いなだ眼科のホームページ分院

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今年の花粉症と桜灯籠祭り

2007-03-17 13:52:23 | 眼のおもしろい話
 皆さん、花粉症はいかがですか。今年の春の花粉飛散予想はさほど強くなさそうでしたが、熊本では、例年になく、早期から強い症状を起こす方が多くみられました。先日もらった情報では、花粉の数が多いというより、花粉を顕微鏡でみた形が、活動性の高そうな形なのだそうです。外出時の防護アイテムの使用や早めの薬物治療など、対応をお考え下さい。
 ところで、こちらの桜の開花予想は、来週週末です。そして、3月31日は、本妙寺桜灯籠(はなとうろう)祭りです。本妙寺への参道と脇にあるたくさんのお寺と記念碑、お墓を、数千個の手作りの灯籠で、うめつくします。頭の上には桜の花が満開で、いくつものお寺の本堂や仁王門の下では、演奏会やお茶の会が開かれます。たった一日のほんの数時間だけの催しですが、とてもきれいで、幻想的な空間が楽しめますよ。楽しみです。

アレルギー性結膜炎が増えてきました

2006-02-24 16:15:17 | 眼のおもしろい話
やっと暖かくなってきました。そして、急に、目のかゆみを訴える患者さんが増えてきました。春のアレルギー性結膜炎が、急に増えてきているようです。同時に、鼻の症状も出ているようですね。早めに対応したほうがよさそうです。外出する機会の多い方は、マスクと同時に、花粉症予防の防護眼鏡もありますので、眼科に相談されてはいかがでしょうか。

この冬の特徴は?

2006-01-19 12:17:41 | 眼のおもしろい話
 昨年から今年にかけて、この冬は寒さが厳しく、雪も多く、気象の変化を強く感じた冬でした。当院の患者さんの病気をみても、いつもの年と比べて、閉塞隅角緑内障の発作をおこして緊急処置が必要だった方と、ぶどう膜炎の発作をおこされた方が、異常に多かった印象があります。こんなに続けてこれらの発作がみられた時期はなかったと思います。やはり厳しい寒さや、ほかの気象変化、それに伴う生活や精神的な変化が誘因だったのでしょうか。もし、急な充血、眼痛、目のかすみ感などが同時に生じたときは、早めに眼科を受診して下さいね。
 早く春が来ないかな、と思って、ブログの背景を春めいたものに変えてみました。

雪目に御注意下さい

2005-12-28 12:43:55 | 眼のおもしろい話
 あっという間にクリスマスも終わり、年末年始の、慌ただしさとちょっとかしこまった気持ちになる季節になりました。今年は、寒さがきびしく、雪も多いようですね。雪に慣れていない地域でも、雪で生活に思わぬ支障が出ているようです。
 雪の積もった銀世界での作業や、スキーの際には、雪の表面で反射してくる多量の紫外線で、目の表面の角膜上皮が障害される場合が増えてきます。銀世界で、たっぷり遊んだ後、7~8時間経ってから、強い眼痛が生じて、目が開けられなくなります。夕方まで遊んで、ちょうど真夜中に痛みが出ますので、びっくりして救急病院に駆け込む場合もあります。これを、「雪目」と呼びますが、他にも、溶接作業を、防護眼鏡なしで、してしまった時に、やはり真夜中に眼痛で飛び起きてしまう「電気性眼炎」も、やはり溶接の時の紫外線による、角膜上皮障害によるものです。
 雪の中での長時間の作業や、スキーの時は、くれぐれも、サングラスの使用を忘れないようにして下さいネ。

ドライアイの症状が増えています

2005-12-19 09:48:34 | 眼のおもしろい話
背景をクリスマスバージョンにしてみました。

今年は、寒さが厳しいですね。空気もとても乾燥して、眼の乾燥を訴えたり、結膜下出血で白目の部分が真っ赤になって、あわてて受診される方が増えています。ドライアイの症状や所見が目立っています。お部屋の湿度にも御注意下さい。ドライアイの症状は、夕方から夜にかけて涙の分泌が減った時や、パソコン作業、外出時の乾燥した風にあたると、悪化します。コンタクトレンズ装用も、長くならないように注意してくださいネ。

目を白くする目薬をしていると、目が赤くなる?

2005-11-15 09:31:03 | 眼のおもしろい話
 市販の点眼薬の中には、充血をとって目を白くする役目をもたせたものがあります。たしかに赤い目で人前にでるのには抵抗があるかもしれません。でも、ちょっとまってください。この点眼薬を長期間点眼し続けると、その効果が切れたときには、以前よりももっと充血がひどくなってしまうのです。むりやり点眼で収縮させられていた血管は、点眼の効果がなくなると、その反動として、以前よりもっと拡張して充血がひどくなって、目は赤くなってくるのです。そうなると、ますます充血をとろうとして、点眼回数を増やしてしまい、その結果充血がまたひどくなるという悪循環ができあがってしまいます。この悪循環を断つことは、なかなか簡単にいかないこともあります。市販の点眼薬を長期使用して、症状が改善しない時や不安のあるときは、眼科の先生に相談してみて下さいね。

がんばれ小さな赤ちゃん(未熟児網膜症について)

2005-09-05 17:20:19 | 眼のおもしろい話
 以前、排卵誘発剤による、多胎児出産の話題がしばしば報告され、小さく生まれた子供達が元気に育っている様子が、テレビ等で放送されました。また、在胎22週で生まれた500g前後の赤ちゃんが元気に育っているといった放送などがあると、小さな赤ちゃんが、皆元気で、何の障害もなく大きくなっていくように思われるかもしれません。でも、早く生まれれば生まれるほど、赤ちゃんは、大きなリスクを背負うことになるのです。特に出生体重1000g未満の低出生体重児は、極めて危険が多いのです。未熟児網膜症もその一つです。
 眼球は、脳が外に飛び出して出来上がった大切な臓器です。ですから、眼球は脳と一緒に、身体の中で、最も早く発生します。でも、眼球の中の網膜を栄養する血管は、もっとずっと後になって、胎生4カ月頃にやっと、網膜の中にのびてきます。そして、ゆっくりと、出産予定日までかけて、網膜全体に広がっていくのです。
 ですから、もし6カ月で早産してしまったら、眼底の網膜の血管は、まだ真ん中に少しあるだけで、眼底周辺には大事な血管がまったく無いのです。これが、未熟児網膜症の原因です。そのままでは、網膜は栄養不足で、死んでしまいます。こんなとき、ヒトの身体は、急いで、新しい血管を作ろうとして、あわてて、にわか作りの役に立たない、濁った組織を作ってしまうのです。これが広がると、眼内は濁った組織が充満して、出血や網膜剥離を起して、結局失明してしまいます。
 そこで、眼底検査をして、悪い変化が見られれば、すみやかにレ-ザー光線で眼底の光凝固を行い、間違った反応に対して、「お灸」をすえてあげるのです。すると、多くの場合は、悪い変化が落ち着いていきます。そして、新生児集中治療室の先生や看護師さんや、その他のスタッフの皆さん、もちろん御両親の愛情と献身的な働きで、危険を克服して大きくなっていきます。でも、一番大事なことは、早産しないように、妊娠したおかあさんを大事にして、母体管理をしっかりしてあげたいですね。

眼のリハビリテーション?

2005-08-10 15:21:18 | 眼のおもしろい話
 眼の病気の場合、治療して病気は直っても、残念ながら、視力や視野が元にもどらないままになってしまうこともあります。そんなとき、眼科では、残された視機能をどうやって上手く使えばよいのか、また生活の質的改善(クオリティ オブ ライフの向上)をはかるにはどうすればよいのかについて、御説明して、患者さんと一緒に考え、道具を使ったり、トレーニングをしたり、より高次の施設を御紹介したりします。これを、ロービジョンケアとよびます。最近色々な眼科でも、こういったケアに注目して、対応していただけるようになりました。いわば、視覚障害を持つ方のための、リハビリテーションとも言えるかもしれません。
 具体的には、まず最初に、御本人の眼の状態について、なぜ見にくいのか、どういう見え方になっているのかを、御本人と、できれば御家族の方に十分理解していただくことから始めます。そして、残された視機能を上手く使うことについて、考えていくことをお話しします。
 次に、状態に応じて、身体障害者手帳の申請や、病気によっては難病申請などの行政サービスの可能性を考えます。
 また、いろいろな視覚補助器具、たとえば、拡大鏡、単眼鏡(望遠鏡)、弱視眼鏡、拡大読書器、遮光眼鏡(まぶしさをとるだけではなく、コントラストをつけて、見やすくする効果もあります)、各種の日常生活補助具やお助けグッズなどの利用の可能性を考えます。
 また、希望に応じて、より高次のリハビリテーション施設の御紹介、たとえば、盲学校、視覚障害センター、点字図書館などとの連絡、入所や通所での生活訓練などを考える場合もあります。
 病気によっては、治療を継続しながら上記の対応を考慮していきます。御心配の方は、眼科の先生に御相談されてはいかがでしょうか。

「♪涙君さよなら・・・」では困ります。

2005-03-17 09:30:16 | 眼のおもしろい話
「♪涙君さよなら・・・」では困ります。

 以前に、「涙君さよなら、さよなら涙くん・・・」という歌がはやったことがあります。誰でも、悲しい涙は、流したくないものですね。でも、涙は悲しいときやうれしい時に流す為だけに存在するものでしょうか。もし、涙が本当に「さよなら」してしまったら、どうなるのでしょうか。
 実は、涙が全く出なくなってしまったら、あっという間に、見えなくなってしまうのです。眼球には、その表面に、角膜という、血管のない透明な膜があります。この、角膜の栄養や酸素供給、老廃物の除去をする為の血管と血流がありませんので、その役目をするものが必要です。これが、涙です。
 それ以外にも、涙には、眼球の乾燥を防ぐ、まばたきしやすくするための潤滑剤の役目をする、異物やばい菌を洗い流したり、また「目やに」にして、からめ捕って除去する、等の作用もあります。さらに殺菌作用や、免疫反応をおこしたり、眼球表面を平滑にしてものがはっきり見えるようにする作用など、本当にたくさんの大事な役目をもっているのです。
 しかも、その量は、10マイクロリットル程度で、これは、点眼の一滴分の数分の一です。普段は、本当に「スズメの涙」程度の量で、数多くの重要な役目を果たしています。眼球は、脳が飛び出してできた大切な臓器なので、これを守るために、涙は大事な役目をおわされているのです。涙君はとても大切な友達なのです。

見つめると、消える星?

2005-02-20 10:25:23 | 眼のおもしろい話
見つめると、消える星?

 皆さん、最近夜空の星をながめたことがありますか?。きれいな星空の見える場所で、ゆっくりと星を見ることなんて、なかなかできませんね。子供の頃、星座の観察をしたことはあるのではないでしょうか。
 でも、本当に、夜空の星をながめていたと言えるのでしょうか・・・?。強い光の1等星や2等星は、すぐにわかりますね。しかし、ぼんやり夜空をながめていて、やっと見える程度の淡い光の星が眼に入って、「あった!」と思って、その星の方向を見つめると、あら不思議!。今まで、目の端に見えていた星が、見つめた途端に消えてしまったことはありませんか。視線を少しずらして見ると、薄い光が見えるのに、まっすぐにその光を見つめると、星が消えてしまうのです。
 この不思議な現象は、目の「暗順応」と呼ばれるものが原因です。明るい日中の外から、急に暗い映画館に入って、しばらくは周りがぜんぜん見えませんが、15分もするとだんだん空いている席が見えてくるようになる、あれです。暗やみに慣れた目は、だんだんと中心部よりも少し周辺のほうが、目の感度が良くなって、見やすくなってくるのです。暗やみの中で、見にくい物を探すときは、一生懸命に見つめないで、見るともなくあたりを見回した方が見つけやすいかもしれませんよ。