ワシントンDC探偵局

ワシントンDC駐在員が見た素顔の米国

民主党大会 3

2008-08-30 08:48:25 | 大統領選
民主党大会が終了した。振り返ってみると、ヒラリーやビル、ゴアなど大物が演説したりして華やかな大会だった。最終日にはスティービー・ワンダーが歌ったりもした。日本の自民党大会や社民党大会などとずいぶん違う。

さて、オバマの受諾演説だが、''change''と''promise''という言葉を多用していたのが特徴で、ブッシュの''broken politics''や''failed policies''を厳しく批判するものだった。指名受諾演説としてはややネガティブな感じはする。しかし、この一月ほどマケインの攻勢に効果的な反撃ができずに支持率で並ばれてしまったので、ここらで戦闘モードに入っておかなければならなかったのは事実だ。

減税やエネルギー政策、イラク戦争などの政策面でもかなり具体的に述べていたのももう一つの特徴だ。マケイン陣営がオバマのことを「演説がうまいだけで中身のない候補」と喧伝しているのに対して、真っ向から反論したものといえる。

民主党大会効果は支持率に反映されており、オバマが数ポイントのリードという結果がここ2、3日出ている。ただ、これらはオバマの演説前の調査の結果で、演説後の調査ではさらにリードを広げるものと思われる。

ところで今日、マケインが副大統領候補を発表した。アラスカ州知事のペイリン氏だ。サプライズ人事で、①白人女性であること②ワシントン政治と無縁の改革派であることーーなどいろいろと思惑が透けて見える起用だ。発表後の演説を聞いた限りでは、あまりマケイン人気に貢献するとは感じられなかった。

共和党大会は9月1日から。ハリケーンで延期説も流れたが、予定どおり行われそう。ブッシュが出席を見合わせるのでは、との観測はまだある。共和党にとって、党大会効果というのはあるのだろうか。

民主党大会 2

2008-08-28 16:32:41 | 大統領選
27日、民主党大会3日目にオバマとバイデンがそれぞれ大統領、副大統領候補に指名された。バイデンは指名受諾演説を行い、マケイン批判を展開した。予備選でもそうだったが、オバマは他人を批判しないので、どうしても相手に攻撃されっぱなしになりがち。バイデンのような攻撃的なパートナーがいると、心強いだろう。

オバマの指名受諾演説は28日だが、27日の指名はヒラリーが各州ごとの代議員によるオバマ対ヒラリーの投票を打ち切る動議を提案、代議員による発声投票で正式に決まった。党内融和が大会の最大のテーマだったが、取りあえずは丸く収まった格好だ。

27日にはビル・クリントンも登場した。人気は高いようで、声援が延々と続き、ビルがなかなか演説を開始できなかったくらいだ。予備選ではオバマを激しく批判し、ヒラリー撤退後も一応はオバマ支持を表明していたものの、ヒラリーと比較するといかにも後ろ向きな感があった。だが今回は、オバマへの投票を力強く呼び掛けるなど、全面的にオバマ支持を鮮明にした。

クリントン夫妻が味方にまわったからといって、オバマの当選が楽になったわけではない。ヒラリー支持者が選挙当日にオバマに投票するのかどうかは、今もってわからない。マケイン陣営の今後の動き方、つまり副大統領候補をどうするか、などで多少は方向性が見えてくると期待したい。

民主党大会

2008-08-27 13:55:12 | 大統領選
民主党大会がコロラド州デンバーで開かれている。今日は2日目で、最大の見せ場はヒラリーの演説だった。このところマケインがオバマとヒラリーの亀裂を深めようと攻勢を強めており、党内融和のアピールが党大会の主要課題となっていただけに、今日のヒラリーの演説は注目だった。

いい演説だったと思う。ご興味のある方は、こちらの演説テキストをどうぞ。YouTubeでもすぐ見られるだろう。

何が良かったかというと、オバマ支持をあらためて明確にし、自分の支持者も含めた民主党員にオバマの下で結束するよう呼び掛けたことだ。この局面で、ヒラリーとしてはできる限りのことはやったので評価したい。

今日のヒラリーは元気だった。この分では、4年後または8年後に再挑戦するかもしれない。それほど存在感を発揮した演説だった。

オバマと副大統領候補 4

2008-08-24 14:44:20 | 大統領選
オバマは結局、バイデンを副大統領候補に選んだ。外交に強い重鎮議員なので、オバマを補完することができる。「変革」を掲げるオバマにとって、ワシントンで議員生活約40年のバイデンが相応しいのか、疑問視する声はあるのだが。

でも、イラク戦争は大きな外交課題だし、グルジア情勢など突発的な国際情勢の変化に対応する上では、外交に強い人間が必要だ。バイデンはこの間もグルジア大統領の招きで同国首都のトビリシを訪問したばかり。

決して悪くない選択だと思う。バイデンはチェイニーと同じような存在になるのだろう。年齢的に、オバマの次の大統領にということはないので、ナンバー2に徹しつつ、外交面などでご意見番になると思われる。

チェイニーはいつからかまったく目立たなくなったが、バイデンはホワイトハウス入りしても当分は注目を集めるかもしれない。

GPIのこと

2008-08-23 09:13:01 | その他
グローバル政策イニシアティブ(GPI)という政策関連グループがあるのだが、来月に大阪でイベントをやるそうだ。関わっている友人から宣伝を頼まれたのであえて紹介する次第である。

詳しくはこちら(サイトの中ほどにある「2008関西フォーラム」)をご覧頂きたいが、関心のある方はぜひ参加を検討して頂きたい。

大雑把に言えば、GPIはいわゆるシンクタンク論と同様の系譜からきている。シンクタンクというハコモノにはこだわらず、中身で勝負しているところが特徴。日本の政策決定過程にどれだけ影響力を与えられるか、筆者も注目している。

ニュースレターを定期的に出しているので、しばらくながめてもらえば、このグループがやろうとしていることが何となくわかるかもしれない。

オバマと副大統領候補 3

2008-08-23 07:53:29 | 大統領選
今日の朝にも、オバマが副大統領候補を発表するのではと見られていたが、今のところ動きはない。明日に持ち越しか。発表は携帯のテキストメッセージとEメールで行うそうだ。

今日になって、テキサス州選出の下院議員であるチェット・エドワーズ氏の名前が急浮上してきた。下院議員を9期務めた56歳。どういう人物なのかはまったく知らない。

副大統領候補の発表はいつも話題となるが、大統領選の結果にはほとんど影響がないというのが定説だ。オバマがヒラリーを選べば、ヒラリー支持者が大挙してオバマに投票して多少は影響を与えるのかもしれないが。

オバマと副大統領候補 2

2008-08-21 13:59:36 | 大統領選
昨日、オバマの副大統領候補はバイデンが有力との記事があった。

このところマケインがオバマ批判を強め、オバマの支持率が落ちてきている。オバマが夏休みを取っている中、外交・安全保障に強いマケインがグルジア問題などで存在感を示したことも影響しているようだ。

バイデンなら上院外交委員長だし、オバマの外交・安保での弱さを補うには適任だ。ベテラン議員なので、若いオバマを支えるとなれば、米国民に安心感を与える効果はあろう。果たしてどうなるのやら。

マケインの副大統領候補もまだ決まっていない。29日の72歳の誕生日の日に発表するのでは、との観測が強まっている。候補としては、ポーレンティ・ミネソタ州知事、大統領選を戦ったロムニー前マサチューセッツ州知事、米通商代表も務めたポートマン前行政管理予算局長、ペンシルバニア州知事も務めたリッジ前国土安全保障長官などの名前が挙がっている。

高齢のマケインには、若いポーレンティがいい。間違ってもジュリアーニにはならないだろう。

オバマと副大統領候補

2008-08-20 11:23:52 | 大統領選
オバマが誰を副大統領候補に選ぶかが、このところの米国での大きな話題である。いつ発表なのかでも様々な報道が乱れ飛んだが、今日のAP通信の記事では23日ということになっている。

候補と目されている人は結構いるが、バイデン上院議員、バイ上院議員、ケーン・バージニア州知事、セベリウス・カンザス州知事らが有力視されている。ただバイデンは今日、「自分ではない」と発言した。外交・安全保障面での弱さを補うならバイデン、ヒラリー支持層の取り込みを図るならバイ(本人がヒラリー支持だった)、女性票の掘り起こしを重視するなら女性のセベリウスとなろう。

ヒラリーという選択肢はない。最初からなかったし、今もない。


シンガポールのこと

2008-08-19 15:10:20 | その他
先週、シンガポールにも立ち寄った。シンガポールは3年ほど駐在していたが、離任後もしょっちゅう訪れている。DCに赴任してきてからはペースががたっと落ちて、まだ3回しか行けていない。もっと行ければと思うが、とにかく遠いのでこれ以上は無理だ。

それにしても、シンガポール暮らしを経験した人たちからさえあきれられるほど、私はしょっちゅう行っていることになるらしい。「普通、帰国後1回」というのが相場なようだ。私は10回ぐらい行っている。滞在中に散髪をしたりしたこともあったが、かなりの奇行ととらえられていたようだ。

できれば、また住みたいと願っている。なぜシンガポールにそこまでこだわるのかは簡単に説明できないが、一つにはアジアの玄関口的な国だからということがある。多民族(中国系、マレー系、インド系)で多言語・多文化な社会だからでもある。また、都市国家ゆえの生き残り戦略が変わっていて面白いという部分もある。

歴史的にも、日本とのつながりがいろいろある。第2次世界大戦中の日本軍進駐もあるが、それ以前からもつながりはある。ご興味のある方は、この記事を読んでもらいたい。日本とアジアの関係について考える時、シンガポールにいると感性が研ぎ澄まされてくるような気がするのは私だけだろうか?

次に行けるのは1年後だろうか。それまでせいぜい、DCのアジア風カフェでニセのシンガポール料理を食して感性が鈍らないようにしたいと思う。ニセ物はおいしくないので、あまり役に立たないかもしれないが…。

東京のこと

2008-08-19 00:18:38 | その他
先月と今月、二度東京に立ち寄る機会があった。湿気の多い暑さには参ったが、食べ物はおいしかった。先週に立ち寄った際には、昔から行きつけの有名ラーメン店3軒(新宿・桂花、永福町・大勝軒、中野・青葉)に行った。DCではまともなラーメンは食べられないので、感動もひとしおだった。

DCは田舎なので、刺激がない。値段を気にしなければ、おいしいものも食べられるが、そうしょっちゅうというわけにいかない。どうしても日頃はフードコートなどでまずくて不健康で、なおかつ高いものを食べることになる。

食環境は、東京の方が断然優れている。