日本テレビは、地上波による巨人戦の中継を、昨年の45試合から、今年は26試合に減らすそうである。
これでプロ野球も、いよいよ簡単には見られなくなった、と思いがちだが、実際はそうでもない。
私の地域では、埼玉テレビ、テレビ神奈川、東京MXテレビの三つを視聴出来るが、これらのローカル局が、結構頻繁にプロ野球中継を流している。
埼玉テレビは西武ドームの西武戦、テレビ神奈川は横浜スタジアムの横浜戦、そして、東京MXテレビは神宮のヤクルト戦という具合に、地元チームの本拠地での試合を中心に放映している。
その結果、以前は、巨人戦しか見られなかったものが、今では、それ以外のセ・リーグの試合や、パ・リーグの試合も楽しめる。
さらに、交流戦もあるので、多種類の対戦カードをテレビで観戦可能になった。
これは、プロ野球ファンにとっては、却って、歓迎すべき事態であると思う。
ローカル局によって野球中継が多様化する一方で、キー局による、巨人戦ナイターの視聴率は、2000年くらいから、毎年、じりじりと下がり続けている。巨人が優勝しようが、日本一になろうが、さらに、2006年、WBCで日本が優勝しようが、関係なしである。
もはや、巨人戦を中継するより、オードリーの漫才を流した方が、数字が取れるところまで来ている(笑)。掛かる経費を考えれば、テレビ局が、ナイター中継を減らすのは、当然のことではある。
では、巨人戦の視聴率低迷という現象は、日本プロ野球の凋落を示すものだろうか?
いや、そう判断するのは、誤りかもしれない。
確かに、全国放送で、常時20%を獲得するような、人気チームは存在しなくなった。どんな好カードでも、ペナントレースの普通の試合では、全国のひとが、テレビにかじりついて観ることはなくなった。
しかし、一方で、札幌の日本ハムファイターズや福岡のソフトバンクホークスのように、地元の熱い声援を受けるチームは、むしろ多くなっている。
実際、ホームゲームが満員になり、ローカル局による中継が、高い視聴率を叩き出すのは、見慣れた光景になってきた。
これは、プロ野球ファンの裾野を確実に広げているはずである。
WBCの驚異的な視聴率も、「地元チームのよく知っている選手に、大舞台で活躍して欲しい」、そう願うファンが増えたことが、原因の一つではないだろうか。
プロ野球は、今、凋落というより、ローカルに向かいつつあるのだと思う。
かつての王・長嶋の時代は、中央集権的な経済で、地方都市の力がまだ脆弱だったため、フランチャイズという発想は、現実味が乏しかったかもしれない。しかし、現在では、地方といえども、その市場規模や資本力は、決してあなどれない。
二三のチームだけが全国のファンを独占し、大きな企業がそれらを支えて、全国放送のテレビが限られた対戦カードだけを中継する。
そういう時代は、終わりつつある。
そして、地元の声援を受けたチームが、地元のファンや企業から資金援助を受け、地元のローカルテレビが試合を中継する。
そういう新しい時代が始まっている。
今は、その過渡期ではないだろうか。
もし、ある球団の経営者が、この大きな潮流を理解せず、全国区の人気にこだわり、そのため有名選手の独占に血眼になり、親会社や大企業の方ばかりを向いて、「地元のファン」を軽視するならば、やがては自分のチームを危うくすることになるだろう。
この数年で、試合中継が本当に激減したチームが、一つだけある。
巨人である。
なぜなら、巨人戦を中継するローカル局は、今のところ、ないからである。
これでプロ野球も、いよいよ簡単には見られなくなった、と思いがちだが、実際はそうでもない。
私の地域では、埼玉テレビ、テレビ神奈川、東京MXテレビの三つを視聴出来るが、これらのローカル局が、結構頻繁にプロ野球中継を流している。
埼玉テレビは西武ドームの西武戦、テレビ神奈川は横浜スタジアムの横浜戦、そして、東京MXテレビは神宮のヤクルト戦という具合に、地元チームの本拠地での試合を中心に放映している。
その結果、以前は、巨人戦しか見られなかったものが、今では、それ以外のセ・リーグの試合や、パ・リーグの試合も楽しめる。
さらに、交流戦もあるので、多種類の対戦カードをテレビで観戦可能になった。
これは、プロ野球ファンにとっては、却って、歓迎すべき事態であると思う。
ローカル局によって野球中継が多様化する一方で、キー局による、巨人戦ナイターの視聴率は、2000年くらいから、毎年、じりじりと下がり続けている。巨人が優勝しようが、日本一になろうが、さらに、2006年、WBCで日本が優勝しようが、関係なしである。
もはや、巨人戦を中継するより、オードリーの漫才を流した方が、数字が取れるところまで来ている(笑)。掛かる経費を考えれば、テレビ局が、ナイター中継を減らすのは、当然のことではある。
では、巨人戦の視聴率低迷という現象は、日本プロ野球の凋落を示すものだろうか?
いや、そう判断するのは、誤りかもしれない。
確かに、全国放送で、常時20%を獲得するような、人気チームは存在しなくなった。どんな好カードでも、ペナントレースの普通の試合では、全国のひとが、テレビにかじりついて観ることはなくなった。
しかし、一方で、札幌の日本ハムファイターズや福岡のソフトバンクホークスのように、地元の熱い声援を受けるチームは、むしろ多くなっている。
実際、ホームゲームが満員になり、ローカル局による中継が、高い視聴率を叩き出すのは、見慣れた光景になってきた。
これは、プロ野球ファンの裾野を確実に広げているはずである。
WBCの驚異的な視聴率も、「地元チームのよく知っている選手に、大舞台で活躍して欲しい」、そう願うファンが増えたことが、原因の一つではないだろうか。
プロ野球は、今、凋落というより、ローカルに向かいつつあるのだと思う。
かつての王・長嶋の時代は、中央集権的な経済で、地方都市の力がまだ脆弱だったため、フランチャイズという発想は、現実味が乏しかったかもしれない。しかし、現在では、地方といえども、その市場規模や資本力は、決してあなどれない。
二三のチームだけが全国のファンを独占し、大きな企業がそれらを支えて、全国放送のテレビが限られた対戦カードだけを中継する。
そういう時代は、終わりつつある。
そして、地元の声援を受けたチームが、地元のファンや企業から資金援助を受け、地元のローカルテレビが試合を中継する。
そういう新しい時代が始まっている。
今は、その過渡期ではないだろうか。
もし、ある球団の経営者が、この大きな潮流を理解せず、全国区の人気にこだわり、そのため有名選手の独占に血眼になり、親会社や大企業の方ばかりを向いて、「地元のファン」を軽視するならば、やがては自分のチームを危うくすることになるだろう。
この数年で、試合中継が本当に激減したチームが、一つだけある。
巨人である。
なぜなら、巨人戦を中継するローカル局は、今のところ、ないからである。