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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

まずは放射性汚染水の発生ルートを調査すべき

2011-04-27 11:41:27 | 原発事故
2号機のタービン建屋地下と立て坑にある高濃度汚染水は、数日前から始まった集中廃棄物処理施設への移送作業が難航している。汲めども汲めども水位が下がらないらしい。

保安院と東京電力は地下水が流れ込んでいる可能性を示しているが、それを証明する調査は行っていない。

また、4号機タービン建屋地下のたまり水は、1ヶ月前と比べて放射性物質の濃度が250倍に跳ね上がっていたが、政府・東電は3号機タービン建屋からの流入を示唆するだけで、裏付け調査をしていない。

加えて、4号機の原子炉建屋地下は5メートルもの深さで水没していることが判明したが、この水の出所を曖昧にしているうちに、建屋上階にある核燃料貯蔵プールから水が漏れていることが分かってきた。

さらに、1号機タービン建屋にも汚染水が存在し、1号機原子炉からの漏出が強く疑われているのに、さしたる調査もないまま、格納容器に大量の水を注入する「水棺」作業が進んでいる。

例えば、1号機へ注入する水に、蛍光物質など何らかのマーカーを入れておけば、その水が1号機タービン建屋に出ているかどうかは調べることが出来るだろう。他の原子炉への注入水にもそれぞれ異なるマーカーを入れれば、どの注入水がどの汚染水となっているのか一種の「流出マップ」を作れるのではないか。

そして、地下水や海水に関しても同様の調査を行い、タービン建屋のたまり水を中心に、放射性汚染水の動きの全体像を掴むよう努力すべきである。仮にそれが難しい調査であっても、まず第一に行わなければ、今後の予定など立つはずもない。

しかし、政府・東電はこういった必須の予備調査をしないままに、汚染水の排水作業や原子炉の「水棺」化を工程表通りに進めようとしている。

次から次へと「想定外」の事態が起るのは当たり前である。

保安院は東電に対して、地震・津波発生直後の計測データを「回収」して提出するよう求めたというニュースが入ってきた。

「今まで何をやってたんだ?」という言葉しか出てこない。

地震発生から数時間のデータは、現在原子炉で何が起こっているかを解明する切り札と言っても良い。このデータは、汚染水の流出箇所特定にも、何らかのヒントを与えるかもしれない。

これほど貴重なデータを今まで放置していたのだとすれば、保安院の官僚と東電の幹部は、開いた口が塞がらないほど「無能」と言わざるを得ない。

あるいは、もし何かの意図を持ってデータを「隠蔽」していたのであれば、目を剥くほど「悪質」である。

いづれにしても、原発事故を収束させるには、彼らから指揮権を取り上げるのが一番の早道かもしれない。

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