赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

祝・デビュー『しゅるしゅるぱん』 おおぎやなぎちか

2015-11-17 09:16:22 | その他
フランステロの報道・胸が痛むと同時に底知れぬこわさを感じるこの頃です。

さて、おおぎやなぎさんが『しゅるしゅるぱん』(福音館)を出版されました。第15回 児童文学ファンタジー大賞佳作を受賞された作品です。
ひさびさ、重厚なファンタジー作品の世界にひたれたなっと思いました。

決して過度に飾らず、キャラもたてすぎず、静かで土の匂いと北風の香りのする文体。
東北で育ち、畑などをされるおおぎやなぎさんならではのもので、わたしには書けないものだと、ページをめくるたびに思いました。
東北の架空の町を舞台に、四世代にもわたる物語です。架空といっても、朱明山は岩手山のことではないでしょうか?


現代のエンタメになれた人には出だし単調に思われるかもしれませんが、最後まで読んでください。
それぞれの世代のなぞが、そこでひとつにまとまります。
蔵にしまわれた古い本。ぼくにしか見えないなぞの少年。
おまじないのような、ふざけたような「しゅるしゅるぱん」という言葉。
いつもボクを見ていてくれる朱明山。
すがすがしく思える読後感は、感動をおしつけてこないからでしょう。

おおぎやなぎさんは、昔、国分寺に住んでいたことから、知り合いました。俳句はテレビに出たり、カルチャー教室で講師もできるくらいの方です。

この作品は、なかなか大賞も佳作もださないことで有名な、小樽のファンタジー大賞の佳作をみごと受賞しながら、書き直しに6年もの歳月をかけたといいます。
福音館は、あせらず時間をかけるんですね。あとからみれば、それが作家の実力になったと感じますが、その時はしんどいもの。
自分の年のことを考えたり、出ないのではないかと悪い思いにとらわれたり。
そんな本が出そうで、出ない時のつらさは、わたしにも経験してます。無事でればめでたしですが、そのまま、出なかったことまであります。(^_^;)

だから、こんなすばらしくまとまって、心からおめでとうをいいたいです。
本のカバー、とてもいい光沢のある紙をつかってあり、てざわりがいいですよ。図書館のカバーがついてしまうとわからないので、ぜひ、本屋さんでさわってみてください。

話題は変わり

日曜日、毎週義父と行く公園、府中市郷土の森公園というのですが、そこで農業祭をやっていました。
 野菜の宝船
  シクラメンのケーキです。

マンガ、ちはやふるの原画展もやってました。その話題は、また今度。

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