タイトルに2回も「ひっそり」を入れたのはワザとです。
ここは浅草橋。
「浅草」とはいえ「橋」の一文字つくだけでまったく違う街になります。
こちら浅草橋にはJR総武線、都営地下鉄浅草線の駅がありますが、双方の駅に
「ここは浅草ではありません」
という悲しい案内が張り出してあります。
そんなひっそりな町浅草橋ですが、何気に穴場的な美味しいお店が多い場所でもあるのです。
というわけで、浅草橋にやってきました。
平日の昼時というのにこのひっそり感。
手前の「日本焼肉党」という看板が気になりますねえ。
次の選挙では比例代表で「日本焼肉党」と書いて出そうと思います。
そんなひっそり浅草橋のガード下にひっそりと構えている中華そば幸貴。
オープンは2005年と比較的新しいお店なのですが、「つけめん」やら「二郎系」やらインパクト重視の昨今のラーメン業界において控えめすぎるくらい控えめなひっそりのお店なのです。
実は2007年の1月にこちらのお店をレポートしていて、今回の来店は実に3年ぶり。
時々気にかけていて、いつか行きたいと思っていたのですが、時間が合わなかったり、定休日だったりでずっとすれ違っていました。
3年ぶりの扉を開けると白髪頭のオヤジさんが以前と変わらずに変わらずに「いらっしゃい」と向かいいれてくれます。
店内は全席カウンターで、それもたったの5席。
この辺も入店と同時に「イラッシャイマセェ~~~!!」と怒鳴るように叫ぶ体育会系のお店にちょっと違和感を抱く自分としては、丁度良い対応だと思います。
メニューは入って正面の、壁に張ってあるこれだけ。
犬のイラストが手作り感があってほのぼのしますね。
ワンタンメンが美味しいんですけど、今日はなんか中華そばにしてしまいました。
でもワンタンメンにすればよかったかな・・・?
なんて悩んでいる間に中華そばが運ばれてきてしまいました。
オヤジさんに「写真とっていいですか?」と聞くと。
オヤジさん(以下「オ」)「だめだよ~」
iwaYoh(以下「iwa」)「え・・・だめなんだ・・・」
オ「撮影用にもっと綺麗に作るから・・・」
iwa「いや・・・このままで行きましょう!このままで」
オ「作り直そうか?」
iwa「大丈夫です・・・大丈夫」
奥の席に座っていた、常連さんも加わって
常連(以下「常」)「いつもどおりがいいんだよ。味は旨えんだから。ラーメンは味だよ。だったらいつも綺麗に盛っとけよ」
オ「だってよ~撮影用に盛り付けてたら、時間かかって・・・以下略」
どこまでも愛嬌のあるオヤジさんとのやり取り。
面白がっていたらせっかくの中華そばが伸びそうです。
納得のいかないオヤジさんと説き伏せて撮影。
具はチャーシュー、メンマ、ねぎ。やや濁ったスープに浮いているのは中細の縮れ麺。
絵的にはやや寂しく見えるかもしれませんが、極シンプルという見方も出来ます。
麺はプルプルとした中加水の麺としては極一般的。
全部で5席なので、麺茹でのロットも少なくて2人前ずつ、しかも鍋に泳がして平ざるで上げるので茹で上がりに変なぬめりが無く、さらっと仕上がります。
スープは豚骨、鶏がら、そして強い煮干の風味があり、そして何よりもかなり熱め。
チャーシューはもも肉、肉の食感を残してザクッと歯ごたえのあるチャーシューは好み。
メンマもスープと同じ方向性の味付けでスープを邪魔しない、しかしちゃんと存在をアピールするところが職人技ですねえ。
ほかのブログやレポートを読むと銀座の共楽に味が近いっていう話も聞きますけど、そこまでインパクトは強くなくてもっと大人しいと思います。
この「大人しさ」を「インパクトが足りない」という向きもありますけど、私個人としては「シンプル」で「明快」であると思います。
だからこそ、そこに「ひっそり」という言葉が入ってくるわけですけど。
なんてこの中華そばを味わっている間にも、オヤジさんと常連さんの会話は弾みます。
こういうのってオヤジさんと常連さんたちの間でしか通じない話を延々聞かされてウンザリ、見たいなこともありますけど、会話の内容的にも面白くて、逆に聞いていても楽しくなってしまいます。
ブログとかラーメンランキングサイトの話もしてまして、
常「美味いって書いてもらえばいいじゃない」
オ「いいんだよ。不味いって書かれなきゃ、味のほうはそこそこで」
常「いや~オヤジさんのラーメン美味しいよ!これ!」
「不味いって書かれなければそれで良い」というオヤジさんのメディアに対する感想とか距離の置き方が妙に自然体なのが、オヤジさんの人柄を如何にも表していて、思わずほほえましく思ってしまいました。
食べ終わって最後、どんぶりを上げ、名刺に「iwaYon 岩風呂」と書いて渡しました。
普段、そういうものを置いてくることはホント滅多に無いんですが、いろいろ気を使ってくれて、面白い話を聞かせてくれたオヤジさん、そして常連さんにも自分のレポートを見てもらいたくてついつい渡してきました。
2月の半ばを過ぎて日中暖かくもなって来ましたが、まだまだコートは手放せないこの時期。
店を出てもぽかぽかなのはラーメンのスープが熱かっただけではないと思います。
ごちそうさまでした。
ではでは
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ここは浅草橋。
「浅草」とはいえ「橋」の一文字つくだけでまったく違う街になります。
こちら浅草橋にはJR総武線、都営地下鉄浅草線の駅がありますが、双方の駅に
「ここは浅草ではありません」
という悲しい案内が張り出してあります。
そんなひっそりな町浅草橋ですが、何気に穴場的な美味しいお店が多い場所でもあるのです。
というわけで、浅草橋にやってきました。
平日の昼時というのにこのひっそり感。
手前の「日本焼肉党」という看板が気になりますねえ。
次の選挙では比例代表で「日本焼肉党」と書いて出そうと思います。
そんなひっそり浅草橋のガード下にひっそりと構えている中華そば幸貴。
オープンは2005年と比較的新しいお店なのですが、「つけめん」やら「二郎系」やらインパクト重視の昨今のラーメン業界において控えめすぎるくらい控えめなひっそりのお店なのです。
実は2007年の1月にこちらのお店をレポートしていて、今回の来店は実に3年ぶり。
時々気にかけていて、いつか行きたいと思っていたのですが、時間が合わなかったり、定休日だったりでずっとすれ違っていました。
3年ぶりの扉を開けると白髪頭のオヤジさんが以前と変わらずに変わらずに「いらっしゃい」と向かいいれてくれます。
店内は全席カウンターで、それもたったの5席。
この辺も入店と同時に「イラッシャイマセェ~~~!!」と怒鳴るように叫ぶ体育会系のお店にちょっと違和感を抱く自分としては、丁度良い対応だと思います。
メニューは入って正面の、壁に張ってあるこれだけ。
犬のイラストが手作り感があってほのぼのしますね。
ワンタンメンが美味しいんですけど、今日はなんか中華そばにしてしまいました。
でもワンタンメンにすればよかったかな・・・?
なんて悩んでいる間に中華そばが運ばれてきてしまいました。
オヤジさんに「写真とっていいですか?」と聞くと。
オヤジさん(以下「オ」)「だめだよ~」
iwaYoh(以下「iwa」)「え・・・だめなんだ・・・」
オ「撮影用にもっと綺麗に作るから・・・」
iwa「いや・・・このままで行きましょう!このままで」
オ「作り直そうか?」
iwa「大丈夫です・・・大丈夫」
奥の席に座っていた、常連さんも加わって
常連(以下「常」)「いつもどおりがいいんだよ。味は旨えんだから。ラーメンは味だよ。だったらいつも綺麗に盛っとけよ」
オ「だってよ~撮影用に盛り付けてたら、時間かかって・・・以下略」
どこまでも愛嬌のあるオヤジさんとのやり取り。
面白がっていたらせっかくの中華そばが伸びそうです。
納得のいかないオヤジさんと説き伏せて撮影。
具はチャーシュー、メンマ、ねぎ。やや濁ったスープに浮いているのは中細の縮れ麺。
絵的にはやや寂しく見えるかもしれませんが、極シンプルという見方も出来ます。
麺はプルプルとした中加水の麺としては極一般的。
全部で5席なので、麺茹でのロットも少なくて2人前ずつ、しかも鍋に泳がして平ざるで上げるので茹で上がりに変なぬめりが無く、さらっと仕上がります。
スープは豚骨、鶏がら、そして強い煮干の風味があり、そして何よりもかなり熱め。
チャーシューはもも肉、肉の食感を残してザクッと歯ごたえのあるチャーシューは好み。
メンマもスープと同じ方向性の味付けでスープを邪魔しない、しかしちゃんと存在をアピールするところが職人技ですねえ。
ほかのブログやレポートを読むと銀座の共楽に味が近いっていう話も聞きますけど、そこまでインパクトは強くなくてもっと大人しいと思います。
この「大人しさ」を「インパクトが足りない」という向きもありますけど、私個人としては「シンプル」で「明快」であると思います。
だからこそ、そこに「ひっそり」という言葉が入ってくるわけですけど。
なんてこの中華そばを味わっている間にも、オヤジさんと常連さんの会話は弾みます。
こういうのってオヤジさんと常連さんたちの間でしか通じない話を延々聞かされてウンザリ、見たいなこともありますけど、会話の内容的にも面白くて、逆に聞いていても楽しくなってしまいます。
ブログとかラーメンランキングサイトの話もしてまして、
常「美味いって書いてもらえばいいじゃない」
オ「いいんだよ。不味いって書かれなきゃ、味のほうはそこそこで」
常「いや~オヤジさんのラーメン美味しいよ!これ!」
「不味いって書かれなければそれで良い」というオヤジさんのメディアに対する感想とか距離の置き方が妙に自然体なのが、オヤジさんの人柄を如何にも表していて、思わずほほえましく思ってしまいました。
食べ終わって最後、どんぶりを上げ、名刺に「iwaYon 岩風呂」と書いて渡しました。
普段、そういうものを置いてくることはホント滅多に無いんですが、いろいろ気を使ってくれて、面白い話を聞かせてくれたオヤジさん、そして常連さんにも自分のレポートを見てもらいたくてついつい渡してきました。
2月の半ばを過ぎて日中暖かくもなって来ましたが、まだまだコートは手放せないこの時期。
店を出てもぽかぽかなのはラーメンのスープが熱かっただけではないと思います。
ごちそうさまでした。
ではでは
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最近は良い麺を使ってるのにテボ茹でで、麺が美味しく茹で上がってない店が多い中、
こういったお店の姿勢はとても感心します。
良心的な仕事をするお店こそ、末長く繁盛してもらいたいものです。
デボにはある程度の火力と水の循環が必要になってきますからね。
絶対だめではないのですが、大きなコンロが置けないお店だと平ざる上げの方がいいですね。