試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ103-149[ラシ337F-3] 動力ユニット振替 (動力ユニット整備・換装施工:駆動不調改善) ※グリーンマックス製

2017-08-02 21:46:06 | 国鉄/JR103系
贅沢。

グリーンマックス製JR103系モハ103-149(ラシ337Fb:Mc69)はKATO製現行LOT動力ユニットを搭載している。
しかしTOMIX製High-Grade製品ラシ337Fa(ラシ337F-1:T'c576,ラシ337F-2:Tc774)の出場で影が薄くなる。
ラシ337Faとラシ337Fb(ラシ337F-3:T'c576,ラシ337F-4:Tc774)はプロトタイプが重複しており稼働率は下降線を辿っていた。


JR103系モハ103-149(ラシ337F-3:KATO製モハ103形量産冷房車用動力ユニット搭載車)。

当初モハ103-149には1996年LOT品KATO製動力ユニットを搭載し竣工させた。
その後現行LOT品DT33非動力台車を履くモハ102-280に合わせ現行LOT動力ユニットへ交換した。
この経緯について全く記録が残っておらず振替えか予備品転用かは判らない。
とにかく稼働率が下がっている現状では現行LOT動力ユニットが勿体なく思えた。
そこで状態の良い動力ユニットを活かすためKATO製国鉄103系モハ103-685(ツヌ301F-1)との振替が決定した。


国鉄103系モハ103-685(ツヌ301F-1)。

一方のモハ103-685はサハ103-326(元ラシ336F-1)を種車に竣工した。
この頃予備品の動力ユニットは徐々に転用が進み数を減らしていた。
結局モハ103-700(元ツヌ301F→モハ103-686:ツヌ301F-1)の改番,電装解除による発生品を転用している。
種車の車両番号が示す通り旧LOT動力ユニットだが年代までは掴めていない。
ただユニットカバーのコンデンサーが無く小改良が加えられた直後のLOTだと思われる。


入工中のモハ103-685,モハ103-149 (ツヌ301F-1,ラシ337F-3)。

現行LOTのKATO製DT33付動力ユニットはカプラーポケット以外に変更点は無いように見える。
しかし安定度は経年が低い分だけ現行LOT動力ユニットの方が高いと予想された。
よってDT33動力台車の単独交換は行わず全てを相互に振り替える。
モハ103-685に搭載していた動力ユニットは調子がかなり悪かった。
段付加速は当たり前で急停車も頻発する。
動力ユニット振替えに乗じて症状の改善策も練る。


カプラーポケットの異なるDT33動力台車 (現行LOT品,旧LOT品)。

旧LOT動力ユニットは一定速度まで達すると安定した走行を示すように変化する。
挙動がおかしくなるのは起動,停止時に限られた。
モーター駆動音の異常は全く感じられず通電系統に問題は無いと思われた。
原因を追求するため先ず1エンド側DT33動力台車を分解した。
台車枠とロアフレームは集電板両脇の嵌合爪を外すだけで簡単に取り外せている。
これと同時に大凡の原因が掴めた。


ロアフレームを分離したDT33動力台車(1エンド側)。

ギアはすっかり油脂が失せ埃が付着していた。
更に確認するとギア軸には猫の毛のようなものが巻き込まれていた。
動力ユニット捻出車のモハ103-700(黄色5号)は中古製品で投入した。
恐らく前オーナーさんの環境に拠るものだと思われる。
ギア類を取り外し埃の除去を行いクリーナーで仕上げた。
この措置だけで車輪の回転は大幅に向上している。


埃塗れのギアボックス(2エンド側)。

続いて2エンド側DT33動力台車を分解した。
内部の状態は1エンド側用より更に悪かった。
ギア類は同等若しくはそれ以下だった。
加えてギアボックス内へ大量の埃が侵入している。
夥しい埃には辟易したが性能改善には除去が欠かせない。
やや硬いプラスチックの台車枠のため慎重に動軸を撤去しギアボックス内を清掃した。
埃の大半はエアーダスターで取り除けたため分解は不要だったかもしれない。


清掃を終えたDT33動力台車(2エンド側)。

ギア類の清掃は千葉寄に倣っている。
ただエアーダスターで吹き飛ばした埃が浮遊し再びギア周辺に纏わり付いて来た。
組立前にもう一度埃の付着具合を確認し混入を防ぎながら台車枠と嵌合させている。
なお油脂の失われていたギア類はタミヤ製グリスかユニクリーンオイルのどちらかを投入すべきか迷った。
最近の動力ユニット整備例を踏襲しタミヤ製グリスを選択したが今後の動向が気になる。


動力ユニットを相互交換したモハ103-685,モハ103-149。

動力ユニットを組立て津川洋行製ホイールクリーナーでの踏面清掃に移った。
この時点で段付加速の解消が確認できている。
現行LOT動力ユニットは特に不具合を感じておらず何も手を加えないままモハ103-685へ装着した。
なおモハ103-685は車両番号再転写が控えるため未竣工のまま措置保留になっている。




モハ103-149(KATO製動力ユニット整備・換装施工)。

動力ユニット換装を終えモハ103-149(ラシ337F-3)が竣工した。
DT33動力台車がカプラーポケット付になった以外外観の変化は無い。
懸案だった動力ユニットの駆動も改善され旧LOT化による影響は最小限に抑えられたと思う。
但し稼働率の向上には繋がらず現状維持が課題になるだろう。

更にDT33動力台車がカプラーポケット付に変わりモハ102-280と連結器高が揃わなくなった。
そのためモハ102-280のDT33非動力台車を旧LOT化する必要が生じている。
なお台車単独交換とはせずモハ102-841(ツヌ301F-1)との床板振替を選択する。
KATO製ではあるものの特殊な床下機器配置の床板に変わるためモハ102-280の外観は大幅に変化するだろう。