ワシントンDC探偵局

ワシントンDC駐在員が見た素顔の米国

ヒラリーの本音

2008-05-25 08:27:48 | 大統領選
ヒラリーが本音を漏らした。オバマが暗殺されるのを待っているのだそうだ。米メディアは昨日、この話一色となった。ヒラリーの政治生命にとって致命的となるかもしれない。

サウスダコタ紙とのインタビューで、なぜまだ撤退しないのかを聞かれ、「ボビー・ケネディは6月にカリフォルニアで暗殺された」というのが問題の発言。ボビーはJFKの弟で、1968年の大統領選に出馬していたが凶弾に倒れた。

オバマも暗殺されるかもしれないから、撤退しないで待つというのがヒラリーの姿勢だ。批判を浴びてヒラリーは謝罪したが、米国民とケネディ家への謝罪で、オバマに対してではなかった。このあたりがいかにもヒラリーらしい。

いずれにせよ、今回の発言は尾を引くだろう。4年後、8年後を目指すどころではなくなってきた。現在の政治生命そのものが危うくなりかねない状況だ。確かにオバマの暗殺は現実味があるので、ヒラリーが期待するのはわかる。ただ、それを口に出したら政治家としては終わりだ。

ヒラリーの発言を詳しく知りたい人はこちらをどうぞ。

オバマが勝利宣言 2

2008-05-23 08:45:44 | 大統領選
オバマの勝ちは誰の目にも明らかだが、ヒラリーはまだあきらめていない。6月3日までは撤退しないというのは既定路線だったが、どうもそういう意味であきらめていないのではないようだ。

21日のAP通信のヒラリーとのインタビュー記事によると、6月3日どころか8月下旬の党大会まで戦闘続行の構えだそうだ。例のフロリダとミシガンの扱いをはっきりさせるためとのこと。

ヒラリーの選対幹部がしばらく前に、6月にはヒラリーが撤退を決断するとの見通しを示していたが、今回の記事はこうした見通しを覆すばかりでなく、オバマの本選に向けた準備や民主党内の結束を揺るがす内容だ。

以下、APの記事からの引用。「フロリダとミシガンが党大会の場で両州の代議員参加を認めるよう直訴した場合、両州を支持するか」との問いに答えての発言である。

''Yes I will. I will, because I feel very strongly about this.''

''I will consult with Floridians and the voters in Michigan because it's really their voices that are being ignored and their votes that are being discounted, and I'll support whatever the elected officials and the voters in those two states want to do.''

ヒラリーの言動を見ていると、こちらの「常識」が間違っているのかと思えてくる。この執念は見習いたいような気もするが、日本人がヒラリーのように振る舞うと日本社会では生きていけない。米国人の悪い部分を凝縮した人物のまねをすることもなかろう。

長い夏 2

2008-05-22 14:25:09 | その他
「長い夏」というタイトルの記事を書いたのは約1カ月前。DCの夏の到来について書いたものだったが、その後は雨が多く、肌寒い日が続いている。夏らしい日は今のところ2、3日しかない。

冬が暖冬だったせいか、夏は冷夏なのだろうか。しのぎやすいので、決して悪くはない。DCはそれほど雨が降らないので、今のように降っていると新鮮に感じる部分もある。

先日、野球を見に行った。わが地元ワシントン・ナショナルズの応援のためだったが、小雨が降ってかなり寒かった。ナショナルズも敗れた。でも、一緒に行った野球観戦仲間のM嬢とホットドッグを食べ、ビールを飲み、弱小ナショナルズに声援を送り、それはそれで楽しい一時だった。

季節や天候はあまり重要でないのかもしれない。

オバマが勝利宣言

2008-05-21 14:42:08 | 大統領選
オバマが事実上の勝利宣言をした。一般代議員の過半数を獲得したからだ。ケンタッキーでは大差でヒラリーに敗れたものの、オレゴンでは快勝。民主党の大統領候補指名が射程圏に入った、と演説で述べた。

オバマの勝利宣言はアイオワ州のデモインで行われた。アイオワは言うまでもなく、今年の予備選シーズンのスタート地点。ここでの党員集会に勝利して、オバマの指名獲得レースが始まったのだ。

ヒラリーはまだ撤退しないそうだ。だが、「名誉ある撤退」を探り始めたと伝えられる。それどころか、オバマとヒラリーの主要な支持者らが本選で両陣営が協力してマケインを倒す相談までしている、との報道もある。ヒラリーが副大統領候補になるということではないが。

ヒラリーは4年後、8年後に望みを託しているとの説もある。年齢を考えると、次回でもかなりきついと思う。それは別にして、次回、次々回まで何をやるのだろうか。ヘルスケア担当のポストでも用意して、オバマ政権に入ってもらえばいいのではないか。ついでにビルにも中東和平特使でもやってもらったらどうか。

以下、オバマの勝利宣言。

''We have returned to Iowa with a majority of delegates elected by the American people and you have put us within reach of the Democratic nomination for president of the United States.''

オバマが逆転

2008-05-10 03:00:29 | 大統領選
オバマが9日、獲得特別代議員数でヒラリーを上回った。ニューヨーク・タイムズなどが報じた。一般代議員では大きくリードしていたので、これで両方でリードすることになった。

今年初めには特別代議員で100人以上差がついていたので、逆転は驚異的だ。ただ、ヒラリーを追い抜くのは週明けかと思っていたので、結構早かったというのが実感だ。もっとも、特別代議員の集計はメディアによってばらつきがあり、CNNなどまだヒラリーがリードしているとしているところも多い。

オバマがいずれかの時点で勝利宣言をするだろう。ヒラリーの撤退は6月までない見込み。ただヒラリー陣営の幹部が8日、「(8月下旬の)党大会までもつれることはなく、6月上旬で党の大統領候補が決まる」と発言した。その意味は、6月3日の最後の予備選が終われば、ヒラリーが決断を下すということである。

ここにきて、オバマがヒラリーを副大統領候補に選ぶ“ドリーム・チケット”が再浮上している。ヒラリーはそれでもいいだろうが、オバマがヒラリーと組むことはあり得ない。エドワード・ケネディも9日、否定していた。

今回の予備選を通して、オバマの弱さも明らかになった。大卒以下の白人、女性、高齢者、ヒスパニックなどの票が取れない。これらを補う副大統領候補を選ばないと、マケインには勝てないかもしれない。オバマにとっての試練はまだまだ続く。

インディアナ、ノースカロライナ 3

2008-05-07 21:42:39 | 大統領選
インディアナは結局、ヒラリーが51パーセント対49パーセントでかろうじて逃げ切った。ノースカロライナは56パーセント対42パーセントでオバマの勝ち。両州足し引きすると、昨日はオバマが獲得代議員数で12人ヒラリーとの差を広げたことになる。

今日、オバマ支持を表明した特別代議員が4人。ヒラリー支持を表明したのは1人。特別代議員ではヒラリーがリードしいるが、とうとうその差が約10人にまで狭まってきた。オバマが逆転する日も近いだろう。

それでもヒラリーは“戦闘続行”を宣言した。オバマがよほど大きなスキャンダルにでも巻き込まれない限り、ヒラリーに勝ち目はない。予備選はあと6州・自治領で行われるが、代議員数は多くない。つまりは消化試合である。

その意味するところは、特別代議員の動向だけが重要ということだ。態度未定の特別代議員が約280人いるが、早晩態度表明をしなくてはならない。大半は予備選シーズン最後の6月3日まで待たずに態度表明をするのではないか。もはや待つ意味などないのだから。

今後の予備選の予定は以下のとおり。

5月13日 ウェストバージニア
5月20日 オレゴン、ケンタッキー
6月1日  プエルトリコ
6月3日  モンタナ、サウスダコタ

インディアナ、ノースカロライナ 2

2008-05-07 11:30:02 | 大統領選
ノースカロライナではオバマが勝利した。投票終了後、“秒殺”で米メディア各社が当確を打った。秒殺は久しぶりのような気がする。大州で競ってるところが多かったせいかもしれない。

インディアナはまだわからない。開票率84%で、ヒラリーが得票率52%でオバマの48%を上回っている。オバマの地元イリノイ州に接している郡の結果が出ていないので、当確が出ない。ここはシカゴの通勤圏で、黒人も多い。ここをオバマが取るようなら、オバマが逆転することもあり得る。

インディアナ、ノースカロライナ

2008-05-07 00:36:57 | 大統領選


いよいよ今日はインディアナ、ノースカロライナ両州での予備選だ。世論調査では、インディアナはヒラリー、ノースカロライナはオバマがそれぞれリードしている。ただ、ノースカロライナではヒラリーがかなり追い上げている。

ライト牧師問題が再燃した関係で、オバマの支持率がかなり落ちた。オバマが同牧師との決別宣言をしたため、ここ2、3日は底打ち感もあるが、今日の投票にどういう影響があるのだろうか。

オバマ支持を表明する特別代議員は相次いでおり、ヒラリーとの差も20を切った(一般代議員ではオバマが大きくリードしているが、特別代議員ではヒラリーがリード。合計して、約140人オバマがリード)。一勝一敗なら、態度未定の特別代議員が雪崩を打ってオバマ支持に回る可能性がある。

写真はフィラデルフィア。

フィラデルフィア 3

2008-05-01 01:03:01 | その他


フィラデルフィアは人口約145万人で全米第6位の都市だ(ウィキペディアによる)。1位がニューヨークの825万、2位ロサンゼルスの385万、3位シカゴの283万、4位ヒューストン214万、5位フェニックス151万に次ぐ。

中心部の高層ビル群を見てホッとした。DCと違って、人間の営みが感じられる。イタリア人街っぽい所を歩いたりもしたが、映画「ロッキー」そのものという感じで、心地良かった。

だがフィラデルフィアはホームレスで有名だそうだ。まったく見かけなかったが。

写真は「ロッキー」にも登場したフィラデルフィア美術館の階段。すぐ近くにはロッキーの銅像もある。ロッキーのトレーニングをまねて、階段を駆け上がる若者たちの姿が見られた。

この美術館のコレクションの豊富さには驚かされた。セザンヌ、モネ、ピカソ、ミレーなどの有名どころの作品がごろごろしている。ロダンの「考える人」の彫刻やドガの「踊り子」のブロンズ像などもある。私の好きなダリの作品まであったので、見入ってしまった。