「僕の音楽物語(1972-2011)」本屋でぱらぱらと立ち読みしていたら、カーティスクリークバンドについての記述があったので買って読むことにした。著者の平野肇氏はユーミンのツアーバンドや、リリィのバイバイセッションバンド(坂本龍一氏もいたそうです。)のドラマーをされたり、作詞家として徳永英明氏や柳ジョージ氏に詩を提供されたそうです。
カーティスクリークバンドは八木のぶお氏のハーモニカと栗冠(さっか)利郎氏のサックスをフロントにしたフュージョンのバンド。八木のぶお氏をバンドにさそったのは平野氏本人だったそうです。
1977年頃のテレビでパイオニアコンポーネントのCMにカーティスクリークバンドの曲が流れていた。当時ハーモニカの音だと認識できたのかどうか定かではないけど、アメリカ西海岸の映像とTV画面の下の方に出ていたバンド名はしっかり記憶に残っている。数年後CD化されたものを入手したり、中古レコードやで見つけて2枚ほど買った記憶がある。
平野肇氏の70年代ドラマーとしての仕事はこの本に登場するアーティストの顔ぶれを見ればかなりの売れっ子であったことが想像される。松任谷正隆やユーミンをはじめブレッド&バター、吉田拓郎、細野晴臣、‥等。
スタジオでの仕事を通してのスターの様子が断片的に少しずつ語られているだけだが、当時の自分の気分とかレコードの音に込められていたものが読書で感じられる独特の読後感があった。
著者はその後、作詞家になり小説までも書き出すのだが、人との出会いによって生業が変わっていく様が、本当は才能豊かな人なんだろうけどそれをひけらかす風でもなく書かれていて小気味いい。
しまいこんだ昔のレコードから平野肇氏の名前を探してみたくなった。