JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「木乃伊の恋」

2016-12-16 | 映画(DVD)
「妄執・異形の人々 文芸篇」

「木乃伊の恋」1973年 円谷プロダクション=フジテレビ 監督:鈴木清順 原作:円地文子 16mm

「恐怖劇場アンバランス」の一本。甦った名僧の木乃伊は色欲の権化と化し、若い未亡人と交わり続けた挙句に産まれてきたのは、黄金のミニ淫乱菩薩集団だった!本性を無理に抑え続けるとろくなことはないという人間への警告か!?訳の分らない映画を撮るという理由で仕事を干されていた鈴木清順がドラマ界に殴り込み、究極の怪作を作り上げた。

「殺しの烙印」で日活の逆鱗に触れ映画製作から遠ざかっていた時にこんなドラマ撮ってたのね。
これまた訳の解らん。



上田秋成の「春雨物語」を口語訳した布川(浜村純)。それを口述筆記する未亡人編集者、則武笙子(渡辺美佐子)
ドラマは早々と「春雨物語」の世界へスリップして行き、この部分がほぼ前半を占めてしまう。
???の状態だが、この前半はまるで時代劇コメディというかコントというか・・・
入定して木乃伊になった僧の復活。
なんとこの木乃伊役が大和屋竺。色気違い。
いちゃいちゃを見せつける夫婦が良い。
精薄との限り無い交わりで金のミニ菩薩を大量に産ませる。







後半は口述筆記の場面になって、ここからは打って変わってのスリラー展開。
入定した僧のセックスへの執着。
それはまた布川の執着。布川が語る笙子の亡夫の執着。
布川先生は笙子が若い頃には相当セクハラ行動が多かったようです。
さて、未亡人笙子を演じる渡辺美佐子がどうにもこうにもエロっぽい。
多くの出演がある渡辺さんも単刀直入なエロさは本作が一二を争うんじゃないのってくらい。
亡き夫との愛の期間が僅か1年半というのもエロさに手頃な期間で・・・・
性への執着は実のところ未亡人笙子の側にこそという事が明確になっていく。



雨の中、着物の懐に手を差し入れて・・・、すわオナニーかと思わせぶりが、これは懐の夫の写真を取り出しただけ。そりゃそうか。
サングラスの謎の男が亡夫なのか、寝たきりのはずの布川先生なのか・・・

激しい雨の中の情事。着物が汚れて大変でしょうに。
不細工でやる気の無さそうな女中がいい味出してた。

まさに究極の怪作。妄執の人は監督自身でしょう。

ホストの青島幸夫はあまり機能してないようにも思うが、ヒッチコック劇場パターンでやりたいんだからしょうがないか。
青島幸夫のシーンは各監督さん、関わっていないんでしょう。

シネマヴェーラ渋谷

にほんブログ村 映画ブログへ blogram投票ボタン

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「殺しのゲーム」 | トップ | 訃報 島木譲二さん »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(DVD)」カテゴリの最新記事