間髪いれずいきます。もうここ数日は904SHオンリーで行くのでよろしくです(誰に?)。まずは基本インターフェイスから行きましょう。
●割り当て機能が増えたキー
ベースは903SHを踏襲しながらも、細かい部分でブラッシュアップが図られています。まずはキーの表記。903SHでは4方向キーと右上&左上ソフトキーに何も表記がなく、このキーを待受時に押すと何が起きるの?という感じでしたが、904SHでは各キーに、利用できる機能アイコンが刻印されています。これだけで操作性アップです。まあPDCなんかではフツーの仕様ですけどね。
左が903SH、右が904SH。しかし903SHは、なぜこのボタン仕様だったのでしょうか?
さらに、各キーに割り当てられた機能も異なります。903SHは上下キーで電話帳呼出でしたが、904SHでは上キーでカレンダー呼び出し、下キーで電話帳呼出が可能。また下キーの長押しで電話帳の新規作成も可能。左右キーで着信&発信履歴を呼び出せるのは同じ。長押しで送受信メール履歴を呼び出せるとなおよかったですが。
メールボタン長押しでメールの新規作成画面へジャンプ、ボーダフォンライブ!ボタンの長押しでボーダフォンライブ!メニューの呼出が可能になりました(903SHは、それぞれ長押しは非対応)。ボーダフォンライブ!ボタンの短押しでいきなりトップメニューにアクセスできますが、これは長押しにしてほしかった。短押しでボーダフォンライブ!メニューにアクセスできるほうがいいでしょう。このあたりはauやドコモ端末では当たり前の仕様です。
ちなみに、受話音量の調節はサイドキーから。これが最初わからず、通話中に「声が聞こえないよー」てな状況でした。たいていの機種は上下キーから調整できるので、この仕様は疑問です。
閉じたときの誤作動防止は、903SHは*キーの長押しですが、904SHは決定キーの長押しで。これはPDCを使い慣れた人には嬉しい仕様。
また、文字ボタンの長押しで「でか文字モード」に変更します。クリアキーの長押しで簡易留守録のON/OFF、短押しで録音データの再生が可能。いずれも903SHにはない仕様。PDC慣れした者としては、マナーモードが#キーの長押しというのがちと戸惑いました。クリアキーが中央にあるのもPDCとは違います。まあ慣れれば問題ありませんが。
●「戻る」操作はクリアキーに集約されたが…
903SHでは前の画面に戻る操作は、右ソフトキーで「戻る」を選択するか、クリアキーから行う仕様でしたが、904SHではクリアキーのみで行える仕様に変更されています。右ソフトキーの「戻る」をなくした代わりに、右ソフトキーで操作できる項目が増えている場合があります。たとえばメールの送信目の画面。903SHでは「戻る」だったところが、904SHでは「送信」が加わっています。ただ、右ソフトキーの項目が空欄になっている場合も多く(アラーム、カレンダー、ファイル一覧、メディアプレイヤー…etc)、せっかく「戻る」を廃止したのだから、代わりのコマンドをもっと採用してもよかったのではと思いました。このあたりはPDCのほうが優秀ですね。
●ショートカットと連動した「マルチアプリ」
904SHでは、ダイヤルキーの下にマルチアプリキーが新たに備えられています。お、もしやFOMAのマルチタスクみたいなことができるの?と期待していたのですが、マルチタスクほど強力なものではありませんでした。ほかの機能を立ち上げている最中にショートカットボタンを押すと、ショートカットを呼び出せます。このショートカットからメインメニューにアクセスすることもできるので、ショートカットに登録していない機能も利用できます。サイト閲覧中にカメラを撮ったりメールを送ることはできました。が、アプリの起動は不可。
で、複数のメニューの起動中にマルチアプリボタンを押すと、起動中のメニューを切り替えられるというわけです。ただしドコモのFOMAのように、起動中の機能を一覧表示はしてくれません。しかも同時に使えるのはたいてい2つまでで、3つ目は「電話番号入力」のみという場合がほとんど。むー。要するにかつてのドコモSHの「アシスタントビュー」のボーダ版といったところでしょうか。メールとサイトを同時に使えるのは便利ですが。3つまで使えて、なおかつアプリも同時起動できれば、なおよかったですね。
いろいろと期待が膨らむ、この「新ボタン」。
使えない機能はグレーで表示されます。「切替」から、起動中の機能を替えることも可能。…てボタンの意味がないような…。
ちなみに、マルチアプリキーを長押しすると、マナーモードに設定できます。が、先述の通り、#キーの長押しでもマナーモードに設定できます。マナーのロゴが描かれているのはマルチアプリキーで、かつマニュアルにも#キーでマナーモード設定できるという記述はないので、マルチアプリキーが正式なマナーモード設定ボタンになります。おそらく担当者が外し忘れたのではないかと笑。
●数字の表記がないメニュー一覧
PDCでは当たり前の仕様なのですが、904SHではメニュー一覧に数字の表記がありません。たとえば1画面に9つのメニューが表示された場合、9キーを押せば、9番目のメニューにアクセスできます。904SHでもダイヤルキーからアクセスすることは可能ですが、数字の表記がないので、「えーとこのメニューは8番目にあるから8キーを押して…と」という具合でいささか面倒。メニューの右側にはご丁寧にアイコンがありますが、アイコンではなくシンプルに数字にしてほしかったところです。これだけで操作性はずいぶん変わりますよ。
アイコンじゃなくて、数字がいい!
ちなみに、待受時にダイヤルキーを長押しすると、「スピードダイヤル」に登録した人へ電話をかけられます。これは903SHと同じ仕様。個人的には、ダイヤルボタンの長押しで、ショートカットに登録した機能を呼び出せるほうが便利です。
また、PDCでは右キーで(奥の階層へ)進む、左キーで(前の階層へ)戻る…という操作が可能でしたが、904SHは非対応。進むは決定キー、戻るはクリアキーオンリーなので、左右キー操作に慣れた人にはやや不満を感じる部分です。
●スッキリまとまったけど「設定」が強引?なメインメニュー
お次はメニュー構成を見ていきましょう。903SHにあった「オーナー情報」「外部接続」がなくなった代わりに、904SHでは「エンタテインメント」「ICアプリ」が加わっています。「エンタテインメント」から呼び出せるのは「キャスト」と「ちかチャット」の2つ。…て少ないよ! 「メディアプレイヤー」は文字ボタンからも呼び出せるから、メインメニューから外して「エンタテインメント」内に入れてもよかったのでは? で、代わりに「外部接続」を復活させてほしかった。
この「外部接続」がどこに行ったかというと、「設定」内の「外部接続」タブに移っています。「設定」は4つのタブに分かれていて見やすくはあるんですが、「外部接続」が「設定」内にあるのはどう考えても不自然。これは絶対迷う。とくに、頻繁に使うであろう赤外線通信がここにあるのは不親切。「ツール」にも入れるべきです。V603SHは「ツール」から赤外線通信を呼べますよ。
903SHのメニューはアイコンが並ぶだけメニュー名の表記はありませんでしたが、904SHではメニュー名が表記されています。
この右隣のタブに「外部接続」があります。設定ではないよなぁ…。
●レスポンスはいかが?
気になるキーレスポンスは、PDCよりは遅いかなーという印象ですが、ストレスを感じほどではありません。ドコモのかつてのN、PのFOMAで不評だった「もっさり」感もありません。903SHと比べると、メールメニューの呼び出しは劇的に速くなりました。いや903SHが遅すぎたんだな…(メールメニュー呼び出しが)。
ただレスポンスからはやや逸れますが、画像サムネイルの表示遅いですね。
●まとめ
903SHからの改善点は多数見られましたが、やはりPDCと比べると「もう一歩」という部分もあります。
・メニュー一覧の数字表記
・右ソフトキーの機能割り当て
・左右キーの進む/戻る操作
せめてこの3つはしっかり対応してほしかったですね。でもまあ、基本的には使いやすいです。
ビューアポジションにしても画面は回転しません。また、回転する設定も見当たりませんでした。V603SHではできたのに。むぅ。