しばらく前ラジオで沖縄戦の話を聞いた。その中の一つ、幼い兄弟は両親を亡くした。姉6歳妹2歳二人が残された。空襲があった姉は妹を背負い防空壕に逃げた。防空壕に避難しているうちに妹が「オッパ、オッパ」と空腹を訴える。姉は水を布に含ませ妹の口元に充てる。妹はそれを何とか吸っていたがそんな事を何回か繰り返すうちに吸わなくなった。姉は何かおかしいと思って色々な方法で妹に与えるが一向に吸う気配がない。そうこうするうちに近くにいたおばさんが「もうその子は死んでいるよ」と姉に話しかけた。姉は一人に成った。6歳で全く独りぼっちになった。その後這うようにして一人で空襲から逃げまどい生き延びて来た。しかし今に成って益々その当時の事が鮮明に強く、厳しく、毎日のようにひるによるに頭の中を駆け巡り夜も眠れない事が多くある。
年齢を重ねると強烈な思いは忘れるどころかますます強く思いだされるようである。色々な厳しい事は山ほどあるのだが沖縄の戦争体験者の打ち40パーセントの方々が今でもその当時の強烈な出来事が鮮烈に思いだされ精神的にも肉体的にもまさに今でも戦争中である。
私はこの話を聞いて言葉を失いどのような事があっても戦争はあっては成らない、そして戦争につながるような動きはあってはならない。またそのような事に成らないようにしっかりと自己表現していかなければならないと思いました。
この幼い兄弟の事を思うと私は今の時代どのような事が降りかかったとしても大した問題ではないと思うものです。自分のお守りの言葉として忘れる事のないようこの先を強く生きて行きたいと思います。