JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「夫婦善哉」

2010-02-21 | 映画(DVD)
「夫婦善哉」1955年 東宝 監督:豊田四郎

織田作之助原作の人情恋愛物。売れっ子芸者・蝶子(淡島千景)は化粧品問屋維康商店の息子・柳吉(森繁久弥)と駆け落ちした。蝶子は芸者をして生活を切り詰めるが、柳吉は遊んでばかり。次第のお金も底を付き、二人の生活は徐々に苦しくなっていく・・・。

ダメ男とそれを支えるしっかり者の健気な女という図式が大好き。これもその類の古典的文芸作品。森繁久弥が放蕩な若旦那を関西弁という文化の中で名演。

森繁の追悼にかこつけて淡島千景を見てやろうという魂胆は今回も・・・

健気でしっかり者なだけでなく甘えたりいちゃついたり可愛い。
何気なくあっちのほうをおねだりする件に森繁が「身体がもちませんわ」とか、からかって切り返す。
どうという事は無いのだけど着物での淡島千景の仕草に見惚れる。

この映画は柳吉が大阪の食道楽であるため随所に美味しそうな食べ物が登場するところも見所の一つ。

初めて蝶子の実家に行った時、父親が商売物で柳吉に振舞う「れんこんを揚げたの」
父親役の田村楽太がいい味出してます。調べてみたけど映画の出演は少ない。

山椒昆布を1日中付きっ切りで煮る柳吉の薀蓄。

自由軒のライスカレーは2人で仲睦まじく、また喧嘩して蝶子が一人で、またある時は蝶子が旧友と一緒に。

商売を始めた二人。客の勘定に付けて維康商店の番頭長助に食わせる関東炊。

借りた金で始めたカフェの閉店後、娘を引き取る相談の際に二人で分け合うお餅。

一杯山盛りよりニ杯にしてちょっとづつ盛った方が仰山に見える夫婦善哉。そして舞い散る小雪。

「頼りにしてまっせ」も名台詞として名高いけれど・・・
柳吉がふと呟く「そら、無理もないわな。」がたまらなく良い。この作品では2度呟く。
そう言えば前日鑑賞した「グラマ島の誘惑」でも宮様為久が同様の台詞を呟いてました。

下高井戸シネマ モーニングショー

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