▲ 日本古代史研究事典ほか
日本近現代史研究事典・日本史文献事典ほか 手の届くところに置きたい本
日本近現代史研究事典・日本史文献事典ほか 手の届くところに置きたい本
▲左から『日本近代思想大系』岩波書店全23巻+別巻 1992年 明治期の史料、岩波書店の『日本近代思想大系』に収録収録された史料の目次・索引 明治期の重要な史料はこれで通観できる。定価5728円+税
中の分厚い本は『日本史文献事典』弘文堂・2003年刊行 定価25000円+税
総頁1668頁、3372点の日本史研究文献の紹介、全集・叢書・著作集・講座などのほか、戦後刊行された大手出版社の日本史の通史シリーズの巻別タイトルもわかる。現役で活躍する著者は、自らが、著作や、論文の意義を語るというシステム。前に、弘文堂は、『社会学文献事典』というものを刊行しているのだが、この試みを日本史研究文献事典に導入している。批判や批評は別にして、作者が最大限、著作の意図をわかりやすく語ろうとしているところに特徴がある。考古学の分野はすくない。古代・中世・近世・近現代の著書で、重要と思われる作者の著作は、かなりスペースを割いて紹介している。物故者は、自己批評は書けないので、後続する同分野の研究者が執筆。
調べるのに便利な「書名・論文索引」のほかに「主題・事項索引」、「人名索引」も巻末にあり。引く事典としては万全の構えだが、読む事典としても楽しい。私はかなりの時間この本読むのに費やしてしまった。刊行から10年以上経つが個人では収集不能の、日本史の研究文献の数の多さに脱帽。値段が高く躊躇していたのだが、読んで納得。もっと早く買うのだったと感じている。最近は1万円を切る古書価になったので、これから日本史を思う存分探索したい向きには格好の本。おっと、買っていないのは私だけだったのかも知れないが。
右端の本は 『戦後史大事典 増補縮刷版』 三省堂 1995年 巻末に詳細な戦後史の参考文献が便利。簡単な戦後史年表もある。1991年刊行の増補縮刷版
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▲ 東京堂出版から刊行の、時代別の日本史研究事典と、吉川弘文館刊行の『事典 昭和戦前期の日本』、『事典 昭和戦後期の日本』
左から刊行年・出版社、刊行当時定価、収録項目目次は以下の通り。
『日本古代史研究事典』 1995年 東京堂出版 定価4660円+税
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▼ 『日本古代史研究事典』 収録目次1
▲ 目次1
▼ 目次2
▲目次 2
▼目次 3
▲ 目次3
『日本中世史研究事典』 1995年 東京堂出版 定価4369円+税
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▼ 『日本中世史研究事典』 収録目次
▲ 『日本中世史研究事典』 収録目次1
▼ 『日本中世史研究事典』 収録目次2
『日本中世史研究事典』 収録目次2
『日本中世史研究事典』 収録目次3
▲ 『日本中世史研究事典』 収録目次3
『日本近世史研究事典』 1989年 東京堂出版 定価3689円+税
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▼『日本近世史研究事典』 目次1
▲ 『日本近世史研究事典』 目次1
▼ 『日本近世史研究事典』 目次2
▲ 『日本近世史研究事典』 収録項目目次2
▼ 『日本近世史研究事典』 収録項目目次3
▲ 『日本近世史研究事典』 収録項目目次3
▼ 『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂出版 定価5000円+税
▲ 『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂出版 定価5000円+税
▼ 『日本近現代史研究事典』 収録項目目次1
▲『日本近現代史研究事典』 収録項目目次1
▼『日本近現代史研究事典』 収録項目目次2
▲ 『日本近現代史研究事典』 収録項目目次2
▼『日本近現代史研究事典』 収録項目目次3
▲ 『日本近現代史研究事典』 収録項目目次3
▼ 『日本近現代史研究事典』 収録項目目次4
▲ 『日本近現代史研究事典』 収録項目目次4
▼ 『事典 昭和戦前期の日本 制度と実態』
▲『事典 昭和戦前期の日本 制度と実態』 1990年 吉川弘文館 定価5600円+税
▼ 内容案内 章別項目 詳細目次は長いので割愛します。
▲『事典 昭和戦前期の日本 制度と実態』』 箱裏の内容案内
▼『事典 昭和戦後期の日本 占領と改革』
▲ 百瀬孝 『事典 昭和戦後期の日本 占領と改革』 1995年 吉川弘文館 定価5650円+税
▼ 『事典 昭和戦後期の日本 占領と改革』 箱裏記載の本の内容案内 章立て
以上の本は刊行後、10年、20年以上経つものも多く、現在の研究状況からすると古くなった側面もあるのだが、類書が、今日に至るまで、それほど出版されていないので、まだまだ現役で使える事典・道具であると思う。
最近、丸山真男の古い論文を読んでいるとき、ふと、『日本近現代史研究事典』の「「日本ファシズム」論」の項目を参照してみたのだが、伊藤隆 「昭和政治史研究の一視角」『昭和期の政治』1983に収録以降、ファシズム体制にかんする論議の定義のあいまいさ(日本・ドイツ・イタリア三国に共通する有効な一般的定義ができないこと)などから、この日本ファシズム・天皇制ファシズムなどという用語は歴史用語としては無意味であるという論調が研究者の間に一般化しているという記述に出会った。ほかにも、私が他の分野に拘泥している間に、日本近現代史の研究分野で、かなり「浦島太郎状態」になっている分野が、多々あることが判明した。1970代前半年頃までに仕込んだ歴史認識態度には、現在の世界同時代認識のベースで理解可能な用語と定義の有効性について、提起と再吟味が肝要なことが痛感できる。放って置いた歴史テーマの多くの項目でブラッシュ・アップが必要のようだ。
つづく
次回は、下の本 世界史の歴史意識・研究方法も、1970年初頭までとは一変しているようだな。
▲ 東京と京都に挟まれた名古屋大学出版会、東京大学出版会と京都大学学術出版会との間で陰に隠れていると思いきや、奮闘めざましいようだ。