日本の生殖医療を世界レベルに!

男性不妊症専門医が学術活動ならびに雑感を徒然と綴ります。

予定手術

2010-12-27 18:35:59 | 日記
今年の手術は今日で終了です。
7月から日本で診療を開始し、全体で101件の手術。
そのうち男性不妊手術は78件、
うち、TESEは69件(回収率41/69: 59.4%)、
うちmicro-TESEは55件(回収率27/55: 49.1%)でした。
純粋に無精子症の場合(一回も射出精液中に精子が出てきたことがない方)においてのmicro-TESE精子回収率は19/47: 40.4%という結果でした。
例年に比べると、少し確率が高かったように思います。

ちょうど半年でこの件数で、走り続けたように思います。
後ろ盾がなくなり、不安もある中でのスタートでしたが、なんとかやってこれたように思います。
年末年始で英気を養い、来年も頑張っていきます。

来年1月は現段階ですでにmicro-TESEの予定が10件入っています。
また自身の病院が3月から完全リニューアルで新館に移ります。
いい一年となりますよう。



休息

2010-12-20 23:21:57 | 日記
毎日毎日手術していますが、今日も外来前に早朝からmicro-TESE。
その後外来、会議、病棟業務を経て、夕方大急ぎで病院を出て、妻と大阪城ホールでのアンジェラ・アキのコンサートに行ってきました。
束の間の休息でしたが、実に感動しました。大きなパワーをもらった気がします。
いろんな思いを持ちながら音楽に聴き入っていましたが、自分の原点だけは忘れてはいけないと強く思いました。
今晩でまた十分にチャージができ、まだまだ走り続けられそうです。
ちょっとしたご褒美を自分にあげながらの毎日です。
いやー、それにしても今日のコンサートはよかった。

たまには私生活もブログしてみました。
いつ休んでるんですか、とよく聞かれますが、ちょこちょこと休んでますよ。大丈夫です。

精索静脈瘤手術

2010-12-18 23:00:07 | 日記
新聞記事に取り上げてもらって以来、問い合わせが多く、本手術を数多く施行しています。
最近では土曜日午後入院、日曜日退院の一泊二日で行っています。
良好な成績を収めており、以前では奥さまの年齢を相当加味したうえで行っていましたが、たとえ精液所見が不変例であったとしても、術前のICSI(顕微授精)の受精の結果がよくない症例に対して、術後の胚盤胞到達率が上昇することが多いです。
最近では奥さまの年齢が40歳以上でもICSI成績不良例には本術式を勧めています。

男性側としてなんとか挙児に向けて貢献できるよう、前向きにやっています。
反復不成功例の方で男性不妊外来にかかったことがない方はぜひ一度コンサルトされてみてはいかがでしょうか。

手術は誰だって怖いものです。できれば避けたいものという考えは私も同じです。
安全に行えるならなんとか託してみよう、と思っていただけると考えています。
安全第一、なるべく合併症を起こさない手術を心がけています。

gynecologist

2010-12-09 23:19:05 | 日記
Swedenから手術見学のため来日しているドクターならびに培養士はとても充実した毎日を送っているようです。
経由地のアムステルダム空港が雪でcloseしたため、到着が一日遅れ、月曜日に。早速夜に家内とともにwelcome partyを開催。
ルミナリエにもお連れしました。
火曜日は早朝神戸を出発し、丸一日東京で手術。わたしはすぐとんぼ返りしましたが、彼らは東京で一泊。
水曜日は朝に浅草にいったようです。夕方からは神戸のクリニックで講演をしていただき、夜はそのクリニックのSushi party。
彼らだけでなく、日本人の私たちも高級すしに大喜びでした。いい懇親会でした。
今日は私は自分の病院で会議があったため、ご一緒できませんでしたが、神戸のクリニックを見学していたようです。
明日金曜日にfarewell party、神戸牛の鉄板焼きに連れていく予定。土曜日朝に帰国されます。何やらpartyばかりですが、、。

講演を聞いていて思ったことは、世界中どこでもやっていることは大体同じ。しかしながらちょっとした考え方ややり方で妊娠率は変わってくる可能性があること。日本において私自身素晴らしいクリニックばかりでお世話になっているためか、アップデートできることはさほどありませんでしたが、彼らの真摯な姿勢には頭が下がります。またこうやって世界中の同じ意志をもった仲間とdiscussionできるのは本当に素晴らしいこと。New YorkやMelbourne時代に色んな同僚と熱く討論したことが思い出されました。日本人同士でもこういうやりとりは出来るはずなんだけどなぁ。

たまたま本日フィンランドのドクターから来年4月に手術見学に来日する予算がおりた、とのemailが。重なるものでとても面白い展開です。包み隠さず、すべてオープンにして持って帰れる知識は持って帰っていただくつもりです。

12/5-

2010-12-03 16:06:22 | 日記
明後日から一週間、Swedenからドクター1人、培養士2人が見学に来られます。
micro-TESE、IMSIなど見て帰られる予定です。
学術的につながりのある方々との交流は本当に楽しいものです。
スタッフは英語の問題などで引っ込み模様ですが、せっかくの機会ですから積極的に交流してほしいと考えています。
こちらの熱意や思いは必ず伝わるはず!

海外に長くいましたが、問題なのは英語ではなく、その姿勢であることが多いのです。
日本人は能力が高い人が多いのですが、コミュニケーションの問題で中心になれていないのです。
政治の世界でも然り、学問の世界でも然り。その能力からいってもっと中心になっていってもいい。
商社など企業は世界で認められています。この差は一体どこにあるのか?

両者にとっていい訪問となることを願います。