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2016年08月14日 10時19分10秒 | リオデジャネイロ五輪

ロシア・ドーピング問題 タイムライン 最新情報




▼ ロシア・ドーピング問題を最初に告発したドイツARDのドキュメンタリー
▼ 世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の衝撃の報告書
▼ ニュークタイムズで告発したロシアの検査機関の元所長の証言
▼ 国際陸上連盟(IAAF)がロシア陸連の資格停止処分 個人資格の参加の特例措置
▼ スポーツ仲裁裁判所(CAS)ロシア選手訴え棄却
▼ 国際陸上連盟(IAAF)はロシア67選手のリオ五輪への参加申請を却下。
▼ IOC ロシア選手のリオ五輪出場、競技団体に委ねる
▼ IOCを痛烈批判 欧米メディア
▼ 国際水連 ロシア選手7人出場認めずと発表
▼ 国際ボート連盟 ロシア選手、五輪出場を認めたのはわずか6人
▼ ロシア選手 100人以上がリオ五輪出場不可
▼ 国際重量挙げ連盟、ロシアの五輪参加禁止
▼ ロシア選手団271人が出場 出場不可は118人 IOC
▼ IPC ロシアを資格停止 リオ・パラリンピックに出場認めず

▼ CAS ドーピング違反で、ウエイトリフティング男子のポーランド代表、陸上女子3000メートル障害のブルガリア代表の2選手を追放



世界反ドーピング機関(WADA) (出典 World Anti-Doping Agency HP)


What is Doping?(出典 World Anti-Doping Agency HP)




■ 2014年12月
ドイツ公共放送ARDがロシア陸上界の組織的ドーピングを告発したドキュメンタリーを放送
 2014年12月3日、ドイツ公共放送連盟(ARD)は、60分のドキュメンタリー番組「ドーピングにまつわる機密文書-ロシアがどのように勝者を生んだか(Secret Doping Dossier: How Russia produces its Winners)」を放送し、ロシアは国ぐるみでドーピングをしていると告発した。番組の中で、陸上・女子中距離の元ロシア代表、ユリア・ステパノワ選手が組織ぐるみでドーピングが行われていたことを、夫のロシア反ドーピング機関(RUSADA)の元職員である夫のヴィターリー・ステパノフ(Vitali Stepanov)氏と共に告発した。ユリア・ステパノワ(Yuliya Stepanova)選手は、2011年の世界選手権で、女子800メートルに出場し、8位に入賞したが、ドーピング違反で2015年1月まで2年間の資格停止処分を受けていた。トップアスリートとして活躍する裏で、代表チームのコーチや医師から日常的にドーピングを勧められていたと証言した。ステパノフ夫妻はロシア国外に転出した。
ドーピング違反により出場停止処分を受けている女子マラソンのリリア・ショブホワ(Liliya Shobukhova)も、2012年のロンドン五輪に出場するため、45万ユーロ(約6600万円)を支払ったとカメラの前で明かした。
 ショブホワは、RUSADAによって2009年から2011年までの血液データに異常が確認され、IAAFからドーピング違反が疑われていたものの、その段階で罰則を受けることはなかったという。
 これについてショブホワは、役人たちに目をつぶってもらうため、金銭を渡すようメルニコフコーチに指示されたとしている。
 また番組では、国際陸上競技連盟(IAAF)で役員を務めるロシア陸上競技連盟(ARAF)のワレンティン・バラフニチェフ(Valentin Balakhnichev)会長を名指しで批判した。
 このテレビ番組は、全世界のスポーツ関係者に大きな衝撃を与え、これを受けて世界反ドーピング機関(WADA)は独立委員会を設置して調査を行うことを決めた。


■ 2015年11月
世界反ドーピング機関(WADA World Anti-Doping Agency)の独立委員会が組織的ドーピングを認定。国際陸連(IAAF)はロシア陸連を資格停止処分に
 2015年11月9日、世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会は、長年にわたりロシア陸上界が組織ぐるみでドーピング違反を犯し、隠蔽工作、ゆすりなどなどを行い、それに国際陸上競技連盟(IAAF)関与していたと指摘した報告書を公表した。独立委のディック・パウンド委員長(カナダ)は「国家ぐるみの不正だ」と述べ、「国際陸上競技連盟はロシアを資格停止処分とし、来年のリオデジャネイロ五輪も出場停止にすべきだ」と厳しい姿勢を示した。
 報告書では、ロシア陸上界の組織ぐるみのドーピング違反を認定し、違反にかかわった5人の選手、4人のコーチ、1人の医師らを永久追放し、ロシア陸連を資格停止にするよう勧告した。2012年ロンドン五輪女子800メートルのメダリスト2人も含まれている。


■ 2016年5月
米紙ニューヨーク・タイムズなどが14年ソチ五輪でのロシアの国ぐるみのドーピングを行っていたという証言を報道
 5月12日、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、ロシアの検査機関「モスクワ反ドーピングセンター」のグリゴリー・ロドチェンコフ元所長のインタビューを掲載した。ロドチェンコフ元所長はソチ五輪で尿検体のすり替えを行い、メダリスト15人を含む多くののロシア人選手がドーピングを行っていたと証言した。
 ロドチェンコフ元所長は、世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の報告書で、ロシアが国ぐるみで行ったドーピングの中心人物とされていた。報告書が公表された直後に所長を解任され、身の危険を感じたため、米国ロサンゼルスに逃げたという。
ロドチェンコフ元所長はロシア政府の指令で、禁止薬物ステロイド3種類を配合した薬を開発し、選手に提供。この薬は運動能力を向上させる効果があり、吸収を早めるためにウイスキーなどのアルコールに混ぜて提供していた。
ソチ五輪の期間中には、ロシアのスポーツ省から指示されてロシア人選手の尿のすり替えを実行した。禁止薬物を摂取した選手の100近くの尿検体を、その数か月前に採取されたクリーンなものに差し替えた。ロドチェンコフ氏は、検体の交換方法について、夜間に研究所の壁に開いた穴から行ったと説明している。
 すり替えは作業にはロシアの情報機関もかかわっていたと証言した。具体的な選手については、ボブスレー4人乗りと2人乗りで金メダルを取ったアレクサンドル・ズブコフら3選手を挙げたとしている。
 完全に密封されているはずの検体保存容器を誰にも気づかれず開ける方法は、ロシア連邦保安庁が開発し、どの検体をすり替えるかスポーツ省の副大臣が分析機関に指示していたとしている。 ロドチェンコフ氏は、「ソチ五輪に向けて完璧な準備が行われ、ものすごい装備と知識、経験を兼ね備えていた。スイスの時計に負けないくらい精密な作業だった」と話した。
 ソチ五輪でロシアが獲得した33個のメダルのうち、少なくとも15個についてドーピングの疑いがあるとニューヨークタイムズは指摘している。


■ 2016年6月 
ロシア・スポーツ相が隠蔽に関与か ドイツARD、新疑惑指摘
 6月8日、ドイツ公共放送ARDは、 「極秘ドーピング」というタイトルの調査報道番組を放送し、ロシアの組織的なドーピング問題を巡り、同国のムトコ・スポーツ相がドーピング違反の隠蔽に直接関与したという新たな疑惑を指摘した。
 またARDは、未公開だったスポーツ省とドーピング検査所のメールのやりとりを入手。サッカーの国内リーグ、クラスノダールの主力選手がドーピング検査で陽性反応を示したが、ムトコ氏の判断で結果が公表されず、処分も科されなかった疑惑を暴いた。ムトコ氏は国際サッカー連盟(FIFA)理事で、2018年にロシアで開かれるワールドカップ(W杯)で政府の責任者を務める。



ロシアのドーピング検査 (出典 ロシアNOW 「ロドチェンコフのカクテル」)

IAAFがロシア陸連の資格停止処分継続を決定。潔白が証明された選手の個人参加は容認
 6月17日、国際陸上競技連盟は理事会を開き、ロシアの改革は不十分として、ロシア陸連の資格停止処分の継続を決定し、リオ五輪出場を認めなかった。一方で規定を改正し、ロシア国外を拠点とし、ドーピングに関与していないことを証明できる選手に限って個人資格で五輪などの国際大会への参加を申請できる規定を設け、潔白が証明された選手については参加の道を残した。
 しかし、国際陸上競技連盟のこの特例規定をクリヤーしてリオデジャネイロ五輪に参加可能になる選手はわずか2人だけとされている。
ロシアは、国際陸上競技連盟が資格停止処分を解除しなかったのを不服としてスポーツ仲裁裁判所に異議申し立てをした。


IOC 国際陸連の決定を支持
 6月21日国際オリンピック委員会(IOC)は、スイスのローザンヌでスポーツ界関係者を集めた会議「五輪サミット」を開き、ロシア陸上チームのリオデジャネイロ五輪参加を禁じた国際陸上競技連盟の決定を全面的に支持した。
 IOCのバッハ会長は、個人資格の特例でロシアの陸上選手にリオ五輪出場を認めた場合は、ロシア選手団の一員になるとの見解を述べた。
 バッハ会長は、国内の反ドーピング態勢が不適格とされているロシアとケニアの全競技の選手について、リオ五輪に出場するためには国外の検査で潔白を証明することが必要との認識も示した。
五輪サミットには国際陸上競技連盟のコー会長や、ロシア・オリンピック委員会のジューコフ会長も出席した。
個人資格でリオ五輪出場への道を開くIOCの見解に対し、ロシア国内では歓迎の声が広がった。五輪の陸上女子棒高跳びで金メダルを2度獲得したエレーナ・イシンバエワ選手は、「厳しい状況だが、よりよい明日を信じ、競技を続けよう」と、ロシア選手に五輪出場を目指すように訴えた。
 イシンバエワ選手は、国際陸上競技連盟がロシア陸連のリオ五輪出場を禁じたことを「人権侵害」と反発して、引退を示唆していたが、一転、リオ五輪を目指す考えを示した。


■ 2016年7月 
国際陸上連盟(IAAF)はロシア67選手のリオ五輪への参加申請を却下。選手らは五輪出場を求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴
 7月10日、国際陸連がロシア67選手の個人資格での参加申請を却下した。タス通信によると、女子棒高跳びの世界記録保持者のエレーナ・イシンバエワも含まれているとしている。
 国際陸連はロシア陸連の資格停止処分継続に伴い、個人資格で五輪など国際大会への参加を申請できる特例規定を設け、ロシア国外が拠点で、ドーピングで潔白を証明できる選手に限定して出場を許可するとした。これまでに136人選手から申請があったとしており、女子走り幅跳びのダリア・クリシナ選手はすでに出場資格が認められている。
また、一連の問題を最初に告発をした中距離のユリア・ステパノワ選手も特例措置の適用がすでに認められている。
一方、ロシア陸連はクリシナ以外の67人の選手についてはすべて申請を却下されたと発表した。女子棒高跳びの世界記録保持者エレーナ・イシンバエワも含まれている。
 ロシア・オリンピック委員会は68人の選手と共に国際陸連の資格停止処分に対する異議申し立てをスポーツ仲裁裁判所(CAS Court of Arbitration for Sport)に行った。


WADA報告書 ロシア、ソチ五輪で国家主導ドーピング
 7月18日、ロシアによる2014年ソチ冬季五輪のドーピング問題を調べていた世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査チームは、ロシアが国家の主導で組織的にドーピングを行い、隠蔽(いんぺい)していたとする報告書を発表し、ロシア全選手のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックへの出場登録を拒否することを検討すべきだと提案した。
 独立調査チームのマクラーレン委員長はスポーツ法律学の専門家である。 マクラーレン氏は「陸上特有の問題ではない」と、不正がロシア・スポーツ界全体に広がっている」と指摘した。
 報告書には335ページに及び、衝撃的な具体的な内容が記述されていた。 ロシア・スポーツ省の指示で、ソチにあった分析機関がドーピングをした選手の検査サンプルをすり替えるなどの隠蔽をしていたことも明らかにされた。また外国から抜き打ち検査に訪れた検査官を警察官が監視・妨害したり、抜き打ちのはずの検査の日時をロシア反ドーピング機関(RUSADA)が選手側にこっそり教えたり、保存しておくべき尿や血液の検体を破損させるのにロシア司法当局が関わっていたりした事実を告発した。
 不振に終わった10年バンクーバー五輪を受け、プーチン大統領が任命したスポーツ省の副大臣を重要人物と名指しして、ロシア連邦保安庁などの国家機関も関与したと認定した。ロシアはソチ五輪で国・地域別で最多の33個のメダルを獲得している。
また、組織的ドーピングは2011年からおよそ4年間行われたとしたうえで、2013年にモスクワで行われた陸上の世界選手権や、去年カザンで行われた水泳の世界選手権などと合わせて陽性反応を示した577の検体のうち、ロシア選手を中心とする312の検体がすり替えられていたと指摘した。



モスクワ検査所で陽性反応が隠蔽されたロシア選手 競技種目別
出典 WADA 独立調査チーム報告書


「政治の介入」 プーチン大統領 強く反発>
 7月18日、ロシアのプーチン大統領は声明を出し、「スポーツへの危険な政治の介入を目の当たりにしている。スポーツが地政学的な圧力の道具とされている」と述べ、欧米がスポーツを利用してロシアに圧力をかけていると強く反発した。また「ドーピングとは無関係の選手まで制裁が科されようとしている」と述べ、あくまでも選手個人が責任を負うべきだという立場を強調した。
 また報告書で名前が挙がった人物は捜査が終わるまで一時的に職務を停止するとし、国家主導が疑われているドーピング問題に取り組む姿勢を示した。
 7月22日、プーチン大統領はドーピングを取り締まる新たな独立委員会の設置を指示した。


スポーツ仲裁裁判所(CAS)選手訴え棄却>
 7月21日、スポーツ仲裁裁判所(CAS Court of Arbitration for Sport)は、国際陸上競技連盟のリオデジャネイロ五輪への出場禁止処分を不服としたロシア・オリンピック委員会と同国の68選手らの訴えを棄却する裁定を発表した。
 国際陸連が認めるか、ドーピング違反の潔白を証明できる選手の出場は認めているが、人数は極めて限定的となり、ロシアにとっては厳しい内容となった。タス通信によると、ムトコ・スポーツ相は「スポーツを侮辱する前代未聞の裁定だ」と反発した。
 今回の裁定を受け、IOCがロシア選手団のオリンピック出場をどのように判断するかが焦点になってきた。
 7月19日、IOCは緊急理事会で組織的なドーピングを行っていたロシアへの対処や制裁について協議したが、出場を認めなかった場合、選手個人の持つ権利を不当に侵害しないかどうかを見極めるため、法律の専門家の意見を聞いたうえで最終判断をしたいとして、結論を出さなかった。
 CASの裁定結果を受けて、IOCは24日に再び理事会を開く予定だ。ロシア選手団のリオデジャネイロ五輪への出場できなくなる可能性はさらに高まったとされている。


IOC再検査 北京五輪・ロンドン五輪で98人陽性
 7月22日、国際オリンピック委員会(IOC)は、2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪でドーピング違反を調べるために採取した検体を再検査したところ、新たに45選手分から禁止薬物が検出されたと発表した。これまでの結果と合わせると北京、ロンドンで1243検体を調べ、計98選手分の検体から禁止薬物の陽性反応があったことになる。
 IOCは昨年8月から、リオデジャネイロ五輪に出場しそうな選手から最新機器で再検査を始めた。今回は北京で386、ロンドンで138の計524検体を選んだ。陽性になった北京の30検体は4競技で8カ国・地域の選手で、うち23選手はメダリストだという。ロンドンで陽性になった15検体の選手は2競技で9カ国・地域にわたる。
違反が確定すればメダルは剥奪(はくだつ)され、リオ五輪にも出場できなくなる。
 今回はIOCが選手個々の検体を調べた。五輪で陽性反応がこれほど発覚したのは異例だ。

(出典 朝日新聞 7月23日)

ロシア・パラリンピック委員会、リオデジャネイロ出場不可か 国際パラリンピック委員会、資格停止検討 
 7月22日、国際パラリンピック委員会(IPC International Paralympic Committee)は理事会を開き、ロシア・パラリンピック委員会(NPC)の資格停止処分に向けた手続きを開始し、8月上旬にも結論を出す方針を固めた。
WADA独立調査チームは、7月18日に公表した報告書で、オリンピックだけでなくパラリンピック競技でもドーピング検査で虚偽の報告をしていたなどと指摘したうえで、IPCに対して「リオデジャネイロ大会ではロシア選手の参加拒否を検討すべきだ」とする声明を発表している。
 2012年のロンドン・パラリンピックで金メダル数1位の中国に次ぐ36個の「金」を獲得した強豪ロシア。資格停止処分となれば、18競技263人(22日現在)のリオデジャネイロ大会参加ができなくなる。
 リハビリ目的から競技志向が強まったパラリンピックで、ドーピング違反となる選手は少なくない。パラリンピックで初めての違反者が出たのは1992年のバルセロナ大会。筋肉増強剤を使った砲丸投げのハンガリー選手が処分された。また、2000年シドニー大会ではアゼルバイジャンのパワーリフティング選手が金メダルを剥奪(はくだつ)されるなど、11人の違反者が出た。
 日本パラリンピック委員会(JPC)によると、世界反ドーピング機構(WADA)が指定する禁止薬物は、五輪もパラリンピックも同じ。ただ、パラリンピック選手の中には、合併症や治療のために筋肉増強効果のあるステロイド系治療薬を使用する選手もいて、代替薬がなく事前に申請を行えば、認められることがあるという。
 今回、WADAの調査チームが公表した報告書には、12~15年に陽性反応を示した577件のうち、35検体がロシアのパラリンピック競技の選手のものだったと記されている。
 ドーピング検査をすり抜けてメダル獲得を目指す背景には、高額な報奨金制度の存在もある。ロシアはパラリンピックで金メダルを獲得すれば五輪と同額の400万ルーブル(約654万円)。日本は14年ソチ大会から従来の1・5倍に増額されたが、150万円にとどまる。日本の競技関係者は「ロシア選手が報奨金を得るためにドーピングに手を染めたとしても不思議ではない」と話す。
(出典 NHKニュース、朝日新聞 7月24日)


IOC ロシア選手のリオ五輪出場、競技団体に委ねる
 7月24日、国際オリンピック委員会(IOC)は、電話会議による緊急理事会を開き、ロシア・オリンピック委員会を資格停止処分とはせず、選手には一定の条件を課して、リオデジャネイロ五輪に出場できることを決めた。条件を満たしたロシアの選手は、“ロシア選手団”として出場する道が開けた。
条件を満たしているかは、各国際競技団体が個別に判断に委ねるとした。
 IOCが課した条件は、ロシア国内でのドーピング検査だけでなくロシア国外で受けた信頼性のある検査をクリヤーすること、過去に一度もドーピングで処分を受けていないこと、国際陸上連盟以外の27の国際競技団体が独自のルールで出場を認めた場合などとしている。
国際陸上連盟は、すでにロシア陸連の資格停止処分とした上で、特例措置として個人資格で五輪など国際大会への参加を申請できる規定を設け、ロシア国外が拠点で、ドーピングで潔白を証明できる選手に限定して出場を認めるとした。女子走り幅跳びのダリア・クリシナ選手は出場資格が認められたが、クリシナ選手以外の67選手については出場申請を却下した。
 世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査チームがロシアの国家ぐるみのドーピングを明らかにし、WADAが全面締め出しを勧告したことで、IOCはロシア選手団全体のリオ五輪出場停止を検討。焦点となったのは、国または団体の責任を、ドーピング検査で陽性反応を示していない個人にまで負わせるのが適切かどうかだった。
IOCは、WADAの報告書でロシア・オリンピック委員会が組織としてドーピング隠しを行っていたとは指摘されていないことを考慮。また、WADA独立調査チームは、調査は「短期間で行われ、表面を触っただけ」としていることから、国や団体に責任を負わせるのではなく、個々の選手に出場の可能性を与えることが必要だと判断したとされている。
 ロシアのムトコ・スポーツ相は24日の記者会見で、IOCの決定について「感謝する」と歓迎し、各競技団体がロシア選手の参加を最大限認めて欲しいと期待を表明した。


欧米メディアはIOCを痛烈批判「五輪の信頼性損ねた」「プーチン氏の憤怒を恐れたのは間違いない」
 ドーピング違反問題でロシアをリオデジャネイロ五輪から全面除外する処分を見送った国際オリンピック委員会(IOC)の決定について、欧米メディアから「五輪の信頼性が損なわれた」との批判が相次いだ。スポーツ界からは、ドーピングへの組織的関与が指摘されてきたロシアに厳罰で臨むべきとの指摘もあっただけに、メディアからは「ロシア政府の大勝利だ」、「IOCはロシアに魂を売った」などの辛辣な批判も出ている。
 米紙USA TODAY(電子版)は、「クリーンなスポーツにとって悲しい日」と伝えた。「IOCの決断にかかわらず、五輪は決してクリーンではなかった」と述べた上で、「バッハ氏がどのように主張しようとも、(疑惑のない選手らは)IOCが発したメッセージに失望した」と指摘した。
 米紙ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)は24日、IOCの判断の背景に、ロシアのプーチン大統領の存在があったと述べた。全面除外を避けたIOCの決定を「説明する唯一の理由」が、プーチン氏の「威嚇的」な姿勢にあるとした上で、「執行部は、命取りとなりかねないプーチン氏の憤怒(ふんぬ)を恐れたのは間違いない」とした。 
 英紙フィナンシャル・タイムズ(同)は、プーチン氏がドーピング問題を欧米による陰謀と主張したことに触れ、「IOCの決定はロシア政府の大きな勝利だ」と述べた。
(出典 産経新聞 7月25日)



ドーピング問題告発のステパノワ、五輪出場認められず
 ロシア陸上界の国家ぐるみのドーピングを告発した女子中距離のユリア・ステパノワ選手はリオデジャネイロ五輪出場が不可能になった。
 ユリア・ステパノワ選手は、2014年12月、ドイツ公共放送連盟(ARD)が放送したドキュメンタリー番組「ドーピングにまつわる機密文書-ロシアがどのように勝者を生んだか(Secret Doping Dossier: How Russia produces its Winners)」で、夫のロシア反ドーピング機関(RUSADA)の元職員である夫のヴィターリー・ステパノフ(Vitali Stepanov)氏と共に告発した。
 国際陸連はドーピング問題発覚のきっかけになった証言を考慮し、リオ五輪を含む国際大会に“中立選手”として、特例で参加できることを認めていた。ステパノワは、7月上旬に欧州選手権女子800メートルに出場し、五輪出場を希望していた。
 ステパノワは、ドーピング規定違反で2年間の出場停止となり、昨年1月に処分期間を終えていた経歴がある。IOCが定めた条件に従い、過去に陽性反応を示した選手は出場できないと判断された。


国際水連 ロシア選手7人出場認めずと発表
 7月25日、国際水泳連盟(FINA International Swimming Federation)はオリンピックのメダリスト3人を含むロシア選手7人ついて、出場を認めないと発表した。
 IOCの決定を受けて、FINAは声明を発表し、ロシア選手の出場にあたっての基準を明らかにし、WADA=世界アンチドーピング機構の調査チームの報告で、ドーピング検査を適切に受けていなかったと指摘された選手や、過去にドーピング検査で陽性反応を示した選手は出場資格がないとした。この基準を当てはめた結果、ロシア選手7人ついて、出場を認めないと発表しました。
 7人の中には、男子800メートルリレーで北京大会・銀メダル、男子400メートルリレーでロンドン大会・銅メダルを獲得したニキータ・ロビンツェフ選手、同じく男子400メートルリレーでロンドン大会の銅メダルのウラジーミル・モロゾフ選手、女子200メートル平泳ぎでロンドン大会銅メダルのユリア・エフィモワ選手のオリンピックメダリスト3人が含まれている。IOCの決定以降、国際競技団体がロシア選手の出場を認めないと明らかにしたのは、今回のFINAが初めてだ。
 また、国際ボート連盟は、検体のすり替えが行われたと認められる1人と過去にドーピング違反をした2人のロシアの3選手について、出場資格を認めないと発表した。


新たにリオ五輪出場禁止を言い渡された選手
■ 水泳
―ユリア・エフィモワ(Yulia Efimova)、2012年ロンドン五輪の女子200メートル平泳ぎで銅メダルを獲得し、世界水泳選手権(FINA World Championships)でも通算4個の金メダルを獲得。
―ウラジーミル・モロゾフ(Vladimir Morozov)、ロンドン五輪の男子4x100メートル自由形リレー銅メダル獲得。
―ニキータ・ロビンツェフ(Nikita Lobintsev)、ロンドン五輪の男子4x100メートル自由形リレーで銅メダル、2008年北京五輪の男子4x200メートル自由形リレーでも銀メダルを獲得。
―ミハイル・ドブガリュク(Mikhail Dovgalyuk)、 男子4x200メートル自由形リレー。
―ナタリア・ロブツォワ(Natalia Lovtsova)、女子50メートル自由形。
―アナスタシア・クラピビナ(Anastasia Krapivina)、オープンウオータースイミング。
―ダリア・ウスティノワ(Daria Ustinova)、2013年世界選手権(15th FINA World Championships)の女子4x100メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得。

■ 重量挙げ
―タチアナ・カシリナ(Tatiana Kashirina)、ロンドン五輪の女子75キロ超級で銀メダル獲得
―アナスタシア・ロマノワ(Anastasia Romanova)、2015年に行われた世界選手権(2015 IWF World Championships)の女子69キロ級で銅メダル獲得。

■ レスリング
―ビクトル・レベデフ(Viktor Lebedev)、レスリング世界選手権(FILA Senior World Wrestling Championships)の男子フリースタイル55キロ級で2度の優勝。

(出典 AFPBB 2016年7月26日)

国際ボート連盟 ロシアの6人の選手の五輪出場を認める
 7月26日、国際ボート連盟(FISA Fédération Internationale des Sociétés d'Aviron)は、ロシアの6人の選手をリオデジャネイロ五輪に出場することを認めた。
 ロシア・オリンピック委員会は、5隻のボートと26人の漕手(Rowers)と2人の舵手(Coxswain)を出場登録していた。
 この内、6人の漕手はIOCの基準を満たすとしてリオデジャネイロ五輪への出場を認めた。しかし、検体のすり替えが行われたと認められる1人と過去にドーピング違反をした2人の他に、新たにIOCの基準を満たしていない17人の漕手と2人の舵手は出場を認めなかった。


ロシア選手 100人以上がリオ五輪出場不可
 ロシアの選手でリオデジャネイロオリンピックに出場できない選手はこれまでに5つの競技団体の100人以上に上っている。
NHKが日本時間の28日午前8時現在でまとめたところ、出場を認められていない選手の数は、陸上の67人(クリシナ選手1人は出場可)をはじめ、ボートの22人など合わせて102人となっているとしている。
 ロシアが当初結成した選手団は387人で、現時点で4分の1以上が出場できない異常な事態となっている。
 一方、出場登録をしたすべての選手の出場を認めたか、認める方針なのは、テニス、アーチェリー、馬術、射撃、トライアスロン、バレーボール、柔道、セーリング、フェンシングで、新たに卓球が3人全員の出場を認めた。
 また「調査中」は、体操、ボクシング、ウエイトリフティング、ハンドボール、レスリングの5団体で、テコンドーは「近く判断する」としている。
国際オリンピック委員会(IOC)は、ドーピング違反歴がないことなどの条件を設け、出場資格の判断を各国際競技連盟(IF)に委ねている。

(出典 NHKニュース 日本経済新聞 7月28日)

国際重量挙げ連盟、ロシアの五輪参加禁止
 7月29日、国際重量挙げ連盟(IWF International Weightlifting Federation)は、ロシアチームのリオデジャネイロ五輪参加を禁じる処分を決めた。ロシアがエントリーした男子5人、女子3人の8選手全員の出場が不可能になった。出場枠は他国・地域に振り分けることとした。
 2012年ロンドン五輪女子75キロ超級銀メダルのタチアナ・カシリナ選手や女子69キロ級のアナスタシア・ロマノア選手はドーピング違反歴があり、ロシア・オリンピック委員会(ROC Russian Olympic Committee)が登録を取り消した。また世界反ドーピング機関(WADA)の報告書で隠蔽に関与したとされる選手、4人について出場を認めなかった。ロシアはロンドン五輪の重量挙げで銀5、銅1の男女計6個のメダルを獲得して、圧倒的な成果を上げた。
 IWFは度重なるドーピング違反を問題視し「スポーツの健全性に深刻なダメージを与えた」と指摘した。


ロシア選手団271人が出場 出場不可は118人
 2016年8月4日、国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシア選手団のうち271選手の出場を認めると発表した。ロシア選手団は389選手で構成されていたが、陸上の67人を含む100人以上の選手が出場できないことが決まった。
IOC理事3人による審査委員会が、国際競技団体から推薦された選手を1人ずつ確認し、最終的に271選手の出場を認めた。
 IOCのバッハ会長は記者会見で、「「われわれは難しい問いかけに答えなくてはならなかった。国家の不正を全てのアスリートの責任に負わせることはできないだろう」」と述べ、IOCの決断の正当性を主張し、政治的な判断はなかったと強調した。
これに対し、ロシアオリンピック委員会は強い不満を示した。
 ロシアオリンピック委員会(ROC)のアレクサンドル・ジューコフ(Alexander Zhukov)会長は、リオデジャネイロで記者会見し、「(ロシア選手団は)おそらくリオ五輪で最もクリーンである」とした上で、「陸上競技で有力なイシンバエワ選手やシュベンコフ選手は、反ドーピング機関から問題視されたことがなかったのに出場できず、過去に禁止薬物の摂取で処分を受けたアメリカの選手たちは出場する」と述べ、ロシアの選手が不当に差別されているとした。


IPC ロシアを資格停止 リオ・パラリンピックに出場認めず
 2016年8月7日、国際パラリンピック委員会(IPC)はロシアのパラリンピック委員会を資格停止処分とし、9月7日開幕のリオデジャネイロ・パラリンピックに同国選手団を認めないと発表した。
 ロシア・パラリンピック委員会は、規定により3週間以内に異議申し立てを行うことができる。
IPCのクレイバン会長は「今回の決定でクリーンな選手がパラリンピックに出場できない可能性はあるが、問題は個人ではなく国家レベルの問題だ。ロシアのドーピング文化が変わらなければスポーツの信頼性に関わる」との声明を出した。
 世界反ドーピング機関(WADA)は7月18日に発表した報告書で、2012~15年の間に陽性反応を示したロシアのパラリンピック選手の35検体が、陰性と虚偽報告をされたと指摘。これを受けてIPCはさらなる情報提供を基に、検体を精査。14年ソチ・パラリンピックでのロシア選手の検体も含めて、不正の痕跡を確認した。(出典 時事通信 2018年8月7日)
 これに対し、ロシアオリンピック委員会のジューコフ会長は「IPCは政治的な圧力に屈した。ドーピングに関与していないロシア人選手の出場を決めた国際オリンピック委員会の決定を考慮しなかったことは、残念としかいいようがない」と批判した。
 ロシアでは、国際オリンピック委員会と同じようにドーピングに関与していない選手の出場は認めるとの見方が強かっただけに強く反発しているという。
ロシアは、2012年の夏のロンドン大会では、中国に次いで2位となる36個の金メダルを獲得し、このうち半数が陸上だった。
 2014年、自国開催となった冬のパラリンピックのソチ大会では、クロスカントリースキーを中心に金30個を含む80個のメダルを獲得した。2位のドイツに3倍以上の差をつけて圧倒した。
(出典 時事通信 NHKニュース 2016年8月7日)




世界反ドーピング機関(WADA) (出典 World Anti-Doping Agency HP)

ドーピングとは
(出典 日本オリンピック委員会 アンチ・ドーピング)

ドーピングとは競技能力を増幅させる可能性がある手段(薬物あるいは方法)を不正に使用することであり、スポーツの基本的理念であるフェアプレーに反する行為です。
 スポーツはフェアな戦いであるから、スポーツの勝利者は称賛を浴びるのであり、ドーピングを許容しては、スポーツの価値を自ら否定することになります。また、ドーピングは、選手の健康を害し、社会的にも悪影響を及ぼすことになります。
 したがって、スポーツ界は、アンチ・ドーピング活動(ドーピングを禁止して、ドーピングを根絶する活動)に真摯に取り組む必要があります。


アンチ・ドーピング活動
 国際的なアンチ・ドーピング活動は1960年代から国際オリンピック委員会(International Olympic Committee : IOC)が中心になって行ってきました。しかし、アンチ・ドーピング活動は独立した組織が中立の立場で行うべきであり、また、スポーツ界が一致して取り組むだけでなく社会全体が取り組む問題であることから、IOCと各国政府の協力によって1999年に世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency : WADA)が設立されました。日本はWADAのExecutive Committeeのメンバーとして、WADAのアジア・オセアニア地域オフィスを東京北区西が丘の国立スポーツ科学センター内に設置し、積極的にアンチ・ドーピング活動に取り組んでいます。
 そして2003年3月、国際的に共通で全ての競技に適用されるアンチ・ドーピングの共通ルールとしてWADAの世界アンチ・ドーピング規程(WADA規程)が採択され、アンチ・ドーピング活動の基本原則が定められました。WADA規程ではドーピングとして8項目を定義しており、ドーピング検査の陽性以外に、証言などによるドーピングの証明、ドーピング検査拒否、ドーピング検査妨害、共犯関係のスタッフの行為などもドーピングと規定されています。
 国内のアンチ・ドーピング機関としては2001年に財団法人日本アンチ・ドーピング機構(Japan Anti-Doping Agency : JADA)が東京北区西が丘の国立スポーツ科学センターの建物内に設立され、国内ドーピング検査の標準的手順の作成、ドーピング・コントロール・オフィサー(DCO、検体採取の現場を管理する検査員)の認定、ドーピング・コントロールの実施、アンチ・ドーピング教育、などの国内のアンチ・ドーピング活動を統括して推進しています。


ドーピングの定義(WADA規程)
 ドーピングとは、以下のアンチ・ドーピング違反行為の1つ以上が発生すること
 1. 競技者の身体からの検体に禁止物質、その代謝産物あるいはマーカーが存在すること。
 2. 禁止物質、禁止方法を使用する、または使用を企てること。
 3. 正式に通告された後で、正当な理由なく、検体採取を拒否すること。
 4. 競技外検査に関連した義務に違反すること。具体的には、居所情報を提出しないことや連絡された検査に来ないこと。
 5. ドーピング・コントロールの一部を改ざんすること、改ざんを企てること。
 6. 禁止物質および禁止方法を所持すること。
 7. 禁止物質・禁止方法の不法取引を実行すること。
 8. 競技者に対して禁止物質や禁止方法を投与・使用すること、または投与・使用を企てること、アンチ・ドーピング規則違反を伴う形で支援、助長、援助、教唆、隠蔽などの共犯関係があること、またはこれらを企てる行為があること


ドーピングの種類
 一般的には「薬を使って競技力を高めること」が「ドーピング」とされていますが、実際には薬以外にも、自分の血液を冷凍保存しておき、試合の直前に再び体内に入れ、酸素運搬能力を高める「血液ドーピング」や、ドーピング検査において、他人の尿とすりかえる行為など、また近年では細胞、遺伝子、遺伝因子、あるいは遺伝子表現の調整を競技力向上のために行う「遺伝子ドーピング」といった「方法」も禁止されています。
つまり、ドーピングには「禁止薬物」(正確には薬以外のものも含め「禁止物質」と記される)と「禁止方法」があります。したがって、これらの「禁止物質」や「禁止方法」についての知識や注意が必要だということになります。


禁止物質や禁止方法は少なくとも毎年1月1日に更新 競技会以外の検査や居場所情報の提出義務も
 禁止物質や禁止方法は、世界アンチ・ドーピング規程の禁止表国際基準 (Prohibited List) に定められ、少なくとも毎年1月1日に更新されます。常に禁止されている物質、競技会の時だけ禁止される物質また、特定の競技において禁止されている物質などの分類がありますので、それぞれチェックしましょう。また、ドーピング検査には競技会検査と競技会外検査があり、トップアスリートは居場所情報を提出する義務のあるRTPに登録される場合もあります。(出典 NPBアンチドーピングガイド2016)
(出典 NPBアンチドーピングガイド2016)





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国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)




2016年7月22日
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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
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