アマミノクロウサギ調査中に沢で根を絡みつかせているホソバムク
イヌビワをみつけました。よくみると、小さなウロの中に何やら木の
実が入っています。これはアマミアラカシのドングリで、自然に実が
転がって入ったのではなく、おそらくルリカケスが実を押し込んで貯
えたのでしょう。ルリカケスは厳しい冬に備えて、10月、11月頃にこ
のアマミアラカシのドングリを、地面や木の根っこ、ウロなどに貯え
る行動(貯食行動)をすることが知られています。
【島口バージョン】(キシゆむた)
クルウサギば調ぶぇとぅんとうき、沢ち根ぐりばまっしゅんホソバム
クイヌビワばにっきしょうたっと。ゆんまにいば、いなっさんがむぃぬ
中じぬーがぬきぃぬ実ぬほっちゅたが。くぅれぃやカンギィぬドングリ
あてぃ、自然とぅ実ぬ中ちほっちゃんやあなんてぃ、て~げヒューシャ
ぬ実ばうしくぅでぃたむぇたんだりょや~。ユーヒャやむちかしゃん冬
ぬたむぇ、10月、11月頃くんカンギィぬドングリば、地ちんきゃ根ぐり、
むぃちんきゃちためぇん(貯食行動)ばしゅんぬ分かとぅりょっと。
リスも貯食行動をやりますが奄美にはいませんね。リスは時々「貯食」したことを忘れることがあるそうです。
が、なにせ2時間ぐらい歩く沢の上流ですの
で、残念ですがちょっと無理です。
リスが貯食したことを時々忘れるとのことです
が、そのことが種子に発芽できるチャンスを与
えることになるので、自然はうまくできていま
すよね。ルリカケスも貯食したたくさんのドン
グリのうち、すべては覚えていないので、いく
つかは発芽のチャンスがあり、アマミアラカシ
との共生関係ができているようです。
リスは遠くに運んだドングリを食べ忘れることがありますのでドングリから実生が生まれ木に成長します。このサイクルが自然界で重要な訳ですね。鳥も同じことですね。