バチカンが、強欲資本主義が招いた金融危機に、自戒を込め「倫理」を説くとは、皮肉だ

2011年10月26日 22時21分20秒 | 政治
◆カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)の「正義と平和協議会」が、欧州EU発の金融危機に直面して「倫理的アプローチ」による金融通貨システムの再編を提言しているという。バチカン自体も「財テク」に励んできていただけに、強欲資本主義に対する自戒を込めた提言でありそれだけ現在の金融危機の深刻さを証明している。朝日新聞asahi.comが10月25日午後11時6分、「「利己心越えた仕組みを」バチカン、国際金融の再編提言」という見出しをつけて配信している。(本文は、文末に引用掲載)
 私は、いまから12年前に上梓した拙著「国際金融資本の罠に嵌った日本―悪魔の経済ーグローバリズムの正体」のなかで、「日本人の資産と魂が食い物にされている!」「子君世紀最後で最大の国際金融資本による日本総攻撃が始まった」などと警告した。この警告通りの結末が、いままさに現実化して、世界を苦しめている。このことに、バチカンの聖職者たちが、ようやく気づいて、弱肉強食の最たるものである国際金融に関係している財閥、企業、ファンドマネージャー、ヘッジファンド、そして世界経済をガタガタにしているすべての国家指導者、政治家、官僚たちに向けて、「倫理」を説き始めたのである。何とも皮肉なことだ。
◆私は、「国際金融資本の罠に嵌った日本ー悪魔の経済―グローバリズムの正体」の「第9章 ユダヤのデリバティブに勝つ方法」のなかで、「『勤倹貯蓄の美風』の伝統を守れ」という1節を設けて、「二宮尊徳」(報徳訓を説く)と「渋沢栄一」(道徳経済合一説=論語算盤説を説く)を念頭におきながら、以下のように力説しておいた。

 「国際金融資本は日本に対して今世紀最後最大の総攻撃を続け、日本国民の大事な虎の子の『個人金融資産千二百兆円』を横取りしようと懸命である。そのために日本民族の美徳の一つである『勤倹貯蓄の美風』を強引に打ち破ろうとしている。日本人の脳髄に滲みつき、DNAに組み込まれている『勤倹貯蓄』の習性の組み換えを迫っているのである。
 アングロサクソン的経済観とこれを迎え撃つ日本的経済観との戦いは、ますます熾烈さを増してきている。
 アングロサクソン的経済観の特性は、『狩猟・移動、冒険・リスキー、チャンス・賭け、博打・ヤクザ』などのキーワードで象徴される。
 日本文化の特性は、『農耕・定住、安全・安定、循環・堅実、地道・堅気』のそれがよく示している。日本民族は、歴史と伝統、文化、醇風美俗、天皇制、共生の思想、民族精神、国民精神に誇りを持たなくてはならない。
「菊と刀」に象徴される民族精神である。日本人はいまこそ、一人ひとりがモラルの堅持に努め、一致団結する必要がある。日本民族を守るための基本的条件の第一は、日本民族の特性を活かすことにある。異文化との共生を図り、受容し消化して日本化してしまう。
 プラグマティズム(実用主義、実際主義、能率・効率主義)を克服し、日本人としての自信と誇りを持ち、ビジョンと行動計画を立てるのである。主体性、自主性、独立精神、主導権を確保し、優勢な立場に立たなくてはならない。
 第二に、民族精神を守る。それは勤倹貯蓄、質実剛健、質素倹約の美風を堅持することである。民族精神の原点に立って行動することが大切である。
 第三に、先人の知恵や教訓に学ぶ必要がある。私たち日本人には、二宮尊徳は忘れてはならない先人の一人である。小学校の校門を入ったところにひっそりといまでも立っているあの『二宮金次郎』であり、『二宮尊徳』ともいう。また二宮尊徳の影響を受けた渋沢栄一の思想と行動を見習うべきである。埼玉県が生んだ偉人である渋沢栄一は回本経済の基礎を築いた」

 二宮尊徳は、「至誠・勤労・分度・推譲」を示し、分度と推譲を中心とする経済思想とともに、実践としての報徳の教えを広めた。煎じ詰めれば、「自分の分を弁え『勤労』に励み、『勤倹貯蓄』の精神を持って地道に生活することに努めることが何より肝要である」ということだ。
 渋沢栄一は、「企業を発展させ国を豊かにするためには、論語を拠り所に道徳と経済の一致を常に心がけねばならない」と力説し自らも実践した。そして、自ら「万屋」と渾名して、株式会社約500社の設立にかかわりながら、財閥になることを嫌った。
◆朝日新聞asahi.comが配信した記事は、次の通りであった。
 「『利己心を越え、国のレベルでは守れない公共の利益を守る仕組みづくりが我々の世代の責務だ』。世界経済を揺らす債務(借金)危機に対して、カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)の『正義と平和協議会』が24日、『国際的な金融通貨システムの再編に向けて」とする書簡で提言を発表した。具体的には、国際通貨基金(IMF)などに新興国の関与を強め、より効果的な調整や監督ができるようにすべきだとした。欧州中央銀行(ECB)をさらに強化したような『世界中央銀行』の設立も求められている、とも言及した。
 また、「倫理的アプローチ」として、(1)金融取引への課税(2)実体経済の発展に向けた、銀行への資本増強(3)通常の融資と投資の区別なども列挙している。この協議会は、キリスト教の教義にあわせて社会問題の改善をはかる目的の組織。経済の分野で踏み込んだ提言をするのは異例だ。グローバル化について 『人々をより結びつけており、国を越えたレベルでの法治が求められている』と指摘し、『国同士が争う時代から、より団結した国際社会を生み出す移行期だ』と呼びかけた。(ローマ=石田博士)」

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
天皇家から預かる金塊を運用するバチカンが、突然、国際金融世界に「倫理」を言い出したのはなぜか?

◆〔特別情報①〕
 バチカンは、正式には「バチカン市国」(首都・バチカン)という。面積総計 0.44km²(195位)=水面積率は、極僅か、人口総計(2008年)791人(194位)、人口密度1865人/km²。通貨 ユーロ (€)(EUR)。ベネディクト16世 (ローマ教皇)バチカンはローマ教皇庁によって統治されるカトリック教会と東方典礼カトリック教会の中心地、いわば「総本山」である。

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もくじ

第5章 小沢一郎が嫌った自・社馴れ合い政治の復活
―大政党制の足がかりを作った小沢一郎の誤
―国対族・議運族九人が入閣した、自社馴れ合い内閣の誕生

 村山連合政権の閣僚の顔触れから、一つの特徴に気づく。それは、自民、社会両党の国会対策族のプロが、入閣していることだ。
 首相の村山富市、郵政相の大出俊、総務庁長官の山口鶴男、建設相の野坂浩賢が、いずれも、衆議院において、社会党国会対策委員長を経験している。労相の浜本万三は、参議院における社会党の国会対策委員長のキャリアの持ち主である。

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四王天延孝陸軍中将の名著「猶太(ユダヤ)思想及運動」 No.138

第三章 ロシヤ革命と猶太

前回からの続き

第一革命に尽力したる米國のユダヤ財閥ヤコブ・シツフは臨時政府の歩み意に充たず、最早臨時政府は用なし、須く之を倒し、もつと彼が完全に把握出來る政権を以て之に代へようと決心した。人間ばいくらも居るのである、即ちロシヤ革命党の最左翼の大部分はユダヤ人であつた。

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埼玉県所沢市長選挙が予感させる民主党・野田佳彦政権は「あと1年9か月余り」の「苛政」

2011年10月26日 00時08分57秒 | 政治
◆首都圏内の埼玉県所沢市長選挙の結果が、あと1年9か月余りの任期満了による次期総選挙と参院議員選挙の趨勢を予感させている。
 結果は、以下の通りである。(候補者氏名 党派 得票数)
当選 藤本正人=無所属   38,655
   当麻よし子=無所属  37,029
   並木まさよし=無所属 18,967
            計 94,651(無効 1,189、合計 95,840=投票率34
.68%=前回2007年10月、30.70%)
 自民党推薦の藤本正人前県議(新人、49歳)が、連合埼玉推薦の当麻よし子市長(現職、民主党出身、県内唯一の女性市長、62歳)を破って当選し、保守による市長奪還が実現した。その票差は、1626票だった。
 埼玉県のなかでは、所沢市は、県西部の有力都市部の1つである。それだけにいわゆる「都市型選挙」が繰り広げられる。地縁血縁にとらわれない新住民が多数を占めている。
 保守勢力は、藤本正人前県議と自民党の並木正芳元衆院議員による「保守分裂選挙」であったにもかかわらず、藤本正人前県議が辛勝したことに注目している。保守票が、合計57622票(有効投票総数の61.09%)を獲得していたからである。埼玉新聞は10月25日付け朝刊「1面」で「所沢市長選 自民 復調の兆しか」「保守陣営が票伸ばす」という見出しをつけて解説(広川二六記者)し、埼玉新聞、共同通信、テレビ埼玉共同の出口調査の結果について、「自民支持78%藤本氏、当麻氏民主票固め切れず」という見出しをつけて、分析記事(沢田稔行記者)を掲載している。
 朝日新聞も10月25日付け朝刊「第2埼玉面」(28面)で、やはり「所沢市長選 藤本氏が勝利 自民の回復基調 鮮明」という見出しをつけて、報道している。だが、このなかで、「もっとも、当麻氏の得票は前回を3千票上回っており、民主退潮とは言い切れない」と書いているのは、その通りだ。だが、これは投票率が34.68%で、前回2007年10月、30.70%よりも、3.98%アップしたためである。埼玉新聞が指摘しているように、藤本正人前県議も、統一地方選挙が行われた4月の県議選での得票よりも3000票の上積みをしていると指摘している。そのうえ、保守票の合計をはじき出して、合計57622票(有効投票総数の61.09%)を獲得しているうえに、藤本正人前県議が「民主支持層も22。7%が藤本氏に投票している」という事実を踏まえて、「自民 復調の兆しか」と書いている。この点で、朝日新聞の記事は、甘い。
◆民主党は、岡田克也元外相が2010年9月17日、民主党代表選挙で再任された菅直人の要請を受け、3度目の民主党幹事長に就任して、2011年8月の民主党代表選で選出された野田佳彦による組閣で財務相を要請されて固辞、新執行部の発足に伴い幹事長を退任したこの間、各種選挙で1勝したのみで、連戦連発だった。この傾向はいまでも続いている。それを実証したのが、所沢市長選挙であったとも言える。
 このままでは、民主党は、あと1年9か月余りの任期満了による次期総選挙と参院議員選挙で、大敗北するのは、間違いない。大阪府知事選、大阪市長選挙の「ダプル選挙」に独自候補を立てられないようでは、政権政党とは言えない。大阪市長選に立候補を決めている橋下徹知事を打倒するだけの大型候補を擁立できるか否かも、国政選挙での民主党の趨勢を左右する。
◆民主党の野田佳彦政権が、あと1年9か月余りの政権に終わる「不吉な兆候」は、すでにいくつも現れている。以下、列記してみよう。
 ①厚生年金支給開始年齢を「65歳→68歳、70歳」に引き上げる案を提示して、多くのサラリーマンから「国家的詐欺」と猛反発を受けている。
 ②米国主導のTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加を決めている「結論ありき」の政治姿勢が、農協、医師会、薬剤師などから反対論が噴出している。
 ③米国の強い圧力を受けて、沖縄普天間飛行場の辺野古への移設を強行しよとしている傲慢姿勢が、沖縄県民の感情を逆撫でしている。 
 ④財務省の操り人形として、消費税増税路線を驀進しているのが、 国民には「苛政」と映っており、圧政感を募らせている。
 ⑤政治主導どころか、「官主導政権」の正体が、バレバレであり、多くの国民に失望感を与えてしまっている。
 実は、これらは、すべて「民主党政権」を「短命政権」と喝破している官僚たちが、「あと1年9か月余りの任期満了による次期総選挙と参院議員選挙」までに、「苛政」を実行させ、自滅させようとする、これこそ、文字通りの「陰謀」なのである。野田佳彦首相は、このことに鼻から気づいていながら、気づいていかないフリをしている。政権を2年担当できれば、それでもって瞑すべきと考えているからである。何度でも言うけれど、これこそ、福沢諭吉翁が「学問ノススメ」で言っている「愚民の上に苛き政府あり」である。
 それにしても、日本には、現在進行中の出来事に関する「生情報」ではなく、古い古いひからびて、カビの生えた歴史的文書(ほとんどがニセ)を文証としてしか信じない石頭が、あまりにもすぎる。故にいま策動されている「官の陰謀」すら見抜こうとすらしないのである。いわんや、「国際的陰謀をや」である。ああ、情けなや!(なお、本質にせまれなければ、現象から本質を見抜く「兆候察知法」という情勢情報解析方法がある)

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米国オバマ大統領が猛烈努力、意外な「担保」を提供し新基軸通貨「アメロ」の実現を認めさせるのに成功させたという

◆〔特別情報①〕
 「57か国会議」により、一旦白紙に戻された米国の新機軸通貨「アメロ」だが、米国オバマ大統領が懸命努力の結果、再び認められたとのことだ。時期としては、当初より半年ほど遅れた2012年後半から2013年にかけての見込みで、現在の基軸通貨「ドル」に代えて、新基軸通貨「アメロ」に切り替えていくことが内々に認められたという。これは、フリーメーソン・イルミナティ情報(ニューヨーク発)である。

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―大政党制の足がかりを作った小沢一郎の誤
―国対族・議運族九人が入閣した、自社馴れ合い内閣の誕生

 村山連合政権の閣僚の顔触れから、一つの特徴に気づく。それは、自民、社会両党の国会対策族のプロが、入閣していることだ。
 首相の村山富市、郵政相の大出俊、総務庁長官の山口鶴男、建設相の野坂浩賢が、いずれも、衆議院において、社会党国会対策委員長を経験している。労相の浜本万三は、参議院における社会党の国会対策委員長のキャリアの持ち主である。

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