J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

クライナーハイネ

2009年03月10日 | 人にぞっこん

夜半、雨。
明朝まで残るという。
犬の散歩が気がかり。
家の犬は、水が苦手。

犬によって、見事に基本的な気質が違う。
水、大好き、とばかりに川でも海でも飛び込む子もいれば、
うちの子みたいに、水溜りの水さえも避けて通る子もいる。

ヒトが、一緒に暮らすことをしいた、犬という動物。
彼らに社会性があったればこそ、ヒトに選ばれた。
そうして、家族を守り、家畜を守る,番犬として、或いは見張りとして、
または、一緒に狩に出かけて獲物をしとめる役割を分担し、
そりを引き、補助をし、嗅覚を活かし、
彼らは、その特性と体躯を、特徴的に改良されて生きてきた。

家族として、役割を担って生きることを喜び、誇りとして、生きてきた。

最近は、愛玩のために小型化が進み、特性はそのままに、いや、一説によると
小型化により、より強烈に気質を引き継いで、犬種を定着させている。

先日は、ドキュメンタリーでヤノマミ族を見ていたら、彼らと共に、犬の姿があった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%9F%E6%97%8F
http://www.venezuela-tours.de/jp/yanomami.htm

アマゾンで、いまだ原始的な生活を営む彼らも、犬と共にある。
犬は、ヒトなしには生きてゆけないが、ヒトもまた、犬なしには生きていけないのではないかと思う。



犬種の違いによる気質や、個体差を見極めて、犬を飼い始める人は、日本では、いまだ少ないのだろう。
ほとんどが、犬の問題ではなく、飼う側の問題だと聞く。

そう、見た目で選ぶ過ちが起きやすい状況にあるからだ。

ペットショップに並ぶ子犬のつぶらな潤んだ瞳に見つけめれた瞬間、運命を感じたり、
ぬいぐるみを選ぶように抱きかかえて泣き出す子どもに逆らえなかったり、
日常茶飯事に、そんな場面が展開している。

欧米では、ほとんどが、欲しい犬種を専門家に相談して選び、
その後、手に入るまでは、数ヶ月を要するそうだ。

ブリーダーから、必要な期間、母犬と暮らした、心身健康な子犬を手にするために。
飼うために必要なトレーニングを受けるために。

または、飼い主のいない犬が集められた施設に出かけ、飼う犬を選ぶ。
これも、慎重に行われ、飼うときには、誓約書がある地域も多い。

街中では、電車やバスに、大型犬を数頭引き連れた年配の女性が乗っていたり、
ホテルなどの公共施設に連れてきたりも、普通の光景だった、と、
ドッグトレーナーの佐伯亜矢乃さんが教えてくれた。
同伴犬としてのしつけを受けているから可能で、社会的な認知もある。
しつけに関しては、先進的な英国。
それでも、困ったチャンは出てくるのだそうで、そこは、やはり生き物なのである。

そんな時は、相談をする施設が、多くある。
また、大勢のトレーナーが、実践を手伝ってくれる。
先進的であるというのは、十分な人材と施設が整っているということだ。




彼女は、犬が飼えずに、子ども時代を過ごした。
動物好きが高じて、ドッグトレーナー養成学校に入る。
卒業してから、横浜の英国式ドッグトレーニングスクールに勤めた。

「犬にマナーをしつけるというより、犬に考えさせながらマナーを学んでもらうことがトレーニングの基本です。
 愛犬家の皆様に家庭犬の正しいマナーを学んでいただきたいと考えています。
 犬を愛し、いつも犬と共にいたい、そのためにマナーは不可欠です。
 犬にマナーを教えることは、良き愛犬家のもっとも基本的なエチケットなのです。」
という考え方で、これが、今の佐伯さんの底辺にもなっている。
http://www.thistle.co.jp/

やがて彼女は、イギリスに飛ぶ。
やはり、元となっている国の様子をその目で見、実際に訓練を受けてみたかったからだった。

犬をしつけるのではない。
犬とヒトが、どう付き合えばよいのかをアドバイスするのが役目だ。

彼女は開眼する。
http://www.kleiner-heine.jp/topic05.html

言われてみればそのとおりで、犬の訓練だけだったら、トレーナーと犬との関係で完結する。
しかし、家庭犬であるならば、それでは、飼い主の言うことは聞かず、トレーナーの命令を聞く犬になる。

盲導犬や介助犬などであっても、訓練されてから、必要とされる人とのトレーニングが行われる。

家庭犬であっても、必要なのは、犬と飼い主の両者の訓練なのだ。

犬は、鋭い牙や、強い筋力があっても、それを積極的にヒトに向けることはしない。
だからといって、はむかうことがないわけではない。
どれほど小さい犬であろうが、ひとたび牙を剥けば、ヒトは傷つく。

言葉もわからず、表現も違い、自分たちよりも比べ様もなく劣る嗅覚や聴力や筋力のヒトに、
彼らは根気よく付き合おうとしてくれる。
何を望んでいるのか、どうすればよいのか、知ろうと、学ぼうとしてくれる。

ヒトの側も、根気よく、彼らとどう付き合えばよいのか、努力しながら暮らす責任がある。

そこを、ドッグトレーナーの佐伯さんは、手伝ってくれる。

静岡に戻り、独立して、2年半ほどになった。
生き物同士のコミュニケーションを繋ぐ、名カウンセラーだ。
犬を信頼し、ヒトを信頼し、そして、犬にもヒトにも信頼される。

数多くの協議会での受賞歴も、その優秀さを物語っている。
http://www.kleiner-heine.jp/topic03.html

しかし、決して驕ることなく、明るい笑顔で接してくれる様子を見ると、
本当に、彼女はカウンセラーだなあ、と思えてくる。

きっと、犬を見れば、その家の様子も飼い主の性格も、ほぼわかるのだろう。
その上で、犬と飼い主をつなぎ直す手伝いをしてくれる。

問題犬がいるわけではなく、飼い方に問題のある飼い主がいるだけなのだろう。
多分。



◎クライナーハイネ
http://www.kleiner-heine.jp/


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佐伯さんところのジャーマンシェパードのハイネちゃんは、
うちのぼく。の、お気に入りの女の子のひとり。


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