「かなりおかしい」安倍晋三首相は、63年も「集団的自衛権行使なし」できたのに、いまさらなぜ?

2014年02月15日 23時59分00秒 | 政治
◆「(憲法解釈の)最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない。私だ」
 安倍晋三首相が2月12日の衆院予算委員会で、憲法改正ではなく解釈変更により集団的自衛権の行使を容認できるか問われて、こうと答弁した。この答弁をめぐって、2月13日の自民党総務会で異論が相次いだ。
 マスメディアのなかでは、「政高党低」と言われて首相官邸主導で政治が行われて、自民党の力が低くなっていることへの党内からの批判であるとか、内閣改造を行わない安倍晋三首相に対する不満が爆発したとか、下世話なコメントを付け加えている報道が目立っている。だが、今回の安倍晋三首相の発言をそのようなレベルでとらえていいものか、大いに疑問である。というより、情けなくなる。
◆このサイトでも紹介したけれど、大勲位・中曽根康弘元首相が1月4日午前9時30分から放送された日本テレビ番組「激論!なかそね荘」で読売新聞グループの渡辺恒雄本社代表取締役会長・主筆(株式会社読売巨人軍取締役会長)とともに出演、このなかで安倍晋三首相が集団的自衛権行使容認を実現するため憲法解釈を変更しようとしている件について、「必要がなければ簡単に手をかける問題ではなく、いまの情勢では必要が出てくるとは思わない。注意深く慎重にやらないといけない」と語っている。
 中曽根康弘元首相は2004年11月11日、衆議院憲法調査会の公聴会に公述人として出席し、次のように発言していた。
 「集団的自衛権の問題ですが、私は、もう6、7年前から、現憲法においても集団的自衛権を行使できる、それは解釈の問題であるから、総理大臣が公式にそれを言明すれば、一時はいろいろ騒ぎもあるかもしれぬが、そのままそれは通用していくはずである、そういうことも言ってきたもので、集団的自衛権の行使は現憲法でもできる」
 中曽根康弘元首相は1955年11月15日、自民党結党の際、「副幹事長」として参加していた。自民党は、「日本国憲法改正」を目標に結党されたもので、中曽根康弘元首相は、熱烈な「憲法改正論者」として知られてきた。歴代法制局長官が、「集団的自衛権とその行使」ついて、否定的解釈を示してきたのに対して、中曽根康弘元首相は、「憲法解釈の変更は首相の一方的言明で足りる」という持論を述べてきた。
 この発言は、安倍晋三首相が「(憲法解釈の)最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない。私だ」と言ったのと、よく似ている。それだけに、振り返ってみると、中曽根康弘元首相が、ここにきて「いまの情勢では必要が出てくるとは思わない」と「慎重論」を述べたのは、大変な驚きであった。
◆中曽根康弘元首相が「集団的自衛権行使容認」に「慎重論」を述べた背景には、「極東アジアの軍事情勢」が、「必要性に迫られるほど緊迫していない」という客観情勢があるのも確かである。米国国防総省(ペンタゴン)を後ろ盾にしていると言われている自民党の石破茂幹事長が「米軍が攻撃されているときに、自衛隊はこれを見過ごしていていいのだろうか」などと盛んに「頭の体操」を繰り返して、「集団的自衛権行使容認」に憲法解釈を変更しようと懸命になっているのに対して、中曽根康弘元首相は、「頭の体操」を否定しないものの、「いまの情勢では必要が出てくるとは思わない」という軍事情勢判断を示しているのだ。
 いまや「金欠病」で戦争どころではない米国は、仮想敵国・中国に接近して、「大国どうしの関係」を築こうとしている。万が一、「日中戦争」が勃発した場合、一体どっちの味方をするか疑わしくなってきている。陸海空3自衛隊が、米軍と共同作戦を行うために「集団的自衛権行使容認」を急ぐ必要がなくなってきているとも言える。「第2の日本」である北朝鮮が日本を攻める可能性は、極めて小さい。日本国憲法が厳然としてある以上、どこかと戦争をするために陸海空3自衛隊を海外派兵することは、禁じられているから、集団的自衛権行使の場面は起こり得ない。
◆原点に立って、米国はいまでも、本当に陸海空3自衛隊による共同作戦を行うために「集団的自衛権行使容認」を急いでいるのであろうか。オバマ大統領が、「ハード・パワー」から「スマート・パワー」という外交力に重点を置く戦略に大転換しているいま、「集団的自衛権行使容認」にこだわっているとは考えられない。サンフランシスコ講和条約・日米安保条約が1951年9月8日に締結されてから63年目に入っていて、この間、「集団的自衛権行使」をしないでやってきた。にもかかわらず、なぜ安倍晋三首相や自民党の石破茂幹事長は、気が狂ったように「集団的自衛権行使容認」「憲法改正」を実現させようとしているのか、このあたりからじっくり再検討する必要がある。
◆同時に、安倍晋三首相が2月3日の衆議院予算員会の質疑で、「国家権力を縛るものだ、という考え方は絶対王権時代の主流的な考え方だ。憲法は日本という国の形・理想と未来を語るものではないか」などと「独自の憲法観」を展開したことについても、しっかりチェックしなくてはならない。
 安倍晋三首相の出身大学である成蹊大学法学部は、本当に「憲法は日本という国の形・理想と未来を語るもの」と教えているのであろうか。だれから「変な憲法観を吹き込まれたのか」という興味もそそられる。
 近代国家の憲法は、基本的人権の法理と民主政治の法理を規定していて、国家権力(権力の本質=逮捕権と徴税権)から基本的人権を守るための最高法規であり、国民の不断の努力によってより高めていくべきものであるはずである。
【参考引用】朝日新聞DIGITAlが2月14日午前9時28分、「憲法解釈変更『最高責任者は私』 首相答弁に党内で批判」という見出しをつけて、以下のように配信した。
 「憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使容認を目指す安倍晋三首相の国会答弁に対し、13日の自民党総務会で異論が相次いだ。安倍首相は12日の衆院予算委で、憲法改正ではなく解釈変更により集団的自衛権の行使を容認できるか問われ、『(憲法解釈の)最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない。私だ』と答弁した。これに対し、13日の総務会では、村上誠一郎元行革担当相が『選挙に勝てば憲法解釈を自由に変えられるのか。危うい発言だ』と批判。このほかにも批判的な意見が出たといい、野田毅税調会長は『重要な話だ。執行部はしっかり首相に伝えてほしい』と注文した。野田聖子総務会長は
『速記録を取り寄せて精査したい』と引き取り、記者会見で『首相官邸と連絡を取り合い、誤解がないようにしたい』と述べた。首相は、憲法解釈を担当する法制局が内閣の中の組織であることから、憲法解釈を最終判断する権限は内閣の長の自身にあることを強調したとみられる。一方、時の政権の判断によって、法制局が積み上げてきた憲法解釈の変更が頻繁に繰り返され、憲法の安定性が損なわれることを危惧する意見も根強い。首相は13日の同委で『政治の場で私が決めればいいということではない。安保法制懇(首相の私的諮問機関)で慎重に深い議論をして頂いている』と答弁し、自らの判断だけで憲法解釈変更を決断するわけではないとの考えも強調。安保法制懇のメンバーについては、『空疎な議論をされている方は排除している。現実的な状況、国際情勢について、しっかり議論される方、知見を持った方にしている』と述べた」


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極めて生体活性度の高い宇宙物質(岩舟隕石)を体内に取り込めば、多少の汚染等は大丈夫である。 (極めて生体活性度の高い宇宙物質(岩舟隕石)を体内に取り込めば、多少の汚染等は大丈夫である。)
2014-02-16 13:31:20
極めて生体活性度の高い宇宙物質(岩舟隕石)を体内に取り込めば、多少の汚染等は大丈夫である。
例えば、JAL123便御巣鷹の尾根にはX岩と名づけられた岩がある。これは、惑星X二ビル岩である。古代二ビル岩船の一部であるが、成長に時間がかかるとされる岩茸が成長促進繁茂しておりソマチッドの性質が極めて強力であることが伺える。
例えば、このX岩を漬物石に使えば、健康が維持されるばかりか、食べられないとされている雑草も食べられるようになるのだ。先日、皇太子様が異例の長時間登山をされた沼津アルプスも古代岩船である。経済や物流が頓挫した場合でも、沼津アルプスの岩で雑草を海水にて漬物にすることにより生存可能であることを皇太子様が示されておられる。


米軍基地周辺は公式データでも汚染度が少なく、中ロに占領された日本の領域で汚染度が高いのは、JAL123便当時と同じく、米軍が日本人の救助にあたり、中ロ日が日本人殺しをしている状況と全く変わらない。
韓国でサムスンの労働環境を暗に批判した映画が大ヒット (リサ)
2014-02-16 15:58:02
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304204104579385542769537538.html?dsk=y
韓国で意外な映画が大ヒットしている。タイトルは「もう一つの約束(Another Family)」。韓国の巨大企業サムスンをほうふつとさせる企業で働く労働者が病に倒れる物語で、先週封切られた映画の中で第2位の興行収入を記録した。

>サムスン神話に蔭りですね。これは欧米の資本家がサムスンを見放したと理解できます。今年韓国経済は悲惨な状況になるでしょう。今の韓国の大統領では韓国は滅びます。
世界各国で実施されているという気象操作とはどのようなものか調べました。 (愛信)
2014-02-16 19:47:48
世界各国で実施されているという気象操作とはどのようなものか調べました。
http://blog.goo.ne.jp/tetsu7191_002/e/86dd4841144a12e702d9dcb7c8da5e18

☆中国では高射砲とロケット砲の気象兵器で雨を降らせています(動画あり)
URL http://www.gizmodo.jp/2011/05/how_china.html

ここに記載されている通り人口雨や人工雪の技術は
確立されている。 しかし東京都知事選挙の妨害の為
に外国政府(または組織)がこの様な大規模な気象操
作を行うとは考えられない。 この気象操作を行った犯
罪組織は日本国内の組織であると断定できる。 しか
し、いまだに犯人が摘発されない事からこの組織は警
察と国土交通省と結託していると考える事が出来る。 
舛添要一氏を推薦していたのが創価学会公明党で国
土交通省の大臣が太田昭宏(公明党)である。 東京都
知事選挙の妨害のほかに2月14日からの記録的大
雪で日本国内に甚大な災害をもたせた犯罪者を暴き
出して糾弾するべきだある。

詳細は
【ケムトレイル・気象操作の掲示板】
http://www.aixin.jp/axbbs/tnk/tnk0.cgi
【ケムトレイル・気象操作のタイトル一覧】はこちらをクリックして下さい。
走り出すか 夢の沖縄縦貫鉄道 (咲)
2014-02-16 21:04:36
沖縄タイムスが有料配信しています。沖縄に鉄道が走れば夢のような話です。こんな事ができるのはロスチャイルド家くらいですが。ただ沖縄とロスチャイルド家の関係は分からないですね。
政府、米軍とのデータ共有拡充へ (咲)
2014-02-16 21:08:34
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=62900
政府は他国から武力攻撃を受けた有事を想定し、自衛隊と米軍による部隊間のデータ共有を拡充する方針を固めた。

>これは凄いニュースです。自衛隊とアメリカ軍の関係が強化されています。となると在韓米軍撤退の話は本当でしょう。朝鮮半島統一の動きに注目ですね。

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