out of curiosity #2

二つ目のブログに突入~!
ホッケー&山歩きで日光周辺に出没ちぅ!

晴天屋久島! ~縄文杉登山 #1~

2015-08-04 22:08:56 | 山登り in 他エリア

2015年7月30日(木)

 行ってきました。 屋久島縄文杉登山。 
 屋久島に行きたい気持ちがあったのは確かですが、本当にどれだけ縄文杉が見たかったか、と言えば、それ程縄文杉には魅かれていなかったかもしれません。
 むしろ屋久島に行く理由は宮崎駿監督が「もののけ姫」を描く際にインスパイアされたと言う、白谷雲水峡の苔の森のような風景を写真に収めることの方がずっと自分には興味があったかも。

 また話に聞く縄文杉登山は22㎞もの長距離をたくさんの登山者と共に長蛇の列をなし、せっかく縄文杉にたどり着いても順番待ちでさっと見るだけのような、それが楽しいんだろうか?、と。

 それでも娘が「一緒に行こう!」と言うほど魅かれた理由は何なのか。 それほど多くの人たちが見たいと思う縄文杉は、行って見たらやっぱり良いのだろうか。 そして何より22Km、10時間の行程を歩き通して達成感を味わいたい!、という変な欲望が出てきてしまったのも確か。w

 なにはともあれ、大変に良いコンディションで縄文杉登山を終えることができました。 「もう一度行きたいか?」と言われれば実は否なのですがw、否な理由は価値がなかったということではありません。 行ったこと、見た物、経験したことについてはやっぱり良かった!!

 とりあえず、下記が今回の私たちの所要時間です。

ホテル出発4:40 - 5:00 屋久杉自然館 5:20発バス - 5:55 荒川登山口

荒川登山口 6:00 - 小杉谷集落跡6:55 - 楠川分かれ7:32 - 8:37 大株歩道入り口8:53 - 9:16 ウィルソン株 9:33 - 10:06 昼食(水場)10:30 - 大王杉 10:43 - 11:16 縄文杉 11:27 - 13:00 ウィルソン株 13:07 - 13:27 大株歩道入り口 13:35 - 16:03 荒川登山口

荒川登山口 16:30 - 屋久島杉自然館 17:05


 朝4時40分、ホテルの前にツアー会社、ネイティブビジョンさんが迎えに来ます。 ネイティブビジョンさんとは前日のタクシーツアーの際(タクシーツアーもネイティブビジョン提携)事務所に寄って、この日の打ち合わせをしています。
 朝食用、昼食用のお弁当を前日ホテルチェックインの際に申し込んでおくこと、待ち合わせ時間、持ち物等の確認。 この日のツアーはもともとガイドさんを貸し切りでつけていただけることになっていたので、万が一途中でギブアップしてもOKでした。

      

 ホテル待ち合わせの4時40分は関東なら既に明るくなる時間ですが、屋久島ではまだ真っ暗。 登山口へのバスに乗る屋久杉自然館に着く5時ごろようやく明るくなってきました。 あ、登山口までは一般車両通行禁止です。

 自然館のバス停は屋根のついた敷地に線が引いてあり、バスに乗る登山者はそこに並ぶように腰をおろします。 大抵の人がそこでバスが来るまでに朝食弁当を食べています。 ガイドさんの話では5:20発にギリギリ乗れるかもしれないので、バスが来たら一応お弁当がしまえるようにしておいてください、とのこと。 一生懸命おにぎり一個を詰め込みました。 ラッキーなことに最後の補助席に乗れて荒川登山口へ。

 登山口他へのバス時刻、屋久島の情報などを調べるにあたり、こちらのサイトをちょくちょく拝見しました。→ 屋久島リアルウエーブ

 登山口までの道のりは大変細く急カーブの続く山道です。 途中今回の山崩れ現場が見られました。 また雨が降ったら。。。と思うと恐ろしくなるような大きさでした。 けど、荒川登山口が開通したことは本当にラッキーでした。

      

 お手洗い、準備運動を済ませいよいよ22km最初の一歩です。 まずは8km のトロッコ道。 その後3kmの山道。 標高差は登山口 600m から縄文杉 1,310m の約700m。
 今まで20kmを越える登山は経験したことがありません。 いくら平坦なトロッコ道がほとんどとは言え、歩き切れるのか本当に心配でした。 直進して程なくすると左折。 そして。。。


橋です! なんだかワクワクします!!


      

 このトロッコ電車の線路は安房森林軌道(あんぼうしんりんきどう)と呼ばれ、現在でも利用されています。 廃線ではないのですね。 時折工事物資やトイレ管理のためなどに本物のトロッコ電車が走るのだそうです。
 完成した大正12年当時は、縄文杉へ行く登山道中の大株歩道入り口辺りから安房まで、また途中には石塚山方面にも向かう線路などもあり、全長26.1km くらいあったのだそうです。
 登山道上の路線以外の多くは廃線となっているのかと思っていましたが、3段上の右写真地点を左折せずにまっすぐ行くと安房方面への線路が残っており、そこは屋久島電工が所有し現在でも使用されているのだそうですよ。


 屋久島は火山が爆発してできた島ではなく、海底隆起により出来上がった島なのだそうです。 隆起してきたのは花崗岩マグマなので、屋久島の山のほとんどが花崗岩の岩山です。 このように苔むし水が浸み出る斜面もよくよく見れば岩肌が見られます。


 トロッコ道は深い谷底の川伝いに斜面の中腹辺りを歩いているのでなかなか陽が当たりませんが、陽が射すとこのきらめき。



なんかこういうの、ディズニーランドで見たことありますね。w



時々あまり苔の生えていない、一枚岩むき出しの場所もあります。 ここに生えている苔の上を見ると。。。



なんとたくさんのモウセンゴケ! 湿原以外で初めて見たよ!w


      
左の写真、白く四角いのは花崗岩の結晶で、正長石(せいちょうせき)と呼ばれるものです。 
5~15㎝くらいの物を良く見かけるのですが、これは国内では珍しく大きなものなのだそうです。
滝など横目に見ながらどんどん進みます。



今度は手すりのない橋です!



結構高いですよ~。(^o^;


 
だんだんと大きな杉が見えてきますが、このくらいではまだまだ、とガイドさんに言われます。 ただ、この杉もたくさんの他の木や植物を宿しています。 成長が遅く長生きする屋久杉は小さく見えても高齢だったりします。 その長い命の中で幹には苔が生え、その苔に新しい命が宿り、たくさんの植物と一緒に暮らしている杉があちらこちらに見られます。

      

 トレイルを歩いていると小ぶりのリンゴのような実が落ちています。 リンゴと言うよりは前日に食べたパッションフルーツに良く似ていたので、ガイドさんに「パッションフルーツが自然になっているのですか?」と尋ねたら、これはリンゴツバキだと教えてくださいました。 ツバキの実なんですよ!
 さらに少し行くと娘が谷底の川沿いにヤクザルを見つけました。 ヤクザルはこの時しか見られなかったなぁ。 なんとなくニホンザルより毛深くて、小ぶりなんです。


 大きな切り株です。 切り株の中には上に生えた他の木の根が張っています。 このように高い位置で切られた切り株は江戸時代に切られたものなのだそうです。 チェーンソーがない時代太い杉を根元から切ることはできず、足場を組んで少し高く細い位置で木を切ったのだそうです。


小杉谷橋です。 山の上に日が当っています。



 橋を越えると小杉谷集落跡に到着です。 時間は 6:55。 CTは50分ですから、いい感じです。
 小杉谷集落は大正12年に島の主要産業となった林業を支える拠点として設けられ、昭和45年に閉鎖となりました。 最盛期には500人もの人が生活し学校もありましたが、もともとあった良質な自然林を伐採していたため、とうとう伐採する木が無くなると自然と廃村になったと言う事のようです。
 その後また木を植えたのでしょうか。 集落跡地の周りには杉がたくさん生えていましたけどね。


 この辺りは世界遺産に登録された地域ではありませんが、それでも伐採された切り株に苔が付き、たくさんの木々がそこで根を下ろし、切られなかった木たちは成長し、倒木更新がみられ、混沌とした中に力強い生命力を感じずにはいられません。

 生きている木にも岩にも容赦なく貼りつく屋久島の苔は600種類にも及び、それは黒潮の影響により多量に降る雨の産物です。 その苔があってこそ緑深い豊かな屋久島の森が支えられているのですね。


っと、ヤクシカの子供です! 枝かぶりで残念!w
近くに親もいます。 親になってもヤクシカには鹿の子模様があります。
ヤクザル同様、少し毛深くて小さめです。



しばらく歩いて楠川わかれ。 白谷雲水峡から来ていれば、ここに出たのですね。


      

 左写真は小杉谷山荘跡にあるバイオトイレです。 右は大株歩道入り口近くの携帯トイレブースです。 屋久島登山では携帯トイレ持参が必須です。 バイオトイレは普通のトイレと同じですが、携帯トイレブースでは持参した携帯トイレを使用します。 中は覗きませんでしたが、中央に携帯トイレをセットできる椅子が置いてあるようです。
 縄文杉登山ルートには計7カ所のトイレがあります。 10時間以上歩くコースなので、トイレがあるというのは大きな安心です。 ただ一日に800~1,000人もの登山者が縄文杉を訪れる日もあるとか。 そのような日はこのトイレが20~30分待ちと言う事も。

 今回私たちも学生は夏休みの時期ですし、旅行会社で縄文杉登山ツアーをとった時には「定員最後のひと組でしたよ!」などと言われていたので、トイレ20分待ちは覚悟していたのですが、写真を見てもわかるとおり空いていること。
 
 ガイドさんの話によれば、口永良部島噴火の影響か、GWからの長雨の影響か、今年は観光客が少ない、とおっしゃっていました。 島の皆さんが「ようやく夏が来た!」とおっしゃるこのお天気の良くなった時に、登山口も開通となり、申し訳ないけど登山者も少なく、美しい静かな山を歩けて、「なんだか幸運すぎる。」と思っていたのでした。



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8 コメント

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Unknown (yuko)
2015-08-04 23:28:38
お隣の島の噴火や、大雨や、自然災害はどうしようもないけれど、連日の晴天と登山道再開となれば、最高のチャンスで行かれたのですね。深い森の苔の水々しさ、晴れていても湿度たっぷりな水分を感じますね。ヤクザルにしてもヤクシカにしても、南に行くほど動物は小さくなる、あ、人間も、ですよね、なんでかな?ガイドさんの説明はありましたか?
登山道にこれほどトイレがあるのですか? ずいぶん整備が進んでるのですね。
Unknown (やまとそば)
2015-08-05 07:30:44
縄文杉登山レポ~始まりましたね。
昔の事を思い出しながら読んでいます。
私はこの時、急遽縄文杉まで女性をガイドする事になりましたのでバイオトイレは使用しました。
初めてでしたが綺麗でした。
携帯トイレも持って行ったのですが本来なら持ち帰りが必要なのでしょうね。
続きも楽しみにしています~♪
yukoさん (Layla)
2015-08-05 23:03:10
毎日良いお天気が続いてますね。
私も良いチャンスに行くことができました。
島の街部は当然暑いのですが、それでもちょっと山に入ると清々しく涼しいくらいでした。
ガイドさんも普段はもっと湿度が高くてジメッとしているんですよ、
とおっしゃっていましたから、本当に良い時に行けたみたいです。

ガイドさんが「南に行くほど動物は小さくなり、植物は大きくなる」
と言う話はしていました。
けれど例外もあるので「一般的には」という程度でしたね。
「ロシア人なんか大きいじゃないですか」という下りには笑ってしまいました。w
ヤクザルやヤクシカが毛深いのは、おそらく雨から身を守るためでしょう、
と言う事でしたよ。

7か所のトイレのうち、きちんとした建物のトイレは登山口プラス2カ所。
あとはテントのようなトイレブースが4カ所で、
トイレブースは一カ所にひとつしか個室が無いので、
混んでいる時にはやはり不便でしょうね。

私たちが行った時には使われている様子はありませんでした。
けど、やっぱりあったら安心ですよね。

Unknown (晴れ)
2015-08-05 23:05:31
素晴らしいところからのレポ、ありがとうございます~~( ´ ▽ ` )ノ
トイレに関しては複雑な気持ち~~ですね。
やまとそばさん (Layla)
2015-08-05 23:11:33
私は湯元~奥白根で12時間さまよった時には一度もトイレに行きませんでしたが、
ここのように施設があればやっぱり「行っておかなきゃ!」
と思ってしまうんですよね。

けれどやまとそばさんのレポでも20分待ちと書いてありましたし、
娘が一人で行った時にも大株歩道入り口のトイレが
橋の方まで並んでいた、と言う事でしたから、
やっぱり繁忙期は大変ですね。

携帯トイレを持参することも、もっと日本全国的に浸透すると良いですよね。
登山者が多くなっているみたいですから。

屋久島ではトイレブースを設置しているだけあって、
使用済みの携帯トイレ回収ボックスまで登山口に用意されているのには
恐れ入りました。
晴れさん (Layla)
2015-08-05 23:20:15
自然を楽しみたい気持ちはきっと誰にでもあるでしょうし、
一日のんびりと山の中で過ごしたいと思えば
トイレも必要ですし。。。

世界遺産に登録された後困ったことは、
やはり登山者が圧倒的に増えたことによる、
登山道の荒廃、そしてトイレの問題だったそうです。

何かアクションを起こしているのは前向きで良いと思いますけどね。

Unknown (もこ)
2015-08-06 09:03:20
ご無沙汰しています。
貴重な紀行をありがとうございます。
レイラさん、素晴らしい。
私も自分に出来ることを地道に続けようと、
あらためて思いました!

酷暑が続いています。
ご自愛下さい。私も気を付けますねー。
もこさん (Layla)
2015-08-06 11:44:14
もこさん、こんにちは!
ご無沙汰しています!

本当に暑い日が続きますね。
お肌の弱いもこさん、大丈夫でしょうか。
私はご覧の通り落ち着きなく元気にしています。w

遊びに関しては随分一生懸命頑張っていますが、
本業に関する勉強は本当に地味になってしまって。。。

でも、地味ながらも続けていますので、継続は力なり!、ですね!
がんばりましょう!!w

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