ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.12.23 日本最北端、国境の街より

2010-12-23 21:22:23 | 
 何と突然、今日は稚内のホテルで更新している。

 最寄駅からリムジンバスで10日前に下見した羽田空港第2ターミナルへ。その時、旅立つ人たちを目の当たりにし、いきなり“旅行に行きたい”モード全開となり、急きょ2泊3日の北海道パック旅行に申し込んだ酔狂な一家である。空気を乗せて飛ぶより良い、というくらいの激安ツアーで申し訳ないほどである。

 集合は10時20分だったが、渋滞もなくスムーズに30分前に到着。が、空港の発着案内板の稚内行テロップを見ると、「一時搭乗手続き中止」とあった。先に出る予定の釧路行は欠航になっていた。とりあえず稚内行の人は列を外れるように、と言われ、このままツアーキャンセルになるのでは・・・と気をもんだが、30分ほどして手続き開始。ただし、場合によっては新千歳か旭川に着陸することもある、という条件付きの出発だった。とりあえず搭乗券を手にし、手荷物を預け、空弁(そらべん)をゲットし、搭乗口へ。若干遅れての離陸、少し揺れはしたが、ほぼ定刻に無事稚内空港に着陸した。到着するとオホーツク紋別行も欠航だったとのこと。ラッキーだった。

 稚内の気温は1度、天候は雪とあったが、ほとんど吹雪だった。すぐにツアーバスに乗り込んだが、外は一面の雪景色。日本海は鉛色。こんなに雪を見たのはどのくらいぶりだろうか。夫と息子の2人は去年の夏にこの地を訪れているが、全く違った印象だったようだ。私は飛行機に乗るような旅行をするのは2年半近くぶりのこと。昨日のナベルビン投与をものともせず、ロキソニンを飲んでのツアー参加である。

 まず、天然ホタテの水揚げが日本一だという猿払へ。ここのホタテは横浜崎陽軒の焼売に使われているので有名だそうだ。試食をしつつ、お土産を購入。お店の外に出て海の方向へ歩き出した2人を追うが、ものすごい風と霙にめげて、さっさとバスへ戻る。強風で帽子が飛ばされそう、あっという間にびしょ濡れだ。

 次に日本最北端の地、北緯45度31分、宗谷岬へ。強風で有名で、どんなにヘアスタイルを整えて写真撮影に臨んでもオールバックにしか写らないところだそうだ。帽子を飛ばされないように、とガイドさんからの注意があったが、半端ではない風。霙が顔を打ち付けてきて痛いこと痛いこと。飛ばされそうでまっすぐ前へ歩けない。息子も夫も、帽子とネックウォーマーで、ほとんど銀行強盗のような様相だ。ヨロヨロしながら間宮林蔵の立像とツーショット、さらに添乗員さんに日本最北端の地の碑の前で3人一緒の写真撮影をお願いする。お土産屋さんでは「日本最北端の地到着証明書」を手に入れられるということだったが、日本で一番日の入りが早いというこの地。すでに日没の4時に近く、お客さんも来ないということでクローズだった。現地のガイドさんが今日はひどい天気だ、と言うほど強風(20m)と打ち付ける霙で早々にバスに戻った。生まれて初めて冬のオホーツク海を目にしたが、波が荒く、日本海との境界を感じた。

 その後稚内市内へ入り、副港市場で海産物などのウインドーショッピング。まだ新しい施設だということだが、氷雪の門や豊富中学校、稚内港等の古い町並みが再現され、博物館のようになっており、楽しめた。

 ホテルにチェックイン後、息子が前回JR稚内駅で限定5食の駅弁を買い損ねたため、どうしてもリベンジしたいと言うので、「明朝受け取りに来ます」と、キヨスクに予約しに出かけた。少し風が収まったように思ったが、傘など何の役にも立たない。あっという間に“おちょこ”になってしまい、あきらめて帽子だけで歩き出す。風が強く体感温度はいったいどのくらいか。駅は改修工事中で、最北端の線路も見えなくなっていた。前回2人が食事をした食堂「ひとしの店」の前で写真をとり、北防波堤ドームまで足を延ばそうかと歩き出したが、あまりの風と寒さにめげてホテルに戻った。

 再び夕食のためバスに乗り込み、三大カニとたこしゃぶの夕食で実に満腹になった。それにしてもカニを食べるとみんな無口・・・、最後にはぐったり疲れてしまった。

 明日は1日かけてバスでひたすらシーサイドラインを南下、札幌でホワイトイルミネーションのクリスマスイブを迎える予定である。治療中にこんなハードな旅行に来られるとはとても思わなかったけれど、体調管理をしつつ思い切って来て良かった、と思う。
コメント
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