale L.)とは、シダ植物門のトクサ科トクサ属の植物。本州中部から北海道にかけての山間の湿地に自生するが、観賞用などの目的で栽培されることも多い。表皮細胞の細胞壁にケイ酸が蓄積して硬化し、砥石に似て茎でものを研ぐことができることから、砥草の名がある。地下茎があって横に伸び、地上茎を直立させる。茎は直立していて同じトクサ科のスギナやイヌドクサ、ミズドクサの様に枝分かれせず、中空で節がある。茎は触るとザラついた感じがし、引っ張ると節で抜ける。節の部分にはギザギザのはかま状のものがあって、それより上の節の茎がソケットのように収まっているが、このはかま状のぎざぎざが葉に当たる。茎の先端にツクシの頭部のような胞子葉群をつけ、ここに胞子ができる。その姿のおもしろさから、庭で栽培されることもある。
 茎は煮て乾燥させたものを紙ヤスリのようにして研磨の用途に使う。また紙ヤスリが一般的な現代でも高級なつげぐしの歯や漆器の木地加工、木製品の作業工程などの磨き仕上げる工程に使用されていることや、音楽家の滝廉太郎は、身だしなみに気を遣ったため、常々トクサで爪を磨いていたことがよく知られている。クラリネットなどのリード楽器の竹製リードを磨いて調整するのにもトクサが用いられる。干した茎は木賊(もくぞく)と呼ばれる生薬で、その煎液を飲用すると目の充血や涙目に効果があるといわれている。小話に、明治時代の郵便夫が、わらじがあまりにすり減るのを嘆き、すり減らなさそうな材料としてトクサを使う話がある。その結果、足先からすり減って頭だけになった郵便夫は、頭を鞄に片づけて帰ったという落ちである。
 「木賊刈る」は秋の季語。


◇生活する花たち「茶の花・柚香菊・実蔓(さねかずら)」(東京白金台・国立自然教育園)
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11月5日(日)

2017-11-05 16:09:38 | ネット句会
★ポプラ黄葉雲寄り雲のまた流る  正子
街路樹や牧場などに植えられている菱形の葉を持つポプラは高く伸び、特に樹形が美しく黄葉したポプラは秋の青空に映え、そのポプラの上を真っ白な雲がゆっくりと流れ、また、近寄っては流れていく素晴らしい景ですね。(小口泰與)

○今日の俳句
ままごとのお椀かろしや赤のまま/小口泰與
「お椀かろし」がいい。作者はたわむれにままごとのお客になったとも思えるが、赤のままをいれたお椀があまりにも軽いこと、そこに感銘がある。(高橋正子)

○黒鉄黐(クロガネモチ)

[黒鉄黐/横浜・四季の森公園]

★赤がうれし黒鉄黐に朝が来て/高橋正子

クロガネモチ(黒鉄黐、学名 Ilex rotunda)は、モチノキ科モチノキ属の常緑高木。高木に分類されるものの、自然状態での成長は普通10m程度にとどまり、あまり高くならない。明るいところを好む。葉は革質で楕円形やや波打つことが多く、深緑色。表面につやがある。若い茎には陵があり、紫っぽく色づくことが多い。春4月に新芽を吹き、葉が交替する。雌雄異株で、花は淡紫色、5月から6月に咲く。たくさんの果実を秋につける。果実は真っ赤な球形で、直径6mmほど。本州(茨城・福井以西)・四国・九州・琉球列島に産し、国外では台湾・中国・インドシナまで分布する。低地の森林に多く、しばしば海岸林にも顔を出す。しばしば庭木として用いられ、比較的都市環境にも耐えることから、公園樹、あるいは街路樹として植えられる。「クロガネモチ」が「金持ち」に通じるから縁起木として庭木として好まれる地域もある。西日本では野鳥が種を運び、庭等に野生えすることがある。材木は農機具の柄としても用いられる。


◇生活する花たち「秋の野芥子・銀木犀・金木犀」(横浜日吉本町)

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