さんがつの雪をじくじく踏みしめて詫びたいきもちだけがまだある
どなたに(咲くものまたは遠ざかりながら溶けゆくもののすべてに)
めずらしくいやな光をしたたらせ月がのぼってくる おめでとう
重心がゆれているのでこのひとのからだは恋をしているだろう
もうすこし煽ってという指示のもと言葉を尽くし秋刀魚をほめる
地場産という不可思議なことばにもゴシック体にも慣れて弥生は
情報を粗めに拾ういちにちのからだは寒く保つほかなく
work like a bee いちめんのゆきはらに罠をいくつもいくつもかけて
春泥のような会話にあらわれる秩序無秩序転移うつくし
圧力をかけて骨までだめにした春の鰊をいただきましょう