ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

有線大賞とレコード大賞の各賞が決定、AKB48の選出と乃木坂・欅坂の選外は「順当」なのか [18Nov16]

2016-11-18 11:30:00 | 芸能

乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント

11月18日(金) 22 : 00 〜 22 : 45 [FM] NHK-FM『AKB48の"私たちの物語"』に、秋元真夏、伊藤純奈、樋口日奈が出演

11月19日(土) 19 : 56 〜 20 : 54 [地デ] 日本テレビ『世界一受けたい授業』に、生田絵梨花が出演

11月19日(土) 25 : 15 〜 26 : 10 [地デ] テレビ東京『世界に1つだけ!?ほっとけない疑問〜なんでソコ気になるの?〜』に、高山一実が出演


乃木坂が出演する番組やイベントをさらに知りたい方は、以下のリンクをご利用下さい。

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 08Nov16 〜 テレビ・ラジオ番組と重要イベントの日程 ['16Oct〜Dec]
 アレチの素敵な乃木坂業務連絡 08Nov16 〜 テレビ・ラジオのレギュラー番組日程 ['16Nov]

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重要日程(Apr~May16)
重要日程(Feb~Mar16)
重要日程(Nov15~Jan16)


2016年の有線大賞とレコード大賞、それぞれの各賞が発表されましたね。

最近、週刊文春が、昨年のレコード大賞に関して、プロダクションによる買収疑惑を報じ、音楽賞の選定に対する信頼が、大きく揺らいでいます。

そういった雰囲気の中、発表された今年の各賞にも、疑問の声が少なからず出ている。


二つの賞とも、審査の詳細が分からないので、その「公正」さを吟味するのは難しいですが、有線大賞は、最大の受賞理由であるだろうリクエスト数が、ランキングという形で毎週発表されていて、各アーティストについて、おおよよその成績を知ることが出来ます。

従って、賞全体の「公正」さを判断するのは無理としても、AKB48が選ばれ、乃木坂と欅坂が「落選」したのが、リクエスト数の面から見て、順当であるかどうかは、ある程度、検討することが可能です。

ということで、ちょうど良い機会なので、2016年の有線ランキングを振り返ってみましょう。


最初に、発表された有線大賞の各賞を紹介しておきます。

大賞候補である「有線音楽優秀賞」は、J-POPから、AKB48、JUJU、西内まりや、西野カナ、演歌から、大月みやこ、氷川きよし、水森かおり、三山ひろしの計8組が受賞しています。

また、最優秀新人賞の候補である「新人賞」には、J-POPから、林部智史、ふわふわ、演歌から、エドアルドが選ばれました。

残念ながら、乃木坂46は、今年も大賞の候補に挙がらず、新人資格のある欅坂46も、新人賞を逃しています。


まず、AKB48グループについて、2015年後半から2016年に掛けてランキング入りした楽曲の、ランクイン回数、最高順位、順位帯分布を示します。

(表1) 2016年の有線ランキングにおける、AKB48Gと乃木坂欅坂の楽曲の順位成績

凡例
グループ名
総合トップ150へのランクイン回数(ランクイン週数) 最高順位 A-B-C-D-E / F-G [初登場回のCD発売後経過週数/最後回2015/12/25付の経過週数] : 曲名
======== {総合150 → J-POP50} ========
J-POPトップ50へのランクイン回数(ランクイン週数) 最高順位 A-B-C-D-E [初登場回のCD発売後経過週数/最新回2016/11/11付の経過週数] : 曲名

# 有線ランキングは、2015年12月18日(金)を最終集計日として、「総合トップ150」から「J-POPトップ50」に切り替わっている
# 上記 A〜H は、それぞれ次の順位帯を表し、そこにランクインしている場合は「1」、していない場合は「0」を記している。A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)
# 「J-POPトップ50」の順位帯分布は、「A-B-C-D-E」で表している
# オレンジ色の「03週目」は、初登場回が、その週と翌週の2週をまとめた集計回であることを示す
# 「唇に Be My Baby」と「365日の紙飛行機」は、「総合トップ150」とら「J-POPトップ50」の両方にまたがった順位データを持っている。それ以外の曲は、すべて「J-POPトップ50」

AKB48
02回(02週) 92位 00-0-0-0-0 / 1-1 [01週目/02週目] : 唇に Be My Baby
02回(02週) 03位 01-0-1-0-0 / 0-0 [01週目/02週目] : 365日の紙飛行機
======== {総合150 → J-POP50} ========
08回(08週) 26位 00-0-2-5-1 [03週目/48週目] : 唇に Be My Baby
19回(20週) 02位 11-5-1-1-1 [03週目/48週目] : 365日の紙飛行機
13回(14週) 02位 05-2-3-1-2 [02週目/35週目] : 君はメロディ
05回(05週) 38位 00-0-0-3-2 [01週目/23週目] : 翼はいらない
01回(01週) 47位 00-0-0-0-1 [02週目/10週目] : LOVE TRIP

SKE48
02回(02週) 45位 00-0-0-0-2 [04週目/33週目] : チキンLINE
04回(04週) 28位 00-0-1-2-1 [04週目/12週目] : 金の愛、銀の愛

NMB48
04回(05週) 21位 00-0-3-0-1 [01週目/28週目] : 甘噛み姫
05回(06週) 18位 00-1-3-1-0 [01週目/14週目] : 僕はいない

HKT48
00回(00週) 50外 00-0-0-0-0 [00週目/30週目] : 74億分の1の君へ
07回(07週) 15位 00-2-3-0-2 [02週目/09週目] : 最高かよ

#「50外」は、50位以内へのランクインを一度も確認出来なかったことを示す


2015年の12月、有線ランキングは、J-POPと演歌を混ぜて「邦楽」として順位付けする「総合リクエストランキングTOP150」から、それぞれを切り離して扱う「J-POPリクエストランキングTOP50」と「演歌リクエストランキングTOP50」へ、システムの変更を行っています。

その結果、AKB48の42枚目表題曲「唇に Be My Baby」とカップリング曲「365日の紙飛行機」は、最初に、「総合トップ150」で2回ランクインした後、2015年12月19日(土)以降、「J-POP50」へ移行する、変則的な順位推移を経験している。

有線大賞が審査対象とする期間は、前年の12月第3週から、本年12月第2週迄なので、2016年の賞に関しては、「総合トップ150」の期間におけるリクエスト数は対象外で、「J-POPトップ50」だけがカウントされると思われます。

ただ、「唇に Be My Baby」と「365日の紙飛行機」が、「総合トップ150」にランクインしたのは2回なので、リクエスト数の大部分は、「J-POPトップ50」の期間に稼いだとみられ、楽曲リリースの時期による不利は、ほとんどなかった可能性が高い。


そして、「365日の紙飛行機」は、「J-POPトップ50」に、19回、20週ランクインを果たし、トップ10には11回滞在して、最高2位を記録しています。

こういった高い順位推移から、リクエスト数は、相当なレベルに達していたと推測されます。

他アーティストの楽曲と比べて、「有線音楽優秀賞」に選ばれるほど、そのリクエスト数が多かったのかどうか、相対的な優劣は分かりませんが、AKB48が受賞した理由は、ほぼ間違いなく「365日の紙飛行機」の好成績だと思います。


というのは、その後リリースされ、「J-POPトップ50」に登場した曲を眺めると、43枚目表題曲「君はメロディ」は、まだ良好な成績を残しているものの、44枚目「翼はいらない」、45枚目「LOVE TRIP」と進むにつれ、ランクイン回数、最高順位ともに、かつてのAKB48では考えられない、低い数字が並ぶことになる。

従って、2016年の後半、AKB48が有線リクエストを大きく稼いだ可能性はほとんどなく、受賞に値すると評価されたとすれば、それは前半の楽曲、つまり「365日の紙飛行機」しかありません。

「総選挙」開票イベントの行われた6月以降、有線におけるAKB48の存在感は、どんどん希薄になっていったので、年の瀬を迎えた11月中旬の大賞候補選出に、違和感を覚える人がいても不思議ではない。

AKB48は、46枚目「ハイテンション」で、有線ランキングの数字を好転させないと、新曲の一般アピール力を、今以上に失ってしまう危険があり、「有線音楽優秀賞」を受賞したものの、崖っぷちに立っていると言いたくなる状況です。


一方、「支店」の成績を眺めると、HKT48が、地元福岡を中心にリクエスト数を復活させている節があって、「最高かよ」は、ランクイン7回、最高15位まで食い込んでいます。

現在、若手のメンバーを思い切って抜擢する改革を進めているようで、そういった新しい動きが、有線ランキングの復活につながっているのかもしれません。

若手の抜擢と言えば、17日木曜に開催された『ベストヒット歌謡祭2106』のステージにおいて、NMB48は、山本彩加という14歳のメンバーをセンターに据え、彼女が「僕はいない」の出だしを、1人、生で歌っていましたね。


テレビ初歌唱だそうですが、音程が正確で、かつ声量があり、緊張で声が震えることもなく、相当な実力と度胸の持ち主だと思います。

HKT48も、NMB48も、若手の登用が、固定化された選抜への単なる「ガス抜き」ではなく、ダンスと歌唱の強化を目指しているように見える。

有線リクエストは、楽曲の魅力で勝負が決まる世界なので、音楽面への意識を高めないと、なかなか数字は上がってこないわけで、今後、この二グループの成績がどう変化するのか楽しみです。


次は、乃木坂と欅坂。

(表2) 2016年の有線ランキングにおける、乃木坂欅坂の楽曲の順位成績

# 表記法は(表1)と同じ
# 「今、話したい誰かがいる」は、「総合トップ150」と「J-POPトップ50」の両方にまたがった順位データを持っている
# 「世界には愛しかない」は、先週発表された2016年11月11日付が、CD発売14週目に当たり、48位と連続ランクインを続けている

乃木坂46
11回(11週) 10位 01-3-4-0-0 / 1-2 [03週前/08週目] : 今、話したい誰かがいる
======== {総合150 → J-POP50} ========
10回(10週) 18位 00-5-3-1-1 [09週目/54週目] : 今、話したい誰かがいる
12回(13週) 06位 02-5-1-2-2 [01週目/33週目] : ハルジオンが咲く頃
10回(11週) 09位 03-3-1-1-2 [01週目/15週目] : 裸足でSummer

欅坂46
12回(13週) 02位 05-2-3-1-1 [01週目/31週目] : サイレントマジョリティー
13回(14週) 02位 07-2-1-2-1 [01週目/14週目*(48位)] : 世界には愛しかない


「今、話したい誰かがいる」は、「総合トップ150」に11回ランクインした後、「J-POPトップ50」に10回入っている。

つまり、ランクイン期間を、システム変更が真っ二つに割った形になっていて、有線大賞の審査対象が「J-POPトップ50」の期間に絞られるため、リクエスト数をカウントする際、不利になった可能性があります。

しかし、「総合トップ150」も、「J-POPトップ50」も、ランクイン回数は長いものの、トップ10入りした回数など、高い順位帯の滞在期間が短い印象を受けます。


やはり、ある程度の長さ、上位に居続けなければ、リクエスト数は伸びない筈で、合計20回、21週のランクインを果たしている割には、低い数字に留まっている可能性がある。

さらに、14枚目「ハルジオンが咲く頃」と15枚目「裸足でSummer」においても、トップ10が、それぞれ2回と3回。

AKB48「365日の紙飛行機」のトップ10入り11回と比較すると、物足りない印象は否めません。


同じプロデューサーと同じ作詞家による、同系アイドルグループを、同時に、二つ受賞させる可能性は低いので、乃木坂は、AKB48を大きく越える成績を挙げないと、大賞候補に名前が入るのは難しい。

また、同系グループとの相対的な関係だけでなく、絶対的なリクエスト数についても、「有線音楽優秀賞」に選ばれている、JUJU、西野カナ、水森かおり、氷川きよし、といった面々と並ぶには、まだまだ数字が届いていない気がします。

乃木坂が大賞候補に選ばれなかったことは、個人的に残念だけど、今回は、やむを得ないと感じています。


「新人賞」のJ-POP部門に選ばれた林部智史は、川村真洋が3度目で決勝進出を果たした、テレビ東京『THEカラオケ★バトル』によって頭角を現した歌手で、2回連続で100点満点を出したこともある、実力派のシンガーソングライターだそうです。

林部智史さんは、2016年、自身が作詞した「あいたい」という曲でデビューを果たし、圧倒的な歌唱力と魅力的な声質で、現在、楽曲セールスを伸ばしている。

有線においても、直近13週のランキングをチェックすると、13回すべてでトップ5に入り、1位を4回も獲得しています。

新人とは思えない実力と成績で、彼の「新人賞」は、極めて「順当」だと思います。


もう一組のJ-POP系新人賞は、女性アイドルグループ「ふわふわ」。

「原宿駅前パーティーズ」というプロジェクトに属し、14、5歳くらいの少女たちで構成されるグループのようです。

2016年のデビューですが、すでにシングルを3枚リリースしていて、有線ランキングでも、トップ10に「ふわふわ」という名前をよく見かけます。

詳しい順位データを取っていないので、具体的な成績は分かりませんが、新人アイドルとしては、かなりリクエストを集めている印象を受けます。


しかし、(表2)が示すように、欅坂46も、デビュー曲「サイレントマジョリティー」が5回、2枚目表題曲「世界には愛しかない」が7回のトップ10入りを果たし、最高順位は、ともに2位を記録している。

新人アイドルとしては、突出した成績で、よく見ると、乃木坂の楽曲を上回る数字を叩き出している(笑)。

「ふわふわ」の順位推移は、個人的に記録していないので、両者を直接比較することは出来ませんが、欅坂が、大差で負けている可能性は低いと思います。


何と言っても、「サイレントマジョリティー」は、iTunes Store トップソングの200位以内に、7ヶ月以上連続でランクインを続け、MVの再生数は3千万回を越える、明らかなヒットソングです。

有線についても、4月の「J-POPお問い合わせ」ランキングで3位に入っており、欅坂の楽曲に対する関心は高い。

従って、欅坂の有線「新人賞」選外は、単にリクエスト数の優劣だけではなく、「総合的」な判断によって決められ、涙を飲んだ可能性がある。

もちろん、欅坂も、乃木坂と同じく、AKB48の同系グループで、「有線音楽優秀賞」と「新人賞」は別枠ではあるけど、二つ目を獲るにのは、かなりの成績が要求されるのかもしれません。

新人賞のチャンスは一度しかなく、しかも、これほどの成績を収める新人アイドルは滅多にいないので、ぜひとも受賞して欲しかったのですが、残念な結果になってしまいました。


次に、レコード大賞の主な各賞を見ておきましょう。

(優秀作品賞)
「あなたの好きなところ」西野カナ
「海の声」浦島太郎 (桐谷健太)
「女は抱かれて鮎になる」坂本冬美
「最&高」きゃりーぱみゅぱみゅ
「365日の紙飛行機」AKB48
「涙のない世界」AAA
「花束を君に」宇多田ヒカル
「BELIEVE」西内まりや
「みれん心」氷川きよし
「ラストシーン」いきものがかり

(新人賞)
iKON
林部智史
羽山みずき
BOYS AND MEN


レコード大賞の公式サイトには、「優秀作品賞」は、「大衆の強い支持を得、芸術性、独創性、企画性に優れ、その年度を反映したと認められた作品に贈る」と書かれています。

ただ、選ばれた10曲を眺めると、タイトルを知っている曲は半分くらいで、メロディーが浮かぶとなると、「海の声」と「365日の紙飛行機」くらいです。

AKB48の曲に、私が普通より詳しいのは当たり前なので(笑)、事実上、1曲だけしか分からないことになる。

音楽祭は人一倍よく観ている方だと思いますが、知らない曲がずらりと並んでいて、「大衆の強い支持を得」「その年度を反映した」という言葉には違和感を覚えます。


例えば、Perfumeの「FLASH」は、相当にヒットした筈で、主題歌に採用された映画『ちはやふる』のシーンと並んで、曲が頭に流れる方は多いと思いますが、「優秀作品賞」を始め、どの賞の欄にも、名前が入っていない。

これほどのヒット曲が何一つ賞を獲得しないのは、さすがに首を傾げたくなる。

週刊文春の疑惑報道以来、つい穿った見方をしがちで、思い過ごしかもしれないけど、『ちはやふる』の企画制作は、日本テレビが行っており、民放テレビ局同士の競争が背景にあるんだろうかと、考えたくなります。


また、2015年の5月リリースとはいえ、星野源の「SUN」は、紅白歌合戦でのステージを切っ掛けに、今年、大ブレイクした曲で、選ばれてもおかしくない気がするけど、「優秀作品賞」に入っていない。

対象期間外ということなんでしょうけど、2015年12月に発売された、「SUN」を収録するアルバム「YELLOW DANCER」が、「優秀アルバム賞」を受賞しています。

ちなみに、「SUN」は、フジテレビの連続ドラマ『心がポキッとね』の主題歌です。

星野源は、「恋」が現在、相当なヒットとなっていますが、これは自身が主役級で出演するTBSの人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)』の主題歌で、TBSからすれば、彼は視聴率を稼いでくれる功労者と言える。

「恋」が「優秀作品賞」でも不思議じゃないんだけど、自局ドラマとの関係で露骨な感じになってしまうので、「SUN」を収録したアルバムの受賞という形に収まったんだろうかと、疑心暗鬼に駆られて、深読みしたくなります(笑)。


さらに、RADWIMPSのアルバム『君の名は。』が、「特別賞」を受賞しています。

映画『君の名は。』のヒットと共に、「前前前世」などの劇中音楽は、今年後半の音楽シーンを席巻した感がありますが、「優秀作品賞」ではなく、「特別賞」という形になっている。

これも不思議な光景で、「レコード大賞」の最有力候補に思えるんですが、どういう議論を経て、こうなったんでしょうか。

ちなみに、映画『君の名は。』は、東宝が制作していて、少なくとも、公式サイトに、テレビ局の名前は載っていないようです(笑)。


個人的には、Perfume「FLASH」、星野源「SUN」又は「恋」、RADWIMPS「前前前世」が、「優秀作品賞」に名を連ね、レコード大賞を競うのであれば、「確かに、2016年という年を反映している」と感じるのですが、どれも入っていない。

色んな理由があるのでしょうけど、「優秀作品賞」には、今年の音楽シーンを象徴する重要な要素が、複数欠けている印象を受けてしまいます。

文春記事によって、レコード大賞の価値があらためて問われた第58回ですが、各賞の内容には、「?」を惹起させるものが多く、公式サイトに載せられた審査関係者のコメントは、威勢の良い自画自賛で溢れているけど、疑惑報道を吹き飛ばすには至っていない気がします。


乃木坂の選外に関しては、有線大賞と同じく、同系グループの二つ目はまず無理という面もあり、まあ、やむを得ない結果だと思います。

「365日の紙飛行機」は、MVの再生数が、ショートバージョンですら、1千万回を突破しており、iTunes Store トップソングも、200位圏外に去ったのが、つい先日という長期ランクインを記録している。

これを越えるような、楽曲指標を叩き出した歌は、乃木坂には見当たりません。

「365日の紙飛行機」を押しのけて、「ハルジオンが咲く頃」や「裸足でSummer」が、「優秀作品賞」に選ばれるのは、さすがに厳しいかなと。


一方、欅坂が「新人賞」を獲れなかったことには、「なぜ?」という問いを発したくなります。

今年の新人がリリースした曲の中で、「サイレントマジョリティー」の楽曲指標は群を抜いており、間違いなくヒット曲と言えます。

「二つ目」の障壁が存在するとしても、それを乗り越えるに十分な成績を収めた印象がある。


従って、欅坂が選ばれなかったのは、楽曲の問題ではないと思います。

「新人賞」は「大衆に支持され、将来性を認められた歌手」に贈られると書かれていますが、「大衆に支持され」はクリアしているので、「将来性を認められた」という部分がネックになった可能性がある。

そもそも、人によって見解が大きく異なるのが当たり前の、「将来性」という曖昧な基準を、選考理由に堂々と掲げていることに、違和感を覚えます(笑)。

ただ、ここ5年の最優秀新人賞受賞者は以下のようになっていて、

2011年 Fairies
2012年 家入レオ
2013年 新里宏太
2014年 西内まりや
2015年 こぶしファクトリー

明らかに、歌唱力の高い人やグループが選ばれている。

例えば、昨年の受賞者「こぶしファクトリー」は、激しいダンスをこなしながら、見事な生歌を披露する実力を持っています。

「新人賞」選考における「将来性」は、「歌唱力」に重点が置かれている、そんな風に見えます。


欅坂の表題曲ステージは、ダンスは素晴らしいんですが、歌唱に関しては、「口パク」か、生歌比率の低い「被せ」がほとんどだと思います。

「世界には愛しかない」のポエタリーリーディングですら、完全な生声ではなく、場合によっては、「口パク」で切り抜けることすらある。

欅坂の生歌を避ける傾向から、「将来性」の項目に疑問符が付けられ、「新人賞」を逃してしまったのかもしれません。


賞そのものに関しては、様々な審査基準や経緯があるので、何が何でも獲っておくべき、とは思いません。

しかし、レコード大賞を発表する12月30日の舞台には、ぜひ立って、歌をうたって欲しい。

この音楽番組は、視聴率は昔ほどではないかもしれないけど(笑)、今なお、大きな注目を集めるプログラムで、だからこそ、週刊文春も疑惑記事を書いたのでしょう。


とくに、近年、生歌による歌唱を、重視する傾向があって、レコード大賞の発表イベントは、音楽的に極めてレベルの高いステージが多く、非常に見応えがある。

この舞台に、乃木坂や欅坂が立って、質の高いライブを行い、音楽によって、人々を魅了して欲しいというのが、私の個人的な願いです。

そのためには、オーケストラの生演奏に負けない歌唱力が必要で、結局、それが可能な音楽的実力を、グループが身につければ、レコード大賞の受賞にも、近づくのかもしれません。


演歌歌手の方々と共演した、先日のNHK『うたコン』では、乃木坂が「サヨナラの意味」を歌うときだけ、バックのオーケストラがすべての演奏を止め、曲が流れているのに、楽器を奏でない大勢の演奏家という、かなり斬新な光景が映し出されていました(笑)。

こちらが用意した音源を流しつつ、そこにオーケストラを重ねるのは、相当に難しいのでしょう。

乃木坂の歌唱力では、音響効果の高いNHKホールにおいて、オーケストラの生演奏で、生歌をこなすのは到底無理で、強行すると、音程云々の前に、ほとんど歌が聴こえないおそれがある。

この辺を変えていかないと、乃木坂と欅坂が、レコード大賞の発表ステージに出演する可能性は、なかなか上がってこないと思います。

レコード大賞各賞の受賞者は、音楽番組の出演者でもあり、魅力的なステージを連発して、視聴率を上げたいというのは、テレビ局として、当然の願いですから。


関連サイト

第49回日本有線大賞のTBS公式サイト

第58回輝く!日本レコード大賞のTBS公式サイト


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