5枚目シングル「君の名は希望」に収録されているミュージックビデオを見たとき、正直、これはCDのセールス的には厳しいのではないかと危惧を感じた。
映画監督である山下敦弘氏が、新しい映画の出演者を決めるため、5th選抜メンバーからオーディションを行い、その様子をそのまま「君の名は希望」のプロモーションビデオにしたものである。
まず戸惑うのは、いつまで経っても肝心の「君の名は希望」が始まらないことだ。
5分半ほどの「君の名は希望」に対して、20分もの長編ビデオなのだから当たり前なのだが、バックミュージックもほとんどない状態で、10分以上、内容がよく把握出来ない即興劇を見続けるのは結構辛いものがある。
加えて、オーディションは最初から最後まで倉庫のような薄暗いスタジオで行われ、メンバーの衣装はジャージなどの練習着。曲が始まっても、服を変えることもなく、スタジオもセットもそのまま。目立ったダンスもなし。
ラジオ番組、文化放送「乃木坂46の「の」」(毎週日曜日午後8時30分から放送中)で、若月佑美が明かしたところによると、もともとPVはメンバーの私服で撮影するので、それ用の服を用意しておくよう言われていたそうだ。
しかし、ビデオとは別物と思っていた映画のオーディション当日に、PV撮影も同時に行うことをいきなり伝えられ、結局、練習着のまま撮影が始まってしまった。
そういうことなら、「もっとカッコ良い練習着を買ったのに」と嘆いていたが、もっともな感想である。
生田絵梨花も衣装について、似たような感想を述べている。乃木坂公式Tシャツにデッカく「生田」と手書きされた服装で登場することに、やはり不満を覚えているように思えた。「私はいいけど、エリカ様はどうかな?」といった感じだろうか(笑)。
二人とも、乃木坂の誇る究極美少女で、なんでもっと綺麗に撮ってくれないのか、という気持ちになるのは当然である。
音楽情報サイト「ナタリー」には、山下監督へのインタビュー記事が載っていて、PV撮影の裏話が披露されている。当初、どっきりカメラ的にメンバーの様々な表情を撮ろうと考えていた監督だが、秋元康氏から「どっきりはつまらない。ガチ感を出したい、彼女たちの本気の姿を見せたい」と言われて、本当のオーディション風景をそのままPVにすることになったそうだ。
山下監督は「フェイクドキュメンタリー」と呼ばれる手法に定評があり、もし秋元氏の「ガチ感」要請がなければ、緻密な仕掛けに基づいて引き出された、メンバーの多彩な表情がつまったPVになった可能性が高い。これは是非見てみたかった。
「フェイクドキュメンタリー」の旗手に、「フェイク」ではない「ガチドキュメンタリー」の制作を依頼するところが、凡人とは異なる天才プロデューサーということだろうか。
しかし「サプライズ」や「サバイバル」にこだわり過ぎて、若月や生田は自分を輝かせる衣装を封印され、監督は得意の撮影手法を封印され、見ていてうんうん唸るしかないPVになってしまった気がする。
一方「君の名は希望」は、現在「DANCE & LIP version」が YouTube で無料公開されている。バックにオーケストラを配置した印象的なセットの中で、美しい衣装を着たメンバーが、モダンな振り付けに全体フォーメーションを合わせた魅力的なダンスを踊るミュージックビデオである。
また、3月16日(土)のフジテレビ「MUSIC FAIR」では、制服の衣装を着て、生田絵梨花のピアノ伴奏で合唱風に生歌を披露している。
この二つのバージョンは共に素晴らしい出来で、あらためて乃木坂メンバーのポテンシャルの高さと、現場制作スタッフの力量に感心させられる。
「サプライズ」や「サバイバル」こそ最高のパーフォーマンスで、見ているひとを最も感動させ惹きつける。秋元氏のそういった過剰な思い込みが、乃木坂の発展にマイナスになっているのではないか。
究極の無茶ぶり演劇「16人のプリンシパルdeux」の東京公演開始が5月3日に迫ってきて、ますますその心配が大きくなってくる。
iTunes Store でダウンロードした先行配信の「君の名は希望」を運転中に繰り返し聴き、YouTube の「DANCE & LIP version」を何度も見返す。そして、ふと振り返ると机の上に初回仕様限定版のDVDが三枚ぽつんと放置されている。
寂寥感が半端ではないぞ(笑)。
とにもかくにも、6枚目では見ていて楽しいと思えるPVを期待したい。
例えば、カップリング曲の一つに、星野みなみ、和田まあや、川後陽菜の三人ユニットをぶっ込むというのはどうだろうか?
秋元氏が激怒しそうな、「頑張ってる感」ゼロの「ふわふわ綿菓子」系ユニット、小悪魔テイスト、小粋な午後バージョンだ。
かえってワイルドだろう(笑)。
映画監督である山下敦弘氏が、新しい映画の出演者を決めるため、5th選抜メンバーからオーディションを行い、その様子をそのまま「君の名は希望」のプロモーションビデオにしたものである。
まず戸惑うのは、いつまで経っても肝心の「君の名は希望」が始まらないことだ。
5分半ほどの「君の名は希望」に対して、20分もの長編ビデオなのだから当たり前なのだが、バックミュージックもほとんどない状態で、10分以上、内容がよく把握出来ない即興劇を見続けるのは結構辛いものがある。
加えて、オーディションは最初から最後まで倉庫のような薄暗いスタジオで行われ、メンバーの衣装はジャージなどの練習着。曲が始まっても、服を変えることもなく、スタジオもセットもそのまま。目立ったダンスもなし。
ラジオ番組、文化放送「乃木坂46の「の」」(毎週日曜日午後8時30分から放送中)で、若月佑美が明かしたところによると、もともとPVはメンバーの私服で撮影するので、それ用の服を用意しておくよう言われていたそうだ。
しかし、ビデオとは別物と思っていた映画のオーディション当日に、PV撮影も同時に行うことをいきなり伝えられ、結局、練習着のまま撮影が始まってしまった。
そういうことなら、「もっとカッコ良い練習着を買ったのに」と嘆いていたが、もっともな感想である。
生田絵梨花も衣装について、似たような感想を述べている。乃木坂公式Tシャツにデッカく「生田」と手書きされた服装で登場することに、やはり不満を覚えているように思えた。「私はいいけど、エリカ様はどうかな?」といった感じだろうか(笑)。
二人とも、乃木坂の誇る究極美少女で、なんでもっと綺麗に撮ってくれないのか、という気持ちになるのは当然である。
音楽情報サイト「ナタリー」には、山下監督へのインタビュー記事が載っていて、PV撮影の裏話が披露されている。当初、どっきりカメラ的にメンバーの様々な表情を撮ろうと考えていた監督だが、秋元康氏から「どっきりはつまらない。ガチ感を出したい、彼女たちの本気の姿を見せたい」と言われて、本当のオーディション風景をそのままPVにすることになったそうだ。
山下監督は「フェイクドキュメンタリー」と呼ばれる手法に定評があり、もし秋元氏の「ガチ感」要請がなければ、緻密な仕掛けに基づいて引き出された、メンバーの多彩な表情がつまったPVになった可能性が高い。これは是非見てみたかった。
「フェイクドキュメンタリー」の旗手に、「フェイク」ではない「ガチドキュメンタリー」の制作を依頼するところが、凡人とは異なる天才プロデューサーということだろうか。
しかし「サプライズ」や「サバイバル」にこだわり過ぎて、若月や生田は自分を輝かせる衣装を封印され、監督は得意の撮影手法を封印され、見ていてうんうん唸るしかないPVになってしまった気がする。
一方「君の名は希望」は、現在「DANCE & LIP version」が YouTube で無料公開されている。バックにオーケストラを配置した印象的なセットの中で、美しい衣装を着たメンバーが、モダンな振り付けに全体フォーメーションを合わせた魅力的なダンスを踊るミュージックビデオである。
また、3月16日(土)のフジテレビ「MUSIC FAIR」では、制服の衣装を着て、生田絵梨花のピアノ伴奏で合唱風に生歌を披露している。
この二つのバージョンは共に素晴らしい出来で、あらためて乃木坂メンバーのポテンシャルの高さと、現場制作スタッフの力量に感心させられる。
「サプライズ」や「サバイバル」こそ最高のパーフォーマンスで、見ているひとを最も感動させ惹きつける。秋元氏のそういった過剰な思い込みが、乃木坂の発展にマイナスになっているのではないか。
究極の無茶ぶり演劇「16人のプリンシパルdeux」の東京公演開始が5月3日に迫ってきて、ますますその心配が大きくなってくる。
iTunes Store でダウンロードした先行配信の「君の名は希望」を運転中に繰り返し聴き、YouTube の「DANCE & LIP version」を何度も見返す。そして、ふと振り返ると机の上に初回仕様限定版のDVDが三枚ぽつんと放置されている。
寂寥感が半端ではないぞ(笑)。
とにもかくにも、6枚目では見ていて楽しいと思えるPVを期待したい。
例えば、カップリング曲の一つに、星野みなみ、和田まあや、川後陽菜の三人ユニットをぶっ込むというのはどうだろうか?
秋元氏が激怒しそうな、「頑張ってる感」ゼロの「ふわふわ綿菓子」系ユニット、小悪魔テイスト、小粋な午後バージョンだ。
かえってワイルドだろう(笑)。