日本裁判官ネットワークブログ

日本裁判官ネットワークのブログです。
ホームページhttp://www.j-j-n.com/も御覧下さい。

少年事件で重要な動き

2007年08月10日 | Weblog
 少年事件について,重要な動きが2つ報じられています。少年審判に被害者の傍聴を可能にする法案作成の動き(日経新聞)と,被害少年と加害少年を対話させる修復的司法の考え方の捜査への導入の動き(読売新聞)です。少年事件に詳しい方々のコメントを期待します。以下,上記報道2つです。

少年審判、被害者の傍聴可能に・法務省、08年にも法改正へ

 法務省は原則非公開となっている少年審判について、被害者や遺族の傍聴を認める方針を固めた。被害者側の要望が実現する形となり、10月にも法制審議会に諮問し、来年の通常国会に少年法改正案の提出を目指す。裁判官と少年らで進められていた審判の場に、被害者らが入ることで「心理的なプレッシャーになり、非行の供述が難しくなる」と指摘する声もあり、議論を呼びそうだ。

 少年が罪を犯した場合、家庭裁判所に送致され、少年審判が開かれる。事件の内容や少年の抱える問題に応じて、少年院送致や保護観察などの保護処分にするか、不処分か、刑事裁判を受けさせる検察官送致とするかを決める。(07:00)

加害少年と被害者との対話「修復的司法」警察庁が正式導入

 加害少年と被害者を直接対話させる「修復的司法」の取り調べ段階での導入の是非を検討してきた警察庁の調査研究会(座長=堤和通・中央大教授)は9日、「少年の再非行防止に有効」とする報告書をまとめた。

 同庁では、2年前から比較的軽微な事件に限ってこの手法を試験的に実施しており、これを受けて今後は正式に導入することを決めた。近く全国の警察本部に通達を出す。

 修復的司法では、被害者と加害者に対話の場を提供する。被害者は、事件で受けたショックや加害者への感情を直接相手に打ち明けることで心の傷を和らげることができ、加害者に対しては、罪を犯した責任を自覚させて更生や再犯防止につなげる効果があるとされる。1980年代から欧米で広がり、日本でも家庭裁判所の審判手続きの中で取り入れる動きが出ている。

コメントを投稿