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4K8K 最新情報 ロードマップ 試験放送 実用放送 東京オリンピック 右旋 左旋

2017年02月21日 20時22分25秒 | 国際放送センター(IBC)
暗雲 “4K8K”放送 2020年までに“普及”は可能か?


4K・8K放送、11チャンネル 2018年以降BSで開始
 1月24日、総務省は4K8K放送を認める認定書を10社に交付し、4K8KのBS放送、11チャンネルが、2018年12月1日から順次始まると発表した。 BS「右旋波」を使用する4K放送は、NHKと民放キー局系5局の計6チャンネル。NHKと民放系4局は2018年12月1日に、日本テレビホールディングス系のBS日本は2019年12月1日に放送を始める。
 またBS「左旋波」では、NHKの8K放送と民間の放送事業者4社の4K放送が2018年12月1日~20年12月1日に始める。
 BS「右旋波」については、6社から申請があり、割り当てる周波数が不足するため、比較審査を実施し、「特定申請」とせず「第2希望」としたWOWOWが外された。そして、NHKが自主的に帯域の一部を返上することなどで帯域再編成を行い、BS7チャンネルとBS17チャンネルに、2トランスポンダの周波数帯を確保し、「特定申請」で「第一希望」としたNHKと民放キー局5局を割り当てた。
BS「左旋波」については、SCサテライト放送、 QVCサテライト、東北新社が申請通り認定され、WOWOWについては、「第二希望」のBS「左旋波」で認定した。
 CS(東経 110 度)「左旋波」については、スカパー・エンターテイメントと放送サービス高度化推進協会(試験放送)を認定した。
スカパー・エンターテイメントが、4Kで8チャンネル分の帯域を確保し、4Kサービスに対する積極姿勢が目立った。
 さらに4Kと8K放送を開始することで、地上波とBS合わせて6チャンネルを握ることになったNHKについて、高市早苗総務相は「NHKのBS放送全体のチャンネル数は見直す」と述べた。
 NHKの巨大化批判が、4K8Kサービスの開始をきっかけに浮上するなかで、今後のチャンネル再編の動向も注目される。











総務省 報道資料


NHK 8K中継車 SHC1 池上通信機

スカパー 4KHDR中継車 InterBee2016



5G・第5世代移動体通信 “世界に先駆け”2020年東京オリンピックに向けて実現へ
NHK技術研究所公開 8Kスーパーハイビジョン 試験放送開始 準備着々
VR(Virtual Reality) Super Hi-Vision 次世代映像サービスに挑戦 リオデジャネイロ五輪




“4K・8K”チャンネル NHK2チャンネル、民間放送事業者最大21チャンネル確保へ 
 総務省は「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合」の「第二次中間報告」でロードマップ(2015)を策定し、衛星基幹放送による超高精細度テレビジョン放送(4K・8K放送)の実用放送を、2018年に放送開始を目標としている。
 2016年3月、総務省はこのロードマップに基づき、「4K・8K放送の伝送路」や「4K・8K放送のチャンネル数」について、原案通り承認された。
 「4K・8K放送の伝送路」については、高精細度テレビジョン(HD)放送又は標準テレビジョン(SD)放送はBS・CS「右旋円偏波」として、超高精細度テレビジョン(4K・8K)放送は、BS・CS「左旋円偏波」を基本的な伝送路として位置づけた。「右旋円偏波」で行う4K放送は、現行の視聴環境を踏まえて、立ち上がり期に4K・8K放送の普及促進を図るための暫定措置とした。
基本的な伝送路となるBS「左旋円偏波」は11チャンネルのうち8、12、14chの3チャンネル、110度CS「左旋円偏波」は13チャンネルのうち9、11、19、21、23chの5チャンネルを明示した。
焦点の「4K・8K放送のチャンネル数の目標」は、NHKはBS「右旋円偏波」で4K放送1チャンネル(BS17チャンネルのトランスポンダーを3チャンネルに分割してその1チャンネル)、BS「左旋円偏波」で8K放送1チャンネル(4K放送であれば2~3チャンネル)とした。ただし左旋円偏波による放送の受信環境が一定程度整備され、左旋円偏波によるBSによる4K・8K放送が普及した段階で、NHKのBSの放送番組の数を見直すとしている。
 民間放送事業者(民放、衛星放送)はBS「右旋円偏波」で4K放送2チャンネル(BS17チャンネル帯域を3チャンネルに分割してその2チャンネル)、帯域再編が実施され、帯域再編が実施され、トランスポンダーがもう一つ利用できる場合は、4K放送3チャンネルが増えて5チャンネルとした。またBS「左旋円偏波」で4K放送6チャンネル、110度CS「左旋円偏波」で4K放送10チャンネル(5つのトランスポンダーを2チャンネルに分割)、合わせて18チャンネル程度とした。帯域再編が実施され、トランスポンダーが2つ利用できる場合は、4K放送3チャンネルが増えて、21チャンネル程度となる。
 この方針に基づいて、総務省では「4K・8K放送」に新規放送事業者を募集した。



電波監理審議会会長会見用資料

4K/8K実用放送 10放送事業者が申請
 10月17日、総務省は2018年秋に始まる4K・8K超高精細画質のBS衛星放送への参入申し込みを締め切った。
 NHKは「BS右旋円偏波」で4K1チャンネル、「BS左旋円偏波」で8K1チャンネルの割り当ての認定申請を別途行っている。
 今回申請した民間放送事業者は、「BS右旋円偏波」ではBS朝日、BSジャパン、BS-TBS、BS日本、BSフジ、WOWOWの6事業者が申し込んだ。この内、WOWOWは「第一希望」としている。
 「BS左旋円偏波」ではSCサテライト放送(ショッピングチャンネル)(第一希望)、QVCサテライト(ショッピング)、(株)東北新社(映画)、株)WOWOW(第2希望)が名乗りを上げた。
 「東経110度CS左旋偏波」では、SCサテライト放送(ショッピングチャンネル)(第2希望)やスカパー・エンターテイメントが9チャンネルを申請した。
 4K放送ではスポーツ中継やドラマやエンターテインメント番組、ドキュメンタリーなどの4K画質で制作された番組だけでなく、HDを4K画質にアップコンバートして放送するコンテンツも放送されると思われる。新たな4Kコンテンツの制作能力が追い付かないからだ。HDをアップコンバートしたコンテンツが並ぶチャンネルを“4Kチャンネル”と呼ぶのはふさわしくないと思うが………。
 NHKは総合テレビ、教育テレビの地上波2チャンネル、BS2チャンネル、4Kチャンネル、8Kチャンネル、合わせて計6チャンネルを持つことになる。
 総務省は、4Kチャンネルについては、12チャンネルを割り当てる方針とで、この内NHKは1チャンネル、民放は各系列ごとに1チャンネルを割り当てられるが、残りの6チャンネルは、参入を申請した既存のBS放送事業者らから選ぶと伝えられている。  
 総務省は、2017年2月までには各社の申請内容を審査し、どの放送事業者にチャンネルを割り当てるかを決めるとしている。
 さらに2020年ごろまでに、「BS左旋円偏波」と「東経110度CS左旋偏波」で、追加割り当てを行う予定である。



放送政策の動向と展望 2016年11月 総務省


放送政策の動向と展望 2016年11月 総務省

“4Kテレビ”で4K放送が見れない! 視聴者不在の4K
 最大の問題はいま売られている4Kテレビでは4K放送は受信できないことである。
 2016年12月に開始する4K試験放送や2018年に開始する4K実用放送を視聴するためには、新たな対応チューナーやチューナー内蔵テレビが必要となる。
 また「BS右旋円偏波」の6チャンネルは、現在のパラボラアンテナで視聴できるが、 「BS左旋円偏波」や「東経110度CS左旋偏波」は、対応するパラボラアンテナを新たに設置しないと視聴できない。
さらに分配器、分波器、ブースター、ケーブル等の宅内受信設備の交換も「左旋円偏波」を受信するためには必要となる。事務所やマンションなどで、共聴設備を利用して視聴している場合は、設備の更新をしなければならない。4K放送を楽しむには単に4Kテレビを買えばよいと誤解している視聴者がほとんどだろう。
 但し、CATV、IPTV(ひかりTV)、インターネットTV(NETFLIX、アクトビラ、Amazonプライムなど)やLTEなどの移動体通信で視聴する場合はいま売られている4Kテレビ(対応機種)で視聴可能だ。またスカパー!4Kは、4K対応チューナーを設置するば視聴可能だ。
電子情報技術産業協会(JEITA)では、総務省や家電業界と協力して、この点について周知活動を始めている。
しかし、家電業界が4Kテレビの販売PRに力を入れて、「大画面を買うなら4K」と4Kテレビが飛ぶように売れている中で、果たして消費者にきちんと納得をしてもらって販売しているのだろうか? 疑念が大いに生じる。
 4K8K放送を見るためには、視聴者にまた新たな負担が生じる。既存のHDの地上波や衛星チャンネルの番組は“溢れる”ばかりに放送されている。それを上回る魅力的なコンテンツが4K8Kで提供されなければ、視聴者は4K8Kに見向きもしないだろう。視聴者のテレビ離れが問題化している中で、4K8Kサービスを開始する放送事業者は、その自信があるのだろうか?
 2020年、東京都オリンピック・パラリンピックまでに、4K8K放送の普及を目指し、世界に先駆けて「50%の視聴者が4K8K」いう目論見を立てている。 果たしてこの目論見は達成できるのだろうか? まだ展望は見えてこない。



電子情報技術産業協会(JEITA)

NHK 8K試験放送開始 リオデジャネイロ五輪コンテンツでアピール
 2016年8月1日、NHKは8Kスーパーハイビジョン試験放送をリオデジャネイロ五輪に合わせて開始した。
 注目のリオデジャネイロ五輪関連では、8月6日から28日まで開会式や閉会式、陸上競技、競泳、柔道、サッカー、バスケットボールの5競技を生中継や録画で放送した。また映像を編集してハイライトも制作し放送した。
 しかし、8K試験放送は、家庭用の8Kテレビや8K用セットボックスはまだ発売されていないため、一般の家庭などでは視聴できない。
 NHKでは、全国の放送局に8K試験放送の受信設備を設置して、訪れた視聴者にリオデジャネイロ五輪の超高精細映像で臨場感を実感してもらう試みを行った。
 またNHKふれあいホール(東京・渋谷)、NHK技術研究所(東京・砧)、NHK放送博物館(東京・愛宕山)、丸ビル「MARUCUBE」(東京・大手町)、パナソニックセンター東京(東京・有明)、グランフロント大阪(大阪・北区)の6カ所で、パブリック・ビューイングを開催した。
リオデジャネイロ五輪終了後は、通常の編成に戻し、8K試験放送を実施している。
 一方、4K試験放送は、12月1日から「A-PAB」(放送サービス高度化推進協会)が開始する予定だ。


★ NHK 8Kスーパーハイビジョン試験放送開始 リオデジャネイロ五輪 8K番組表

NHK 実験的な4Kネット配信を実施
 NHKはBS11チャンネルを使って8月1日に8K試験放送を開始し、リオデジャネイロオリンピックをライブで放送する。この8K「映像を4K映像にダウンコンバートしてNHKハイブリッドキャストとNHKオンデマンドで試験的に配信するが決まった。
 ハイブリッドキャストでは、8K試験放送の一部のコンテンツのライブストリーミングや競技のハイライトをサービスする。NHKオンデマンドでは、試験放送の中で放送済みの注目競技のハイライトや総集編、開会式のハイライトなどをサービスする。
 ハイブリッドキャストのサービスを受けるためには、ハイブリッドキャスト機能搭載の“4Kネット配信テレビ”、NHKオンデマンドには、契約が必要となる。
 いずれも、NHK以外の配信サービスと契約して、高速のインターネット回線の接続が必要となる。
 NTTぷららは、NHKの4K実験的ネット配信サービスをひかりTV(IPTV)でVODサービスすると発表した。
 提供番組は、開会式のハイライトなど全8本で、一部番組については、無料で提供の予定で、8月6日以降、順次提供開始としている。
無料提供番組は、ひかりTVの契約者なら誰でも無料でご視聴可能だ。有料番組はNHKオンデマンド見逃し見放題パックに加入されている契約者は、月額料金内で視聴可能で、見逃し見放題パック未加入の場合は、216円(税込)/24時間の視聴料金が必要になる。

■ 視聴に必要な機器
▼ 4Kテレビ
▼ 4K対応ひかりTVチューナー ST4100、ST3400
▼ ひかりTVチューナー内蔵4K対応テレビ (シャープ AQUOS、東芝REGZAの一部の機種)

 リオデジャネイロ五輪では、8K試験放送に加えて、8K試験放送のコンテンツを4Kにダウンコンバートして4Kサービスもかろうじて実現することになった。



放送政策の動向と展望 2016年11月 総務省




超高精細テレビ試験放送 4KはA-PAB 8KはNHK BS17chで1日7時間サービス開始
 2016年2月17日、総務省は、BS17チャンネルで行う超高精細テレビ放送(4K・8K)の試験放送の実施者を、4Kについては一般社団法人次世代放送推進フォーラム(NextTV-F)、8Kについては日本放送協会(NHK)とする諮問を電波監理審議に行い、原案通り答申を受けた。試験放送はNextTV-F(4K)とNHK(8K)が実施することが正式に決まった。

* NexTV-FはDpa(デジタル放送推進協会)と合併し「A-PAB」(放送サービス高度化推進協会)が4月1日発足し、4K8K試験放送実施は「A-PAB」が実施する。


 4K/8K試験放送は、BS17チャンネル(「衛星セーフティネット」・地デジ難視対策衛星放送)終了後の空き周波数帯域)を利用して実施される。放送時間は毎日午前10時から午後5時までの間の7時間を予定し、4Kと8Kは「時分割方式」で、、“相互の乗り入れ方式”でサービスされる計画だ。
 A-PABが行う4K試験放送は、毎日1時間、2chサービスで2016年12月1日から開始される。但し週1日だけは4K放送50分間と8K放送10分間も行う予定だ。期待されていたリオデジャネイロ五輪の4Kサービスは見送られた。4Kコンテンツは、NHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ、WOWOWO、東北新社が提供。試験放送はコマーシャルを入れることができないので、運用経費は、A-PAB加盟メンバーの拠出金で賄われることになる。無料のノンスクランブル放送。
 NHKは、一日6時間の8K試験放送を行う。但し原則毎週最終週の16時台には4K試験放送、2チャンネルを行っている。試験放送は2016年8月1日に開始された。リオデジャネイロ五輪をターゲットに入れた戦略である。
 4K/8Kの送出やアップリンクは、4K/8K共に、NHK放送センター設備を使用することになっている。



総務省 衛星・地域放送課

暗雲たちこめた4K/8K放送
ビジネスモデルが描けない民放4K、誰も見れないNHK8K

 2014年9月に取りまとめられた「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合中間報告」では、BS17chを使用して、4K試験放送(最大3チャンネル)及び8K試験放送(1チャンネル)を、「時分割方式」で、それぞれ最大1日12時間放送すること目標に掲げていた。
 今回決まった4K/8K試験放送では、4K試験放送で2チャンネル一日1時間程度、8K試験放送で一日6時間程度、合わせて1日7時間程度にとどまった。
 とりわけ4K試験放送サービスの“貧弱さ”が目立つ。2014年6月、NextTV-Fが124/128度CS衛星を利用して開始した“Channel 4K” (2016年3月31日終了予定)よりもサービスは大幅に後退してしまった。しかも開始は2016年12月1日にずれ込んだ。“一日12時間、3チャンネルで4K試験放送”という総務省の目論見は早くも崩れた。
 民放各局は、未だに4Kサービスに乗り出すことに消極的になっているといわれている。HDの地上波と4Kの衛星波を併存させるビジネスモデルが描けないからだろう。民放各局はHD地上波のコマーシャルを収入源として経営が成り立っている。モア・サービスである衛星4Kが新たな収入源として期待ができれば積極的になるだろうがその可能性が読めない。一方でモアチャンネルである4Kチャンネルに視聴者を引き付けるには制作経費をかけてキラー・コンテンツを放送しなければならない。しかし、4Kチャンネルに視聴者を引き寄せれば引き寄せるほど、収入源の地上波が空洞化していくというジレンマを抱えている。民放各局は、24時間、365日、魅力的な4Kコンテンツを確保できるのだろうか?
 さらに民放キー局と系列地方局の関係も深刻だろう。民放キー局が、4K衛星チャンネルで、人気ドラマやスポーツ中継などキラーコンテンツを放送すると、キー局のキラーコンテンツを再送信している系列地方局のダメージは極めて大きく、番組配信料やコマーシャル収入が激減し経営が立ちいかなくなる懸念がある。当面、民放キー局は4Kチャンネルに力を入れることはできないのではないか? 再放送程度は可能だがそれで採算がとれるとは思えない。2018年に実用放送開始というロードマップは“空中分解”寸前という危機感が広がっている。
 一方、8Kについては、未だに家庭用の8Kテレビや8Kチューナーが市販されていない。8K液晶モニター(85型)をシャープが発売したが、価格は約1600万円、とても家庭用とはいえない。8K試験放送を始めても一般家庭の視聴者は誰も見れないのである。公共放送NHKの放送サービスの基本は「広く、あまねく」、受信料制度で運営される放送サービスとして8K放送を開始するならこの原則を守らなければならない。パブリックビューは、放送サービスではない。8Kサービスの「広く、あまねく」の基盤整備は2018年までに構築できるのだろうか? 8K試験放送は、放送技術の“研究開発”レベルを超え、放送サービスなのである。
 ロードマップでは、2018年中に4K/8K実用放送を開始するとしている。残された時間は後2年余り、早くも暗雲が立ち込めている。



電波監理審議会会長会見用資料

4K/8K放送を牽引する総務省 2018年実用放送開始
 2015年4月8日、電波監理審議会は、「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合」の「中間報告」を受けて、BS衛星を利用した超高精細度テレビジョン放送、「4K/8K試験放送」に使用する周波数帯域を割り当てることを諮問した。
 これによって、2016年に、「4K/8K試験放送」が開始されることが現実化した。
 使用するのは、現在は、「地デジ難視対策」として放送しているアナログ衛星放送で使用されているBS17チャンネルである。 「地デジ難視対策」放送は、デジタル化の転換がほぼ終了したとして、2016年には終えることが決まっており、その空きチャンネルを利用して「4K/8K試験放送」を行うものだ。
 2014年9月に取りまとめられた「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合中間報告」で、「衛星セーフティネット」(地デジ難視対策衛星放送)終了後の空き周波数帯域、BS17チャンネルを使用して、4K試験放送(最大3チャンネル)及び8K試験放送(1チャンネル)を開始(4Kと8Kを時分割で放送)すること目標に掲げている。
 今回の電波監理審議会の諮問はこれを受けたものである。「4K・8Kロードマップ」は着々と前進し始めている。

  総務省では、BS17チャンネルを、「4K・8K」試験放送用にNHKとNHK以外の基幹放送事業者(民放各社等)の2者に割り当てる案を発表した。“8K”なら1チャンネル、“4K”なら3チャンネルの試験放送が可能な帯域で、NHKとNHK以外の基幹放送事業者(民放各社等)に1日12時間ずつに分割して割り当てるとした。



電波監理審議会会長会見用資料




総務省 4K/8Kロードマップに関するフォローアップ会合第二次中間報告

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4K/8K“新ロードマップ”公表
 2015年7月、総務省は「4K/8Kロードマップに関するフォローアップ会合」を開催し、4K/8K推進に向けた“新ロードマップ”、第二次中間報告をまとめた。 2014年9月に公表された“ロードマップ”の改訂版である。
 “新ロードマップ”によると、2016年にBS17チャンネルを使った4K/8K試験放送をNHKとNHK以外の基幹放送事業者の2者で開始し、2017年には110度CS(左旋)で4K試験放送を開始、2018年にはBS17チャンネルと10度CS(左旋)で4K実用放送、さらにBS左旋においても、4K/8K放送の実用放送を開始するとしている。2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、「4K8K放送が普及して、多くの視聴者が市販のテレビで4K/8K放送を楽しんでいる」とした。さらに2025年頃の4K/8K放送の主要伝送路にはBS左旋と110度CS左旋を伝送路とすることを定めた。



総務省 4K/8Kロードマップに関するフォローアップ会合第二次中間報告

キーポイントⅠ 「2016年開始 4K/8K試験放送BS17チャンネル」を確認

▼ 8KはNHK、4Kは次世代放送推進フォーラムが放送事業者に
 2015年秋、総務省ではBS「4K・8K試験放送」の実施主体の公募を行った。応募したのは、4K試験放送は次世代放送推進フォーラム、8K試験放送はNHKだけであった。
 次世代放送推進フォーラムは、“Channel 4K”で4K試験放送を実施しているが(2016年3月31日終了予定 下記参照)、引き続き、「4K試験放送」を運営する事業者、「ソフト(認定機関放送者)」としての機能を担う予定だ。
 “Channel 4K”の運営と同様に、4K番組コンテンツは民放各社や衛星放送局、番組制作機関等が制作したコンテンツ提供に頼ることになるが、一体どの位の4Kコンテンツを確保できるのか懸念が生まれる。最大の4K番組コンテンツ供給元の民放各社はどのように対応するのかが焦点である。1日12時間、3chの4Kコンテンツを果たして揃えることができるのだろうか? 量的な問題もさることながら、視聴者を引き付ける魅力的なコンテンツをどれだけラインアップできるかどうか懸念が生まれる。
 “Channel 4K”はビジネスモデルは不要だが、BS「4K/8K試験放送」からは自前で経費を負担していかなけれはならない。
 次世代放送推進フォーラムは、設立の経緯を見ても、NHKや民放各社などのいわゆる放送機関ではない。放送機関は、国民の知る権利に答えるジャーナリズムであり、良質の娯楽、教養、教育番組を提供するメディアである。その重責を果たす機能と人材が次世代放送推進フォーラムに用意されているのだろうか?
 前途多難な“船出”になりそうだ。


▼ HDR方式を採用 4K/8K試験放送の技術仕様を公表
 次世代放送推進フォーラムとNHKは、それぞれ4K/8K試験放送の技術仕様の概要を公表した。
 次世代放送推進フォーラムの「4K/8K放送」の技術仕様は、伝送方式はMMT・TLVの多重化方式を採用し、新たな高度広帯域の衛星伝送方式で行い、伝送容量はBSの場合、4K放送で約35Mbps、8K放送で約100Mbpsで、トランスポンダー1つで、8K×1chまたは4K×3chの伝送が可能としている。
 使用スロット数としては、4Kについては60スロットまたは40スロット、8Kについては120スロットとし、1トランスポンダ全体が120スロットとなっている。変調方式としては16APSK、またはQPSKを採用する。
 映像のフォーマットについては、フレーム周波数は4K/8K放送とも59.94Hzとし、表色系はYCbCr 4:2:0、画素ビット数は10bitとしている。
 焦点のHDRに対する方針は、4K/8KともHDR(High Dynamic Range)方式を採用することとした。
 その他、圧縮符号化(映像)はH.265/HEVC、マルチメディアサービスは汎用性の高いHTML5、受信制御には、B-CASに代わってセキュリティを強化した新CASを採用することした。
 超高精細映像で、世界の主流に一躍躍り出た4KHDRは、現行の4KSDRに比較するとその画質の優位性は明らかである。しかし、いま販売されている4KSDRと互換性はない。1~2年後は、4KHDRが主流になるだろう。いま4Kテレビを買わされる視聴者の立場をどう考えているのだろうか? 
 NHKは、8Kの受信装置のシステムの概要を明らかにし、8KデコーダーLSIを搭載した受信装置を開発し、これに85インチのHDR対応の8Kモニターを接続して8K試験放送を受信するとした。受信装置は、22.2チャンネルの音声出力があり、対応する音声アンプとスピーカーシステムを設置すれば22.2チャンネル音声サービスが可能になる。
 NHKは全国の放送局に受信設備を設置して8K試験放送を公開する予定だ。
 受信装置には、4Kテレビ用の出力端子も装備され、8K試験放送を4Kにダウンコンバートして4Kテレビでも視聴可能にする。8Kテレビの普及がほとんどない中での苦肉の策だろう。





総務省 第二次中間報告後の取組状況 付属資料


放送政策の動向と展望 2016年11月 総務省

▼“Channel 4K”は放送終了へ 
 2014年6月に開始した次世代放送推進フォーラム(NexTVフォーラム)の4K試験放送“Channel 4K”は、2016年3月31日をもってサービスを終了することが決まった。
 “Channel 4K”は、東経124/128度CSでスカパーJSATのプラットフォームを利用して、平日は1日7時間、土日祝日は12時間の4K放送を行った。コンテンツはNHKや民放各社、スカパー、WOWOWOなどが制作した4K番組で、音楽、スポーツ、ドラマ、自然・紀行などの約100番組や、FIFAワールドカップサッカー(ブラジル)の決勝戦など11試合を放送(録画)した。視聴料は無料だが、視聴者は専用のパラボラアンテナや専用受信機、スカパー!のICカード、4Kテレビなどを設置しなければならない。
 また、“Channel 4K”は、CSデジタル放送(スカパー!)やケーブルテレビ(J:com)、IPTV(NTTぷらら)でも放送た。

▼ CSで4K専門チャンネルを立ち上げたスカパー!
 2015年3月、スカパー!は、独自に“プレミアムサービス4K専門チャンネル”を立ち上げ、東経124/128度CSで4K放送を開始している。
 スカパー!の4K放送は、プロ野球、Jリーグなどのスポーツ中継や音楽、エンターテインメント、ドキュメンター番組などを提供する「スカパー!4K総合」、映画を提供する「スカパー!4K映画」(PPV:ペイパービュー・サービス )、4Kの魅力を体験できる「スカパー!体験」の3つがある。  「スカパー!4K総合」と「スカパー!体験」は、専用パラボラアンテナ、4K専用チューナーと4Kテレビを設置する必要があるが、“プレミアムサービス”(HD画質で約160チャンネルをサービス)の契約者には無償で提供される。
 「スカパー!4K映画」は、ハリウッド映画の4Kスキャニングリマスター版を中心にサービスする。PPV(ペイパービュー・サービス)で、見たい番組を1日単位で購入し、視聴料を後払いするシステムである。


キーポイントⅡ “左旋”の登場
 前回(2014年9月)の中間報告で、大きな課題として残された2018年以降の4K/8K実用放送について、新たに左旋円偏波を使用して4K/8K衛星放送を実施することが盛り込まれた。そのための環境の整備を今後急ピッチで行う方針を新たに定めた。
 衛星から送信される電波は、右回りの右旋円偏波(右旋)と左周りの左旋円偏波(左旋)がある。右旋と左旋は、お互いに干渉しないので、双方を同時に使用して衛星放送を実施することができる。BS右旋は、日本に割当られ、BS左旋は韓国に割当られていた。CSは、右旋と左旋、共に、日本に割り当てられ、右旋はCSデジタル放送、左旋は通信用として使用されている。
 その後、各国間で国際調整が行われ、日本もBS左旋が利用可能になった。総務省では2020年ごろまでに、この利用可能な11台のトランスポンダーの内、BS8、12、14の3チャンネル(トランスポンダー)を4K8K放送に割り当てるとしている。これで8K放送で1チャンネル、4K放送で6チャンネル(トランスポンダの帯域を3分割)の伝送路がBS左旋円偏波で確保されることになった。
 現在、静止軌道上でBSデジタル放送を行っている衛星「BSAT-3a」「BSAT-3b」「BSAT-3c」は、右旋(現行の衛星放送で使用)のみで、左旋に対応していない。2017年後半に打ち上げる予定の「BSAT-4a」は、Kuバンドのトランスポンダーを、右旋用に12台と左旋用に12台を搭載しており、左旋を利用して、最大で8Kで12チャンネル、4Kで36チャンネルが新たに可能になる。
 しかし、左旋円偏波を受信するためには、左旋用のパラボラアンテナや建物内配線、分配器やブースターなどの機器、チューナーなどの新たな設備が必要となるなど、視聴者の負担も生じ、左旋の普及には難題を抱えている。



電波監理審議会会長会見用資料


放送政策の動向と展望 2016年11月 総務省

 第一段階は、2017年に開始予定の110度CS左旋を使った4K試験放送である。
 スカパー!JSATは、現行の110度CS、N-SAT-110が耐用年数を迎えることから、後継機としてJCSAT-15の打ち上げを2016年中に行う予定だ。
 JCSAT-15は、右旋用に加えて左旋用の13台のトランスポンダーを搭載し、総務省ではこの内、5トランスポンダーを使用して、4K放送、10チャンネル(トランスポンダーを2分割)を割り当て、4K試験放送を実施するとしている。2018年には4K実用放送に移行する予定だ。スカパー・エンターテインメントが8チャンネル、CSサテライト放送(ショッピングチャンネル)が1チャンネル申請している。
 ちなみにJCSAT-15の右旋はスカパーJSAT使用する。
 すでにスカパーJSATは、2015年から124/128度CSで、「スカパー!4K総合」、「スカパー!4K映画」、「スカパー!体験」のサービスを開始している。 

 第二段階は2018年には、BS左旋を使った4K/8K実用放送の開始である。
 BS17(右旋)では、2016年から4K/8K試験放送が開始されているが、これに加えてBS左旋でも実用放送を始めようとするものだ。
 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催の年に、4Kについては、BS左旋でトランスポンダー2台で、6チャンネルの追加割り当てを検討するとしている。 一方8Kの拡充については、受信機の普及、技術進展、参入希望事業者などを踏まえて、検討するとして、曖昧にした。
 さらに2025年ごろには、BSと東経110度CS左旋を4K/8K放送における中核的な伝送路として位置付け、多用な実用放送を実現する。そのために右旋と同程度の左旋受信環境の整備に着手するとしている。


キーポイントⅢ  BS右旋の再編
 BS17ch(右旋)では、2018年に4K実用放送3チャンネルを開始する。8K実用化放送はBS左旋に移行させる。
 2016年に開始した4K/8K試験放送では4K/8K放送で時間分割サービスを行っていたが、実用放送に移行するにあたって、4K専用チャンネルになる。
 さらに総務省では、実用化放送の開始にあたって、現在のBSの各社の使用帯域を“幅寄せ”して“自主的”に返上させて、トランスポンダーをもう一台分の帯域を確保し、合わせて4K6チャンネルの割り当てを行う方針だ。
 BSで4K放送を定着させ、普及拡大を達成をするためには、NHKと民放キー局でBS右旋で6チャンネルは必須である。WOWOWは“はみ出された”恰好だ。。BS右旋の帯域再編は必須となり、調整は難航すると思われる。


キーポイントⅣ  期限を2025年までに延長
 また前回の中間報告では、ロードマップの期限は2020年までとなっていたが、新ロードマップでは2025年まで延長して計画を定めた。
 4K/8K実用化放送の伝送路として位置付けられたBS左旋と東経110度CS左旋を使用し多様な超高精細4K/8Kサービスを実現する。そのための基盤整備として、右旋の受信環境と同程度の受信環境を左旋でも整備したいとしている。




総務省 4K/8Kロードマップに関するフォローアップ会合第二次中間報告

キーポイントⅤ  ケーブルテレビやIPTVの4K/8Kサービス
 IPTVやケーブルテレビでは相次いで4K実用放送を開始している。 さらに、2020年に向けて8K放送に向けた実験的取り組みにも着手する。
 BSやCSの衛星放送で、4Kサービスを開始するには、新たな帯域を確保しなければならない。既存の衛星チャンネルは満杯で新たな4Kチャンネルが入り込む余地はほとんどない。そこで、苦肉の策として“左旋”利用が登場するということになるが、受信環境が複雑になるのが大きな課題だ。地上波は満杯、まったく論外で、総務省も地上波で4K放送を始める予定はない。
 それに比べて、大量のチャンネルのサービスが可能なケーブルテレビやIPTVは、新たなサービスの4Kにも対応しやすいという優位性がある。
 「NTTぷらら」などが運営している「ひかりTV」は、2015年10月から、NTT東日本・NTT西日本の光回線「フレッツ 光ネクスト」を利用した4K-IPによるVODサービスを開始した。  日本で初の「4KコンテンツVOD」サービスとして、約450本の番組(2015年11月現在)を確保し、2016年3月末までに約700本に拡充する予定である。
 「ひかりTV」対応の4Kテレビは、5メーカー、60機種に広がり、スマホ向けの4Kサービスも開始した。
 そして、4K-IP放送サービスを2チャンネル立ち上げた。
 2015年11月、総合編成チャンネルの「ひかりTV 4K」(放送時間 10:00~26:00)、12月からは「エンタメ&トレンドニュース 報道チャンネル」(放送時間 10:00~26:00)を開始した。さらに2016年12月からは吉本興行と連携し、アイドルチャンネル「Kawaiian for ひかりTV 4K」を開始するなど4Kサービスに対する積極姿勢が目立つ。
 「ひかりTV 」の視聴者は、専用のセットボックスの設置と光回線「フレッツ 光ネクスト」の加入が必要となる。
 またテレビ向けの4K-VODサービスでは、2015年11月から、焦点の次世代超高精細映像、4K-HDRコンテンツの提供も始めた。
 一方、 スカパー!は、“プレミアサービス光”で、 CS-4Kのサイマルサービスで、「スカパー!4K総合」や「スカパー!4K映画」、「スカパー!体験」の3つのコンテンツを提供している。
 総接続世帯数約2,600万を抱えるケーブルテレビ(CATV)では、2015年12月1日、全国のCATV事業者が協力して、4K専門チャンネル「ケーブル4K」の放送を開始した。全国各地域のCATV事業者が地域の特色を生かした番組を制作して放送し、全国約2,600万世帯の家庭をカバーするCATVで、地域の生活を支えるメディアとしてプレゼンスを示したいとしている。
 「ケーブル4K」には、これまでに110を超すCATV会社が4Kチャンネルの採用を表明し、カバー世帯率は83%相当としている。当初は39社が参加予定で、全国2600万世帯の約半数が対象になる。
 「ケーブル4K」のコンテンツは、ケーブルテレビ連盟が地域CATV事業者と共同で制作する「けーぶるにっぽん」シリーズも用意。またチャンネル銀河、ファミリー劇場、ヒストリーチャンネルなどの専門チャンネルと連携して、スポーツ、エンターテインメント、趣味番組などのコンテンツもあわせて放送する。 これにBSやCSの4K放送の再送信が加わると、ケーブルテレビは4K普及の中核になりそうだ。


急成長している動画配信サービス インターネットTV(OTTサービス)
 ここ数年、インターネット回線を利用する動画配信サービスが急成長している。
 こうしたサービスは、OTT(Over-The-Top)と呼ばれているが、光回線の普及やLTEなどの移動体通信の高速化などの通信環境の基盤整備で、地上波や衛星波などの「空中波」との有意差はなくなり、超高精細の映像も容易に配信可能になった。
 インターネットTV(OTTサービス)事業者は、4Kサービスに意欲的だ。

▼ NETFLIX 4K
 2015年9月2日、日本に“上陸”する予定の世界最大のインターネットTV・オペレーター、“NETFLIX”は4Kもサービス開始している。“NETFLIX”は、映画やドラマが月額定額料金で“見放題”サービスがキャッチフレーズ、インターネット環境があれば、テレビ、スマホ、タブレット、PCなど多様な端末でサービスが利用可能だ。パナソニック、東芝、シャープ、LGでは、コントローラーに“NETFLIX”ボタンを搭載したテレビを日本国内で発売している。“NETFLIX”の4Kコンテンツは、プレミアム・サービスの契約をすれば視聴可能になる。

▼ Amazonプライム・ビデオ 4K
 2014年12月11日、パナソニック、ソニー、シャープ、東芝、日立の5社のエレクトロニクス企業によって設立されたアクトビラは、“4Kアクトビラ”を立ち上げ、有料VODサービスを開始した。また2015年7月6日、4Kストリーミング・サービスも開始した。4KVODサービスでは、映画やドラマ、ドキュメンタリー、グルメ番組、旅番組、スポーツなどを提供、4Kストリーミング・サービスでは、「NHKオンディマンド」のコンテンツ、自然番組やドラマ、旅チャンネルの旅番組を提供している。
 2015年9月25日、世界のメディア企業の“巨人”、Amazonは、動画配信サービス“Amazonプライム・ビデオ” を日本で開始した。Amazonプライム会員になり、年会費を払えば、他のプライム会員の特典の付加サービスとして、“Amazonプライム・ビデオ”が提供するすべての映像コンテンツをいつでも見放題で楽しむことができる。“Amazonプライム・ビデオ”は、AndroidおよびiOSのスマートフォンやタブレット、ゲーム機器、SmartTVなど様々な端末で視聴可能なサービスである。サービス開始と同時に、超高精細4K Ultra HD映像のコンテンツも提供した。

▼ dTV 4Kサービス
 2015年11月25日、エイベックス通信放送は動画配信サービス「dTV」で、4Kコンテンツの配信を開始した。
 4Kサービスに対応しているのは、ソニーモバイル製スマートフォンのXperia Z5シリーズの最上位機種、世界ではじめて4Kディスプレイを搭載したスマートフォンで、2015年9月にドイツ・ベルリンで開かれた家電見本市で発表された。5.5インチ4K(2160 × 3840)ディスプレイを搭載している。
 テレビへの4K配信についても、Android TV搭載の機種、ソニー「ブラビア」シリーズ、パナソニック「ビエラ」シリーズで対応機種が、今冬に発売される。
 4Kコンテンツの第一弾としては、人気音楽パーフォーマンス・グループ、「AAA」(トリプルA)のミュージックビデオシリーズ、2016年2月、初の4Kオリジナルドラマを制作してサービスを開始した。
 「dTV」は、NTTドコモとエイベックス・グループが設立したエイベックス通信放送が運営しているモバイル端末向けを中心にした動画配信サービス、契約者数は約468万件(2015年3月末)、配信コンテンツ約12万本、日本では最大の規模である。
 モバイル端末向けに4K動画配信を実現した技術開発力は評価できるが、スマホなどの小さな画面で4Kサービスを行っても、その超高精細の威力はどの程度効果があるのかは、はなはだ疑問である。3GやLTEを使用してK動画を楽しむと、その通信料の負担増の問題が大きいと思われる。

この他、家電業界が牽引するサービス、アクトビラも4Kサービスを始めているが、いずれもまだ開始して間もなく、コンテンツ不足は否めないが、放送サービスの枠外で急成長している次世代動画配信サービスの勢いは、今後目を離せない。



総務省 衛星基幹放送による超高精細度テレビジョン放送に関する今後のスケジュール 2015年12月25日


総務省 放送サービスの高度化に関する現状

誰も見れない4K8K試験放送
 4K8K試験放送の事業者を次世代放送推進フォーラム(NextTV-F)とNHKに認可した2月17日の電波監理審議会で、極めて重要な議論が繰り広げられた。
 吉田委員長代理は「先ほどご説明の中で、既に試験放送を経て、実用放送に至っている124/128度のCSとは技術方式が異なっていて、かつ伝送方式も異なっていますというご説明をいただいたのですけれども、そうしますと、受像機といいますか、受信機も方式が随分変わらざるを得ないと思います。となりますと、ユーザーにとりましては、買い換えないといけないのでしょうか」と疑問を投げかけた。昨年度、次世代放送推進フォーラム(NextTV-F)実施した“Channel 4K”やスカパー!がすでにサービスしている“スカパー!4K”とBS4K試験放送とは伝送方式が異なっているので、現在市販されている“Channel 4K”や“スカパー!4K”が視聴可能な4Kテレビでは、BS4K試験放送が見れないことを指摘した。4Kテレビを購入した視聴者がこのことを知っていたかどうかに懸念を示し、4Kサービスの情報が視聴者に適切に提供されていたどうか疑問を投げかけた。
 これに対し、総務省の担当課長は、BS4K試験放送は、新たなMMT等の多重化方式を入れた高度広帯域の伝送方式を採用したので、124/128度CS(スカパー!4K)が視聴可能な4Kテレビとはまた別の機能が入った受信機が必要になることを明らかにした。さらにBS4Kが受信可能なテレビの開発状況については、ようやく技術仕様も策定され受信機の開発に取り組んでいるが、市販されるのは2018年の実用放送の開始される頃になる見込みとしている。
 つまり、4K8K試験放送が始まっても受信機が市販されないので誰も見れないのである。
 もっとも、NTTぷららやNETFLIXなどのOTTサービスや、CATVの4K専門チャンネル「ケーブル4K」などの4Kサービスは、4Kテレビと対応セットボックスを設置すれば今でも楽しめる。CATVがBS4Kチャンネルを配信すれは、CATV経由で視聴可能にはなる。
 しかし、一体誰のための4K8K放送なのだろうか?
 世界に先駆けて4K8Kの本格的な放送を開始をして、超高精細サービスで主導権を握ろうとする日本の思惑は挫折寸前である。

視聴者不在の超高精細4K/8K放送
 地上波デジタル放送(HD)、BSデジタル放送(HD)、BS4K/8K放送(右旋)、BS4K/8K放送(左旋)、110度CS(SD/HD)、110度CS(左旋 4K)、124度/128度CS(HD/4K)、あまりにも複雑過ぎて、筆者ですら一度で理解できない。
 まして一般の視聴者が理解するのはほとんど不可能だろう。それぞれを受信するためには、専用のアンテナや宅内配線、ブースターや分配器、チューナー、対応受像機を新たに準備する必要がある。互換機タイプの機器もすでに一部は開発され、整理はされるだろうが、これだけ複雑怪奇になったテレビ・サービスに一般の視聴者はついて行くことができるのだろうか? しかも、数年おきに放送方式が目まぐるしく変わっていく。視聴者不在のスキームと言わざるを得ない。
 一体誰のための超高精細放送サービスなのか?

8Kのサービス・モデルをどう構築しているのか?
 世界で最先端を行く超高精細8Kの技術は、NHKが独走している。NHKの技術陣が総力を挙げて開発しているだけあって、2016年の8K試験放送、2018年の8K実用放送の実現は問題ないだろう。民放各局と違って視聴料に守られた豊富な財源や技術陣に支えられているからである。
 しかし、技術開発は、往々にして、技術優先主義に陥って、何に利用する技術開発なのか、どうやって使うのか、ユーザーの利便性は何かを検証することを怠るケースが往々にして発生する。常に開発された技術のサービス・モデル、そしてビジネス・モデルを念頭に置いて開発に取り組まななければならない。
 8Kのサービス・モデルをNHKはどう考えているのだろうか? 家庭に普及させるというモデルが現実なのだろうか、冷静に分析する必要がある。  筆者は8K映像をたびたび視聴している。大画面で見る8K映像は、確かに息を飲むような迫力がある。映画館、劇場、公共施設等でのパブリックビューイングでは明らかに素晴らしい超高精細映像技術だろう。
 しかし、40~50インチ程度のモニターで8Kを視聴すると、画面に目を近づけてみれば確かに、一目瞭然、8Kの映像の素晴らしい解像度ははっきり分かるが、4~5メートル程度離れて視聴すると、HD(2K)モニターとの有意差ははっきりわからない。4Kモニターを並べて見るとその有意差はほんどわからないだろう。 さらに次世代の高画質技術、4KHDR(high dynamic range imaging)が登場してきた。4KHDRと8Kを比べると有意差はほとんどなくなる。
 ハリウッド映画も含め海外の映像メディアは、HDの次世代の超高精細映像は4KHDRとしているという。
 無論、100インチクラス以上の大画面では8Kは威力を発揮するが、一般の家庭では無縁だろう。
 SDがHDに移行したときは、40インチクラスのテレビで見ても明らかに有意差があった。
 それでも4Kテレビは価格が下がってきたこともあって、売れ行きは好調といわれているが、さらに高額の8K対応のテレビやチューナーを買う視聴者は果たして何人いるのだろうか? また、家庭用の8K対応テレビやチューナーはまだ開発されていなく、市販もされていない。このような状況の中で、2020年、8Kの普及は絶望的だろう。視聴者の眼は厳しい。
 一方、非放送系の分野からは、超高精細8K技術は注目を浴びている。
 医療分野では8K超高精細は脚光を浴びている。またセキュリティ・システムの分野でも超高精細8Kの導入が始まろうとしている。8Kの監視カメラの映像は、微細な部分まで写り込むのでセキュリティ管理には威力を発揮する。
 8Kは、そのサービス・モデルやビジネス・モデルを慎重に検討しながら戦略的に開発を進めないと“無用の長物”となる懸念が生まれる。
 1964年東京オリンピックでは、カラーテレビが、レガシー(未来への遺産)となった。
 それがきっかで、日本は映像技術で世界の最先端に躍り出て、その後のHDの開発でも日本は世界をリードした。8Kは2020年東京オリンピック・パラリンピックのレガシー(未来への遺産)になるのだろうか? 負のレガシー(負の遺産)に転落する懸念はないのだろうか?


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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
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President
E-mail thiroya@r03.itscom.net / imssr@a09.itscom.net
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