赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

朝井リョウ

2013-01-31 21:57:20 | 日記
直木賞をとった朝井リョウのことを、ちょっとみくびっていました。外見がなんかちゃらい?感じがして、ラノベっぽい作品なんじゃないかと。わたしの好みではないのではないかと。
でも、『桐島、部活やめるってよ』を読んで、ガーンと衝撃をうけました。言葉がみずみずしく内側から光っています。いきおいがあります。

だれよりもバレーが好きなのに、いや、それゆえに部員から少しだけ浮いてしまった桐島。この桐島は作品の中、本人はでてきません。
それぞれの短編の中にほんのりと桐島像がうきあげるだけです。でも、存在感があります。
桐島がやめたおかげで、レギュラーになって、ちょっとうかれているの自分をいやなやつだと感じるもの、片思いのまま、思いも告げず、失恋してしまうもの、様々な高校生活がここにはつまっています。
わたしは映画部のふたりのところが大好き。とても応援したくなりました。
階級があるという高校生活。目立つ友だちと仲良くなって、いい位置について・・・、実際、今はそういうことが考えられているのだと思います。

でも、高校生活だけでなく、こういうことはあります。
熱心でまっすぐなほど、はじかれたり、無神経さに傷ついたり……。高校だけが特別ではありません。

ただ、違うのには、彼らには若さがあるということ。今回の作品では、その若さがまぶしいくらいよく描けていました。
桐島はいいやつだったんだろうと思います。いいやつだったからこそ、きっと孤独だったんだろうと。

今度の直木賞の作品も、ぜひ、読んでみようと思いました。(*^_^*)


国分寺 おばあさんの知恵袋

2013-01-30 07:50:55 | 日記
絵本屋さんというのが、本当に少なくなってしまいました。東京は、大型書店ばかりが目立つます。でも、絵本とか子どもの本というのは、そういうところでなく、ゆったり遊びながら選びたいと思う方も多いでしょう。

おばあさんの知恵袋は、そんな絵本屋さんのひとつ。

昨日、そこで打ち合わせをしました。店主さんと仲良しなので、新作ジャングル村の絵本の原画展ができないかと、そういう打ち合わせです。絵のはやしさん、くもん出版さんがお忙しい中、協力してくださるそうです。

わたしは、国分寺に引っ越してきて、お話を書き始めました。この土地がそいういうことをさせてくれたんだろうと思います。また、そこで友だちになったいろんな方が、応援してくれました。そういう方に、原画を見てもらえたうれしいと思いたったわけです。

また、詳細が決まったら発表します。
おばあさんの知恵袋は、蔵出しバーゲンを始まるようです。お茶もでる、やさしい絵本屋さん。ぜひ、一度たずねてみてください。きっといい時間がもらえます。


新刊、見本が届きました。

2013-01-28 08:58:55 | 日記
新刊、『ジャングル村は ちぎれた てがみで 大さわぎ!』見本が届きました。真っ赤な帯がついて、見返しの絵をみると、本になったんだなーと 顔がゆるんでしまいます。
編集者の方、挿絵のはやしさん、本当にありがとうございました。

この本、ももたろうの方にタイトルだけ文字で伝えたら、「ちぎれたてがみ? ライオンさんの話?」とかんちがいされました。こういうかんちがいって楽しい!
この「ことばって たのしいな!」というシリーズは、そういった、身近なかんちがいを題材にしたものなんです。

わたしの話は、かんちがいしすぎかもしれませんが、あれこれ考えるのがとても楽しかった。上野動物園までナマケモノを見に行ったのに、ぼろぞうきんみたいに木にぶらさがっていて、がっかりしたのもいい思い出です。
正式な配本は、2月はじめになるそうです。


また、国分寺の西沢杏子さんのブログ『虫の落とし文』でこの本のこと紹介していただきました。西沢さんのブログ、写真がきれいです。冬にも虫を見つける、西沢さんのまなざしがすごいです。
ひとり、一木・一草・一虫、好きなものを見つけようという西沢さんの提案もすてき。でも、いざ、自分となると思いつかないんだな-。
自然を愛する西沢さんもブログもぜひ、訪れてください。

いろいろあわただしく、近所の方にはわたしたのですが、お世話になった方でも、まだ、本を送れていません。今、しばらく……。

それから三日前のブログ、出久根育さんのことを 出木根育さんと書いてしまいました。直しましたが、本当に申し訳ありません。教えてくれた○さん、ありがとう。
もっとしっかりしなきゃね。

くりぃむパン

2013-01-27 09:29:28 | 日記
二十六日の朝日新聞朝刊、こどもの本棚で、濱野京子さんの新刊、『くりぃむパン』が紹介されてました。これは読んで、紹介しようと思いつつ、忘れていた一冊です。


いつも中学生や高校生を描くのが多い濱野さんが小四の女子を主人公にしました。下宿屋という設定がおもしろいです。いつも思うのですが、濱野さんは題材を選ぶ目がいいと思います。少子化の今、下宿屋って魅力があると思うし、その中にいる人々も個性的で、現代的←わたしから見て。
くりぃむパンを食べたくなりますよ。食べ物がでてくる話ってなんか、ほんわかしますよね。『ピアスの星』を編集したのと同じ編集者さんとつくられたものだそうです。

また、その濱野さんがすすめてくれた、『ハンナの記憶』もおもしろかった。 震災をこういう形でからめて書けるのかと思いました。また、美大卒の方のせいか、風景を見る目にアート感があり、すてきだなって思いました。

東京は寒波で寒いですが、わたしは昨日、絵本講座、第一回目を終わりました。
大学生から白髪のご夫婦まで、さまざまな方がそれぞれの動機をもって参加してくださいました。
長谷川修平の『絵本トレーニング講座』という本をつかっているので、第一回目の終わりに『はせがわくん きらいや』を読みました。古い絵本です。でも、ものすごい力があって、読みながら、教室全体がぐんぐんお話にひきつけられていくのが伝わってきました。
最後は目をうるます方も見受けられました。
こういう力のある作品を一冊でも書きたいなー。

参加された方、肩の力をぬいて、講座を楽しんでください。他人との比較でなくて、自分の中の宝物をさがしましょう。(*^_^*)
と、言うのは簡単。でも、なかなかできないですよね。でも、こうやってブログに書けば、できるようになると願って……。

出久根育展

2013-01-25 07:51:28 | 日記
水曜日、いつものように母のところに行った帰り、なんか急にいろんなことがいやになって、寄り道がしたくなりました。そして、東京のちひろ美術館で「出久根育の絵本展」がやっていることを思いだし、よってみることに。

上井草駅の前には、なぜか、ガンダムの像が。 足下にカップがおいてあり、お賽銭もはいってました。

美術館は歩いて七分。住宅街の中にひっそりあります。いわさきちひろの絵やアトリエの展示の中、出木根さんのプラハの暮らしぶりとともに絵本の原画展示がありました。
自然と会話するように、絵をかいてられる、暮らしぶりが伝わってきました。絵本と原画の色あいの違いなどもあって、おもしろいなーとみてきました。
小さな美術館、それも寒い日なのに、ちょうどいいぐらいに混でいました。

ちょっと休憩とお茶を飲むとお庭に小さな銅像が。 のんびりしたら、いろんなお話の種が浮かんできて、こういう自由な時間は大切なんだなーって思いました。また、「大人になること」といういわさきちひろの詩を読んで、母とのつまらない口げんかを悔いてみたり……。

帰りに売店で『みどりのスキップ』という絵童話を買ってきました。
わたしは安房直子の大ファン。みどりのスキップは、その中でもトップ5に入るほど好きな作品で、南塚直子さんにずうずうしく「みどりのスキップを絵本にしてください」って言ったこともありました。南塚さんもそれは考えていてようですが、「場面の動きが少ないから、絵本とするのはむずかしいよ」と言ってました。

今回、絵童話という感じで、出木根育さんの絵で、出版されました。
安房さんの文章、全然古くなく、きれいだなーとうっとり。
すてきな寄り道の数時間でした。

明日は、公民館講座「くらしを絵本に」の第一回目です。