伊達 純のヒロシマ日記

反戦・反核・反基地などの平和運動、反原発運動、反貧困運動、グローバリゼーションの問題などについてヒロシマから発信する

カズ!純粋なるキング! そして参院河野選挙の展望

2007年05月17日 14時23分18秒 | サッカー
 広島でカズと言えば、サンフレッチェ広島の森崎和幸のことだが、ここでは日本代表だった横浜FCの三浦知良のことを取り上げる。

 基本的に私は、カズのプレイ・スタイルは、そんなに好きではない。ただ以前、「徹子の部屋」でのカズを見て、認識をあらためた。

 カズは、ブラジルでプレイしていた頃、まだ無名の時代に、後に奥さんとなる設楽りさ子さんのグラビアを見て一目惚れし、日本に帰国した際にデートを申し込んだというのだ。そのエピソードを黒柳徹子さんが紹介した際のカズの感極まった表情が印象に残っている。まるで少年の時の感動を、まだそのままに残しているかのようだった。

 また日本経済新聞で連載されているコラムに、次のようなものがあった。

 横浜FCに若い韓国人選手が練習生として参加していたのだが、彼が「カズ・ダンス」や代表で決めたゴール、得点後のパフォーマンスを覚えてくれていたそうだ。彼が幼稚園か小学生の低学年の頃のことにもかかわらず、である。

 あるいは今季開幕前に韓国Kリーグのチームとの練習試合で、カズが相手の選手に反則で倒されると、その選手がコーチに促されて丁寧に頭を下げて謝ったというのだ。そんなに悪質な反則でもなかったし、普通は試合中に謝罪などしない、にもかかわらず、である。

 それくらいカズは韓国でも有名であり、尊敬もされているというのだ。

 カズは言う、「ただ気になるのは、アジアの人々が日本のサッカーに視線を向けてくれているのに、僕ら日本人は灯台下暗しというか、欧州の方にばかり目を向けてしまいがちなこと。サッカーに限らず、隣国のことを知らなすぎるような気がする」「僕らは韓国や中国についてまだまだ知らないことが多い」と。全くその通りである。

 日本の社会には、まだまだ隣の韓国や中国、北朝鮮のことを良く思っていない、理解しようとしない人たちがたくさんいる。カズは、そんな日本の人間たちに対し、もっと隣国の人たちのことを知ろうよ、と呼びかけているように思える。

「サッカー人として」第29回 三浦知良
http://www.kazu-miura.com/lock/070504.html

 そして今回、カズは、今年の夏に行なわれる参院選の比例代表での出馬を自民党から要請されたが、断った。あくまで一人のサッカー選手としての現役生活にこだわりたいとのことである。すばらしい。彼は、やはり純粋なるキングなのだ。

サッカー一筋…カズが政界進出一蹴(デイリースポーツ - 05月17日 11:00)
http://www.daily.co.jp/soccer/2007/05/17/0000338672.shtml

 なりふり構わずに人気のあるスポーツ選手や芸能人などを利用する自民党の薄汚さには辟易だが、カズの純粋さには惜しみない賛辞を送りたい。

 だが純粋さに欠けているのは、自民党だけではないようだ。憲法改悪に反対する政治勢力もお寒い限りだと言えないだろうか?

 外務省の官僚だった天木直人さんが、御自身のウェブ・ログ(http://www.amakiblog.com/)で次のような記事を書いている。

どうやら今の政治では憲法9条は守れない事がはっきりしたようだ
http://www.amakiblog.com/archives/2007/05/17/#000380

 そこで天木さんは、自分のことを、政治というものを知らなかった、ナイーブ過ぎたと認めた上で、民主党最高顧問である渡部恒三の言葉を紹介し、自民党も民主党も国民新党も表面的な政権争いの裏で馴れ合っている、彼らに護憲を求める事は「ないものねだり」だと喝破している。

 共産党に対しても、「真の護憲政党は日本共産党だけだといわんばかりに自己宣伝を繰り返す」と手厳しい。

 また社民党に対しても、「知名度のある候補者探しに奔走して」おり、「もはや党勢退潮を食い止めるだけの政党になってしまった」と同様である。そしてそれは、その通りであると言わざるをえない。

 ここ参院広島選挙区でも、社民党の周囲の人たちが河野美代子さんを担ぎ出そうとしたが、彼女が社民党の推薦を断ったとたん、てのひらがえしである。河野さんが社民党の推薦ナシの完全無所属で立候補したからと言って、憲法改悪反対の立場にはかわりがないのだから、陰ながら応援すればよいものを、それすらしようとしない人たちがいる。

 護憲を掲げた政治勢力にも、何か根本的なところでカズのような純粋さが欠けているのではないか?

 今度の参院選で河野さんが当選するならば、それは、ただ単に完全無所属・市民派の女性候補が勝利したということにとどまらない意味を持つのではないか。「馴れ合い」の政治を打ち砕く突破口となると同時に、天木さんの言うところの「憲法9条を守りたいと素朴に、純粋に考えている普通の人」の「心に火をつけ」ることになるのではないか。あるいは護憲を掲げた政治勢力をも含めた古い政治を吹き飛ばす起爆剤となるのではないか。そうなることを期待して、河野選挙を闘い抜きたい。


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