![]() | エコノミスト 2010年 12/21号 [雑誌] |
| クリエーター情報なし | |
| 毎日新聞社 |
特集「日本再生の処方箋」に労働市場の規制緩和について寄稿。
振り返れば、リーマンショックは日本にとってもターニングポイントだったように思う。
学生の就職人気企業ランキングはバブルの頃と変わり映えせず、
(というか最近までJALがトップ10常連だった)
バブルの頃すら減らなかった財政赤字は不況の今もやっぱり増えているし、社会保障の
世代間格差は鳩山さんのバラマキでさらに拡大し、70代と20歳未満でついに一億の大台にのった。
少子高齢化も抜本的なメスは容れられぬまま、団塊ジュニアはピークアウトしつつある。
米国の住宅バブルという宴が終わって明らかとなったのは、こういうなんともお寒い現実だ。
一方で、企業の人事戦略には激しい動きがある。たとえば新卒採用がそうだ。
これまではなんだかんだ言いつつも、どこかで日本に期待している向きがあって、採用の現場を
見ていても「なんとかして予定数は採りたい」と言う熱意のようなものが感じられた。
年功序列組織を維持するためには、絶対に若い血が一定数は必要だからだ。
だから赤字でも採用活動に予算はたくさんついたし、最後は妥協して数を優先するなんてことも
珍しくなかった。
でも、今はそういった熱意も妥協もあまり感じられない。
むしろ、合否の水準が明確に引かれていて、白か黒かの二者択一だという空気がある。
要するに、企業が日本を見限ったのだろう。
過去最低の新卒内定率や海外採用強化、英語公用語化といった動きは、すべて同じ流れの一端
だと思われる。
この動きは別のアングルからも見て取れる。
解決策は、規制緩和によって企業の投資意欲を刺激する以外にない。
たとえば解雇のコストを下げれば、単純に企業は雇用を増やすだろうし、将来的な業績低下を
予想して既存人件費を抑制しているのなら、短期では賃上げの余地もある(結果的に内部留保も減る)。
そういうプロセスをすっ飛ばして「国内に投資しないなら内部留保に課税するぞ」と脅しをかける
なんていうのはバカの骨頂で、企業の海外移転を加速させるだけだろう。
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