コンサルタント伊藤のつぶやき

コンサルタント活動を振り返り

試用期間後に社会保険に加入。トラブルに発展

2012-02-03 13:38:13 | 日記

寒い日が続いています。本当にブルブルです。今年も早いもので2月に入りました。皆さんお元気ですか。
さて、今回は、先日、私がある会社から相談された事例を紹介させていただきます。
中企業では頻繁に起こるトラブル事例です。

この会社は社員を採用した場合、6か月の試用期間を設けていますが、過去、採用した社員は数週間、働き方、態度など様子をみて、採用日に遡って、
社会保険、雇用保険などの加入手続きをしてきています。

しかしながら4年前に採用した社員は、他の社員との協調性に少し問題がありました。その結果、就業規則に従い6か月間を試用期間とし、6箇月後
に改めて正社員として契約をしたとのことです。会社としてはこのようなことを初めて実施したそうです。
ここまでは全く問題はありません。ところが、先日、一身上の都合により、その社員が退職することになりました。ここから社員と会社との争いが始まりました。

社員曰く、「採用日と社会保険適用日との日付が違い、社会保険の適用が採用日後6か月になっている。」
会社曰く、「当時、総務を担当していた社員が独断で判断し、試用期間後に加入させてしまった。」

とのことです。会社は非を認めましたが、社員は政府の「年金記録確認第三者委員会」に訴えると言い出しました。

そこで、会社側から私に相談がありました。
もうすでに時遅しです。社会保険の遡りは原則2年です。もう4年前の話なので、遡りは無理だとお話しました。
会社から社員に対して社会保険料も徴収していませんでした。
これでは「第三者委員会」に持ち込んだとしても認められないでしょう。と話をしました。
あとは会社と辞職した社員とでどう決着をつけるかだと思います。

老後に支払われる年金額について、6か月分はどのくらい影響するでしょうか。
年金額は給料によって相当違ってきますが、この社員は新規に採用された方なので、採用日に社会保険に加入したとすれば、老後の年金月額は千円程度、
プラスして亡くなるまで貰えるのではないでしょうか。

個人としては是非とも欲しい金額ですよね。しかしながら6か月間、保険料の徴収がなかったことに対して、辞職した社員は当時、なぜ声をあげなかったのでしょうか。
徴収されていなかったことを今ではなく、その時に会社側に意義申立をしていれば、状況は変わったはずです。

この話はまだ決着がついていません。
労働問題のポイント。問題が起きたときにすぐ解決に向けてのアクションが大切。くれぐれも放置しないように。