ノーマン・ロックウェル
第36代アメリカ合衆国大統領リンドン・ベインズ・ジョンソンの肖像である。
暗殺されたケネディの後を引き受けて大統領となった。
アメリカがベトナム戦争に介入したことに、責任を持つ男である。
画家はモデルの心を見抜いている。この男は、自分が死ぬことを確信している。
男はよくこういう目をする。何もかもが絶望的に逆に進んでゆく。逆風などというレベルではない。自分の意志などおかまいなしに、絶望的な世界の流れに引きずられていくのである。
この顔に、ベトナム戦争は正しいか、と聞いて見よ。NOという。
だがそれでもやらざるを得なかった。アメリカのためにではない。世界のためである。
これは本物の男である。
彼は言う。ベトナム戦争は間違いだった。
すべての責任はとると。