日本の生殖医療を世界レベルに!

男性不妊症専門医が学術活動ならびに雑感を徒然と綴ります。

胚培養士ミズイロ

2023-01-20 08:50:32 | 日記
現在週刊スピリッツで連載中の「胚培養士ミズイロ」単行本第1巻が1/30に発売となります。
ご存じの方も多いとは思いますが、舞台はリプロダクションクリニック東京です。
チーム医療において、胚培養室は高度生殖医療の心臓部です。
フィクションではありますが、我々が毎日向き合っている医療ドラマであり、今回私自身が医療監修も行っています。
ぜひ書店でお買い求めください。

38th ESHRE meeting

2022-07-07 20:22:20 | 日記
まったく更新できていませんでしたが、イタリアミラノで開催された38th ESHRE meetingで口演発表してきました。
3年ぶりの国際学会現地参加ということで、困難は多々ありましたが、ヨーロッパでは完全に日常が戻っていました。
新たな知見を世界に向けて発信していきたいと考えています。


生殖補助医療(体外受精、顕微授精)の保険適用に際して

2022-03-01 09:20:07 | 日記
リプロダクションクリニックは、男性と女性を同時に診療するという日本初のコンセプトの基に、私たちは世界最先端の生殖医療を提供すべく、日々新たなチャレンジを行ってまいりました。

さて、2022年4月から生殖補助医療の保険適用が始まりますが、日本の健康保険制度の枠組みでは、保険と自費の診療を混在させる「混合診療」は禁止されています。私たちは、保険適用の範囲内で必要最小限の診療を行うのか、あるいはこれまで行ってきた世界最先端の生殖医療を自費で行うのか、選択を迫られることになりました。もちろん両者を併用できれば良いのですが、同一クリニックの中で、両者(ダブルスタンダード)を走らせることは、不可能であると判断せざるを得ませんでした。保険適用の患者様と自費診療の患者様に医療レベルの差をつけるやり方は、我々のこれまでの治療方針にはなじみません。どちらを選択するか、ここ半年間に渡り日々議論を重ねてきました。

その結果、苦渋の決断ですが、現時点ではこれまで行ってきた世界最先端の生殖医療を自費で行うことに致しました。つまり、リプロダクションクリニックは大阪・東京ともに保険診療の生殖補助医療(体外受精、顕微授精)を行わないという決断です。世界最先端の生殖医療を捨て去ることは、私たちの築いてきた存在意義を失うことに他なりません。最先端の生殖医療を実施するためには、スピードが最重要です。新しい技術が発表されればすぐに実施し、それがこれまで妊娠において困難を極めてきた患者様の幸せに繋がることを、開院以来実感しているからです。

私たちは今回の保険適用化を否定するものではなく、多くの患者様のアクセスが良くなることは好ましいことと考えます。しかしながら、我々の提供する医療レベルのクオリティが保てなくなることを危惧した上での、苦渋の決断であることについて、皆様のご理解をいただければ幸いです。なお、関係当局と相談の上、一般不妊診療、男性不妊診療の一部においては、保険適用を行う予定であります。また、2022年3月31日までに採卵周期に入り、凍結胚を当院で保管中の患者様におかれましては、混合診療にならない場合において、保険診療による胚移植も考慮しております。

保険診療でなかなか妊娠が達成できない患者様、先進的な高度生殖医療を必要とする方々の受け皿となるべく、今後も精進してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、男性不妊関係におきましては、精索静脈瘤手術はこれまで通り保険適用、TESEに関しては自由診療で行います。
3月末までは助成金の対象になり、手術予約の混雑が予想されますが、できる限り希望者に対して3月末までに手術できるように頑張りますので、外来でご相談ください。


2021生殖医学会

2021-11-16 18:28:04 | 日記
久々のon siteでの学会が鳥取県米子市で開催されました。
今回は当院から5演題の発表、私のdutyは一般口演演題の座長でした。
やはり対面はいいですね。いろいろ意見交換もでき、有意義な時間でした。
こうやって日常活動がどんどん再開されていけばうれしいことです。
今年ももう1か月半を切りました。失われた時間を取り戻していきます。

朝日新聞記事

2021-10-18 09:45:19 | 日記
10/16朝日新聞朝刊に取材記事が掲載されました。
Webでも見られます。
どうなる?不妊治療:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASPBH7QCSPBHUTIL008.html

COVID-19 mRNAワクチンの男性妊孕能に関する検討

2021-09-10 08:40:23 | 日記
この度、COVID-19 mRNAワクチンの男性妊孕能に関する検討を行いました。
本邦では接種開始の時期が遅く、また20-50歳という生殖年齢に対する接種は医療従事者からのスタートで、いまだ十分な観察期間がないことは承知しております。ボランティアの医療従事者を対象に行ったスタディに関して、まずはpreliminaryなデータではありますが、結果を公表するに至りました。本検討は継続中であり、順次結果は報告していく予定です。
http://www.reposaka.jp/pdf/rco/covid.pdf
http://www.reptokyo.jp/pdf/rct/covid.pdf

以下、サマリーです。

新型コロナウイルスのワクチンでは、人工的に合成したウイルスの遺伝子を使った「遺伝子ワクチン」が世界で初めて実用化されました。mRNAを使った医薬が実用化されたのはこれが初めてで、このmRNAワクチンが妊孕能に及ぼす影響はまだ知られておらず、不妊につながるのではないかという誤情報が世界中を駆け巡っています。その影響を調査するため、ファイザー社製COVID-19 mRNAワクチン接種の男性ボランティアに対して、ワクチン接種前後の精液検査結果を解析しました。調査結果サマリーとして、精液量、精子濃度、運動率、運動精子濃度、総運動精子数、運動能(直線速度、曲線速度、頭部振幅、精子運動指数)に有意な低下は見られず、精子クロマチン構造アッセイ(精子DNA損傷率、精子高度DNA損傷率、未熟精子率)において有意な上昇はみられませんでした。COVID-19 mRNAワクチン接種の男性生殖能への影響に関しては、世界でもまだ一報しか報告がなく、また精子の「質」にまで言及した報告は今回が初めてです。COVID-19 mRNAワクチンによる精子への負の影響は認められなかったため、現時点では男性側妊孕能への影響は過度に不安に捉える必要はないと考えます。しかしながら、現時点では長期予後は不明であり、また本検討は精液所見が比較的良好な方が多く、検体数も多くはなく、今後もワクチンの追加接種の必要性が報道されていることもあり、今後更なる検討が必要と考えています。

日本テレビで9/9にすでに取り上げていただきました。ご視聴いただければ幸甚です。
https://www.news24.jp/articles/2021/09/09/07936984.html

久しぶりの投稿です

2021-09-06 23:42:32 | 日記
PCを換えたため、パスワードなど失念しており、まったく更新できておりませんでした。
あきらめておりましたが、なんとか再設定することができました。
今後も情報発信など行ってまいる所存ですのでよろしくお願い申し上げます。
手術件数やトピックなど振り返っていきます。

2021年3月

2021-03-08 08:56:48 | 日記
大阪では緊急事態宣言も解除され、東京ももう一歩というところまで来ました。
院内の制限などご迷惑をおかけしますが、宜しくお願い申し上げます。

2021年2月の男性不妊手術件数
micro TESE 13件
simple TESE 4件
精索静脈瘤手術 31件

2021年2月

2021-02-01 10:04:37 | 日記
緊急事態宣言下、不自由な毎日ですが、東京・大阪ともに診療時間は従来通りで行っております。
東京クリニックでは診療スペースを拡張し、待合においても着席できるように、そして蜜を避けるように、スタッフ皆で様々取り組んでおりますので、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

2021年1月の男性不妊手術件数
micro TESE 12件
simple TESE 5件
精索静脈瘤手術 27件

2021年1月

2021-01-09 18:53:44 | 日記
明けましておめでとうございます。大変な世の中となりましたが、今年も着実に前進していきたいと思う新年です。
さて、新春特別企画、友人であるサッカー元日本代表播戸竜二さんが、東京クリニックに来られました。その際のドキュメンタリーフィルムを。今年元旦のサッカー天皇杯決勝においてはNHKで解説をされてましたが、彼のサッカーにかける情熱は半端ないものがあります。この動画は非常に示唆に富んだ、興味深い内容となっています!
ぜひご覧ください、🙇⤵️
▼動画URL
https://www.youtube.com/watch?v=g6hGJeZ7c90

2020年12月の男性不妊手術件数
micro TESE 15件
simple TESE 5件
精索静脈瘤手術 32件


2020年の当グループ男性不妊手術件数
micro TESE 172件
simple TESE 53件
精索静脈瘤手術 484件