ベルト・バックル修理 革漉き・裁断 伊東金属製作所

革ベルトやバックルの修理、革漉き、革の型抜きその他、幅広く紹介して行きます。

革包丁 信義はもう手に入りません

2019-08-15 08:33:04 | 刃物

ずいぶん前から知っていましたが、混乱や買い占めを避けるためにあえていままで黙っていました。
青紙スーパーの革包丁信義を製造していた加賀谷さんですが、廃業すると人づてに伺いました。
私は直接面識ありませんし、今現在、もう廃業されたのか廃業準備中なのかはわかりませんが、ネットを見ても信義はどこも売り切れているようですので、もう生産していないのだと思います。

おそらく高齢のためだと思いますが、末期はかなり品質にばらつきがあるとあちこちで聞きましたので、ご自身でご判断されたのだと思います。

加賀谷刃物製作所さんといえば、もちろんオリジナルブランドの信義が有名ですが、それ以外にもあちこちのOEMを手掛けていたようです。
もしかしたら今後、そのほかのブランドでも手に入らなくなるものが出てくるのかもしれません。




コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岩田屋工具店さん 新作革包丁

2019-05-23 15:30:43 | 刃物

岩田屋工具店さんの新作革包丁が届きました。
今回、この新作革包丁の開発にあたっては、私なりにご意見を差し上げさせていただきました。
自分のイメージしている革包丁が出来るのって、なんだか感動です。

今回発売される革包丁は2種類で2サイズの計4種類になります。
幅は30ミリと36ミリで、材質で2種類ご用意させていただきました。

切れ味、研ぎやすさ、コストパフォーマンスにすぐれた白紙、
刃持ちの耐久性を向上させた青紙の2種類になります。
東京と銘が入っているものが青紙です。

写真は受け取った革包丁を軽く研いで試し切りに使った状態です。
まだまだ本気の研ぎには時間が掛りそうなので、取り急ぎ写真を撮って記事にしました。


刃先は非常に薄いので、初心者の方でも使いやすい革包丁です。
販売している状態でもそこそこ切れるようになっていますが、真の切れ味を体験するには是非研いでご使用ください。

簡易硬度チェッカーにてロックウェル硬度を測定したところ、
白紙はHRC55-60で、青紙は一段硬いHRC60-65で仕上がっていました。
硬い刃をお好みであれば青紙、扱いやすさ重視であれば白紙と、お好みで選んでいただけるようになっています。

どちらが上位で良く切れる、どちらが高級という設計ではありませんが、鋼材のコストの関係で青紙の方が若干お高くなっております。

興味をもっていただけましたら、岩田屋工具店さんへお問い合わせください。
まだ発売前ですが、ご予約は出来ると思います。

ちなみにこのブログはアフリエイトではないので、私はインセンティブもらっていません。
あくまで、革包丁好きが開発に参加させてもらって、革包丁好き冥利につきるといった話だけです。
が、これってすごく名誉なことだと思いますし、これだけで十分です。
こんなこと、だれもが体験できるものではありませので、日ごろから研究していて良かったと思います。

革包丁の硬度測定はこちらの記事に記載しています。
他の包丁の硬度が気になる方はご覧になってみてください。

革包丁の硬度調べてみた 信義・秀次・美貴久・岩田
革包丁の硬度調べてみた part2 金高刃物
革包丁の硬度調べてみた part3 有次、菊一、高芝ギムネ


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研ぎ陣 千寿工房さんへ鋏研ぎを出してみました

2018-08-03 19:14:22 | 刃物

ネットで見つけて前から気になっていた研ぎ陣千寿工房さんへ、ハサミ研ぎを依頼してみました。
こちらの工房はネットで調べてみると、どうも浅草橋にある研ぎの学校の卒業生が、各地で開業しているみたいなのです。
浅草橋駅前にある学校は、私も何度か前を通ったことがあって、気にはなっていました。
弊社に来るお客様の中には、そこへ研ぎを出しているというお客様もいらっしゃいまして、一度行ってみようかなと思っていたのですが、どうも調べてみると、千住にもその卒業生が工房を開業していらっしゃるようです。
千住でしたら弊社から近いので、いつか行ってみようと思っていました。
何本か切れないハサミが溜まってきたので、試しにと言うか、様子見と言うか、ハサミ研ぎは非常に難しいと分かっていますし、自分でも研いでダメにしていますので、腕は確かなのかという部分を含めて出してみました。
試しているようで申し訳ございません。
でも刃物ですから、評判って気になりますよね。


月曜日に持ち込んで金曜日に仕上がってきました。
このハサミが研ぎに出した6本です。
糸きり鋏3本(マルシュー青鋼、庄三郎、無銘)と、24センチの裁ちばさみ(マルシュー刃物製)2本、19センチの細工鋏(京都有次)が1本です。
受け取る際には試し切りをさせてもらえます。
裁ちばさみは革を切るのに使うとは、研ぎに出した際にお話していましたので、革を切らせてくれます。
店頭で試し切りさせるなんて、自信がないとそんなことさせられないと思います。
もし試し切りして切れなければ、非常に恥をかくことになります。
ただ普通研ぎ屋さんだと、新聞紙に包まれたものを持ち帰るだけですので、試し切りをさせてくれるような所は初めてでした。
そのことからも自信の程が伺えます。

試し切りの結果、仕上がりはどれも満足のいくものでした。
かすかに先端が切りにくい個体が有りますが、これは元々の鋏の作りのようで、研ぎで調整出来る範囲の事はやっていただいています。
糸きり鋏も先端で糸がスパっと切れました。
満足です。

こちらの工房、全て手研ぎで作業しているらしいのです。
鋏というのは普通機械でやるのですが、手研ぎでハサミを研ぐというのは、非常に高度な技術だと思います。
包丁よりも難しいでしょうね。
浅草橋の学校では、かなりの時間を掛けて修業されて来たのだろうと想像できる腕前でした。
システム的にはフランチャイズのような感じがして、ちょっとどうなのだろうと不安になりますが、研ぎの技術は確かなものでした。


最後に工房の写真を撮らせてもらいました。
ハサミを研ぎに持ってきた時には、研ぎかけの刃物があったのですが、今日は全て片付けられていました。
明日は出張なので、今日は全て片付けてしまったということでしたので、ちょっと残念です。
次回は研いでいるところ収めたいです。

初めてのお店だったので半信半疑でした。
本当にごめんなさい。
でも確かな腕前でした。
また鋏持って行きます。
よろしくお願いします。


有限会社伊東金属製作所
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

細工鋏 竹二製 青紙スーパー買ってみた

2018-08-02 14:21:20 | 刃物

前から気になっていた細工鋏、またの名を革切り鋏と呼びますが、竹二銘の青紙スーパー購入しました。
先日、2本ある19センチ細工鋏のうちの1本を、作業中にクリッカーに挟んでしまい、折ってしまいました。
この折れた鋏は、マルシュー刃物製の細工鋏で、10年以上使っていたお気に入りです。
ただ、自分で研いでみたらどうも切れなくなってしまったので、研ぎ屋さんへ持っていっても怒られそうですし、どうしようか思案しているところで折ってしまったので、むしろすっきりしました。

マルシュー刃物製の細工鋏、19センチはこちらのブログで紹介しています。
裁ち鋏が何本あるのか数えてみた

もう一本の愛用の細工鋏、京都有次の鋏は、今度は研ぎ屋さんへ出そうと先日預けてきて、こちらは研ぎあがってきたらまた報告しますが、研ぎあがりまで一週間程度との事なので、だったら買ってしまおうと、アマゾンでポチりました。

京都有次の細工鋏購入時のブログ
京都有次 革包丁 細工鋏 傘屋小刀



竹二の銘入りで、これは小野市の多鹿治夫鋏製作所というところの製品なのですが、ここでの直販は白紙1号か、SLDの製品しかなく、この青紙スーパーは関西にある、「ほんまもん」というお店で販売しています。
おそらく別注品なのだと思いますが、確かに刃物鋼として白紙1号のピュアな切れ味は素晴らしいと思います。
が、炭素含有量で言えば青紙スーパーのほうが、より日本刀の玉鋼に近く、しかしタングステン含有しているため、多少の滑り感はあるにせよ、長切れという点ではやはり青紙スーパーを手に入れたいと思いました。

青紙スーパーの革包丁(信義)も持っているのですが、革包丁だと青紙スーパーは脆すぎて使いにくく、あまり出番はありません。

信義購入時のブログ
革包丁いろいろ買ってみた 信義・岩田・美貴久

青紙スーパーなのでHRCは65以上となり、刃先の脆さが心配でしたが、いまのところ雑に扱っても、落しても刃がこぼれたりするようなことはありません。
非常に使いやすく、切れ味も良く、あとは長切れしてくれれば、お気に入りの一本になりそうです。


ただ切った感じだと、割と軽く切れるというか、鋏の噛み合わせは非常に軽く仕上がっています。
個人的にはもっと刃と刃がかみ合う、切ってるぞ!感がある鋏のほうが好みですが、切れれば問題ないです。

細工鋏
持ち手は24センチのラシャ切り鋏と同じ大きさなのですが、刃先だけが短く、力が入れやすい作りになっています。
別名、革切り鋏と呼ばれ、革を切るには非常に便利な道具で、一番使用頻度が高い鋏です。
革包丁より遥かに出番が多いお勧めの鋏です。
ただ製造メーカーが少なく、ニッチな鋏なので、選択肢が少ないのが難点です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブランチャード エクステンションブレードと鞘 徹底検証

2018-07-14 09:26:13 | 刃物

ついに手に入れました。
ブランチャードのエクステンションブレードと鞘。
お客さんのインスタで初めてこれを見たとき、何ともかっこいい!
しかもフランス製で、ブランチャードといえば、エルメスも使っていることで有名です。
刃物好きの私としては、これは是非とも手に入れたいとずっと思っていました。
ただネットで見てもいつも売り切れで、先日たまたま思い出したようにネットで探していたら、なんと在庫あり。
すぐにポチりました。
しかし入荷数も少ないのですね。
私がポチった後は、すぐに sold out になってました。
一本だけあったのかもしれません。
運が良かったです。
さて、やっと手に入れたこのアイテム、性能はどうでしょうか?
めちゃめちゃ期待してます。
だってエルメスが使ってるんでしょ?

まず鞘なのですが、真鍮製とはいうものの、なんだかメッキされたようです。
真鍮の無垢の色でありません。
しかもあまりメッキも綺麗とは言えません。
かなり厚付けしている感じが伺えます。
メッキは薄くつけてツヤを出すのが難しいのです。
厚く付けてツヤを出すのであれば誰でもできます。
ちょっとぼってりメッキがついてる感じがします。
しかし真鍮にメッキをしているというのはなぜなのでしょう?
真鍮が酸化して黒ずんでくると手が汚れて製品が汚れるから、メッキをしているのでしょうか?
製品の品質を考えればそうなるのかもしれません。
ただ所有欲としては、真鍮無垢の方が私は好きですし、それを期待していましたが、写真ではそこまで判断できませんでした。

もった感じ、重量感もあり、真鍮のようです。
が、メッキしているので、もしかして?と興味が湧いたので、新品をいきなりグラインダーで削ってみました。


中身も真鍮のようです。
ただちょっと黄色みが薄くない?
銅が少ない感じがします。

こうなると、疑いの目で見るようになって、エルメスが使っている素晴らしい道具なんていう印象はとっくに無くなってます。

なので比重を測ってみます。


鞘の重さが81.2グラムです。


水の中に吊るして計量します。
11.1グラムです。
もちろん、純水でもないですし、常温なので誤差はあります。

が、割とこの計測方法でも正確に出るのです。

81.2÷11.1=7.315...

うーん・・・
真鍮だと8は行くんですよね。
でも亜鉛にしては重め。
色も黄色みを帯びている・・・

真鍮は真鍮でも、銅の比率が少ないようです。
どちらかというと、亜鉛合金と言った方が正確な気がします。

JISでは真鍮は規格があるのですが、フランス製なので規格外でも大目にみますか。
真鍮製というのは、嘘ではないけれど、なんともグレーゾーンですね。
おそらくそれもあって、メッキしているのだと思います。
切れ味に関わる部分ではないですが、刃物好きとしてはちょっと結果が残念です。

さて、気を取り直して、次は肝心なブレードです。

が・・・


これひどくないですか?
折れてると言うか、折ったと言うか、最初からこういう状態なのです。
これじゃ切れるわけありません。
研いで使えってことなのでしょうか?
にしても、ひどすぎます。
ただエクステンションブレードは800円なので、そこまで品質を求めてはいけないのでしょうか?
でも800円もしないカッターナイフでももっと先が尖っています。


セットしてみました。
こんな状態なのです。
フランスの品質ってこうなのですか?
めちゃ曲がってます。
梱包状態は特に問題無かったので、本国からの出荷状態からだと思います。


切ってみます。
切れる訳ありません。
オルファのがよっぽど切れます。


硬度測定してみました。
HRC50-55です。
それほど、硬くは有りません。


オルファカッターと同等レベルです。

ちなみに、硬度測定については、いろいろ革包丁も測定しているので、興味のある方、測定方法の詳細はこちらのブログを参照ください。

革包丁の硬度測定

ただ、硬ければ切れ味はよいですが、刃こぼれしやすくなります。
私のように雑な使い方だと、硬すぎでも使いにくいのです。


ちなみにこれは、京都有次で購入した傘屋小刀で、HRC65以上あるキワモノですが、めちゃ刃こぼれします。
ちょっと固いものにぶつけたらアウトです。


ちょっと研いでみましたが、先端が尖るほどまで研ぐのは時間が掛りますから、オルファの刃をセットしてみました。

そもそも、そんなに研ぐ時間があるなら、三連休に仕事なんかしていません。
忙しいから今日も仕事しているのです。
時間をかけて準備しなければならない工具なら、私の場合、仕事では全く使い物になりません。
インスタ映え専用になってしまいます。


刃の傾斜が逆なので、これはこれで使いにくいです。
刃先が鞘の陰になって見にく過ぎます。

エクステンションブレードについては上位版もあるようですし、日本の刃物屋さんでも製造しているところがあるみたいです。
良いエクステンションブレードを手に入れれば、使い道はあるのかもしれません。
所有欲や趣味性を満たすのであれば、またインスタ映えを考えれば、良いかもしれませんが、コストパフォーマンスで考えたら、私はオルファを使うことにします。

まだ無駄遣いしてしまった・・・

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする