北緯43度

村上きわみの短歌置き場です

「未来」5月号(2017)

2018-07-07 | 未来

いくたびも川を見下ろすくらぐらと氷をのせたまま流れる水を

如月の息をこぼして朝夕のおまえはとても犬らしくなる

裂けながらはげ落ちながらこの冬のきわみに立っている裸の木

たどりつく夢からさめて水際に胸をよごしている鳥たちよ

かなしみが洩れてあたりを乱すまで川のかたちで待っていたのか


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